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メンタル疾患社員の休職終了判断はどうやってだす?産業医の復職判定とは

2022.02.25メンタル疾患

今回は、休職者の復職判定のポイントと産業医が行う復職判定についてご説明します。

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会社の指定する医師の復職判定結果で判断

休職者本人から復職の申請があった場合は、主治医の診断書だけで判断せずに、産業医等会社の指定する医師にも診断を依頼しましょう。それらの結果を合わせて、最終的に会社が復職の可否を判断します。その手続きの内容は、就業規則にきちんと記載しておく必要があります。

復職可能の診断書の提出

メンタルヘルス不調者は、病状がある程度回復してくると、復職に対しても意欲的になります。しかし中には、復職を焦るあまり、まだ出社可能なレベルまで回復していないのに、主治医に頼み込んで「復職可能の診断書」を会社に提出してしまう人も。

しかし、生活リズムがきちんと回復してから復職させないと、再発の原因となります。出社可能なレベルに回復するまでの期間には個人差がありますが、休職を開始してからおよそ3~6か月程度はかかるようです。

主治医の復職判定は、普通の生活ができるレベルかどうかであるのに対して、会社の産業医が行う復職判定は、従前の業務が支障なくできるかどうかであり、基準に差があるのが一般的です。そのため、主治医の診断書のみによる復職可否の判断は慎重に行う必要があります。

・主治医と産業医で意見が分かれた場合はどうする?

基本的に主治医が復職を認めた場合は、復職させなければなりません。万が一、主治医と産業医で復職に関する意見が分かれた場合、産業医の意見を尊重するほうがよいこともあります。これは、産業医と主治医の立場の違いが、理由に挙げられます。

主治医は患者の治療を行い、メンタル疾患の患者には本人の希望をできるだけ優先させるようにします。場合によっては、主治医の診断書や判断が従業員の希望通りになる可能性が考えられるでしょう。

一方、産業医は問題なく業務ができるかを基準に判断します。企業と従業員にとって中立の立場であり、ストレスがかかる労働環境や業務を問題なく行えるかを判断しなくてはなりません。そのため、企業内の状況と従業員の状態の双方から医学的判断を行えます。

主治医が復職を認めた場合は診断書の内容をよく確認し、診断内容に疑問がある場合は必ず主治医に確認しましょう。特に復職可能ではなく、考慮が必要などの条件が記載されていた場合は、詳細まで確認することが大切です。

ただし、復職可能と判断されていても求められる配慮の実現が難しい場合は、復職を認めなくても構いません。

復職判定の基準はある?

厚生労働省が発表している「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」には7つの例が記されています。

  1. 労働者が職場復帰に対して十分な意欲を示している
  2. 通勤時間帯に1人で安全に通勤ができる
  3. 会社が設定している勤務日に勤務時間の就労が継続して可能である
  4. 業務に必要な作業 (読書、コンピュータ作業、軽度の運動など)をこなすことができる
  5. 作業による疲労が翌日までに十分回復していることなどのほか、適切な睡眠覚醒リズムが整っている
  6. 昼間の眠気がない
  7. 業務遂行に必要な注意力・ 集中力が回復している

そのため、たとえ従業員本人が復職を希望していても、上記の基準に満たないと判断した場合は復職をさせないほうがよい可能性もあります。復職をさせる場合は、どのような対応をすれば従業員が働きやすいかを本人や産業医と相談しながら進めていくことが大切です。

仮に従業員が回復していない状態での復職を求めた場合、一定期間の業務軽減や他の業務であれば復職ができる場合などは、できるだけ復職を認めるほうがよいでしょう。もし復職を認めず、退職扱いにすると不当解雇とみなされる可能性があるからです。

当然、企業が際限なく従業員の要望を叶えることはできません。そのため、復職後3か月程度を基準に考えます。業務量や勤務時間を調整するなどの配慮を3か月以上続けた場合は、十分に配慮したとみなされます。

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復職後半年間のプランづくりが成否の分かれ目

メンタルヘルスの不調等で会社を休んでいる人の復職後の再発を防止し、無事に復職させるためには、復職後からさらに6か月程度の期間、業務の軽減措置が必要となるのが一般的です。復職直後は業務の負荷を大きく軽減し、その後、本人の体調を見ながら、少しずつ業務量や業務の種類を元に戻していきます。

通常のパターンでは、復職1か月目は、内勤でできる単純な仕事を割り当てます。出張や残業をさせることなく、資料の閲覧や整理、これまでの仕事の状況の把握、物品の整理等をやってもらいます。

休職前に勤務していた部署の人間関係などに問題がなければ、所属は変えないまま、こうした仕事を用意することもあります。当面の業務は、「高度な判断や均衡を必要としない、自分のペースで進められる作業的な仕事」が適しています。

顧客や他部署との均衡や調整、責任のある判断を伴う業務や短い納期の仕事等はあまり向いていませんし、再発させてしまうことになりかねません。

このように、復職後は本人や関係者と合わせながら、徐々に会社の業務慣らしていくのがよいと思われますが、このようなルールを「リハビリ出勤制度」として確立している会社もあります。休職者の回復の程度も異なりますので、原則的なルールを決めたうえで、関係先と合わせながら、慎重に運用していく必要があります。

(田代コンサルティング代表・田代英治)
引用:Q&Aで納得!労働問題解決のために読む本

復職のタイミングは産業医との連携が必須

日常生活ができることと復職ができることとでは、全く判断基準が異なります。仕事ができるような状態であるかどうかは、産業医の見解も聞くことが大切です。

もし復職できるタイミングではないのに通常業務に戻った場合、業務パフォーマンスの低下だけでなく、再度休職になる可能性も高まります。休職を繰り返す社員は、もしかすると復職タイミングを誤っているのかもしれませんので、一度産業医に相談することをおすすめします。

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監修

栗原 雅直医師
くりはら まさなお

東京生まれ。東京大学医学部医学科卒業、東大病院精神神経科に入局。1960年東大大学院生物系研究科博士課程修了。医学博士。2年間のパリ大学留学後、東大病院医局長、1966年虎の門病院勤務。初代精神科部長。川端康成の主治医を務めた。1990年大蔵省診療所長。財務省診療所カウンセラー