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産業医と遠隔面談はできるか?規定、期待できる効果は?

2019.08.31産業医

産業医との面談が必要とされた従業員は、産業医から適切な助言や指導を受けることが大切です。

産業医と面談することで期待できる効果は様々で、面談を通じて抱えている問題やストレスの軽減や具体的な改善策が期待できます。

その一方で、産業医と直接面談をすることが困難な環境下にいる従業員もいるかもしれません。

産業医と面談する日時調整が困難な方の中には、「遠隔面談ができれば良いのに」とお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、産業医と遠隔面談をすることは可能なのでしょうか。

今回は、産業医と遠隔面談をすることは可能かどうか、遠隔面談の規定や期待できる効果について触れながら見ていきましょう。

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産業医との遠隔面談は可能か?

現代は情報通信が充実しており、様々な形で悩み相談やカウンセリングに対応できる社会になっております。

実際に電話やメールで悩み相談に対応しているケースもありますが、産業医との遠隔面談というものは可能でしょうか。

産業医との遠隔面談が可能かどうか気になる方もいらっしゃると思いますが、これから見ていきましょう。

遠隔面談は可能である

結論から述べますと、産業医が遠隔面談を実施することは可能ですが、遠隔面談をするためには以下のいずれかの要件を満たす必要があります。

  • ①面談対象である従業員が所属する事業所の産業医であること
  • ②過去1年以上、面談対象従業員が所属する事業所にて日常的な健康管理に携わっていること
  • ③過去1年間に、面談対象従業員の所属する事業所の巡視をしたことがあること
  • ④過去1年間に、面談対象従業員に対して直接対面をし、指導や助言をしたことがあること

産業医と遠隔面談をするためには、産業医が事業所で産業医業務をしている、あるいはしたことがあることが前提となります。

こうして見ると、企業の産業医が遠隔面談をすること自体は意外とハードルが低いようにも思いますが、産業医と遠隔面談をするためには、整える必要がある要件も出てきます。

産業医と遠隔面談の際に必要な環境

産業医と遠隔面談をするために必要な環境は、以下の3点になります。

  • ①映像や音声が安定しており、通信状況が安定していること
    遠隔面談をするためには、産業医が従業員の声や表情などの確認ができ、その上で必要な指導や助言が実施できる環境である必要があります。
    そのためにも通信状況が安定しており、映像や音声を確認できる状況が必須になります。
    同時に緊急事態が発生した場合に対応できる環境を整える必要もあるため、近隣の医師と連携を取ることも大切になってきます。
  • ②情報セキュリティの確保がしてあること

    面談内容はプライベートな内容になるため、個人情報を守るためにも情報セキュリティの確保が重要になってきます。
    第三者の目に触れることのないように、情報セキュリティを十分に確保することが大切です。

  • ③面談者が機器操作を安易に行えること
    機器操作が困難であれば、面談が実施できない可能性がある上、面談者がテクノストレスを感じてしまうリスクもあるでしょう。
    そのため遠隔面談をする際には、面談者が容易に情報通信機器の操作ができる環境であることが大切になってきます。
    遠隔面談は直接対面して面談することが困難な場合に実施されるため、直接対面と同じく従業員の話し方や様子に触れることが必要になってきます。
    そのため、映像を伴わない電話による声だけの指導は対象外になります。
    従って産業医との遠隔面談の際には、テレビ電話やWEBといった、「映像を伴う通信機器」を用いる必要があります。
    カウンセリングの中には、映像を伴わないメールや電話で対応しているケースもありますが、産業医の面談は従業員の健康管理をする上で、表情や顔色を見ることも重要になってきます。

産業医の業務内容については事前に従業員に周知しておく必要があるため、産業医による遠隔面談についても衛生委員会で審議を実施し、従業員に周知しておくことが大切です。

労働安全衛生法第66条の8第1項について

労働安全衛生法第66条8条1項におきまして、以下のように定められております。

・事業所は、その労働時間の状況その他の事項が従業員の健康保持を考慮して、厚生労働省で定める要件に該当する従業員に対し、医師による面談指導を実施しなければならない

産業医による面談指導は労働安全衛生法において定められており、以下に該当する従業員は、産業医と面談を通じて必要な指導や助言を受ける必要があります。

①長時間労働者

月の時間外労働時間が80時間を超える長時間労働者は、産業医による面談指導を受ける必要があります。

②高ストレス従業員

年に1回実施されるストレスチェックにおいて、高ストレスと判断された従業員は、産業医と面談をする必要が発生します。

高ストレス者は、面談を通じて産業医による適切な指導や助言を受けていきます。

③健康診断結果の事後措置が必要な従業員

健康診断結果で「所見有り」と判定された従業員も、産業医と面談を通じて今後の就労の可否や就労制限について指導を受けていきます。

④休職中の従業員

休職中の従業員も、産業医による復職に向けた指導を受けていきます。

⑤その他面談希望者や健康相談面談が必要な従業員

産業医と面談を希望する従業員も産業医と面談をすることが可能です。

その他にも、健康指導や栄養指導といった名目で産業医と面談をしながら、適切な助言や指導、アドバイスを受けるケースもあります。

面談において産業医は、面談者とのやり取りの様子から面談者の疲労やストレス状況など心身状況を把握しながら、その上で必要な指導や措置判断を実施します。

そのためにも従業員と産業医の面談は、原則として対面形式にて実施するようになっております。

通信機器を用いて遠隔面談を実施した場合も、従業員の状況を把握した上で必要な指導ができる環境であれば、法律に違反することにはなりません。

ただし先に述べた通り、産業医と遠隔面談をする際には必要な要件を満たす必要があります。

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通常の産業医面談との違いは?

今の時代だからこそ実施可能な遠隔面談ですが、遠隔面談と通常の産業医面談との違いは、どういった点にあるのでしょうか。

直接対面をしない

通常の産業医面談と遠隔面談の大きな違いが、産業医と直接対面をするかしないかという点になるでしょう。

原則として産業医との面談は、直接対面をして実施するものになっておりますが、やむを得ない理由が発生した場合は、産業医による遠隔面談の実施が可能です。

例えば、産業医選任義務のない地方の小希望事業所で面談が必要な従業員が発生した場合や、産業医訪問日程に面談ができない従業員がいるなどのケースもあるでしょう。

情報通信が便利になっている現代だからこそ可能な、産業医との遠隔面談です。

通常の面談とは異なりますが、産業医の姿が見えるから安心できるかもしれませんし、専門知識を有する産業医だからこそ、社内で相談しにくい悩みの相談もできるかもしれません。

直接対面をしなくても、友人や家族にLINEや電話で相談をすることで、気持ちが楽になった経験のある方も多いでしょう。

直接対面をしなくても相談することで気持ちの整理がつく場合もありますし、何より映像を伴う面談だからこそ具体的な助言や指導、アドバイスも期待できるでしょう。

特定要件を満たす必要がある

先ほども述べましたが、産業医と遠隔面談をする場合は必要な要件を満たしておく必要があります。

要件を満たしていなければ遠隔面談ができませんので、事前に確認をしておきましょう。

通常面談より敷居が低い

産業医と直接面談をする場合は、特定の日時に実施するため日程調整をする必要がありますが、遠隔面談の場合は比較的面談日時の調整がしやすいでしょう。

日頃忙しく勤務している従業員にとって、遠隔面談は通常面談よりも気軽に実施することができるかもしれません。

産業医の遠隔面談で期待できること

産業医と直接対面することのない遠隔面談ですが、産業医の遠隔面談ではどのようなことが期待できるのでしょうか。

地方事業所にも対応できる

産業医設置が義務付けられていない小規模事業所を地方に構える企業も多いでしょう。

地方事業所において面談が必要な従業員が発生した場合、産業医と遠隔面談をすることで対応することが可能です。

産業医が遠方の地方事業所に赴くことは困難でも、遠隔面談であれば対応できるのではないでしょうか。

テレビ電話やWEBが普及した現代だからこそ、地方事業所も最新技術を活用した産業医との面談を実施することが大切になってくるでしょう。

面談時間を確保しやすい

普段忙しく勤務をする従業員は、産業医との面談時間を確保することも大変かもしれません。

産業医訪問日程と出張日程や外出日時が重なってしまい、面談が困難となるケースもあるでしょう。

遠隔面談は直接対面して面談をすることよりも比較的ハードルが低くなってくるため、面談時間も確保しやすいといえます。

産業医との面談日に予定を合わせにくい場合も、遠隔面談となれば都合もつけやすくなるのではないでしょうか。

産業医による従業員へのケア

次に産業医による従業員へのケアについて、少しだけ見てみましょう。

従業員のストレスチェック

2015年より、年に1回のストレスチェックの実施が義務付けられましたが、産業医はストレスチェックの計画に実施、事後措置まで携わる必要があります。

特にストレス社会といわれている現代だからこそ、このストレスチェックが大切なものになっております。

ストレスは知らず知らずに溜め込んでしまい、周囲はもちろん自分も気が付かないうちに深刻化することも珍しくないでしょう。

ストレスが備蓄されることで注意力が散漫しミスや事故が発生するリスクもあれば、うつ状態・うつ病といった心の病気を引き起こしてしまうケースもあるでしょう。

更にはストレスによる休職や退職、過労死や過労自殺を引き起こしてしまうケースもあるため、年に1度のストレスチェックは大切といえます。

診断結果におけるその後の案内

ストレスチェックで高ストレスと判定を受けた従業員は、産業医と面談を通じて適切な助言や指導を受ける必要があります。

高ストレスと判定されたことを会社側が周知することで、勤務時間や内容、人間関係の見直しや改善が期待できるかもしれません。

産業医と面談を通じて話をすることで、気持ちが楽になるかもしれませんし、具体的な助言や指導をいただくことで問題改善に向けて考えることができるかもしれません。

悩みを抱え込んでしまうと堂々巡りになってしまいますが、専門知識を有する産業医に相談することで具体的な解決に向けて動いていくかもしれません。

産業医と直接面談が困難な環境下に身を置く従業員は、遠隔面談を通じて産業医と面談をすることが可能です。

遠隔面談にも対応できる産業医多数

遠隔面談に対応できる産業医をお探しの企業様もいらっしゃるでしょうが、産業医を探す方法の1つに、「産業医紹介会社を利用する」方法があります。

産業医紹介サービスを介することで、よりスピーディーに確実に産業医選任が可能になりますし、要望を伝えておくことで、より希望する産業医を紹介していただけるかもしれません。

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監修

栗原 雅直医師
くりはら まさなお

東京生まれ。東京大学医学部医学科卒業、東大病院精神神経科に入局。1960年東大大学院生物系研究科博士課程修了。医学博士。2年間のパリ大学留学後、東大病院医局長、1966年虎の門病院勤務。初代精神科部長。川端康成の主治医を務めた。1990年大蔵省診療所長。財務省診療所カウンセラー