本ページでは、産業医、産業保健師、健康経営、ストレスチェック、メンタルヘルス、復職支援など、企業の産業保健に関する情報を専門的に解説しています。

高ストレス者面談を産業医に依頼する7つのメリット|選び方と依頼手順を解説

ストレスチェックで高ストレス者として選定され、実施者が医師による面接指導を必要と認めた従業員から申出があった場合、事業者は医師による面接指導を実施します。

法定の面接指導を担当する医師は、自社で選任している産業医に限定されません。

一方で、企業にとって重要なのは、「医師との面接を実施したか」だけではありません。

面接指導後に、

現在の勤務を継続できるか。
労働時間を制限する必要があるか。
深夜勤務等への配慮が必要か。
業務負荷を調整する必要があるか。
医療機関への受診が必要か。
その後の状態をいつ確認するか。

など、企業が必要な健康確保措置を検討できる医学的意見を得ることが重要です。

面接指導を担当する医師が本人の仕事内容や勤務実態を十分に把握できていない場合には、健康状態を確認できても、企業が具体的な就業上の措置を検討するための情報が不足することがあります。

そのため、面接指導を実施する医師には、
健康状態 × 労働時間 × 業務内容 × 勤務形態 × 職場環境
を総合的に評価できるよう、企業側から必要な勤務情報を提供することが重要です。

特に、事業場の状況を日頃から把握している産業医であれば、仕事内容や職場環境を踏まえながら、健康確保のために必要な就業上の措置について意見を示しやすいという利点があります。

つまり、高ストレス者面談を産業医へ依頼するメリットは、単に面接業務を任せられることではありません。

健康状態と仕事との関係を産業医学的に評価し、その結果を企業が検討すべき具体的な健康確保措置につなげやすいことにあります。

本記事では、高ストレス者面談における産業医の役割、企業が抱えやすい課題、産業医へ依頼する7つのメリット、依頼手順、産業医の選び方まで実務的に解説します。

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目次

高ストレス者面談における産業医の役割

高ストレス者への医師による面接指導は、精神疾患を診断したり、休職する従業員を選別したりするための制度ではありません。

医師が、

本人の勤務状況。
心理的な負担の状況。
その他の心身の状況。

を確認し、健康障害を防ぐために必要な就業上の措置について医学的な意見を示すことが重要な役割です。

事業場の産業医が面接指導を担当する場合には、面談だけではなく、

勤務情報の確認。
面接指導結果・医師意見の作成。
人事・産業保健スタッフへの医学的助言。
必要に応じた状態の再評価。

など、前後の産業保健活動と継続的に連携しやすいという特徴があります。

さらに、産業医は高ストレス者への個別面談だけでなく、

休職・復職支援。
職場巡視。
衛生委員会への参加。
職場環境改善。

などにも関与します。

個人への健康支援と、職場全体の産業保健活動をつなぎやすいことも、事業場の産業医へ依頼する意義の一つです。

法定の面接指導は本人の申出に基づいて医師が実施する

法に基づく高ストレス者への面接指導は、

ストレスチェックで高ストレス者として選定される。
実施者が医師による面接指導を必要と認める。
本人から事業者へ申出がある。

という要件を満たした場合に実施します。

企業が本人の意思に反して、「高ストレス者だから必ず法定面接を受けてください」と強制する制度ではありません。

そのため、企業ではストレスチェック実施前から、

面接指導の目的。
申出方法。
個人結果の取扱い。
面接指導後に会社へ提供される情報。
申出を理由とした不利益な取扱いを行わないこと。

などを分かりやすく周知します。

また、本人から申出があった場合には、事業者は遅滞なく面接指導を実施する必要があります。

そのため、申出を受けてから初めて担当医を探し始めるのではなく、ストレスチェックを実施する前から、誰が面接指導を担当し、どのように日程調整するのかを決めておくことが重要です。

面接指導は産業医以外の医師にも依頼できる

法定の高ストレス者面接指導は「医師」が実施するものであり、自社で選任している産業医に限定されているわけではありません。

そのため、外部の医師へ面接指導を依頼することも可能です。

一方、厚生労働省の指針では、当該事業場の産業医等が面接指導を実施することが望ましいとされています。

これは、本人の健康状態だけでなく、

仕事内容。
労働時間。
勤務形態。
職場環境。
企業で実施可能な措置。

などを理解している医師の方が、仕事と健康との関係を踏まえた意見を示しやすいためです。

また、事業場外の精神科医・心療内科医等が面接指導を担当した場合には、その医師の意見を踏まえて、事業場の産業医等からも意見を聴くことが望ましいとされています。

外部医師へ依頼する場合は、

産業保健に関する知識・経験があるか。
勤務情報を踏まえて就業上の意見を示せるか。
事業場の産業医等と連携できるか。

を確認するとよいでしょう。

産業医は仕事と健康の両面から就業上の意見を示す

産業医は、本人の症状だけを確認するのではありません。

必要に応じて、

睡眠。
疲労。
気分。
集中力。

などの心身の状態に加え、

労働時間。
深夜勤務。
出張。
担当業務。
業務負荷。
異動・役割変更。
職場からの支援。

などを踏まえて、仕事と健康との関係を評価します。

そのうえで、必要に応じて、

時間外労働等の制限。
深夜勤務等への配慮。
担当業務の調整。
医療機関への受診。
療養。

などについて事業者へ医学的意見を示します。

事業者はその意見を聴き、本人の意見や業務の実情も踏まえて必要な措置を決定します。

したがって、医学的評価と意見は医師、具体的な就業上の措置の決定・実施は事業者という役割を整理しておくことが重要です。

企業が高ストレス者面談で抱えやすい5つの課題

高ストレス者への面接指導では、

担当医の確保。
日程調整。
勤務情報の準備。
医師意見の受領。
必要な就業上の措置。
その後のフォロー。

まで複数の工程があります。

そのため、「面接指導できる医師を確保したので対応完了」というわけではありません。

制度運用を振り返る際には、個人を不必要に特定しない形で、

面接指導対象者数。
申出者数。
面接指導実施数。

などを確認するほか、

申出から面接指導までに要した期間。
医師意見を受領した後の対応状況。
必要なフォローの実施状況。

などを見ることで、どの工程に改善余地があるか確認できます。

ただし、これらは法定のKPIではなく、運用改善のための実務上の確認項目です。

申出後すぐに依頼できる医師がいない

自社の産業医が面接指導に対応できない、あるいは契約内容に高ストレス者への面接指導が含まれていない場合、本人から申出があってから担当医を探すことになりかねません。

医師の選定、契約、日程調整に時間がかかれば、申出後遅滞なく面接指導を実施することが難しくなります。

そのためストレスチェック実施前に、

既存の産業医等が対応可能か。
どの程度の日程で面接できるか。
オンライン面談に対応しているか。
契約外の追加対応になるか。
代替となる医師を確保できるか。

などを確認します。

対象者が出てから対応方法を考えるのではなく、申出があった場合の面接指導体制をあらかじめ決めておくことが重要です。

医師が会社の業務や職場環境を理解していない

単発で依頼した医師が事業場の仕事内容や勤務実態を十分に把握できていない場合には、本人の心身の状態を確認できても、就業上の措置について具体的な意見を示すための情報が不足する場合があります。

これは、外部医師の医学的能力の問題とは限りません。

企業側から必要な職務情報が提供されていないことが原因となる場合もあります。

面接指導前には、必要に応じて、

事業・業務内容。
本人の担当業務。
勤務形態。
労働時間。
深夜勤務や出張。
最近の異動・役割変更。

などを整理して医師へ提供します。

日頃から事業場へ関与している産業医であれば、職場巡視や衛生委員会等を通じて仕事内容や職場環境を把握しやすく、勤務実態を踏まえた医学的意見につなげやすいという利点があります。

面談後の意見書を業務調整へ反映できない

医師から面接指導結果や意見書を受け取っても、

誰が措置を検討するのか。
本人へ誰が説明するのか。
管理職へ何を伝えるのか。

が決まっていなければ、医師意見を実際の健康確保措置へつなげられません。

また、「業務負荷へ配慮する」という記載だけでは具体的な対応を判断しにくい場合があります。

その場合には必要に応じて、

時間外労働への配慮の程度。
深夜勤務等の可否。
避けるべき作業。
業務負荷の調整。
状態を再確認する時期。

などを医師へ確認します。

ただし、残業時間や措置期間に一律の医学的基準があるわけではありません。

本人の健康状態と仕事内容に応じて個別に判断します。

社内でも、

医師意見を受け取る担当者。
措置を検討・決定する担当者。
本人へ説明する担当者。
管理職へ必要事項を伝える担当者。

を整理しておくことが重要です。

面談後の状態を継続して確認できない

一度の面接指導だけでは、実施した措置によって本人の健康状態や勤務状況がどのように変化したかまでは分かりません。

例えば、時間外労働を制限したものの、業務量自体は変わっておらず、限られた時間で同じ量の仕事を処理しているといった状況も考えられます。

また、一人の業務を別の従業員へ移した結果、チーム全体の負荷が増える可能性もあります。

そのため、必要に応じて、

本人の状態。
勤怠。
実際の業務量。
措置の実施状況。

などを確認します。

再面談が必要か、いつ状態を再評価するかについては、すべてのケースで一律に設定するのではなく、医師意見や本人の健康状態に応じて判断します。

措置を実施したことだけでなく、その措置が現在も必要か、変更する必要がないかを確認することが重要です。

人事担当者だけでは医学的な判断ができない

高ストレス者への対応では、

現在の状態で勤務を継続できるか。
医療機関への受診が必要か。
労働時間の制限が必要か。
療養を優先すべきか。

など、医学的な評価が必要になる場合があります。

こうした判断を人事担当者や管理職だけで行うことは適切ではありません。

医師へ、本人の心身の状態、勤務状況、仕事内容などを確認してもらい、健康確保のための医学的意見を得ます。

一方で、「産業医が決めてくれるので会社は何もしなくてよい」ということでもありません。

医師の専門的な意見を踏まえて、企業として具体的にどのような措置を実施するかを判断するのは事業者です。

高ストレス者面談を産業医に依頼する7つのメリット

高ストレス者への面接指導を事業場の産業医へ依頼するメリットは、単に本人の心身の状態を確認してもらえることだけではありません。

日頃から事業場へ関与している産業医であれば、仕事内容、勤務形態、職場環境、企業で実施できる健康確保措置などを把握しやすく、仕事と健康との関係を踏まえた医学的意見につなげやすくなります。

また、面接指導、必要な就業上の措置、健康相談、休職・復職支援、職場環境改善など、継続的な産業保健活動の中で連携しやすいこともメリットです。

心身の状態と勤務状況を総合的に評価してもらえる

高ストレス者への面接指導では、ストレスチェックの点数だけで就業上の判断を行うわけではありません。

医師は必要に応じて、

睡眠。
疲労。
気分。
食欲。
集中力。
治療・受診状況。

などに加え、

労働時間。
業務内容。
深夜勤務。
出張。
仕事の裁量。
職場からの支援。

などを確認します。

日頃から事業場の状況を把握している産業医であれば、本人の健康状態と具体的な仕事内容との関係を評価しやすくなります。

また、企業側から客観的な勤務情報を適切に提供することで、より実態に即した医学的評価につなげることができます。

職場で実行できる就業上の措置を提案してもらえる

事業場の職務内容や働き方を理解している産業医であれば、「負担を減らす」という抽象的な意見だけではなく、

時間外労働への配慮。
深夜勤務等の調整。
特定業務の一時的な制限。
勤務方法への配慮。

など、企業が具体的に検討できる医学的意見を示しやすくなります。

また、必要に応じて、どの時点で状態を確認することが適切かについても意見を求めることができます。

ただし、
「何週間行うか」
「残業を何時間にするか」
に全員共通の基準があるわけではありません。

医学的な必要性を具体化しつつ、本人の健康状態や実際の仕事内容に応じて個別に設定することが重要です。

企業から一定の独立性を持つ医学的な意見を得られる

産業医は、産業医学の専門的立場から、独立性・中立性をもって誠実に職務を行うことが法律上求められています。

企業側には、

繁忙期である。
代替要員が不足している。
重要な案件を担当している。

といった事情がある場合もあります。

一方、産業医はそうした職場事情を理解しながらも、労働者の健康確保という医学的観点から必要な意見を示す役割を担います。

そのため、
なぜ時間外労働を制限する必要があるのか。
なぜ特定業務への配慮が必要なのか。
について、医学的な根拠を踏まえて企業が検討しやすくなります。

ただし、「産業医が言ったから」という理由だけで機械的に異動・休職等を行うものではありません。

事業者は医師意見を適切に勘案し、本人の実情も踏まえて具体的な措置を検討します。

申出から面談後の対応までを標準化できる

継続的に同じ産業医・産業保健体制と連携することで、

面接指導の申出。
勤務情報の提供。
面接指導。
医師意見。
健康確保措置。
必要なフォロー。

までの業務手順を整理しやすくなります。

例えば、

勤務情報提供書。
面接指導結果・意見書の様式。
医師への確認方法。
措置後の管理方法。

などを共通化する方法があります。

ただし、標準化すべきなのは業務プロセスであり、医学的判断そのものを全員同じ基準へ画一化することではありません。

本人の状態に応じた医学的判断を維持しながら、必要な情報や手続きを一定にすることが重要です。

休職・復職支援まで継続して相談できる

面接指導の結果、医療機関での治療や療養が必要になる場合があります。

事業場へ継続的に関与している産業医であれば、必要に応じて、

休職前の就業上の措置。
休職・療養に関する医学的助言。
復職時の産業医面談。
復職後のフォロー。

などについて継続して相談できます。

特に復職時には、主治医からの復職可能という医学的情報だけでなく、

実際の仕事内容。
勤務時間。
通勤。
職場の受入れ体制。

なども考慮する必要があります。

産業医はこれらの職場情報を踏まえ、復職時に必要な就業上の措置について意見を示します。

最終的な復職可否については、主治医からの情報や産業医等の医学的意見、本人の意向、自社の就業規則等を踏まえて企業が判断します。

人事担当者の判断負担と調整負担を軽減できる

高ストレス者への面接指導では、

制度案内。
日程調整。
勤務情報の準備。
医師意見の確認。
本人への説明。
管理職との調整。

など、企業側にも複数の業務が発生します。

産業医等へ医学的な判断を相談できれば、人事担当者が、
「勤務を継続しても大丈夫か」
「医療機関への受診が必要か」
といった医学的評価まで独自に行う必要がなくなります。

また、外部の産業保健サービスによっては、契約内容に応じて日程調整や産業保健業務の事務支援等を受けられる場合があります。

依頼先を選ぶ際には、医師による面接だけでなく、面接前後のどの業務まで支援対象なのかを確認するとよいでしょう。

個人への面談を職場環境改善へつなげられる

産業医は、高ストレス者への個別面接だけでなく、

職場巡視。
衛生委員会。
ストレスチェックの集団分析。
職場環境改善。

などにも関与できます。

ただし、個々の面接指導で聞いた相談内容をそのまま集め、「この部署では同じ悩みを持つ従業員が多い」と企業へ共有することは、健康情報や守秘義務の観点から慎重に行う必要があります。

職場環境上の課題を検討する場合には、

個人を識別できない集団分析。
部署単位の勤怠。
職場巡視。
管理監督者や労働者から得た職場情報。

などを適切に組み合わせます。

そこから、

業務量。
仕事の裁量。
人員配置。
管理職からの支援。
勤務形態。

などについて改善の必要性を検討します。

個別面談の秘密を守りながら、別途適切な情報を用いて職場環境改善へつなげられることが産業医の重要な役割です。

高ストレス者面談で産業医へ提供する情報

産業医へ面接指導を依頼しただけで、仕事内容を踏まえた適切な医学的評価ができるとは限りません。

企業側からも、

勤務状況。
仕事内容。
勤務形態。
職場環境。

など、仕事と健康との関係を評価するために必要な情報を提供します。

ストレスチェックの個人結果については、制度上認められた方法で面接指導を担当する医師へ必要な情報が共有されるようにします。

通常の人事担当者が本人の同意なく個人結果を自由に取得するという意味ではありません。

また、企業から提供する情報については、

「協調性がない」
「メンタルが弱い」

といった人物評価ではなく、勤務実態や仕事内容に関する客観的な事実を中心にすることが重要です。

労働時間と勤務形態に関する情報

本人の健康状態と勤務との関係を評価するため、必要な期間について、

時間外労働。
休日労働。
深夜勤務。
交替勤務。
連続勤務。
出張。
休日取得状況。

などを整理します。

「直近1~3か月」と一律に決める必要はなく、本人の状態や業務負荷の変化を評価するために必要な期間の情報を用意します。

テレワークの場合には、勤怠記録だけでは把握しにくい働き方がある場合もあります。

そのため、勤務時間が一時的に増えたのか、長期間継続しているのか、業務時間や仕事量を本人が調整できるのかなども必要に応じて説明します。

担当業務・異動・役割変更に関する情報

仕事内容については、

担当業務。
責任範囲。
勤務形態。
納期や繁忙状況。
チーム体制。
深夜勤務や出張の有無。

などを整理します。

直近に、

異動。
昇進。
担当変更。
管理業務の増加。

などがあった場合には、その時期や仕事内容の変化も重要な情報になります。

また、

突発対応が頻繁にある。
本人にしか対応できない業務が集中している。
業務量を調整する裁量が少ない。

など、単純な労働時間だけでは把握できない業務上の特徴も、必要に応じて伝えます。

欠勤・遅刻や職場での変化に関する情報

必要に応じて、

欠勤。
遅刻。
早退。
業務上のミスなど客観的に確認できる変化。

について整理します。

ただし、
「やる気がない」
「協調性がない」
「精神的に弱い」
といった評価を、客観的な事実と同じように扱うことは避けます。

例えば、「協調性が低下した」ではなく、「直近1か月で○回、予定されていた会議を欠席した」など、確認できる事実を中心にします。

客観的事実と評価・推測を分けて医師へ提供することが重要です。

産業医への高ストレス者面談依頼を成功させる5つの手順

高ストレス者から申出があった後に初めて、「誰へ依頼するのか」を検討するのではなく、ストレスチェック実施前から面接指導の運用を決めておくことが重要です。

あらかじめ、

担当医。
申出窓口。
面接方法。
勤務情報の提供方法。
医師意見を受け取った後の社内フロー。

などを整理します。

手順1.担当する産業医と依頼範囲を決める

既存の産業医へ依頼する場合には、

高ストレス者への法定面接指導に対応できるか。
どの程度の日程で対応できるか。
オンライン面談に対応しているか。
面接指導後の意見書作成が含まれるか。
人事・産業保健担当者からの確認に対応できるか。
必要なフォローに対応できるか。

などを確認します。

契約内容によって追加料金や対応範囲は異なるため、事前に確認しておくことが重要です。

新しく医師へ依頼する場合には、

産業保健実務。
高ストレス者への面接指導。
メンタルヘルス対応。
休職・復職支援。

などの経験も確認するとよいでしょう。

手順2.対象者への案内と申出窓口を整える

ストレスチェック結果を通知する際には、必要に応じて、

面接指導の目的。
申出方法。
申出期限。
申出窓口。
面接方法。
個人情報の取扱い。
面接後に会社へ共有される情報。

などを分かりやすく案内します。

法定の面接指導は本人からの申出を前提とするため、対象者が周囲に知られず申し出られる仕組みを整えることが重要です。

直属の上司を必ず経由しなければ申し出られない方法ではなく、

実施者。
実施事務従事者。
指定した産業保健窓口。
専用フォーム。

などへ直接申し出られる方法を検討します。

手順3.勤務情報と事前問診を産業医へ共有する

企業側では、

労働時間。
勤務形態。
担当業務。
業務上の負荷。

など、医師が仕事と健康との関係を評価するために必要な勤務情報を整理します。

本人について、

睡眠。
疲労。
心身の症状。
受診・服薬状況。

などの事前問診を使用する場合には、回答された情報が誰に提供され、誰が閲覧するのかを明確にします。

詳細な健康情報を、通常の人事資料や人事部全体の共有フォルダへ保管するような運用は避けます。

勤務情報は企業から、詳細な健康情報は医師が適切に確認できる情報経路を整えることが重要です。

手順4.産業医意見を具体的な就業措置へ変換する

面接指導後には、必要に応じて、

時間外労働。
深夜勤務。
出張。
担当業務。
勤務形態。
状態を確認する時期。

などについて医師の医学的意見を確認します。

事業者はその意見を勘案し、本人の意見や実際の職場状況も踏まえて必要な措置を決定します。

医師意見が抽象的で対応を判断できない場合には、人事担当者だけで医学的な意味を推測せず、面接指導を担当した医師または事業場の産業医等へ確認します。

管理職へ共有する情報も、診断名、相談内容ではなく、現場で健康確保措置を実行するために必要な勤務上の情報へ限定します。

手順5.再面談で措置の効果を確認する

就業上の措置を実施した後は、医師意見や本人の状態に応じて必要なフォローを行います。

医師による再評価が必要な場合には、再面談を設定します。

その際には、

本人の心身の状態。
勤怠。
実際の業務負荷。
決定した措置が実施されているか。

などを確認します。

改善している場合には、医師意見を踏まえて措置の変更・解除等を検討します。

状態が改善していない場合には、現在の措置の変更、医療機関への受診、療養などを改めて検討します。

ただし、すべてのケースで再面談を行うことが法令上一律に義務付けられているわけではありません。

本人の状態に応じて必要なフォロー方法を設定します。

高ストレス者面談を依頼する産業医の選び方

産業医資格を有していることは重要ですが、高ストレス者への面接指導を実務で円滑に進めるためには、資格だけではなく、

ストレスチェック制度への理解。
産業保健実務の経験。
メンタルヘルスに関する知識。
本人への説明・傾聴。
就業上の意見を伝える力。
人事・産業保健スタッフとの連携。

なども確認します。

診療科名だけで判断するのではなく、企業における健康管理や面接指導へどのように関わってきたかを見ることが重要です。

高ストレス者面談と休復職支援の経験を確認する

候補となる産業医には、

高ストレス者への面接指導。
長時間労働者への面接指導。
メンタルヘルス相談。
休職・復職支援。

などの実務経験を確認します。

必要に応じて、
どのような業種・勤務形態への対応経験があるか。
オンラインでの面談経験があるか。
緊急性の高いケースでどのように医療へつなぐか。
なども確認します。

自社と同じ業種の経験が必須というわけではありませんが、自社の仕事内容や勤務形態を理解する姿勢と産業保健実務の経験は重要な確認項目です。

就業上の意見を具体的に示せるか確認する

企業が就業上の措置を検討するには、
「無理をさせない」
「仕事を減らす」
だけでは対応を判断しにくい場合があります。

そのため、

時間外労働等についてどのような配慮が必要か。
避けるべき作業があるか。
勤務形態への配慮が必要か。
いつ状態を確認するのが適切か。

など、企業が実施可能なレベルで医学的意見を示せるかを確認します。

契約前には、

意見書の様式。
人事・産業保健担当者から質問できる体制。
意見内容に不明点があった場合の確認方法。

なども確認するとよいでしょう。

従業員が相談しやすい対応力を確認する

高ストレス者への面接指導では、従業員が、

「会社に相談内容をすべて知られるのではないか」
「面談を受けると休職になるのではないか」

と不安を抱いている場合があります。

そのため医師には、必要な医学的評価だけではなく、

面接指導の目的。
守秘義務。
会社へ共有される情報の範囲。

などを本人へ分かりやすく説明する力も求められます。

また、本人の話を十分に聴いたうえで、必要な情報を適切に確認できる面接スキルも重要です。

人事担当者や保健師と連携できるか確認する

産業医の医学的意見を企業の健康確保措置へつなげるためには、人事担当者や保健師等の産業保健スタッフとの連携も重要です。

例えば、

医師意見について確認できる方法があるか。
健康状態に変化があった場合に相談できるか。
休職・復職時に必要な連携が可能か。
複数事業場で共通の運用を行う場合に対応できるか。

などを確認します。

ただし、産業医が企業側の都合に合わせて医学的判断を変更するという意味ではありません。

産業医としての独立性・中立性を保ちながら、健康確保に必要な情報を企業側へ適切に伝えられることが重要です。

高ストレス者面談を産業医へ依頼する際の注意点

高ストレス者への面接指導を産業医や外部医師へ依頼しても、事業者に求められる対応まで医師へ移るわけではありません。

医師は医学的評価と意見を示します。

一方で企業は、

必要な勤務情報を提供する。
医師意見を聴取・勘案する。
必要な就業上の措置を決定する。
現場で措置を実施する。
健康情報を適切に管理する。

という役割を担います。

面接指導を外部へ依頼しても、事業者として必要な健康確保措置を行う責任がなくなるわけではないことを理解しておく必要があります。

産業医へ判断と対応を丸投げしない

産業医等から、「療養が望ましい」との医学的意見が示されたとしても、産業医が企業の休職制度を直接適用するわけではありません。

企業は必要に応じて、

主治医から提供された医学的情報。
産業医等の医学的意見。
本人の意向。
実際の業務内容。
就業規則。

などを踏まえて具体的な対応を判断します。

一方、
「繁忙期だから」
「代わりの人がいないから」
という企業側の事情だけで医師意見を軽視することも適切ではありません。

医師から示された措置をそのまま実施することが困難な場合には、同じ健康確保の目的を達成できる代替措置がないか医師へ相談することが重要です。

面談内容を必要以上に社内共有しない

管理職が健康確保措置を実施するために必要なのは、通常、

時間外労働への制限。
深夜勤務等への配慮。
担当業務の調整。

などの勤務上の情報です。

一方、

診断名。
服薬内容。
家庭事情。
本人が面談で相談した詳細な内容。

まで管理職へ共有する必要は通常ありません。

産業医が面談で得た情報についても、健康確保に必要な者へ、必要な範囲で共有することが重要です。

面談担当医の確保だけで制度整備を終わらせない

面接指導を担当できる医師を確保しても、

本人が申出方法を知らない。
申出から日程調整まで時間がかかる。
企業から医師へ勤務情報が提供されない。
医師意見を誰が処理するか決まっていない。
必要なフォローが行われない。

という状態では、制度を適切に運用できません。

制度を振り返る際には、面談件数だけではなく、

申出から面談まで適切に対応できたか。
医師意見を必要な措置へつなげられたか。
必要なフォローが行われたか。

など、プロセス全体を確認します。

ただし、「措置実施率○%」「フォロー完了率○%」といった数値は法定KPIではありません。

自社の運用上どこに課題があるのかを把握するための指標として活用します。

産業医へ依頼するメリットが分かる想定事例

産業医へ面接指導を依頼した効果を確認する際は、「何件面談を実施したか」だけで判断するのではなく、

必要な医師意見を得られたか。
企業が必要な措置を実施できたか。
その後の状態を必要に応じて確認できたか。

という流れを確認することが重要です。

以下は実在企業の実績ではなく、産業医へ継続的に依頼するメリットを示すための想定事例です。

多拠点の小売業でオンライン面談を導入した事例

全国に店舗を持つ小売企業で、本社での対面面談を中心にしていたため、地方店舗の従業員が申出をしても日程調整に時間がかかっていたとします。

そこで一定の要件を満たしたオンライン面談を導入し、

シフト勤務。
深夜勤務。
連続勤務。
店舗での担当業務。

などの勤務情報を医師へ提供する仕組みを整えます。

医師は本人の健康状態と勤務状況を踏まえて医学的意見を示し、企業は必要に応じてシフトや業務負荷を調整します。

さらに、必要なケースについてはその後の状態を確認します。

面談方法だけでなく、勤務情報提供から健康確保措置までを共通化したことがポイントです。

IT企業で面談から再評価まで継続依頼した事例

IT企業で、単発の外部医師へ面接指導を依頼していたものの、開発業務や納期等の職務情報が十分に共有されず、企業側が具体的な措置を判断しにくかったとします。

そこで、産業保健実務に継続的に関与する産業医と連携し、

労働時間。
担当プロジェクト。
納期。
対外対応等の業務負荷。

を必要な範囲で共有します。

産業医から示された医学的意見を踏まえ、企業が時間外労働や担当業務について具体的な措置を検討します。

必要なケースについては産業保健スタッフによるフォローや医師による再評価も行います。

単発の面接だけではなく、仕事の情報とその後の措置を継続的に連携できる体制へ変更した事例です。

製造業で夜勤制限を具体化した事例

交替勤務のある製造事業場で、従来は医師へ詳しい職務情報が伝わっておらず、

「業務負荷に配慮する」

という意見だけでは管理職が具体的な対応を判断できなかったとします。

そこで、

夜勤・深夜勤務の状況。
時間外労働。
担当工程。
危険性のある作業。

などを医師へ提供します。

医師は本人の健康状態と作業内容を踏まえ、必要に応じて、

深夜勤務への配慮。
労働時間への配慮。
特定作業からの一時的な変更。

などの医学的意見を示します。

仕事内容を具体的に伝えることで、現場が健康確保措置を検討しやすい情報を得られるようになった想定例です。

産業医クラウドで高ストレス者面談の体制を構築

高ストレス者への面接指導を適切に運用するには、単に面接可能な医師を確保するだけでは十分ではありません。

重要なのは、

  • 企業から勤務情報を適切に提供する。
  • 医師が健康状態と仕事との関係を評価する。
  • 必要な医学的意見を企業が受け取る。
  • 本人の意見を確認する。
  • 企業が必要な措置を実施する。
  • 必要に応じて状態を確認する。

という一連の仕組みを整えることです。

産業医クラウドでは、

  • 産業医の選任支援。
  • 産業保健師による支援。
  • 従業員面談。
  • ストレスチェック。
  • 職場巡視。
  • 衛生委員会運営支援・各種マニュアル整備。
  • 復職・就労支援。

などを通じて、企業の産業保健体制構築を支援しています。

複数拠点を持つ企業では、

  • 面談依頼方法。
  • 勤務情報の提供方法。
  • 医師意見の取扱い。
  • 健康情報の共有範囲。
  • 必要なフォローの管理方法。

など、共通化できる運用を整理することも重要です。

医学的判断まで画一化するのではなく、産業医が個々の健康状態を適切に評価できるよう、企業側の運用を標準化することで、継続しやすい産業保健体制につながります。

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高ストレス者面談を産業医へ依頼する際のよくある質問

高ストレス者面談は自社の産業医へ依頼する必要がありますか?

必ずしも、自社で選任している産業医が実施しなければならないわけではありません。

法定の高ストレス者への面接指導は医師が行うため、外部の医師へ依頼することも可能です。

一方、厚生労働省の指針では、事業場の状況を日頃から把握している当該事業場の産業医等が面接指導を行うことが望ましいとされています。

また、事業場外の精神科医等が面接指導を行った場合には、その医師の意見を踏まえ、事業場の産業医等からも意見を聴くことが望ましいとされています。

誰が面接するかだけでなく、仕事内容や勤務状況を踏まえた医学的意見を得られる体制になっているかを確認することが重要です。

精神科医と産業医のどちらへ依頼すべきですか?

法定の高ストレス者面接指導は、精神科医・心療内科医でなければ実施できない制度ではありません。

面接指導では、精神症状の確認だけでなく、

勤務状況。
業務負荷。
仕事との適合性。
必要な就業上の措置。

について評価し、事業者へ意見を示す必要があります。

そのため、厚生労働省は事業場の状況を把握する産業医等が実施することを望ましいとしています。

一方、精神症状が複雑なケースや専門的な診療が必要な場合には、精神科・心療内科等の専門医療へつなぐことも重要です。

したがって、「精神科医か産業医か」という診療科・資格の二択ではなく、産業保健実務への理解、事業場情報の把握、必要な専門医療との連携が可能かという観点から考えます。

高ストレス者面談だけをスポットで依頼できますか?

外部の医師・産業保健サービスによっては、高ストレス者への面接指導のみを依頼できる場合があります。

産業医の選任義務がない事業場や、既存の産業医が対応できない場合などに、外部サービスを利用することも選択肢になります。

ただし、

面接指導1回だけに対応するのか。
企業からの勤務情報をどのように提供するのか。
面接指導結果・医師意見が含まれるのか。
企業から意見内容について確認できるか。
必要なフォローに対応可能か。

まで確認します。

また、選任産業医がいる事業場で外部医師へ面接指導を依頼する場合には、必要に応じて選任産業医との連携方法も決めておくとよいでしょう。

産業医への面談依頼にはどの程度の費用がかかりますか?

高ストレス者への面接指導費用には法令上の一律料金が定められているわけではありません。

既存の産業医契約に面接指導が含まれているか、契約外の追加対応になるかなどによって異なります。

また、

対面・オンライン。
面接時間。
意見書作成。
日程調整。
追加相談。
必要なフォロー。

など、サービスの範囲によっても費用体系は変わります。

そのため単純な面談単価だけで比較せず、面接指導前後のどこまでが契約・料金に含まれるのかを確認することが重要です。

面談結果はどこまで企業へ共有されますか?

医師が面接指導で確認した内容のすべてが、企業や直属の上司へ共有されるわけではありません。

企業側に必要なのは、健康確保措置を検討するための情報です。

例えば、

勤務継続についての医学的意見。
時間外労働等への配慮。
深夜勤務等への配慮。
業務内容の調整。
療養の必要性。

などです。

一方で、

家庭事情。
具体的な相談内容。
詳細な診療情報。

など、健康確保措置に必要のない詳細情報を社内へ広く共有することは避けます。

産業医の意見どおりに措置を行う必要がありますか?

事業者は、面接指導後に医師から必要な措置について意見を聴き、その意見を勘案して必要な措置を講じます。

したがって、「医師の意見が出たら、文章どおり一字一句同じ措置を機械的に実施する」という意味ではありません。

一方で、合理的な検討をせず医師意見を放置したり、本人の実情を考慮せず医師意見と著しく異なる措置を行ったりすることも適切ではありません。

提案された措置をそのまま実施することが困難な場合には、健康確保という目的を満たす代替措置がないか医師へ相談することが重要です。

具体的な措置については、医師意見、本人の意見、仕事内容等を踏まえて事業者が決定します。

まとめ|高ストレス者面談は職場と企業実務を理解する産業医へ依頼する

高ストレス者への法定の面接指導は、自社で選任している産業医以外の医師へ依頼することも可能です。

一方、厚生労働省は、事業場の状況を日頃から把握している産業医等が面接指導を行うことを望ましいとしています。

事業場の産業医であれば、労働時間、勤務形態、仕事内容、職場環境、企業で実施可能な措置などを継続的に把握しやすく、本人の心身の状態と実際の仕事との関係を踏まえた医学的意見につなげやすいというメリットがあります。

ただし、産業医へ依頼すれば自動的に適切な意見が得られるわけではありません。

企業からも、医学的評価に必要な勤務情報を提供する必要があります。

そのうえで、
面接指導 → 医学的評価・医師意見 → 企業による措置の検討 → 実施 → 必要に応じた状態確認・見直し
までを一連の流れとして運用します。

また、

面接指導まで時間がかかる。
医師意見が具体的な措置につながらない。
決定した措置が現場で実施されない。
必要なフォローが行われない。

といった課題がある場合には、個々の担当者や医師だけの問題と考えるのではなく、企業側の運用フローにも改善できる点がないか確認します。

例えば、

面接指導の依頼方法。
勤務情報提供書。
面接指導結果・意見書の様式。
社内での措置検討フロー。
健康情報の共有ルール。
フォロー管理方法。

など、共通化できる部分を整理します。

ただし、医学的判断そのものを共通化・画一化するのではありません。

企業側の業務手順を標準化しながら、産業医が個々の従業員の健康状態を適切に評価できる体制を整えることが重要です。

さらに職場環境改善については、個人面談の相談内容をそのまま分析材料とするのではなく、

個人を識別できない集団分析。
勤怠等の組織データ。
職場巡視。
職場から得られた客観的な情報。

などを活用します。

産業医を単に、「高ストレス者へ面接を行う医師」として配置するのではなく、労働者の健康状態と仕事との関係を産業医学的に評価し、企業が必要な健康確保措置を検討するための専門家として活用します。

高ストレス者への面接指導を形式的な法令対応で終わらせず、必要な医学的評価と就業上の措置へつなげる。

その体制を継続的に見直すことで、従業員の健康障害の未然防止と、安定した産業保健体制の構築につなげることができます。

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株式会社Avenirは株式会社メンタルヘルステクノロジーズ(東証グロース9218)の100%子会社です。
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監修:刀禰真之介(株式会社メンタルヘルステクノロジーズ代表取締役社長、株式会社Avenir代表取締役社長)