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産業保健師とは。仕事内容や企業における役割を紹介

2022.08.12産業保健師

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産業保健師とは。仕事内容や企業における役割を紹介

皆様は、企業で働く「保健師」のことをご存知でしょうか?

「企業の産業医」についてはご存知でも、「企業の保健師」についてはあまり馴染みのない方も多いかもしれませんね。

保健師の存在は幅広く認知されていても、企業で働く「保健師」については、全体的な認知度は一般的な保健師と比較すると、低いかもしれません。

産業保健師は一般的な保健師とどう異なり、企業の産業医とどういった違いがあるのでしょうか?

今回は、企業で働く保健師、「産業保健師」について見ていきたいと思いますので、これを機に、企業へ新たに産業保健師の設置をご検討されてみてはいかがでしょうか?

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こちらの資料では、より詳細に産業保健師の具体的な仕事内容や選ぶ際に注意すべきポイント、活用事例などを説明しております。

自社内に産業保健師を設置したいが方法がわからない、産業保健師を選ぶ際に注意点を知りたい、産業保健師が実際に何をするのかわからない方はぜひこちらの資料をご覧ください。

産業保健師とは

産業保健師とは企業内で働く保健師のことです。
一般的な保健師は、病気や怪我を未然に防ぐための保健指導に従事します。しかし産業保健師は、企業で働く従業員の健康維持や改善を目的として業務に従事します。
産業保健師は産業医や人事担当と協力しながら、従業員の健康面をサポートしていく役割があります。
産業保健師の勤務場所は企業内の保健室や医務室などと呼ばれるスペースで、体調不良を訴えてきた従業員に対応します。
学生時代に保健室を利用した経験がある方もいると思いますが、同様のイメージを持つと良いでしょう。
健康面や怪我などに備えて産業保健師がいると、企業で働く従業員にとって心強い存在となるでしょう。

産業保健師の割合は少ない

保健師として活躍している方は多く存在していますが、産業保健師として業務に従事している方はそこまで多くありません。
「令和2年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」を参考にすると、企業(事業所)で働いている保健師は3,789人であることが分かりました。保健師として従事する方の合計は55,595人であるため、産業保健師はそのうちの7%弱の割合です。

参考:令和2年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況

これは産業保健師を設置する企業が少ないことが影響しているといえます。
また、産業保健師は保健師業務においても人気が高いとされていますが、産業保健師の求人が少ないため激戦枠でもあります。
産業保健師が人気な理由は、大企業の求人が多く、給料が高く設定されていることや、休日などの待遇が良い傾向にあるからです。

産業保健師になるために必要な資格

産業保健師になるためには「保健師」と「看護師」の2つの資格が必要です。

保健師と看護師はそれぞれ異なる資格であり、どちらか一方だけでは産業保健師として勤務することができません。

また、両方の資格を取得するには、大学や専門学校などで勉強をする必要があります。最低でも4年は勉強する期間が必要です。

どのような企業が産業保健師を必要としているのか

近年、健康経営を掲げる企業が増えてきました。健康経営とは、従業員の健康に配慮することで経営面において大きな成果が期待できるという視点から、経営の視点から健康管理を考えて戦略的に実践することです。

これまで従業員の健康に関しては企業の人事担当が運用・管理をしていたと思います。しかし、健康経営を掲げる企業においては、人事担当だけでは賄いきれなくなってきました。

そのため、産業医や人事担当の負担を軽減して従業員の健康管理をしたい企業は、産業保健師を必要としています。

産業保健師の役割と仕事内容

産業保健師の役割と仕事内容

産業保健師は、各従業員の健康診断結果のデータ整理、職場内で発生した怪我や病気の治療、社員への保健指導業務を行います。

また、過重労働やメンタルヘルス対策、休職者や長時間労働者との面談、職場視察の同行、安全衛生委員会への出席なども産業保健師の役割です。一部の業務は産業医の補助をする形で従事する場合があります。

産業医とは別に産業保健師を設置する6つのメリット

社内のより徹底した健康管理実現を目指す手段としまして、既に設置されている産業医以外にも、産業保健師を設置する選択肢が挙げられます。

産業保健師の設置は義務付けられておらず、そのため設置している企業は全体的に少ないことが現実ではありますが、一方で設置するメリットがありますので、これから見ていきましょう。

産業医とは別に産業保健師を設置する6つのメリット

①産業医と企業の橋渡しとなる

企業が産業医を設置した場合であっても、産業医が不在になることがあります。その結果、情報伝達などがスムーズに行えない場合があります。嘱託産業医であれば、月に数回の訪問になる場合も珍しくありません。

一方の産業保健師は常勤であることが多く、産業医による面談日程や業務の調整をする役割を担うため、必要事項を都度伝えることができます。

従業員としても産業医より産業保健師のほうが接しやすく感じることがあり、日常的な相談がしやすい対象となります。

そのため、産業医との橋渡し役を担ってくれることが期待できるのです。

②産業医ではカバーしきれない従業員の不調に対応できる

産業保健師の業務内容は産業医と重複することが多いです。だからこそ、普段忙しい産業医だけでは対応できない業務のカバーができます。

従業員の不調への対応を産業保健師が行うことで、より徹底した健康管理を実現できるでしょう。

もちろん、できうる業務を幅広く対応することで、産業医の負担軽減が見込めます。従業員の健康管理をより徹底するために、産業保健師を設置するケースも考えられます。

③産業医より従業員との接触回数・時間が長く相談しやすい

先述のとおり、従業員は産業医よりも産業保健師のほうが接しやすい場合があります。常勤の産業保健師であれば、従業員の健康相談窓口のような役割を担えるため、産業医以上に従業員の健康相談の対象として身近な存在になるでしょう。

従業員にとって身近な存在になることで、接触回数が増えて、その分健康相談や面談をしやすい対象となります。

④セミナーや講演会の講師を依頼できる

産業保健師に社内向けのセミナーや講演会を依頼することが可能です。外部の専門家に依頼するよりもリーズナブルな価格で依頼できます。また、普段は忙しい産業医よりも依頼しやすいかもしれません。

産業保健師も健康に関しては専門家ですし、健康維持や健康回復のための専門知識を活かして活動しています。

例えば、メンタルヘルス対策、過重労働対策など、企業全体の課題に対するテーマで話してもらっても良いでしょう。また、禁煙や腰痛など、従業員にニーズがありそうな内容のセミナーも支持されます。

⑤健康イベントなど自ら施策を考案してくれる場合もある

健康経営の視点から、社内で健康イベントを開催する場合があります。このような健康イベントを産業保健師が提案することも考えられます。

特に日頃から授業員の健康管理のために従事している産業保健師は、社内の健康に関する課題を把握しています。そのため、よりニーズに沿った健康イベントの提案ができるのです。

ウォーキングやジョギング、ヨガ、社内運動、メタボリック対策など、さまざまな健康イベントの助言をしてくれるでしょう。

⑥社内担当者のサポートをしてもらえる

企業の管理職は産業医や産業保健師と連携して、社内のさまざまな課題を把握して改善をしていきます。社内の健康管理に関しては、人事労務担当や衛生管理者も関係するでしょう。

さまざまな側面を考慮すると、産業保健師が関係する事柄が非常に多いことが分かります。企業が健康経営を掲げているならば、より一層のサポートが必要となるでしょう。

産業保健師の存在は、社内の担当者にとって非常に心強い存在であるといえます。社内担当者が産業保健師のサポートを受けることで、健康経営などがより効率的に進みます。

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産業保健師を設置する際の2つの注意点

産業保健師とは。仕事内容や企業における役割を紹介

産業保健師は産業医とセットで設置する

産業医は、従業員数50名以上の企業で選任・設置する必要があり、それにも関わらず設置していなかった場合は罰則に該当し、50万円以下の罰金が発生します。

そのため、産業医設置要件のある企業では産業医を設置する必要がありますし、企業規模によりましては企業に専属した勤務形態を取る、専属産業医を設置する必要があります。

1,000名以上の企業もしくは有害業務従事者500名以上の企業は1名以上の専属産業医を、従業員数3,001名以上の企業は2名以上の専属産業医を設置する必要があります。

それ以外の、従業員数50~999名以下かつ有害業務従事者500名未満の企業は、1名以上の嘱託産業医を設置する必要があります。

従業員数50名未満の企業では、産業医の選任が義務付けられておりませんが、仮にそのような小規模事業所で産業保健師を設置されたい場合は、まずは産業医を選任してから設置することが望ましいです。

産業保健師は、その専門的立場から健康指導や保健指導に当たりますが、より高度な専門知識を有する産業医と一緒に業務をすることで、更に力が発揮できるでしょう。

産業保健師は産業医のフォロー対応ができると同時に、産業医がいることでより実力を発揮した業務も期待できます。

そのため、産業保健師は産業医とセットで設置をすることが望ましく、だからこそより徹底した健康管理が実施できるのではないでしょうか?

従業員の病気やけがへの迅速な対応やメンタルヘルス対策、健康診断や事後措置などをより徹底化するという意味でも、保健師は産業医とセットで設置しましょう。

産業保健師では対応できない範囲がある

先に述べたように、保健師では対応できない範囲がありますので、そこを理解しておくことが大切になってきます。

そもそも産業保健師の保有する資格は医師免許ではありませんので、対応範囲は似て非なるものです。

産業医は、医学の専門的知識を持った上で指導や助言などをしていきますが、保健師はあくまで健康指導や保健指導をしていきます。

通常の産業医業務は、従業員との面談や職場巡視、ストレスチェック実施や事後措置、健康診断結果のチェックや事後措置、衛生委員会への参加や社内講和の実施などが挙げられます。

企業の保健師は、これら業務を分担して実施しますが、健康診断結果のデータ整理や分析、職場内でのケガや病気の治療、従業員のメンタルヘルス対策などに当たります。

従業員の健康管理をメインで実施し、健康管理の指揮を執るのが産業医、産業医のフォローをしていき、従業員の相談窓口となる存在が保健師といえるかもしれません。

産業保健師を選ぶ際の4つのポイント

産業保健師は設置が義務付けられておりませんが、実際設置する場合、報酬をはじめとした様々な面で産業医よりもハードルが低い存在でもあります。

産業保健師を選ぶ際も、産業医と同様にポイントを押さえておくことが大切ですが、そのためにはどこに注意すれば良いのでしょうか、これから見ていきましょう。

産業保健師を選ぶ際の4つのポイント

①知識量だけでなくコミュニケーション力やカウンセリング能力が重要

どこの企業でもコミュニケーション能力の高い人材を求めることは共通するポイントになるでしょうが、同様のことが産業医や産業保健師にもいえますし、だからこそより確かな業務ができるのではないでしょうか?

産業医選任時に大切なこととして、豊富な知識量のみならずコミュニケーション能力やカウンセリング能力が挙げられますが、同様のことが産業保健師にもいえるでしょう。

特に日常的な健康相談窓口ともなる産業保健師は、より高度なコミュニケーション能力が求められてきますし、それが備わってこそ、健康相談をしやすい対象になってくるといえます。

コミュニケーション能力が高ければそれだけ従業員も心を開くでしょうし、確かな実力と経験があれば信頼もされ、カウンセリング能力が高ければより適切な傾聴ができ、説得力のある助言が期待できるのではないでしょうか?

企業の将来性のためにも徹底した健康管理や保健指導が重要ですが、それを実現するためにも、豊富な知識量と高いコミュニケーション力とカウンセリング能力を有した産業保健師を選任することが適切です。

産業保健師を選任される際には、知識量や経験以外にも、コミュニケーション力やカウンセリング能力について事前に確認しておきましょう。

②事務処理の能力は必須

学生時代、学校保健師(養護教諭)のお世話になったことがある方でしたら、その日常業務を見たことのある方も多いでしょう。

普段のけがや病気、相談への対応以外にも、机に向かって事務処理をしている場面も多い保健師ですが、事務処理も大切な日常業務になってきます。

より優秀な産業保健師を設置される場合、事務処理の能力の確認は必須です。特に、健康診断のデータ管理で、Excelのスキルは必須ですが、保健師は、苦手な方が少なくありません。2021年現在、保健師としての経験に加え、この事務処理能力が重視されています。場合によっては、経験<事務処理能力という場面も少なくありません。

専門家としての知識力に、コミュニケーション力やカウンセリング能力、そして事務処理能力を備えわせてこそ優秀な産業保健師といえ、そのような産業保健師を設置することで、より徹底した健康管理が実現するのではないでしょうか?

③企業での実務経験の有無も大切

よりクオリティの高い産業保健師を設置したいとお考えの場合、企業での実務経験がある産業保健師であればそれだけ期待もできるでしょう。

ある程度場数を踏んでいるか、実務経験が未経験かによって明暗が分かれる部分もありますし、経験があればそれだけスムーズに業務に入ることができるでしょう。保健師はほぼ全てが看護師を経験しています。医療機関で勤務する看護師と保健師のベース知識で求められるものは似ていますが、近年の高度化する産業保健、メンタルヘルス予防体制について、一般企業での力学を理解しているか、していないかでは大きな生産性の差が現れます。

特に初めて産業保健師を設置される場合は、企業での実務経験のある産業保健師を設置された方が望ましいかもしれません。

そのためにも企業での実務経験の有無や経験年数について、事前に確認しておくことが大切になってきます。

産業医と同様に、産業保健師も設置前にスキルや経験など、気になることは事前確認をしておきましょう。

④産業保健師の紹介サービスを利用したほうが効率的

産業保健師を探す方法として挙げられる方法は、産業保健師の求人を出すことと産業保健師の紹介サービスを利用する方法があります。

ただし求人を出して産業保健師と面接を実施する場合、産業保健師としての能力を見極めることは通常の従業員採用面談と異なりますので、様々な面で勝手が違います。

特に企業に産業保健活動の専門家がいない限り、産業保健師の本質を見抜く採用面接は困難を強いられることが予想されますし、求人広告を出すことや面接対応することも手間や時間がかかってきます。

けれども産業保健師の紹介サービスを利用すれば、このような労力をカットすることができますし、より企業に適切な産業保健師を見つける確率もアップします。

企業にマッチングした産業保健師を設置するためにも、産業保健師の紹介サービスを利用することで、より効率的に探すことが可能になってきます。

産業保健師をお探しの際は、専門の紹介サービスを利用することでよりマッチングした優秀な人材を見つけることができるでしょう。

特に産業保健師に確実な経験や能力、人柄を求める場合は、紹介サービスを介して効率的に探してみてはいかがでしょうか?

産業医紹介サービス会社の中には、産業保健師の紹介に対応している会社もありますので、産業医とセットで探すことも可能です。

まとめ

産業保健師も労働者の健康管理のために大切な役割になりますが、それ以上に産業医の存在は必要不可欠になってきます。

労働者の健康管理と、職場の安全管理を本気で考えるのなら、優秀な産業医を選任する必要があります。

産業医クラウドで産業医選任を一任すれば、厳選された優秀な産業医の中から、より企業にマッチした産業医を見つけることが可能です。

職場の状況改善と大切な労働者たちの健康管理をするためにも、まずは産業医クラウドにお問い合わせいただき、優秀な産業医/産業保健師探しをスタートさせましょう。

優秀で、よりマッチした産業医/産業保健師探しのため、スタッフも最大限のお手伝いをさせていただきます。

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監修

栗原 雅直医師
くりはら まさなお

東京生まれ。東京大学医学部医学科卒業、東大病院精神神経科に入局。1960年東大大学院生物系研究科博士課程修了。医学博士。2年間のパリ大学留学後、東大病院医局長、1966年虎の門病院勤務。初代精神科部長。川端康成の主治医を務めた。1990年大蔵省診療所長。財務省診療所カウンセラー