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精神科と心療内科の違いは?

2022.04.11メンタル問題

精神科と心療内科の違いは?

精神疾患を患う人口が増えたことにより、精神科や心療内科にかかる人の割合も増えてきました。厚生労働省の調べでは精神疾患を患う患者の数は、平成11年に204万人だったのに対し平成26年では392万人まで増加しました。今後は更に患者数が増えると予想されています。

メンタル疾患にかかった場合に、心療内科と精神科どちらを受診すればいいのか分からないという方も多くいらっしゃいます。診療内容が混在している場合もありますが、実際は精神科と心療内科は取り扱う病気も種類も異なります。

今回は、精神科と心療内科の違いについてご紹介します。

心療内科医と精神科医は何がちがう?

心療内科と精神科いずれも「こころが原因の病」を治療します。大きな違いは、精神科はこころの不調そのものに、心療内科は心が原因の身体の不調に対処します。

・心療内科

日本の心療内科専門医は127 名(平成25年8月現在:日本専門医制評価認定気候調べ)と、かなり少ない人数です。心療内科はストレスなどで生じた体の不調を治療します。一般的に「心身症」と呼ばれる場合です。心身症とは、「身体疾患の中でも心理社会的な因子を持ち、器質的ないし機能的障害が認められる病態のことをいう」である、と日本心身医学会によって1991年に定められました。

例えば、ストレスで生じた

  • 胃潰瘍
  • 心筋梗塞
  • 喘息
  • 腹痛や・下痢などの腸疾患

などです。ストレスによる自律神経の乱れもひとつとしてあげられます。内科的に異常がないにも拘らず、身体に不調を訴えている場合は心療内科を受診するケースが多いとされています。

・精神科

精神科は、精神疾患を専門に扱う科です。精神科医は全国で10,104 名(平成25年8月現在:日本専門医制評価認定気候調べ)と、心療内科専門医より数が多くなっています。

精神科はわかりやすく言えば、こころの症状やこころの病気を扱う科であるということです。こころの症状とは、不安、抑うつ、不眠、イライラ、幻覚、幻聴、妄想などがあげられます。アルコールや薬物などの依存症も精神科医の分野です。

社員がメンタル疾患による異常を訴えたらどうする?

産業医には体調だけでなく、悩みや精神面の問題も相談できます。もし不安を抱えている従業員がいるなら、まずは産業医に相談してみましょう。

・産業医に相談できること

産業医には、業務や職場に関わるメンタル的な悩みであれば相談できます。しかし、大きく分けると産業医に相談できることは2つです。

1.従業員の業務調整

労働安全衛生法では、産業医の設置が義務付けられる事業所においては、事業者は産業医に対し、健康診断、面接指導、ストレスチェック等の結果に基づく労働者の健康を保持するための措置や、労働者の健康障害の原因の調査及び再発防止のための措置に関することを行わせなければなりません。そのため、業務がメンタル面への悪影響を及ぼしているような場合、産業医は、業務内容の変更、職場環境の改善、時短勤務など、従業員のケアを最優先するように企業に求めることなどが考えられます。産業医は従業員からの相談により、必要な配慮などを具体的に考え、従業員が抱えるメンタル面の問題を企業が改善できるように努めることなども産業医の仕事です。業務調整が必要な場合は「意見書」という書類にまとめて企業側に提出し、従業員本人や上司とともに業務調整を進めていきます。

2.休職や復職のサポート

労働安全衛生法では、健康教育、健康相談その他労働者の健康の保持増進を図るための措置に関することも産業医の職務とされます。そのため、必要であれば従業員の休職や復職の相談に乗ることも産業医の務めです。休職・復職のタイミングを見極めるだけでなく、通院をしている場合は主治医と連携を図りフォローをします。特に復職時は、原則として主治医の復職が可能である旨を記載した診断書が必要です。産業医は業務上必要な配慮を意見書にまとめ、企業とサポートができるよう環境を整える必要があります。

・相談はいつする?

産業医にメンタルヘルスの相談をするタイミングは、以下のようなものがあります。

1.高ストレスの結果が出た

ストレスチェックで高ストレスの結果が出た際は、メンタルヘルスに悪影響を及ぼす可能性が高いため、産業医に相談しましょう。ただし無理強いするのではなく、従業員本人と話し合い、面談の必要性を理解してもらうことが大切です。

労働安全衛生法では、ストレスチェックの結果、心理的な負担の程度が高く、ストレスチェックを行った医師等が面接指導を受ける必要があると認めた場合に、結果の通知を受けた労働者が医師による面接指導を希望する旨を申し出たときは、遅滞なく医師による面接指導を行わなければならないことが定められます。また、労働者がこの申し出をしたことにより事業者が労働者に不利益な取扱いをしてはならないとされます。

2.長時間労働が続いている

業務内容によってはたまに長時間労働になることはあるかもしれません。しかし、長時間労働が慢性化している状態は早急に相談することをおすすめします。目安は1か月の時間外労働時間が80時間以上であるかです。もし80時間未満であっても、不調があるようなら相談は必要です。

労働安全衛生法でも、事業者は、労働時間の状況その他の要件に応じて、労働者に対し、医師による面接指導を行う義務を負う場合や、必要な措置を講ずる努力義務を負う場合があります。

3.従業員が希望している

従業員が希望している場合は面談ができるようにしましょう。希望を無視して面談を受けさせなかった結果、従業員に健康被害などの損害が生じた場合には、安全配慮義務を怠ったとして、損害賠償を請求される可能性もあります。
このように従業員のメンタルヘルスを積極的に産業医への面談を利用できるよう、産業医との連携を整えましょう。

このように従業員のメンタルヘルスを積極的に産業医への面談を利用できるよう、産業医との連携を整えましょう。

相談イメージ

悩む前に一度相談してみませんか?

「今の産業医に不満があるけど、これってどこも同じ?」
「ほかの会社の産業医って何やってるの?」
「こんな悩み有るけど、これって産業医を頼っていいの?」
など、小さなお悩みから他社の事例など、お気軽に相談ください。

産業医の新規契約をまだ検討していない方も、お気軽に悩みを 聞かせてください。産業医の紹介以外でも、お役に立てるかもしれません。

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監修

栗原 雅直医師
くりはら まさなお

東京生まれ。東京大学医学部医学科卒業、東大病院精神神経科に入局。1960年東大大学院生物系研究科博士課程修了。医学博士。2年間のパリ大学留学後、東大病院医局長、1966年虎の門病院勤務。初代精神科部長。川端康成の主治医を務めた。1990年大蔵省診療所長。財務省診療所カウンセラー