ストレスチェックで高ストレス者と判定された従業員から申出があった場合、企業は医師による面接指導を実施し、その結果を適切に記録・保存する必要があります。
しかし、「何を記録すべきか」「誰が閲覧できるのか」「産業医の面談メモまで会社で保管するのか」と迷う人事担当者も少なくありません。
高ストレス者面談の記録には、法令上5年間の保存が求められる一方、ストレスチェック結果や詳細な医学情報とは分けて管理しなければなりません。
本記事では、記録に必要な項目、保存方法、閲覧権限、個人情報を扱う際の注意点まで、実務に沿ってわかりやすく解説します。
目次
- 高ストレス者面談の記録はどのように管理すべき?
- 高ストレス者面談の記録を管理する目的
- 高ストレス者面談の記録は5年間保存する
- 高ストレス者面談の記録に必要な7つの内容
- 混同しやすい4種類の記録を区別する
- 高ストレス者面談の記録管理で起こりやすい課題
- 高ストレス者面談の記録を管理する7つの手順
- 高ストレス者面談の管理台帳に記載する項目例
- 紙・電子データ・外部委託で管理する際の注意点
- 高ストレス者面談の記録管理を標準化した事例
- 高ストレス者面談の記録管理は産業医との連携が重要
- 高ストレス者面談の運用課題は産業医クラウドへご相談ください
- 高ストレス者面談の記録管理に関するよくあるFAQ
- まとめ|記録の保存だけでなく面談後の対応まで管理する
高ストレス者面談の記録はどのように管理すべき?
ストレスチェックで高ストレス者と判定された従業員から申出があった場合、企業は医師による面接指導を実施します。
一般的には「高ストレス者面談」と呼ばれますが、法令上は「医師による面接指導」に該当します。
面接指導を実施した企業には、結果の記録を作成し、5年間保存する義務があります。ただし、産業医が面談で聞き取った内容をすべて人事部門で保管するわけではありません。
企業が保存する法定記録、産業医が管理する詳細な面談メモ、就業上の措置に関する対応履歴を区別することが重要です。
高ストレス者面談の記録を管理する目的
高ストレス者面談の記録を管理する目的は、法令上の保存義務を満たすことだけではありません。産業医から示された意見を、労働時間の短縮、業務量の調整、配置の見直し、深夜業の制限など、具体的な就業上の措置につなげるために活用します。
面談日や医師の意見だけでなく、企業が決定した措置、本人への説明、再評価の時期まで関連付けて管理すれば、対応の放置や属人化を防げます。担当者の異動後も継続してフォローできるため、メンタルヘルス不調の深刻化や休職リスクを早期に把握しやすくなります。
記録を「保管する書類」ではなく、「健康確保措置の進捗を管理する情報」として扱うことが重要です。
高ストレス者面談の記録は5年間保存する
事業者は、高ストレス者に対する医師の面接指導結果について記録を作成し、5年間保存しなければなりません。医師が作成した面接指導結果報告書や就業上の措置に係る意見書に、法令上必要な情報が含まれていれば、その書類を記録として保存することも可能です。
面接指導後は、記録を受け取った日だけでなく、面接実施日や記録作成日も管理台帳へ登録し、法定期間を満たして保存できる状態を整えます。対象者が異動、休職、退職した場合も、直ちに廃棄するのではなく、保存期間が満了するまで適切に管理する必要があります。
保存場所や期限が担当者の記憶だけに依存しないよう、文書管理規程や健康情報取扱規程にルールを定めましょう。
高ストレス者面談の記録に必要な7つの内容
高ストレス者への面接指導では、医師が従業員の勤務状況、心理的な負担の状況、その他の心身の状況を確認します。そのうえで、企業が保存する記録には、次の7項目を含める必要があります。
- 従業員の勤務状況
- 従業員の心理的な負担の状況
- その他の心身の状況
- 面接指導の実施年月日
- 面接指導を受けた従業員の氏名
- 面接指導を行った医師の氏名
- 従業員の健康保持に必要な措置についての医師の意見
厚生労働省が示す様式例を参考に、面接指導結果報告書と意見書の書式を統一すると、記載漏れや産業医ごとのばらつきを防ぎやすくなります。
混同しやすい4種類の記録を区別する
高ストレス者対応では、すべての情報を同じ記録として扱わないことが重要です。
企業は、次の4種類を区別して管理します。
- 個人のストレスチェック結果
- 医師による面接指導の結果・意見
- 産業医が作成した詳細な面談メモ
- 企業が実施した就業上の措置やフォローの履歴
個人のストレスチェック結果は、本人が事業者への提供に同意していない場合、実施者や実施事務従事者が保存します。一方、本人の申出に基づいて実施した面接指導の結果は、事業者が記録を作成して保存します。
保存主体や利用目的が異なるため、同じ人事フォルダへ無条件に集約するのではなく、情報ごとに閲覧権限と保存場所を設定しましょう。
ストレスチェックの個人結果
個人のストレスチェック結果には、質問への回答内容、尺度ごとの評価、高ストレス者に該当するかどうかといった情報が含まれます。本人の同意なく結果を事業者へ提供することはできないため、人事担当者が当然に閲覧できる情報ではありません。
従業員が面接指導を申し出た場合、企業は申出を通じて対象者であることを把握しますが、それによってストレスチェックの回答内容すべてを閲覧できるようになるわけではありません。
ストレスチェック結果と面接指導結果を別の情報として整理し、保存担当者、閲覧者、利用目的を規程へ明記することが、従業員の不安を抑え、制度への信頼を保つことにつながります。
面接指導結果報告書・意見書
面接指導結果報告書や意見書は、企業が従業員の健康を確保し、必要な就業上の措置を検討するための記録です。面接指導後は、医師から遅滞なく意見を聴取し、その内容を法定記録に含めます。
企業へ伝えられるのは、勤務継続の可否、労働時間の制限、業務負荷の軽減、配置上の配慮、再面談の必要性など、健康確保措置を行うために必要な情報が中心です。
報告書の記載内容が不足している場合、人事担当者が推測して補うのではなく、産業医へ確認します。反対に、対応に必要のない詳細な病歴や家庭事情が記載されている場合は、共有範囲について産業医と協議しましょう。
産業医が作成する詳細な面談メモ
産業医の面談メモには、従業員が話した悩み、症状、治療状況、服薬内容、家庭環境など、詳細な情報が含まれることがあります。これらを面接指導結果報告書と同様に、人事担当者がすべて閲覧する必要はありません。
企業が必要とするのは、健康確保措置や就業上の判断に必要な情報です。面談で話された内容をそのまま共有するのではなく、産業医が「残業制限が必要」「業務負荷を軽減することが望ましい」など、企業が実行できる意見へ整理して伝えることが基本となります。
企業側も、目的に必要な範囲を超えて詳細な医学情報や面談メモの提出を求めないよう注意しましょう。
企業が実施した措置とフォローの記録
法定の面接指導結果とは別に、企業がどのような措置を検討し、実行したかを記録しておくことも重要です。産業医から意見書を受け取っても、対応責任者や実施期限が決まっていなければ、措置が放置される可能性があります。
管理台帳には、意見書の受領日、措置の要否、本人への説明日、上司への共有内容、措置開始日、再面談予定日、見直し結果などを登録します。ただし、進捗管理用の台帳へ診断名や具体的な相談内容まで転記する必要はありません。
法定記録と社内の進捗記録を分けることで、情報を必要以上に広げず、対応状況を確認しやすくなります。
高ストレス者面談の記録管理で起こりやすい課題
高ストレス者面談の記録管理では、産業医から受け取った意見書を一般の人事ファイルへ保存し、人事部全員が閲覧できる状態にしてしまうケースがあります。
また、報告書を上司へそのままメール転送した結果、就業上の措置に必要のない健康情報まで共有されることもあります。
ほかにも、面談結果をメールボックスに残したままにする、担当者の個人フォルダで管理する、保存期限を設定しない、措置後の再評価を記録しないといった運用は注意が必要です。
心身の状態に関する情報の多くは機微性が高いため、収集・保管・使用は従業員の健康確保に必要な範囲に限定しなければなりません。
高ストレス者面談の記録を管理する7つの手順
1.健康情報の管理責任者を決める
まずは、面接指導結果を誰が受け取り、誰が保存し、誰が就業上の措置を管理するのかを明確にします。人事部全員ではなく、産業保健業務を担当する責任者や必要な担当者に限定することが基本です。
管理責任者だけでなく、担当者が不在の場合の代行者や、産業医・産業保健師との連絡担当者も決めておきます。複数拠点がある企業では、本社と各事業場のどちらが原本を保存するか、各拠点の担当者がどこまで閲覧できるかも整理しましょう。
責任者と役割分担を組織として定めることで、担当者の異動や退職があっても、記録とフォローを継続できます。
2.健康情報取扱規程を整備する
面接指導結果の取扱いについて、保存担当者の判断だけに委ねるのではなく、健康情報取扱規程などの社内ルールへ明記します。規程には、利用目的、収集する情報、保存場所、閲覧権限、共有範囲、保存期間、廃棄方法、情報漏えい時の対応などを定めます。
規程を策定する際は、衛生委員会等で労使が審議し、従業員にも分かる形で周知することが重要です。特に、「面談内容が誰に伝わるのか」「人事評価に使われないか」という不安を解消できれば、必要な従業員が面接指導を申し出やすくなります。
規程は作成して終わりにせず、担当者やシステムの変更に合わせて定期的に見直しましょう。
3.報告書・意見書の様式を統一する
面接指導を担当する医師ごとに報告書の形式が異なると、必要事項の記載漏れや、情報量のばらつきが生じやすくなります。厚生労働省が示す様式例を参考に、面接指導結果報告書と就業上の措置に係る意見書を統一しましょう。
様式には法定事項に加え、就業区分、措置の具体的内容、措置期間、再評価の時期、次回面談の必要性などを記載できる欄を設けると、その後の対応につなげやすくなります。
産業医へ依頼する際には、企業へ伝える情報と産業医が手元で管理する情報の違いも共有します。企業の対応に必要な情報へ整理された意見書を受け取れる体制を整えることが重要です。
4.受領時に必要事項を確認する
産業医から報告書・意見書を受領したら、面接実施日、従業員と医師の氏名、勤務状況、心理的負担や心身の状況、医師の意見が記載されているか確認します。
記載漏れがある場合は、人事担当者が本人への聞き取りや推測で補完せず、面接指導を担当した医師へ確認します。また、医師の意見が「配慮が必要」だけでは、企業が具体的な措置を判断できないことがあります。制限する業務、期間、再評価の時期などを確認しましょう。
受領方法についても、通常のメール添付だけに頼らず、アクセス制限や暗号化が可能な方法を産業医との間で定めることが重要です。
5.アクセス権限を限定して保存する
面接指導結果は、一般の人事資料や人事評価資料とは分けて保存します。紙の場合は施錠できるキャビネット、電子データの場合はアクセス権限を個別に設定できる専用フォルダや健康管理システムを使用します。
「人事部所属者なら全員閲覧可能」「共有パスワードを使用」「個人所有のパソコンやUSBメモリへ保存」といった方法は避けましょう。電子データでは、閲覧履歴、バックアップ、退職者のアカウント停止、担当変更時の権限更新も必要です。
誰が、どの目的で、どの範囲の情報を閲覧できるかを設定し、定期的に権限が適切か確認することで、情報漏えいのリスクを抑えられます。
6.上司には措置に必要な情報だけを共有する
直属の上司や所属部門へ伝えるのは、就業上の措置を実施するために必要な内容に限定します。報告書や意見書をそのまま転送するのではなく、上司が実行すべき内容へ整理して共有しましょう。
例えば、「時間外労働を月20時間以内に制限する」「夜勤を3か月間停止する」「顧客対応業務を一時的に軽減する」「毎週、業務量を確認する」といった情報です。診断名、服薬内容、家庭事情、具体的な相談内容を共有する必要はありません。
共有日時、共有相手、伝えた内容も記録します。必要最小限の情報共有により、従業員のプライバシーを守りながら、現場での配慮を確実に実施できます。
7.措置・再評価・廃棄まで管理する
記録管理は、産業医の意見書を保存した時点で終了するものではありません。医師の意見を踏まえて措置の要否を判断し、本人への説明、措置の開始、上司への指示、再面談、措置終了まで一連の履歴を残します。
担当者が交代する場合は、保存場所、保存期限、継続中の措置、再評価予定を引き継ぎます。法定保存期間が満了した記録は、社内規程に基づいて保存継続の必要性を確認し、不要であれば復元できない方法で廃棄します。
電子データの場合は、作業用の複製ファイルやバックアップにもデータが残る可能性があります。原本だけでなく、複製や一時保存データまで含めた廃棄ルールを整えましょう。
高ストレス者面談の管理台帳に記載する項目例
高ストレス者面談の対応漏れを防ぐには、面接指導結果報告書とは別に、対応状況を確認する管理台帳を作成します。
- 対象者の氏名・所属・社員番号
- 面接指導の申出日・実施日
- 面接指導を担当した医師
- 報告書・意見書の受領日
- 就業上の措置の要否
- 措置内容・開始日・終了予定日
- 本人への説明日
- 上司へ共有した内容・共有日
- 再面談・再評価の予定日
- 記録の保存場所・保存期限
台帳は進捗管理を目的とするため、診断名、服薬内容、具体的な相談内容などを転記しないことがポイントです。
詳細な報告書とは閲覧権限を分けて管理しましょう。
紙・電子データ・外部委託で管理する際の注意点
紙の書類で保存する場合
紙で保存する場合は、一般の人事書類や評価資料と分け、施錠できるキャビネットへ保管します。キャビネットの鍵を扱える担当者を限定し、閲覧、複写、持ち出しを行う場合の手続きも定めておきましょう。
机の引き出しや担当者個人のロッカーで保管すると、担当者不在時に確認できないだけでなく、異動や退職時に書類が放置される可能性があります。保存場所と管理責任者を台帳へ登録し、定期的に保管状況を確認することが重要です。
廃棄時は、通常のごみ箱へ捨てるのではなく、溶解処理や裁断など、内容を復元できない方法を選択します。
電子データで保存する場合
電子データで保存する場合は、保存期間中に必要な内容を確認でき、第三者による閲覧、改ざん、漏えい、紛失を防止できる環境を整えます。
アクセス権限を限定できる専用フォルダや健康管理システムを利用し、通常の人事共有フォルダ、個人のデスクトップ、メールボックスだけで保管する運用は避けましょう。多要素認証、アクセスログ、バックアップ、端末の持ち出し制限なども検討します。
担当者の異動や退職時には、速やかに権限を変更します。保存期限後にデータを削除する際は、複製ファイルやバックアップ上の情報も確認する必要があります。
外部サービスへ委託する場合
ストレスチェックの実施や高ストレス者面談の調整、システム管理を外部へ委託する場合も、企業は記録の保存・管理方法を把握しておく必要があります。
契約時には、記録を保存する主体、保存場所、アクセスできる担当者、データの暗号化、バックアップ、事故発生時の報告方法、再委託の有無を確認します。契約終了時のデータ移管方法や、委託先に残る複製データの削除時期も明確にしましょう。
「委託先が管理しているため、自社では記録の所在が分からない」という状態は避ける必要があります。企業と委託先の責任分担を契約書や運用手順書へ具体的に記載することが重要です。
高ストレス者面談の記録管理を標準化した事例
複数拠点を持つ企業で、各事業場の担当者が面接指導結果を個別に保存していたため、報告書の書式、保存場所、上司への共有範囲にばらつきが生じていたとします。
この場合、本社の産業保健担当者を管理責任者とし、産業医が使用する報告書・意見書を共通化します。各拠点の上司へは、勤務時間の制限や業務調整など、実施に必要な内容だけを通知します。管理台帳では、面談日、意見書受領日、措置開始日、再評価日、保存期限を一元管理します。
このように、保管場所だけでなく、産業医からの受領、現場への共有、措置後の確認まで標準化することで、情報漏えいと対応漏れの両方を防ぎやすくなります。
高ストレス者面談の記録管理は産業医との連携が重要
高ストレス者面談の記録管理を適切に行うには、人事担当者だけでルールを決めるのではなく、面接指導を担当する産業医と事前に運用をすり合わせることが重要です。
企業側は、勤務情報や職場で実施できる配慮を産業医へ伝えます。産業医側には、法定記録に必要な事項と、企業が就業上の措置を検討できる具体的な意見を提出してもらいます。あわせて、詳細な医学情報をどこまで産業医側で管理するかも確認します。
役割分担を明確にしておけば、必要な情報が不足することや、反対に面談内容が企業へ過剰に共有されることを防ぎ、面接指導後の対応を円滑に進められます。
高ストレス者面談の運用課題は産業医クラウドへご相談ください
高ストレス者面談を適切に運用するには、面談を実施する医師を確保するだけでなく、報告書・意見書の記載方法、企業と産業医の情報共有、就業上の措置、再面談までの流れを整える必要があります。
産業医クラウドでは、企業の規模や課題に合った産業医の選任支援に加え、従業員面談、職場巡視、衛生委員会の運営など、継続的な産業保健体制の構築を支援しています。高ストレス者面談後の対応や、産業医との連携方法に課題がある企業も相談できます。
記録様式が統一されていない、意見書を受領した後の対応が属人化している、メンタルヘルス対応に詳しい産業医を探している場合は、産業医クラウドのお問い合わせフォームまたは資料請求よりお気軽にご相談ください。
高ストレス者面談の記録管理に関するよくあるFAQ
高ストレス者面談では、保存期間だけでなく、誰が記録を閲覧できるのか、面談内容をどこまで会社へ共有するのかといった点が問題になりやすくなります。
法定記録、産業医の詳細な面談記録、社内の対応履歴を区別し、それぞれの利用目的と閲覧権限を定めることが基本です。ここでは、人事担当者や経営者が判断に迷いやすいポイントを解説します。
高ストレス者面談の記録は何年間保存しますか?
高ストレス者に対する医師の面接指導結果については、事業者が記録を作成し、5年間保存する必要があります。対象者が異動、休職、退職した場合も、法定保存期間が満了する前に記録を廃棄しないよう注意しましょう。
面談案内の履歴、本人への説明記録、就業上の措置、上司への共有、再面談などの社内記録については、法定記録と区別したうえで、健康情報取扱規程や文書管理規程に保存期間を定めます。
面接実施日、記録作成日、保存期限を管理台帳へ登録し、担当者が変わっても期限を確認できる運用が必要です。
面談で話した内容はすべて会社へ共有されますか?
面談で従業員が話した内容のすべてが、そのまま会社へ共有されるわけではありません。一方、医師は面接指導の結果を踏まえ、企業が健康確保措置を実施するために必要な意見を事業者へ伝えます。
企業へ共有されるのは、勤務継続の可否、労働時間の制限、業務量の軽減、配置上の配慮、再評価の必要性などが中心です。診断名、服薬状況、家庭事情、具体的な相談内容まで、当然に共有されるものではありません。
人事担当者は面談の詳細ではなく、「どのような就業上の配慮が必要か」を産業医へ確認することが重要です。
面接指導結果を直属の上司へ見せてもよいですか?
直属の上司が就業上の措置を実施するために情報共有が必要な場合でも、面接指導結果報告書や意見書をそのまま渡すのは避けましょう。
上司へは、「残業を制限する」「夜勤を外す」「業務量を一時的に軽減する」など、現場で実施する措置に必要な情報だけを伝えます。診断名、具体的な症状、治療内容、本人が面談で話した悩みまで共有する必要はありません。
誰に、いつ、どの情報を共有したかも記録しておくと、情報の拡散を防ぎ、措置の実施責任を明確にできます。
面接指導の記録を電子データで保存できますか?
面接指導結果は、必要な記録を保存期間中に確認でき、漏えい、紛失、改ざんなどを防げる環境であれば、電子データで管理できます。
ただし、一般の共有フォルダや担当者個人のパソコンへ保存するのではなく、アクセス権限を限定できる専用フォルダや健康管理システムを使用しましょう。バックアップ、閲覧履歴、パスワード管理、担当者変更時の権限更新、保存期限後の削除方法も決める必要があります。
外部システムを利用する場合は、契約終了時のデータ移管や、委託先に残る複製データの削除方法も確認してください。
面接指導を申し出なかった従業員の記録も必要ですか?
従業員から申出がなく、医師による面接指導を実施していない場合は、面接指導結果の法定記録は作成されません。ただし、面接指導の案内日時、案内方法、本人の回答、再案内、相談窓口の紹介などは、企業の対応履歴として残しておく方法があります。
記録には、本人が話した詳細な事情を必要以上に記載せず、企業が行った案内や支援の事実を客観的に残します。
面接指導を申し出なかったことや、ストレスチェック結果の提供に同意しなかったことを理由に、人事評価や配置などで不利益に取り扱ってはいけません。
まとめ|記録の保存だけでなく面談後の対応まで管理する
高ストレス者に対する医師の面接指導結果は、勤務状況、心理的負担や心身の状況、実施年月日、対象者と医師の氏名、医師の意見を記録し、事業者が5年間保存する必要があります。
ただし、個人のストレスチェック結果、企業が保存する面接指導結果、産業医の詳細な面談メモ、就業上の措置に関する対応履歴は、それぞれ分けて管理することが重要です。
保存場所、閲覧権限、上司への共有範囲、担当者交代時の引継ぎ、保存期間満了後の廃棄まで社内ルールとして整えましょう。
高ストレス者面談の実施体制や面談後の対応に課題がある場合は、産業医クラウドのお問い合わせフォームまたは資料請求よりお気軽にご相談ください。
企業の課題に合った産業医の選任から、従業員面談や継続的な産業保健体制の運用まで支援しています。
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