ストレスチェックの集団分析とは、従業員の回答結果を部署、職種、拠点などの単位で集計し、仕事量、裁量、上司・同僚からの支援といった職場の傾向を把握する取り組みです。個人の高ストレス者を探したり、精神疾患のある従業員を特定したりするためのものではありません。
分析結果を勤怠や業務内容と組み合わせることで、人員不足、業務の偏り、管理職の支援体制など、企業が改善できる課題を検討できます。
本記事では、分析結果の見方から具体的な改善手順まで解説します。
目次
- 個人結果と集団分析では利用する場面が異なる
- 集団分析と職場環境改善は企業の努力義務
- 集団分析で確認できる主な指標
- 高ストレス者率だけで部署を評価してはいけない
- 集団分析が職場改善につながらない5つの原因
- 分析単位は組織図ではなく職場要因に合わせて決める
- 集団分析を職場改善へつなげる7つの手順
- 分析結果に応じた職場環境改善の例
- 集団分析を職場改善へつなげた活用例
- 集団分析の成果は改善施策の実行状況で評価する
- 50人未満の事業場では分析単位と外部支援を早めに検討する
- 集団分析の読み解きと職場改善は産業医クラウドへご相談ください
- ストレスチェックの集団分析に関するよくある質問
- まとめ|集団分析は職場を順位付けせず改善のヒントとして活用する
個人結果と集団分析では利用する場面が異なる
個人結果は、従業員本人が自分のストレス状態に気付き、セルフケアや医師への相談を検討するために利用します。一方、集団分析は、複数人の回答をまとめ、組織に共通する負担や支援の状況を把握するために利用します。
企業が受け取る集団分析結果は、特定の個人を識別できない形にしなければなりません。個人への支援と組織への改善を混同せず、それぞれ別の担当者・手順で進めることが重要です。
| 比較項目 | 個人結果 | 集団分析 |
|---|---|---|
| 主な利用目的 | 本人の気付き、セルフケア、相談 | 職場に共通する課題の把握 |
| 対象 | 従業員一人ひとり | 部署、職種、拠点などの集団 |
| 企業への提供 | 原則として本人の同意が必要 | 個人を識別できない形で提供 |
| 主な活用先 | 面接指導、健康相談、セルフケア | 業務、人員、組織、支援体制の改善 |
集団分析と職場環境改善は企業の努力義務
ストレスチェック本体の実施と、集団分析・職場環境改善では、法令上の位置付けが異なります。現在、集団ごとの集計・分析と、その結果に基づく職場環境改善は事業者の努力義務です。未実施だけで直ちに罰則が科されるものではありません。
ただし、個人結果の通知だけでは、同じ部署から毎年高ストレス者が出る状態を変えられません。制度をメンタルヘルス不調の予防へつなげるには、組織側のストレス要因を把握し、可能な範囲から改善することが重要です。
2027年4月から個人を識別できない分析方法が明文化される
2027年4月1日から、集団分析を「特定の個人を識別することができない方法」で実施することが、労働安全衛生規則上も明文化されます。氏名を削除するだけでなく、人数、役職、年齢、勤務形態などを組み合わせた際にも、個人を推測できないことが必要です。
施行前であっても、プライバシーを保護すべき考え方は変わりません。企業は分析単位、出力項目、閲覧者を見直し、少人数部署の結果が安易に共有されない体制を整えましょう。
集団分析で確認できる主な指標
厚生労働省版の職業性ストレス簡易調査票を使用する場合、集団分析では、仕事の量的負担、仕事のコントロール、上司・同僚からの支援などを確認できます。仕事のストレス判定図では、調査票の一部である12項目を用いて、職場ごとの健康リスクを評価します。
ただし、数値は職場の良し悪しを確定する点数ではありません。職場環境改善のヒントとして利用し、勤怠や業務内容、従業員の声と組み合わせて解釈することが重要です。
仕事の量的負担
仕事の量的負担では、処理する業務量や時間的な余裕の少なさなどを確認します。結果が悪い場合も、単純に「仕事が多い」と判断してはいけません。特定の担当者への集中、突発対応、手戻り、会議、報告業務などが負担を高めている可能性があります。
時間外労働、休日勤務、休暇取得、人員数、担当案件などと照合し、業務配分、納期、作業手順を見直しましょう。繁忙期だけの応援配置や、優先順位の明確化が有効な場合もあります。
仕事のコントロール
仕事のコントロールは、作業の順番や進め方を自分で決められるか、知識や技能を生かせるかといった裁量に関する指標です。業務量が同じでも、細かな承認が多い、目標や役割が不明確といった職場では、従業員が負担を感じやすくなる場合があります。
承認手続き、決裁権限、目標設定、担当範囲を確認し、現場で判断できる範囲を広げられないか検討しましょう。ただし、責任だけを増やし、権限や支援を与えない運用は避ける必要があります。
上司からの支援
上司からの支援では、困ったときに相談できるか、話を聞いてもらえるかといった管理職との関係を確認します。結果が悪くても、管理職個人のコミュニケーション能力だけを原因と決めつけてはいけません。管理職自身が多忙で、部下と話す時間を確保できていない可能性があります。
担当する部下の人数、会議、プレイング業務、面談機会などを確認しましょう。ラインケア研修とともに、管理職が部下を支援できる時間と権限を確保することが重要です。
同僚からの支援
同僚からの支援は、困ったときに協力を得られるか、職場内で相談しやすいかを示します。数値が低い背景には、人間関係だけでなく、業務の属人化、在宅勤務による接点の減少、引継ぎ不足、過度な成果競争などが考えられます。
ペア担当制、進捗共有、業務マニュアル、相談用チャネルなどを整え、一人で問題を抱え込まない仕組みをつくりましょう。懇親会の実施だけで、業務上の支援が改善するとは限らない点にも注意が必要です。
職場の健康リスク
仕事のストレス判定図では、仕事の量的負担とコントロール、上司・同僚からの支援を組み合わせ、職場の健康リスクを確認します。リスクが高い場合は、業務上の負担が大きい、周囲からの支援が不足しているなど、職場環境に改善余地がある可能性を示します。
ただし、将来の休職者数や精神疾患の発症を予測するものではありません。各指標の内訳と現場の状況を確認し、改善するテーマを決めるための資料として利用します。
高ストレス者率だけで部署を評価してはいけない
高ストレス者率が高い部署でも、直ちに管理職や職場運営に問題があるとは判断できません。繁忙期、組織変更、受検者の構成などが影響する場合があります。反対に、高ストレス者率が低くても、個人結果の取扱いを不安に感じ、従業員が実態より低く回答している可能性があります。
受検率、各尺度の結果、時間外労働、休暇、欠勤、相談状況などを組み合わせて評価しましょう。部署の順位付けではなく、支援や追加確認が必要な職場を見つけるために利用することが重要です。
集団分析が職場改善につながらない5つの原因
集団分析を実施しても、部署別の数値を並べるだけでは具体的な改善策を決められません。前年との比較だけで結論を出す、結果の悪い部署を公表する、セルフケア研修だけを実施するといった運用では、組織側の問題が残ります。
集団分析は原因を確定する検査ではなく、追加確認が必要な課題を見つける手掛かりです。数値の背景を確認し、企業が変更できる職場要因へ対策をつなげる必要があります。
毎年の数値を比較するだけで終わっている
前年より数値が悪化していても、職場環境が単純に悪化したとは限りません。繁忙期、組織再編、新規事業、回答者の入替えなどが影響する場合があります。また、受検率が大きく異なる年度同士では、単純な比較が適切でない可能性もあります。
分析時期、回答者数、組織構成、業務上の変化を記録し、比較条件を確認しましょう。経年変化を見る場合も、数値が変わった背景を併せて整理する必要があります。
結果の悪い部署を順位付けしている
部署を数値の良い順・悪い順に並べ、管理職評価へ直接利用すると、結果を下げないことが目的になるおそれがあります。管理職が従業員へ回答を控えるよう求めたり、職場の課題を隠したりすれば、翌年度以降の分析結果も信頼できません。
集団分析は責任追及ではなく、改善のための情報です。管理職には、数値の背景を確認し、必要な支援や予算を検討するために使用することを説明しましょう。
分析結果だけで原因を決めている
仕事量の負担が高いという結果から、直ちに人員不足が原因だと判断することはできません。承認手続きが多い、システムが使いにくい、顧客対応が特定の時間に集中するなど、別の原因が隠れている場合があります。
勤怠、業務手順、会議時間、問い合わせ件数などを確認し、原因の仮説を立てましょう。そのうえで管理職と従業員へ聞き取りを行い、数値と現場の実態が一致しているかを確かめます。
従業員向け研修だけで対応している
業務量や裁量に課題があるにもかかわらず、ストレス対処法やセルフケア研修だけを実施しても、職場の原因は変わりません。研修は必要ですが、個人のストレス耐性だけに責任を負わせる運用は避けるべきです。
人員配置、業務分担、会議、承認、納期、管理職の負担など、会社が変更できる要因を優先して検討します。個人への支援と組織への改善を組み合わせることが重要です。
改善内容を従業員へ伝えていない
集団分析を基に改善策を実施しても、従業員へ説明しなければ「回答しても何も変わらない」と受け取られます。次年度の受検率や正直な回答にも影響する可能性があります。
個人や少人数部署を推測できない範囲で、確認した傾向、実施する施策、効果を評価する時期を周知しましょう。すぐに解決できない課題についても、現在の検討状況や今後の予定を伝えることが大切です。
分析単位は組織図ではなく職場要因に合わせて決める
分析単位は、部や課といった組織図だけで決める必要はありません。同じ上司の下で働く、共通の業務を担当する、同じ場所・勤務帯で働くなど、共通する職場要因を持つ集団で設定すると、結果を改善へつなげやすくなります。
人数が多すぎると部署固有の課題が見えず、少なすぎると個人を識別されるおそれがあります。改善施策を実行できるまとまりと、プライバシー保護の両方を考慮して設定しましょう。
| 分析単位の例 | 適しているケース |
|---|---|
| 部・課 | 管理職や業務内容が共通している |
| 拠点・店舗 | 勤務場所や顧客層が異なる |
| 職種 | 営業・開発・製造など負担要因が異なる |
| 勤務帯 | 日勤・夜勤・交替勤務で環境が異なる |
| プロジェクト | 期間限定の業務や責任者が共通している |
10人以上は絶対的な実施条件ではない
個人を推測されるリスクを抑えるため、一般的には10人以上を一つの分析単位とする方法が分かりやすいとされています。ただし、10人未満であれば一律に分析できないわけではありません。
厚生労働省のQ&Aでは、評価点の総計の平均値を求める方法など、個人が特定されるおそれのない方法であれば、10人未満でも分析できると示されています。複数部署をまとめる方法も含め、実施者や産業医と検討しましょう。
氏名を削除するだけでは個人特定を防げない
集団分析結果に氏名が表示されていなくても、「部署内で一人だけの管理職」「一人だけの夜勤者」といった情報があれば、個人を推測できる場合があります。性別、年代、役職、雇用形態などを細かく分けるほど、識別リスクは高くなります。
属性別分析は、改善施策を検討するために必要な範囲へ限定しましょう。詳細な分析が必要な場合は、実施者が個人識別の可能性を確認したうえで出力することが重要です。
閲覧できる管理職と利用方法を決める
管理職へ集団分析結果を共有する場合は、個人を識別できないことに加え、利用目的を明確にします。高ストレス者を探すことや、人事評価へ利用することを禁止し、職場改善に限定して使用しましょう。
数値だけを管理職へ渡すと、解釈を誤る可能性があります。産業医や人事担当者が各指標の意味、分析上の限界、聞き取り方法を説明し、管理職が一人で改善責任を抱え込まない支援体制を整えます。
集団分析を職場改善へつなげる7つの手順
集団分析を有効に活用するには、結果を受け取ってから対応を考えるのではなく、実施前に分析単位、共有範囲、改善責任者まで決めておく必要があります。分析後は、数値の確認、勤怠との照合、現場への聞き取り、改善、効果確認まで進めます。
産業医、人事、衛生委員会、管理職、従業員の役割を整理し、分析結果を作成するだけの取り組みにしないことが重要です。
1.衛生委員会等で実施ルールを決める
実施前に、分析する集団、出力項目、結果の提供先、保存方法、職場改善への活用方法を調査審議します。外部サービスを利用する場合も、何人未満で結果が非表示になるか、どの属性を出力できるかを確認しましょう。
管理職や経営会議へどの範囲まで共有するかも決めます。結果を部署評価や個人特定に利用しないことを規程へ明記し、ストレスチェック実施前に従業員へ周知することが重要です。
2.改善につながる分析単位を設定する
同じ上司、業務、勤務場所などを共有し、具体的な改善施策を実行できる集団を設定します。組織図上は同じ部署でも、業務や勤務帯が大きく異なる場合は、まとめて分析しても課題が見えないことがあります。
一方、細かく分けすぎると個人識別のリスクが高まります。分析の有用性とプライバシー保護のバランスを取り、必要に応じて複数部署を統合しましょう。
3.産業医等から結果の説明を受ける
分析帳票を受け取ったら、各尺度の意味、社内平均との差、前年からの変化について、産業医や実施者から説明を受けます。色や総合的な数値だけを見て、問題部署を判断してはいけません。
受検率が低い、回答者の構成が変わった、組織再編があったといった条件も確認します。結果から読み取れることと、追加調査を行わなければ分からないことを分けて整理しましょう。
4.勤怠や業務データと照合する
仕事量の負担が高い部署では、時間外労働、休日勤務、休暇取得、人員数、担当案件などを確認します。上司の支援が低い部署では、管理職の担当人数、会議、面談機会、プレイング業務の状況を確認しましょう。
集団分析結果が平均的でも、一部の従業員へ長時間労働が集中している可能性があります。単一の数値だけで判断せず、複数の客観的な情報を組み合わせることが重要です。
5.管理職と従業員へ聞き取りを行う
分析結果から立てた仮説が現場の実態と合っているか、管理職と従業員への聞き取りで確認します。「仕事量が多いですか」と聞くだけでなく、「手戻りが多い工程」「不要と感じる会議」「相談しにくい場面」などを具体的に尋ねましょう。
数値が悪い理由を管理職に説明させるだけでは、責任追及と受け取られます。職場の良い点も確認し、現在機能している仕組みを残しながら改善策を検討します。
6.具体的な改善策と期限を決める
「コミュニケーションを改善する」「残業を減らす」といった抽象的な目標では、実施できたかを評価できません。「定例会議を30分短縮する」「問い合わせを複数担当制へ変更する」など、具体的な行動へ変えます。
施策ごとに担当部署、責任者、期限、必要な予算、確認指標を設定しましょう。部署内ですぐに対応できる課題と、経営判断が必要な人員・業務量の課題を分けると、改善を進めやすくなります。
7.3か月後・6か月後に効果を確認する
改善施策の評価を翌年度のストレスチェックまで待つと、効果のない施策が長期間続く可能性があります。実施から3か月後、6か月後などに、施策の実施状況、残業、休暇、相談状況、従業員の意見を確認しましょう。
予定どおり進んでいない場合は、担当者個人の責任とせず、予算、権限、業務負担、施策の現実性を見直します。評価結果を衛生委員会等へ報告し、次年度の分析方法にも反映させます。
分析結果に応じた職場環境改善の例
集団分析から改善策を検討する際は、すべての部署へ同じ研修を実施するのではなく、確認された職場要因に応じて施策を選びます。同じ指標が悪くても、原因は部署によって異なります。
まず現場への聞き取りで原因を確認し、短期間で実施できる施策と、経営判断が必要な施策を分けましょう。職場環境改善には、労働時間、作業方法、組織、人間関係など幅広い内容が含まれます。
| 分析で確認された傾向 | 追加で確認する情報 | 改善策の例 |
|---|---|---|
| 仕事量の負担が高い | 残業、人員、案件、会議、手戻り | 業務再配分、会議削減、応援配置 |
| 仕事のコントロールが低い | 承認、裁量、役割、決裁権限 | 権限移譲、役割明確化、手順見直し |
| 上司の支援が低い | 管理職の負担、部下数、面談時間 | 業務軽減、面談設定、ラインケア支援 |
| 同僚の支援が低い | 業務属人化、引継ぎ、相談経路 | ペア制、情報共有、相談チャネル |
| 心身の反応が高い | 勤務状況、相談体制、業務変更 | 相談窓口周知、業務調整、休養支援 |
集団分析を職場改善へつなげた活用例
従業員150人の企業で、営業部の集団分析から、仕事量の負担が高く、上司の支援が低い傾向が確認されたとします。勤怠と業務を調べると、特定担当者へ問い合わせが集中し、管理職も顧客対応に追われて面談時間を確保できていませんでした。
企業は問い合わせ窓口を複数担当制へ変更し、管理職の一部案件を別担当へ移管します。月1回の面談も導入し、3か月後に残業、問い合わせ件数、面談実施率を確認しました。
数値だけで原因を決めず、業務の流れと現場の声を確認し、施策後にも効果を評価した点が重要です。
集団分析の成果は改善施策の実行状況で評価する
集団分析の成果を、総合的な健康リスクや高ストレス者率だけで評価すると、数値を下げること自体が目標になりかねません。分析した部署数、現場への聞き取り、施策の実施率、勤務状況の変化なども確認しましょう。
特に重要なのは、従業員が職場の変化を実感しているかです。数値が改善しても、回答への信頼が低下していれば、制度が適切に機能しているとはいえません。次の指標を組み合わせて評価しましょう。
- 個人を識別できない単位で分析できた部署の割合
- 産業医等による結果説明を受けた部署数
- 管理職・従業員への聞き取り実施率
- 職場改善策の期限内実施率
- 時間外労働・休暇取得・欠勤の変化
- 改善施策を利用した従業員の割合
- 改善内容を従業員へ周知した部署数
- 従業員が職場の変化を実感しているか
50人未満の事業場では分析単位と外部支援を早めに検討する
2028年4月1日から、労働者数50人未満の事業場にもストレスチェック本体の実施が義務付けられます。一方、集団分析と職場環境改善は、現時点では事業場規模にかかわらず努力義務です。実施義務の拡大と、集団分析の位置付けを混同しないようにしましょう。
小規模事業場では、部署や職種ごとに分けると少人数になりやすく、個人を推測されるリスクが高まります。無理に細分化せず、会社全体や複数部署をまとめる方法を検討しましょう。社内だけで安全な分析が難しい場合は、外部実施者や産業医へ委託する方法もあります。
集団分析の読み解きと職場改善は産業医クラウドへご相談ください
集団分析の帳票を受け取っても、どの指標を優先するか、数値の背景をどのように確認するか判断できず、前年との比較だけで終わる企業は少なくありません。分析結果を職場改善へつなげるには、勤怠、業務内容、組織体制を産業保健の視点から総合的に評価する必要があります。
産業医クラウドでは、企業の規模や業種、メンタルヘルス上の課題に合う産業医の選任を支援しています。ストレスチェックの実施から集団分析、結果に基づく職場改善、高ストレス者への面接指導まで相談できます。
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ストレスチェックの集団分析に関するよくある質問
集団分析では、何人から実施できるのか、個人の同意が必要なのか、管理職へ結果を共有してよいのかなど、判断に迷う点があります。特に、2027年4月1日からは個人を識別できない方法による実施が規則上も明文化されます。
人事担当者は、人数だけで機械的に判断せず、分析方法、属性、共有範囲を含めて個人特定のリスクを確認しましょう。ここでは、実務で生じやすい疑問を解説します。
集団分析は実施義務がありますか?
集団ごとの集計・分析と、その結果に基づく職場環境改善は、現在のところ事業者の努力義務です。実施しなかったことだけを理由に直ちに罰則が科される制度ではありません。
ただし、個人結果だけでは、業務量や管理職支援など、職場に共通するストレス要因を把握できません。ストレスチェックを不調の一次予防や職場改善へ生かすためには、積極的に実施することが望まれます。
集団分析は何人以上から実施できますか?
一般的には、個人を推測されるリスクを抑えるため、10人以上を一つの集団とする方法が分かりやすいとされています。ただし、10人未満なら一律に分析できないわけではありません。
評価点の総計の平均値を求める方法や、個人を特定されるおそれがない仕事のストレス判定図などを利用すれば、10人未満でも分析できる場合があります。極端に少人数の集団は避け、実施者と方法を検討しましょう。
10人未満の部署は複数部署をまとめてもよいですか?
共通する業務や職場環境がある部署であれば、複数部署をまとめて分析できます。ただし、性質の異なる部署をまとめると、それぞれの課題が平均化され、改善策を決めにくくなる可能性があります。
単に人数を10人以上にするのではなく、同じ上司、業務、勤務場所などの共通性を確認しましょう。まとめた単位で実行可能な改善策を検討できるかも重要な判断基準です。
仕事のストレス判定図では何が分かりますか?
仕事のストレス判定図は、職業性ストレス簡易調査票の一部の項目を利用し、仕事の量的負担、仕事のコントロール、上司・同僚からの支援などから、職場の健康リスクを把握する方法です。
結果は、精神疾患の発症や将来の休職を予測するものではありません。どの職場要因を追加確認し、どの改善施策を優先するかを検討するための資料として利用します。
集団分析の結果を会社が見るには本人の同意が必要ですか?
特定の個人を識別できない形で作成された集団分析結果は、個人結果とは異なり、職場環境改善のために企業へ提供されます。一方、人数や属性から個人を推測できる場合は、適切な集団分析とはいえません。
氏名を表示しないだけで安全とは限らないため、部署人数、役職、性別、勤務形態なども確認します。分析単位や共有範囲は、衛生委員会等で事前に決めておきましょう。
集団分析は誰が行いますか?
事業者は、ストレスチェックを担当した医師や保健師などの実施者に、集団ごとの集計・分析を依頼します。実務上は、実施者の指示の下で実施事務従事者や外部サービスが集計処理を行う場合もあります。
人事権を持つ担当者が個人の回答データを閲覧し、自ら部署別に集計する運用は避けましょう。企業は、個人を識別できない分析結果を受け取り、産業医等の説明を踏まえて改善を検討します。
高ストレス者率が高い部署は問題のある部署ですか?
高ストレス者率が高いことだけで、部署や管理職に問題があるとは断定できません。繁忙期、組織変更、回答者の構成、受検率などによって結果は変化します。
反対に、高ストレス者率が低くても、従業員が結果の取扱いを不安に感じ、実態より低く回答している可能性があります。各尺度、勤怠、休暇、相談状況、現場への聞き取りを組み合わせて評価しましょう。
集団分析結果を管理職へ共有してもよいですか?
職場改善を進めるために管理職へ共有することは可能ですが、個人を識別できないことが前提です。少人数部署の高ストレス者数や、細かい属性別データを共有すると、本人が推測されるおそれがあります。
管理職には、人事評価へ使用しないことや個人を探さないことを説明します。数値だけを渡すのではなく、産業医や人事担当者が結果の見方と改善の進め方を説明しましょう。
集団分析結果を労働基準監督署へ提出しますか?
部署別の集団分析帳票や具体的な数値を、労働基準監督署へ提出する制度ではありません。集団分析結果は、企業が職場環境改善へ活用するための情報です。
常時50人以上の事業場が行うストレスチェックの定期報告とは別のものとして管理します。衛生委員会等では、具体的な個人や少人数集団を推測できないよう配慮しながら、分析方法や改善施策の進捗を確認しましょう。
50人未満の事業場も集団分析が義務になりますか?
2028年4月1日から、労働者数50人未満の事業場にもストレスチェック本体の実施が義務付けられます。一方、集団分析と職場環境改善は、現時点では引き続き努力義務です。
小規模事業場では、細かな部署別分析によって個人を識別されるリスクが高まります。会社全体で分析する、複数部署をまとめる、外部サービスを利用するなど、自社に適した方法を検討しましょう。
まとめ|集団分析は職場を順位付けせず改善のヒントとして活用する
ストレスチェックの集団分析とは、回答結果を部署や職種などの単位で集計し、仕事量、裁量、上司・同僚からの支援といった職場の傾向を把握する取り組みです。高ストレス者を特定したり、部署や管理職を評価したりするためのものではありません。
分析結果だけで原因を決めず、時間外労働、休暇、業務内容、組織変更などの情報と組み合わせましょう。管理職と従業員への聞き取りを行い、業務分担、会議、承認、人員配置など、企業が改善できる課題へ施策をつなげます。
2027年4月1日からは、特定の個人を識別できない方法による分析が規則上も明文化されます。分析単位や共有範囲に迷っている企業、結果を職場改善へ活用できていない企業は、産業医クラウドへご相談ください。
産業医の選任、集団分析の読み解き、高ストレス者への面接指導、衛生委員会での改善提案などの支援内容は、お問い合わせフォームまたは資料請求から確認できます。
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