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産業医、産業保健師、ストレスチェック、メンタルヘルス、休職・復職、リワーク、健康経営について、実際の企業支援で得られた知見をもとに解説します。

高ストレス者面談と休職判断の関係|産業医・主治医・会社の役割を解説

ストレスチェックで高ストレス者として選定され、医師による面接指導を受けたからといって、自動的に休職が決まるわけではありません。

高ストレス者への面接指導は、「休ませるか、働かせるか」を機械的に決めるための制度ではありません。

医師が、

現在の健康状態で勤務を継続できるか。
労働時間や業務内容を調整する必要があるか。
医療機関での診療が必要か。
療養を優先する必要があるか。

などを医学的に評価し、必要な対応につなげることが目的です。

そのため、面接指導後には、

  • 通常勤務。
  • 一定期間の就業上の配慮・制限。
  • 業務内容や勤務時間の調整。
  • 医療機関への受診勧奨。
  • 休業・休職を含めた療養。

などを、本人の健康状態に応じて検討します。

これらは必ずしも順番に進むものではありません。就業上の配慮を行いながら通院する場合もあれば、医学的に休養が必要と判断されれば、早い段階で療養を優先する場合もあります。

休職制度を適用するかどうかを検討する際には、

  • 主治医からの医学的情報。
  • 産業医等の就業上の意見。
  • 本人の意向。
  • 実際の勤務状況・業務内容。
  • 企業の就業規則・休職規程。

などを整理することが重要です。

役割を整理すると、主治医は診断・治療を担い、必要に応じて療養や就業上の配慮について意見を示します。

産業医は、健康状態に加えて実際の職務内容や職場環境を踏まえ、就業継続の可否や必要な就業上の措置について医学的な意見を示します。

企業は、こうした医師の意見や本人の意向を踏まえ、自社の就業規則等に沿って具体的な就業上の措置や休職制度の適用を判断します。

本記事では、高ストレス者面談と休職判断の関係、主治医・産業医・会社の役割、企業が陥りやすい課題、面談後の実務対応まで解説します。

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目次

高ストレス者面談を受けても自動的に休職にはならない

ストレスチェックで高ストレス者として選定され、実施者が必要と認めたうえで本人から申出があり、医師による面接指導を受けたとしても、その時点で休職が決まるわけではありません。

高ストレス者への面接指導では、

  • 本人の心身の状態。
  • 勤務状況。
  • 心理的な負担。
  • 業務上の負荷。

などを確認し、健康障害を防ぐために必要な就業上の措置について医師が意見を示します。

面接指導後には、本人の状態に応じて、

  • 通常勤務。
  • 時間外労働等の制限。
  • 業務負荷の軽減。
  • 配置や勤務形態への配慮。
  • 医療機関への受診勧奨。
  • 休業・休職を含む療養。

などを検討します。

重要なのは、「高ストレス=休職」と短絡的に結び付けないことです。

ストレスチェックの結果だけで就業上の措置を決めるのではなく、医師による面接指導や勤務実態などを踏まえて、現在の健康状態で勤務を継続できるか、必要な調整を行えば安全に働けるかを検討します。

高ストレス者面談と休職判断の基本的な関係

高ストレス者面談では、ストレスチェックの点数だけを見て休職の要否を判断することはありません。

本人への聞き取りに加え、必要に応じて企業から提供された労働時間、勤務形態、担当業務などの客観的な情報を踏まえ、健康状態と仕事との関係を総合的に評価します。

面接指導を行った医師からは、例えば、

通常勤務が可能。
一定の就業上の措置が必要。
医療機関への受診が望ましい。
療養を優先する必要がある。

などの医学的意見が示される場合があります。

ただし、医師が企業の休職制度そのものを適用するわけではありません。

事業者は医師の意見を聴取・勘案し、本人の意向や実際の職務内容、企業として実施できる措置、就業規則等も踏まえて具体的な対応を判断します。

高ストレス判定は病気の診断ではない

高ストレス者との判定は、ストレスチェックの基準に基づき、心理的な負担が高い状態にある可能性を示すものです。

精神疾患の確定診断でもなければ、就業不能の判定でもありません。

高ストレス者として選定されても、医学的評価の結果、通常勤務を継続できる場合もあります。

また、労働時間や業務負荷を一定期間調整しながら勤務を継続できる場合もあります。

反対に、高ストレス者に該当していなくても、不眠、食欲低下、強い疲労、集中力低下などがあり、安全な勤務継続が難しくなるケースもあります。

そのため、「高ストレス者」というラベルだけではなく、実際の健康状態と勤務状況を評価することが重要です。

面談は適切な対応を選ぶために実施する

高ストレス者への面接指導は、「休職させる従業員を選ぶための面談」ではありません。

本人の心身の状態と勤務状況を確認し、健康障害を防ぐために必要な対応を検討するためのものです。

医師は、

  • 通常勤務が可能か。
  • 一定の就業制限が必要か。
  • 業務内容の調整が必要か。
  • 医療機関への受診が必要か。
  • 療養を優先すべき状態か。

などを医学的に評価します。

企業も面接指導結果を受け取って終わるのではなく、必要に応じて、

  • 何を変更するのか。
  • いつから実施するのか。
  • どの程度の期間を想定するのか。
  • いつ状態を確認するのか。

を整理し、実際の健康確保措置へつなげます。

休職判断で企業が陥りやすい4つの課題

高ストレス者面談後の対応で注意したいのが、医学的な評価と人事労務上の判断を混同することです。

また、通常勤務、休職の二択だけで考えてしまうと、本来可能な就業上の配慮を検討できない場合があります。

一方で、「できる限り休職させない」という考え方も適切ではありません。

企業は、

  • 医師による医学的意見。
  • 主治医から提供された情報。
  • 勤務状況。
  • 本人の意向。
  • 就業規則。

などを整理し、本人の健康確保を優先しながら判断する必要があります。

高ストレス者に該当しただけで休職を勧めてしまう

高ストレス判定だけを根拠として休職を勧めることは適切ではありません。

ストレスチェック結果だけでは、現在の健康状態や就業継続の可否までは判断できないためです。

また、

「高ストレス者になったら休職させられる」
「産業医面談を受けると仕事を休まされる」

という印象が広がれば、本当に支援を必要としている従業員が面接指導や健康相談を利用しにくくなる可能性があります。

高ストレス判定は休職の基準ではありません。

必要な人を医師による評価や適切な支援につなげるための一つの契機として位置付けることが重要です。

主治医と産業医の意見を同じものとして扱ってしまう

主治医と産業医はいずれも医師ですが、把握している情報や役割には違いがあります。

主治医は、本人を診察し、

  • 症状。
  • 経過。
  • 診断。
  • 治療内容。
  • 療養の必要性。

などを医学的に評価します。

また、勤務情報が提供されている場合には、就業継続の可否や必要な就業上の措置について意見を示すこともあります。

一方、産業医は、本人の健康状態だけでなく、

  • 実際の仕事内容。
  • 労働時間。
  • 勤務形態。
  • 職場環境。
  • 職場で実施可能な配慮。

などを踏まえて、職場における就業上の措置について意見を示します。

したがって、主治医と産業医を対立させるのではなく、それぞれが持つ情報を適切につなぐことが重要です。

通常勤務か休職かの二択で考えてしまう

高ストレス者面談後の対応は、通常勤務、休職だけではありません。

本人の状態によっては、

  • 時間外労働の制限。
  • 休日勤務の制限。
  • 深夜勤務の制限。
  • 業務量の軽減。
  • 出張の制限。
  • 担当業務の変更。
  • 勤務時間の調整。

などの就業上の措置を行いながら勤務を継続できる場合があります。

産業医へ確認する際も、「休職させるべきですか」だけではなく、

「どのような条件なら安全に勤務できるのか」「避けるべき業務は何か」「どの程度の期間、配慮が必要か」

という観点で意見を求めると、企業側も具体的な対応を検討しやすくなります。

ただし、医学的に療養を優先すべき状態であれば、無理に就業調整を試す必要はありません。

休職を決める社内基準が整備されていない

私傷病による休職について、すべての企業に共通する法律上の一律の休職要件や休職期間が定められているわけではありません。

企業ごとの就業規則や休職規程などに基づいて運用します。

そのため、

  • 休職の要件。
  • 必要な書類。
  • 誰が判断するのか。
  • 休職期間。
  • 休職中の連絡方法。
  • 復職手続き。

などが明確になっていないと、担当者や事業場によって対応が変わる可能性があります。

高ストレス者への面接指導をきっかけに療養が必要と判断された場合も、医師の医学的意見から自社の休職制度へどのようにつなぐのかをあらかじめ整理しておくことが重要です。

休職判断における主治医・産業医・会社の役割

休職の要否を検討する場合には、

主治医。
産業医等。
会社。

がそれぞれの立場から情報や意見を提供します。

どれか一つの意見だけで機械的に判断するのではなく、医学的情報と実際の職場情報を組み合わせることが重要です。

企業は医師へ人事上の結論を丸投げするのではなく、

  • 必要な勤務情報を提供する。
  • 医学的意見を確認する。
  • 本人の意向を確認する。
  • 自社の就業規則等に沿って対応を判断する。

という役割を担います。

主治医は診断・治療と療養の必要性を判断する

主治医は、本人を診察し、

  • 症状。
  • 経過。
  • 病状。
  • 治療内容。
  • 今後の治療方針。

などを評価します。

現在の勤務継続が治療上望ましくないと判断される場合には、「一定期間の休養が必要」などの意見を診断書等で示すことがあります。

また、企業側から実際の業務内容や勤務時間などの情報が提供されれば、就業継続の可否や望ましい配慮について、より具体的な意見を得られる場合があります。

企業は、休養期間や就業上避けるべき負荷など、就業判断に必要な範囲の情報を確認し、治療上不要な詳細情報まで一律に求めないことが重要です。

産業医は職場での就業可否について意見を示す

産業医は、

  • 本人の健康状態。
  • 労働時間。
  • 担当業務。
  • 勤務形態。
  • 職場環境。
  • 業務上の安全リスク。
  • 企業が実施可能な配慮。

などを踏まえ、就業上の措置について医学的意見を示します。

例えば、

  • 通常勤務。
  • 時間外労働等の制限。
  • 業務内容の調整。
  • 深夜勤務の制限。
  • 医療機関への受診勧奨。
  • 療養・休業の必要性。

などについて意見を述べます。

また、直ちに休業が必要とは判断されないものの、通常勤務では健康上の懸念がある場合には、

一定期間の就業上の措置を行い、その後状態を再評価する

という方法を検討することもあります。

会社は就業規則に基づいて休職を決定する

実際に休職制度を適用するか、いつから休職とするかなどの人事労務上の判断は、企業が行います。

ただし、企業が医学的な判断を独自に行うという意味ではありません。

主治医や産業医等の医学的意見を勘案し、本人からも就業継続に関する希望や必要な配慮について意見を聴きながら、自社の就業規則等に沿って判断します。

特に、医師から療養が必要との意見が示されているにもかかわらず、医学的根拠なく勤務継続を求めることは避ける必要があります。

休職制度を適用する場合には、

  • 開始日。
  • 休職期間。
  • 提出書類。
  • 休職中の取扱い。
  • 連絡窓口。
  • 復職までの手続き。

などを本人へ分かりやすく説明します。

高ストレス者面談後に休職の要否を判断する7つの手順

休職判断を担当者個人の経験や感覚だけに依存させないためには、確認すべき情報と判断の流れを整理しておくことが重要です。

高ストレス者への面接指導後は、

  • 本人の健康状態。
  • 勤務実績。
  • 医師意見。
  • 職場で実施可能な措置。
  • 本人の意向。
  • 就業規則。

などを順番に確認します。

1.面談前に勤務状況と業務内容を整理する

医師による面接指導を行う際には、必要に応じて企業側から、

  • 労働時間。
  • 休日勤務・深夜勤務。
  • 欠勤・遅刻等の勤務状況。
  • 担当業務。
  • 異動・役割変更。
  • 業務負荷の変化。

などを整理して提供します。

重要なのは、

「最近元気がない」
「仕事ができなくなった」

といった主観的評価だけではなく、勤怠や業務内容などの客観的な情報を提示することです。

また、自動車の運転、危険機械の操作、高所作業など、心身状態の変化が本人や第三者の安全に影響する可能性がある業務についても、医師が判断できるよう伝えます。

2.面談で心身の状態と職場要因を確認する

面接指導では、必要に応じて、

  • 睡眠。
  • 食欲。
  • 疲労。
  • 気分の落ち込み。
  • 不安。
  • 意欲。
  • 集中力。

などの心身状態に加え、

  • 労働時間。
  • 業務量。
  • 仕事の裁量。
  • 役割。
  • 職場での支援状況。

などを確認します。

企業側が面接後に把握すべき中心的な情報は、本人が面談で話した具体的な内容ではありません。

現在の勤務を継続できるか、どのような就業上の措置が必要か、受診や療養が必要かという医師の意見です。

3.緊急性が高い場合は安全確保を優先する

自傷・自殺の切迫した危険など、生命や身体の安全に重大な懸念がある場合には、通常の休職申請や社内決裁よりも安全確保を優先します。

医師や産業保健スタッフが緊急性を評価し、必要に応じて、

  • 本人の安全が確保できる環境を整える。
  • 精神科等の医療機関へつなぐ。
  • 緊急性が高ければ救急医療を利用する。
  • 必要な関係者へ支援を求める。

などの対応を検討します。

対応方法は本人の状態や切迫性によって異なります。

そのため企業では、緊急時に誰へ連絡し、産業医・医療機関等へどのようにつなぐのかをあらかじめ整理しておくことが重要です。

4.必要に応じて医療機関の受診を案内する

面接指導の結果、診断や治療が必要と考えられる場合には、精神科・心療内科など適切な医療機関への受診を勧めます。

すでに主治医がいる場合には、本人の同意を得たうえで、必要に応じて勤務情報を主治医へ提供し、治療と仕事の両立に必要な意見を確認する方法があります。

主治医が実際の仕事内容を把握できていない場合には、

  • 勤務時間。
  • 担当業務。
  • 出張・夜勤等の勤務条件。
  • 会社で可能な配慮。

などを伝えることで、より具体的な意見を得やすくなります。

5.休職前に実施できる就業上の措置を検討する

直ちに療養・休業を優先すべき医学的状態でない場合には、就業を継続するために実施可能な措置があるかを検討します。

例えば、

  • 時間外労働の制限。
  • 業務量の軽減。
  • 深夜勤務の制限。
  • 出張の制限。
  • 特定業務からの一時的な変更。

などです。

ただし、「休職させないために必ず先に業務調整を試す」という意味ではありません。

医師が休養を優先すべきと判断する状態であれば、無理に就業を継続させるのではなく療養を検討します。

一方、就業上の措置で継続可能と考えられる場合には、

「一定期間、時間外労働を行わない」
「一定期間、特定業務から外す」
「一定期間後に状態を確認する」

など、内容・期間・見直し時期を明確にすると運用しやすくなります。

6.医師の意見と就業規則を踏まえて判断する

企業は、

  • 産業医等の意見。
  • 主治医から提供された医学情報。
  • 本人の意向。
  • 現在の勤務状況。
  • 企業として実施可能な措置。
  • 就業規則・休職規程。

などを確認し、休職制度を適用するか、就業上の措置を講じながら勤務を継続するかを判断します。

医師から療養が必要との意見が示された場合には、その医学的理由や想定される療養期間など、企業が適切に対応するために必要な情報を確認します。

就業上の措置を行う場合にも、

  • 内容。
  • 開始時期。
  • 期間。
  • 見直し予定。

を整理します。

また、判断経緯を必要な範囲で記録しておけば、担当者が変わった場合にも、その後の状態確認や措置の見直しを行いやすくなります。

7.休職開始後の連絡・療養支援を整える

休職が決まった場合には、本人が安心して療養できるよう、

  • 休職期間。
  • 必要な提出書類。
  • 休職中の賃金等の取扱い。
  • 社会保険。
  • 傷病手当金など利用できる可能性のある制度。
  • 会社との連絡方法。
  • 復職に向けた手続き。

などを分かりやすく案内します。

また、複数の上司や担当者から頻繁に連絡が入ると、療養の妨げになる可能性があります。

そのため、連絡窓口、連絡方法、連絡頻度をあらかじめ整理し、本人の状態にも配慮しながら対応します。

休職を回避できる場合と休職を検討すべき場合

高ストレス者面談後の対応では、「休職を回避すること」そのものを目的にしてはいけません。

検討すべきなのは、本人が健康を損なわず、安全に就業を継続できるかです。

健康状態が比較的安定しており、一定の就業上の措置によって勤務を継続できると医学的に考えられる場合には、期間を定めた就業調整を検討できます。

一方で、

勤務を続けることによって病状悪化が懸念される。
必要な業務遂行能力を維持できない。
本人や第三者の安全確保が難しい。
職場で実施可能な配慮だけでは健康を確保できない。

といった場合には、療養を優先し、休業・休職を検討します。

就業上の配慮で勤務を継続できるケース

例えば、

睡眠や疲労に一定の問題はあるものの、業務量を軽減すれば勤務できる。
深夜勤務を避ければ生活リズムを維持できる。
特定の高負荷業務から一時的に外れれば就業を継続できる。

と医師が判断する場合には、就業上の措置を行いながら勤務を継続できることがあります。

具体的には、

時間外労働の制限。
深夜勤務の制限。
期限の厳しい業務から一時的に外す。

などです。

ただし、配慮を漫然と続けるのではなく、本人の健康状態に応じて見直し時期を設定します。

状態が改善しなければ、措置内容を変更したり、治療や療養を優先したりする必要があります。

療養を優先して休職を検討するケース

例えば、

通常の勤務を継続できる健康状態ではない。
就業を続けることで病状悪化が懸念される。
安全に必要な注意力・判断力等を維持することが難しい。
職場で実施可能な就業上の配慮だけでは健康確保が難しい。

といった場合には、療養を優先することを検討します。

この場合も、企業が医学的判断を独自に行うのではなく、

  • 主治医からの情報。
  • 産業医等の医学的意見。
  • 本人の意向。
  • 実際の仕事内容。
  • 企業の就業規則。

などを整理して判断します。

高ストレス者面談から休職判断までの運用例

例えば、異動後に時間外労働が増え、不眠や集中力低下が続いている従業員が、医師による面接指導を申し出たとします。

医師が評価した結果、

現時点では直ちに療養へ移行する必要性は高くない。
ただし、現在の勤務負荷を継続することは望ましくない。

との医学的意見が示されたとします。

そこで、

一定期間、時間外労働を制限する。
負荷の高い対外折衝業務を一時的に軽減する。
一定期間後に状態を再評価する。

といった対応を企業が検討します。

状態が改善すれば、医師の意見を確認しながら業務負荷を段階的に見直します。

一方、状態が改善しない、あるいは悪化した場合には、医療機関での治療や療養を優先する必要性を再検討します。

このケースのポイントは、最初から「勤務継続か休職か」の二択にせず、その時点の医学的評価に基づいて必要な措置を選び、状態に応じて見直すことです。

ただし、最初の評価時点で休養が必要と判断されるケースでは、就業上の配慮を試すことなく療養へ移行する場合もあります。

高ストレス者面談と休職対応は産業医クラウドへご相談ください

高ストレス者面談後に就業継続や休職について検討する際には、

  • 本人の健康状態。
  • 勤務状況。
  • 職場で実施可能な配慮。
  • 主治医からの情報。
  • 産業医等の医学的意見。
  • 企業の就業規則。

を整理する必要があります。

産業医等との連携体制が十分でない場合、人事担当者が、

「この状態で勤務を続けてもよいのか」
「どの程度の就業制限が必要なのか」
「療養を優先すべき状態なのか」

といった医学的評価まで抱え込むことになりかねません。

医学的評価は医師へ確認し、人事担当者は、その意見を企業として実行可能な措置へつなげる役割に集中することが重要です。

産業医クラウドでは、

  • 産業医の選任支援。
  • 各種従業員面談。
  • ストレスチェック。
  • メンタルヘルス・休復職に関する産業保健対応。
  • 産業保健業務の運営支援。

などを通じて企業の産業保健体制づくりを支援しています。

重要なのは、産業医を配置することだけではありません。

健康上の問題が生じたときに、誰が医学的評価を行い、誰が就業上の措置を決め、誰が現場で実施し、その後どう確認するのかをあらかじめ整理しておくことが重要です。

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高ストレス者面談と休職判断に関するよくある質問

高ストレス者と判定されたら休職させる必要がありますか?

高ストレス者として選定されたことだけを理由に休職させる必要はありません。

高ストレス判定は、精神疾患の診断、就業不能の判定、休職の決定ではありません。

また、ストレスチェック結果だけを理由に就業上の措置を決定することはできません。

面接指導を実施した場合には医師の意見を聴取し、その意見や本人の健康状態、勤務状況等を踏まえて、通常勤務、就業上の配慮、受診勧奨、療養・休職など必要な対応を検討します。

産業医は従業員へ休職を命じられますか?

産業医は、本人の健康状態や仕事内容などを踏まえ、

「療養が必要」
「現在の勤務を継続することは医学的に望ましくない」

といった就業上の医学的意見を企業へ示すことができます。

ただし、産業医が企業の就業規則に基づく人事上の休職処分・休職制度の適用を会社に代わって決定するわけではありません。

企業が医師の意見を勘案し、本人の意向、勤務状況、自社の就業規則等を踏まえて具体的な対応を判断します。

主治医の診断書が提出されたら必ず休職になりますか?

主治医から「休養が必要」などと記載された診断書が提出された場合には、重要な医学的情報として適切に対応する必要があります。

ただし、診断書が提出されれば、すべての企業で一律に自動的に同じ休職制度が適用されるという法律上の仕組みではありません。

休職制度の具体的な要件は企業の就業規則等によって異なります。

一方で、主治医が医学的に休養が必要と判断している場合に、その意見を十分な医学的根拠なく無視して就業を継続させることは避ける必要があります。

必要に応じて産業医等へ相談し、休養の必要性、想定される期間、就業上避けるべき負荷など、企業が判断するために必要な情報を確認したうえで対応します。

高ストレス者面談を拒否した従業員の休職判断はできますか?

高ストレス者への法定の医師による面接指導は、本人からの申出に基づいて実施します。

したがって、高ストレス判定のみを理由に法定面接指導を強制することはできません。

また、ストレスチェック結果だけを理由として休職等の就業上の措置を決定することもできません。

一方で、ストレスチェックとは別に、

欠勤が増えている。
長時間労働が続いている。
本人から健康相談がある。
勤務中に安全上の問題が生じている。

など、企業が適法に把握している健康・勤務上の懸念がある場合には、その情報に基づいて、通常の産業保健活動として医師や産業保健スタッフへの相談を案内・勧奨することが考えられます。

「高ストレス者だから対応する」のではなく、企業が把握している客観的な健康・勤務情報に応じて必要な対応を検討することが重要です。

休職ではなく業務調整を行う場合、期間はどう決めますか?

就業上の措置の内容や期間について、一律の基準があるわけではありません。

産業医等の医学的意見、本人の健康状態、業務内容、企業で実施できる配慮などを踏まえて個別に決めます。

例えば、

一定期間、時間外労働を制限する。
一定期間後に状態を確認する。
必要に応じて措置を継続・変更・解除する。

といった運用が考えられます。

「1か月」「2週間」などの具体的な期間はあくまで個別判断であり、すべての高ストレス者に共通する基準ではありません。

重要なのは、措置を漫然と続けず、開始時期・内容・見直し時期を明確にすることです。

まとめ|高ストレス者面談は休職の自動判定ではなく適切な措置を選ぶ場

高ストレス者として選定されたことや、医師による面接指導を受けたことだけで、自動的に休職が決まるわけではありません。

面接指導では、

  • 本人の心身の状態。
  • 勤務状況。
  • 業務上の負荷。
  • 職場環境。

などを確認し、

  • 通常勤務。
  • 就業上の制限・配慮。
  • 医療機関への受診勧奨。
  • 療養・休業。

など、本人の健康を確保するために必要な対応について医師が意見を示します。

企業にとって重要なのは、「できるだけ早く休職させる」「できるだけ休職を避ける」といった結論を先に決めることではありません。

必要なのは、

  • 現在の健康状態で安全に働けるのか。
  • 就業条件を変えれば勤務を継続できるのか。
  • どのような措置が必要なのか。
  • 療養を優先すべき状態ではないか。
  • いつ状態を見直すのか。

を医学的評価に基づいて順番に整理することです。

つまり、

面接指導 → 医学的評価 → 必要な就業上の措置または療養 → 状態確認 → 必要に応じた見直し

というプロセスで考えます。

また、

主治医は診断・治療を中心に担い、必要に応じて就業に関する医学的情報を提供する。
産業医は職場の状況を踏まえ、就業上の措置について医学的意見を示す。
企業はそれらの意見と本人の意向を踏まえ、自社の就業規則等に沿って具体的な対応を決める。

という役割を整理しておくことが重要です。

そして、この判断を担当者個人の経験だけに依存させないよう、

  • 勤務情報の整理方法。
  • 産業医への情報提供方法。
  • 主治医との情報連携方法。
  • 就業上の措置の決定フロー。
  • 休職制度への移行手順。
  • 必要なフォロー方法。

などを標準化します。

さらに、集団分析や勤怠などから特定の部署で継続的に高いストレス傾向や長時間労働が確認される場合には、個人への対応だけでなく、

  • 業務量。
  • 人員配置。
  • 仕事の裁量。
  • 管理職からの支援。
  • 職場の相談体制。

などの職場環境についても検討します。

個人への医学的支援と、組織として改善できる職場要因を分けて考え、それぞれ必要な対応を行うことが重要です。

高ストレス者面談を「休職者を決める場」とするのではなく、現在の健康状態と仕事との関係を医学的に評価し、就業継続のための措置が可能なのか、療養を優先すべきなのかを適切に判断するための仕組みとして運用する。

そのうえで産業医を適切に活用することで、メンタルヘルス不調の悪化を防ぎ、従業員の健康を確保しながら一貫した産業保健対応を行いやすくなります。

コミュニケーションや事務能力に疑問…
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株式会社Avenirは株式会社メンタルヘルステクノロジーズ(東証グロース9218)の100%子会社です。
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監修:刀禰真之介(株式会社メンタルヘルステクノロジーズ代表取締役社長、株式会社Avenir代表取締役社長)