大人の発達障害。仕事で気を付けることは?|Avenir産業医

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大人の発達障害。仕事で気を付けることは?

2018.02.26職場環境

最近「大人の発達障害」というキーワードが話題になっています。

大人の発達障害ってなに?

発達障害は大きく3つに分けられます。
1つ目は以前アスペルガー症候群(AS)と言われた自閉症スペクトラム(ASD)。
2つ目は注意欠如多動性障害(ADHD)。
3つ目は学習障害(LD)となります。

自閉症スペクトラム(ASD)

ASDは、ASDは”Autism Spectrum Disorder (Disability)” の略。社会的コミュニケーションの障害を生じる発達障害の総称で、いわゆる昔ながらの「自閉症」と、「アスペルガー症候群」などが含まれます。特徴として、空気が読めない、独特のこだわりや振る舞いが見られます。

仕事の中で下記のような特徴がみられます。
1、グループワークが苦手
ASDの特徴として集団行動が苦手という特徴があります。その理由として、人との距離感のつかみ方がわからない、足並みのそろえ方がわからない、個人の行動が独特で周りに理解がされない、個人の感情を優先する為、周りを混乱させるなど。

2.他社とのコミュニケーションが苦手
人の気持ちや感情を読み取る能力が低いケースが多く、相手がなにを思っているのか、会話の中で何を求められているのかがわからず、会話のキャッチボールがうまくいかないケースがあります。また、臨機応変さを求められる仕事では思考がまとまらず会話の中で何を伝えたいのかがわからず報告できないということもあります。

3.自己流で物事を進めてしまう
ASDの特徴としてこだわりが強いということがあります。自分がおもった手順ややり方を逸脱してのやり方に不安を覚えるためです。今まで違ったやり方をした場合に対する経験がなく、困惑を覚えます。

マニュアルを渡しても、やったことのない作業の場合、不安を覚えなかなか作業が進まないケースが多く、作業指示からはずれたことをやってしまうこともあります。

注意欠如多動性障害(ADHD)

ADHDは”Attention Deficit Hyperactivity Disorder”の略で、日本語では注意欠如多動性障害と訳します。
ADHDには3つの特徴があります。

不注意
集中力が持続しない。忘れっぽい。
多動/衝動性優勢型
落ち着いて何かをすることが苦手
衝動性
計画性が乏しく、衝動的に行動してしまう

1.様々ことを同時に考えてしまう
マルチタスクができるというわけではなく、一つのことに集中して考えることが苦手なため、つい他のことを考えて気が散ってしまうという傾向があります。また、それとはまったく反対に集中しすぎて周りがみえなくなるというケースも。ひとつのことに集中できないことに加えて、さまざまなタスクを同時に効率よく片付けていくことも苦手として、どこから手をつければいいかわからず作業が進まないという場合もあります。

2.気分変調が激しい、突発的に行動してしまう
周りの空気にあわせず自分が思ったことを発言してしまったり、相手の発言を遮って発言をしたり、順番が待てなかったり、感情のコントロールが苦手で怒りが抑えられないという特徴があります。短期間で転職を繰り返す人の中にはADHDであるケースも多く、辛抱ができないわがままな人間だと思われることもあります。

3.ミスや忘れ物が多い
仕事でのミスや抜け漏れがおおいという特徴もあります。ひとつのことに注意関心を向けることを苦手としているため、ケアレレスミスを繰り返したり、忘れ物をしたりといった行動が目立ちます。本人も気にしているケースも多いのですが、周りがそれを理解してあげられないことが多く「仕事ができない人間」というレッテルが張られやすいのです。

学習障害(LD)

 LDは”Learning Disorder”または”Learning Disability”の略。文章を正確に読んだり、書いたり、理解したりといったことを苦手とします。また、数を使った概念が苦手な人もいます。

1.文章を読むのが苦手
マニュアルを読んで作業をすることを苦手とします。何を書いているのか理解できない場合があり、作業ミスにつながりやすくなります。

2.メモがとれない
作業指示にメモをとることが多いですが、LDの人はメモをとることが苦手なためその場で聞きながらメモをとることができない場合があります。
ただし、ノートに書くということが苦手なだけな場合がおおく、pcやタブレットなどキーボードで打つことに関しては苦手としていないケースもあり、紙に固執しないコミュニケーションを行うことで円滑に仕事が進む場合があります。

大人の発達障害、どう対応すればいい?

まずは対象となる人の状況をきちんと把握する必要があります。単なる性格や能力ですませずその裏にある原因をきちんと探るようにします。その中で発達障害の疑いがある場合は、仕事に対する指示の方法を対象者にあったものに変更し、極力寄り添うようにしましょう。特にADHDの場合は下記のような対応を意識するとよいです。

たとえば、
1.できたことをほめる
「他者の気持ちが理解できない」ということは、その場でどのような言動が望ましいのかわからないということにも繋がります。結果として何がいいことなのか、何がダメだったのか言葉できちんと説明してあげるようにしましょう。

2.あいまいな指示をしない
適当にやる、周りをみながらやるということを苦手とする場合が多いため、あいまいな指示は本人の負担になります。何をいつまでに、どういう手順で行うのかまで明確に指示をしてあげることで本人も迷わずに作業を進めることができるようになります。

3.集中できる環境をつくる
騒がしい環境や周りに違う作業者がいる環境の場合、目に入ってしまい気が散るケースがあります。その場合はパーテーションで区切るなどの対応をしましょう

4.できないことを責めない
本人もできないことに悩んでいる場合が多く、責めることでますます委縮し仕事ができなくなるということがあります。できないことを責めず、なぜできなかったのか、どうすればできるようになるのかを具体的に示すことで仕事の効率が上がります。