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【医師監修】産業医は何人を設置する義務がある?

2022.04.14産業医

産業医は何人を設置する義務がある?産業医を探すなら産業医クラウドがおすすめ
突然ですが、産業医の必要人数について考えたことはありますか?

産業医の選任・設置に携わったことがなければ、即答が困難な方も多いかもしれません。

面談や衛生講和などを通じ、産業医と顔を合わせたことのある方では、1人の産業医しか見たことがないという方から、複数の産業医を見たことがあるという方まで様々かと思いますが、そもそも産業医の人数には、決まりがあるのでしょうか?

これから産業医の設置人数や産業医要件などについて触れていきますので、「自社では、何人の産業医が必要なのか」チェックしてみてください。

従業員規模によって適した産業医は異なります。
こちらの資料では、自社に適した産業医の選び方やその活用方法、休業者の発生リスクなどがわかります。

自社に合った産業医を選びたい方がわからず、どのようにして産業医を選ぶか知りたい方はこちらの資料をご覧ください。

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産業医設置の有無や人数に決まりはあるの?

産業医設置の有無や人数に決まりはあるの?
まず初めに、産業医の設置義務や人数に決まりがあるのか気になる方も多いと思いますので、そちらにスポットを当てて見ていきましょう。

産業医設置の義務について

産業医の設置要件は、以下の通りです。

<産業医設置要件>

常時50人以上の労働者を使用する事業場 産業医の設置が必要
有害業務(労働安全衛生規則第13条第1項第3号に掲げる業務)に
常時500人以上の労働者を従事させる事業場
専属産業医の設置が必要
常時1000人以上の労働者を使用する事業場 専属産業医の設置が必要
常時3000人をこえる労働者を使用する事業場 2人以上の専属産業医の設置が必要

簡単に述べますと、1事業所50名以上の企業では、産業医を選任・設置が必要です。同時に従業員数が1,000名以上、もしくは有害業務従事者500名以上の事業所であれば、嘱託産業医ではなく、専属産業医の設置が必要となります。嘱託産業医と専属産業医の違いが気になる方も多いと思いますので、それぞれの特徴についてもざっと見てみましょう。

<嘱託産業医と専属産業医の特徴>

嘱託産業医 一般的に、月に1~数回、事業所訪問をした上で業務を実施する産業医を指す
病院やクリニックなどに勤務する傍ら、産業医業務に携わることが多い
事業所に勤務する従業員数により、支払い報酬が決定する
専属産業医 一般的に、週に3~5日、1日3時間以上事業所勤務する形態で業務に携わる産業医
従業員とほぼ変わらない勤務形態であることが特徴
勤務日数や産業医経験年数により、支払い報酬が決定する

<産業医設置は法律で定められている?>

労働安全衛生法第13条第1項、労働安全衛生規則第13条第1項第1号におきまして、事業者は、産業医を選任すべき事由が発生した日から14日以内に、医師の中から産業医を選任し、厚生労働省令で定められた業務を実施させる必要があると定められています。

労働安全衛生法第13条第1項には、「医師のうちから産業医を選任し、その者に労働者の健康管理その他の厚生労働省令で定める事項…を行わせなければならない」とありますが、同法第120条では、第13条第1項の規定に違反した者は50万円以下の罰金に処するという罰則規定も定められています。それだけ従業員の健康管理や職場の安全管理、産業医選任が大切な業務であることが分かるのではないでしょうか。

専属産業医が必要であるにも関わらず、嘱託産業医を設置していた場合や、適切な産業医業務を実施しない「名義貸し産業医」を設置していた場合も処罰の対象となると考えられますので、産業医選任・設置の際は注意する必要があります。

産業医の設置人数について

「1,000人以上の企業には専属産業医が必要だと分かったけれど、1,000人の企業も、5,000人の企業も、設置する専属産業医の人数は1名で良いの?」と首を傾げる方もいらっしゃるかもしれません。従業員数が多ければそれだけ産業医の業務量は増え、従業員の人数に応じて責任も増しますが、産業医の設置人数はどのようになっているのでしょうか?
次に、産業医の設置人数について見ていきましょう。

<産業医の設置人数>

常時50人以上の労働者を使用する事業場 1名以上の産業医の設置が必要
有害業務(労働安全衛生規則第13条第1項第3号に掲げる業務)に
常時500人以上の労働者を従事させる事業場
1名以上の専属産業医の設置が必要
常時1000人以上の労働者を使用する事業場 1名以上の専属産業医の設置が必要
常時3000人をこえる労働者を使用する事業場 2名以上の専属産業医の設置が必要

なお、「1名以上」の産業医が必要な企業に、「2名以上の」産業医を設置しても問題はありません。産業医によっては対応分野が限られているケースもあるでしょうから、通常設置されている産業医以外にも産業医を設置する企業もあります。

例えば、専属産業医を設置しながら嘱託産業医も設置している企業や、設置している産業医に加えて、単発で産業医を派遣してもらう企業も存在します。そうすることで、産業保健活動を拡大し、さらなる従業員の健康増進・回復率向上を見込むことも可能になるでしょう。

産業医は医師なら誰でもいいの?産業医の要件

産業医は医師なら誰でもいいの?産業医の要件

産業医になるためには複数の要件が必要

産業医は、企業に所属する従業員の健康管理を担う医師です。当然産業医も医師免許を所持しており、なかには医師資格を有する者であれば誰でも産業医になれるという印象を持っている方もおられるかもしれません。

しかし、産業医になるには複数の要件を満たさなくてはなりません。

産業医の要件は労働安全衛生法第13条第2項によって「労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識について厚生労働省令で定める要件を備えた者でなければならない」と定められており、労働安全衛生規則第14条第2項において以下のとおりとされています。

  • 法第十三条第一項に規定する労働者の健康管理等(以下「労働者の健康管理等」という。)を行うのに必要な医学に関する知識についての研修であって厚生労働大臣の指定する者(法人に限る。)が行うものを修了した者
  • 産業医の養成等を行うことを目的とする医学の正規の課程を設置している産業医科大学その他の大学であって厚生労働大臣が指定するものにおいて当該課程を修めて卒業した者であって、その大学が行う実習を履修したもの
  • 労働衛生コンサルタント試験に合格した者で、その試験の区分が保健衛生であるもの
  • 学校教育法による大学において労働衛生に関する科目を担当する教授、准教授又は講師(常時勤務する者に限る。)の職にあり、又はあった者
  • 前各号に掲げる者のほか、厚生労働大臣が定める者

このように、産業医になるには医師免許が必要ですが、過程には複数種類があります。

産業医として働くためには、これらの要件を満たしているだけでなく、産業医の資格を取得しなくてはなりません。産業医の資格は日本医師会、または産業医科大学の産業医学に関する研修を受けることが条件です。

嘱託産業医と専属産業医について

なお、産業医には「嘱託産業医」と「専属産業医」の2種類が存在しますが、要件や業務内容はどちらも同じです。嘱託と専属の違いは産業医として従事する企業や事業所との契約の違いであり、嘱託産業医は非常勤の産業医、専属産業医は常勤の産業医です。そのため、嘱託産業医の中には、複数の事業所を掛け持ちしているケースもあります。

また、専業産業医は常勤ではあるものの、平日の5日間勤務しているのではなく、平均して週に3~4日程度勤務しているケースがほとんどです。専業産業医も、産業医以外に通常の医療機関などで医師として掛け持ちで働いていることも珍しくありません。

嘱託と専属の業務内容に法令上の違いはありませんが、契約する企業の規模や業態によっては実態として違いが見られます。

たとえば、工場や倉庫など肉体労働を主とする業態では安全対策がメインですが、デスクワークを主とするオフィスなどでは運動不足によって発生リスクが高まる生活習慣病の対策や講習がメインとなるでしょう。そのため、産業医の選任を行う場合はより業務内容に理解が深い産業医を探すことで労働環境の改善効果や安全性の向上が高まると言えます。

近年の傾向として、どのような業態であってもメンタル面の不安や、長時間労働による心身の疲労を抱える従業員が増えています。メンタルヘルスケアは現代社会で非常に重視されており、選任時にはメンタルヘルスケアへの理解が高い産業医を選ぶことも大切です。

より専門性の高い産業医になるために、労働衛生コンサルタントや日本産業衛生学生認定の専門医資格を取得する産業医もいます。労働衛生コンサルタントの資格があると、安全衛生改善計画の作成など、より多くの産業医学活動を行うことができるようになるでしょう。

近年は労働者の身体および精神の問題や、高齢社会化が進むことで産業医にもこれまで以上に多くの期待が寄せられています。そのため、より産業医学に精通したプロを求めている企業や事業所は多く、産業医以外に複数の資格を所有する産業医のニーズが高まっています。新たに産業医を選任する際は産業医としての資格だけでなく、他の資格も業務内容や事業所内の状態によって必要性があるかを検討しておくとよいでしょう。

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産業医の必要人数に合わせて設置したい!

企業の規模が大きければそれだけ産業医が必要となり、常時3000人をこえる労働者を使用する事業場では2名以上の専属産業医を選任する必要があるため、それだけプレッシャーも大きいのではないでしょうか。産業医探しは特殊な作業となることに加えて、下記の点について知っておき、コツを掴んで見つけましょう。

産業医の人数は限られている

各所で医師不足が懸念されている中、医師の中でもとりわけ産業医認定証を有する医師がどれだけ存在するのか、気になる方も多いでしょう。
産業医資格を有する医師は、全体の3~4割程度といわれており、人数に換算すると8万人前後ですので、決して多くはありません。

仮に産業医資格を有する医師を見つけたとしても、既に他社で産業医業務に携わっていて、新たに産業医業務を引き受けられない医師もいるでしょう。

産業医設置要件が定められているからといって、いつでもすぐに産業医を選任・設置できるかと問われれば、そうではありませんので、「産業医の人数は決して多くはない」ということを頭に入れておき、早めに対策をしておくことが大切です。

自社に最適な産業医を見極めるのは難しい

産業医の選任には専門的な視点が必要ですし、さらに産業医の人数が限られている中では最適な産業医を見極めることには困難を強いられます。自社に最適な産業医を見極めるためには、産業医に求めるスキルや人柄を明確にしておくことが大切です。

産業医紹介サービスを利用すれば必要な人数の産業医が見つかる

産業医の人数が限られている中で、自社に最適な産業医を見つけるにはどうすれば良いのでしょうか。産業医の探し方は様々ですが、より最適な産業医を見つけるためには、産業医紹介サービスを利用されることをおすすめいたします。

産業医紹介サービスには多数の産業医が登録しており、その中からスタッフが自社に最適な産業医を選任してくれるため、産業医探しの手間や時間を省くことが可能です。
複数名の産業医を探さなければならない場合や、産業医探しが不安な場合は、産業医紹介サービスを活用されてみてはいかがでしょうか?

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産業医をお探しの際は、質の高い紹介サービスを見つけることが大切です。
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まとめ

産業医の必要人数は企業規模により異なってきますが、「少しでもマッチングした産業医を探したい」というお気持ちは共通の想いでしょう。限られた人数の産業医の中から、自社に必要な人数の産業医を選任し、適切な業務を実施してもらうことが大切ですので、第一関門は産業医探しになるでしょう。

そのためにも、求める産業医像をある程度明確にしておき、信頼できるプロに産業医探しを依頼することが無難かつベストな選任方法になるかもしれません。
自社により適切な産業医を必要な人数だけ選任・設置して、従業員の健康を守りましょう。

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監修

栗原 雅直医師
くりはら まさなお

東京生まれ。東京大学医学部医学科卒業、東大病院精神神経科に入局。1960年東大大学院生物系研究科博士課程修了。医学博士。2年間のパリ大学留学後、東大病院医局長、1966年虎の門病院勤務。初代精神科部長。川端康成の主治医を務めた。1990年大蔵省診療所長。財務省診療所カウンセラー