産業医クラウド

従業員を幸せにする「健康経営」の第一歩は「気づく力」をつけること

戦略的な健康管理の為に必要なことは社内の課題把握

刀禰 「健康経営」という言葉よく聞くのですが、僕が思うに言葉ばかりがひとり歩きしている感じがありまして、

一度先生と健康経営についてじっくりお話ししてみたいなと思って、今回の対談させていただきました。

 

吉村 僕も最近、産業医業務をさせていただいている企業の経営者、人事の方から「健康経営」に向けた取り組みをしたいというミッションをいただくのですが、「さあ、取り組みましょう」といって取り組めるものではないので、やはりしっかりとした準備が必要かなと思っています。

 

刀禰 健康経営って一般的に経済産業省が定めている定義は「従業員等の健康管理を経営的に、戦略的に実践し、投資すること」なんですけど、

健康管理を戦略的にと言われてもって感じかなと(笑)

 

吉村 そうですよね。実際戦略的に健康管理をするって「健康診断をしっかりする」「残業を減らす」とかそういうイメージを持たれそうだなと思うのですが、何をしたらいいかってわからないですよね。

ただ、僕が思うに戦略的な健康経営の取り組みのヒントって実は社内に落ちていると思っています。

 

刀禰 その話は経営者立場からするとかなり気になる発言ですね

 

吉村 健康経営っていうとなんか大げさなものをイメージするかもしれないのですが、

結局のところ社内のスタッフが「幸せに働ける環境を作ること」だと思うんですよ。
「幸せな環境」って会社によって異なると思っていますし、その幸せな環境づくりは企業内の幸せな環境じゃない部分を洗い出していくことからかなと。

負の部分を露呈させていく作業から始めていくのが大切なんじゃないかなと思っています。

 

刀禰 経営陣からとると会社の負は目をつぶりたくなったりするものなのですが、向き合うことが大事ってことですよね。

 

吉村 はい。そして負の部分は日常の生活やスタッフの行動に表れているかなと。

明らかにわかりやすいのは「休職者」「離職者」が増えたとかなんでしょうけど、健康経営の取り組みを考えている企業の方ってこのあたりの削減に関しては結構力をいれているので、割と解決してきている企業が多くなっていますね。

ここから一歩先で必要なのは、「気づく力」ですね。

 

刀禰 課題に気づくっていうことですかね。

 

吉村 そうですね。例えばですが、社内で肥満の人が増えてきた、血圧が高い人が増えてきた、女性社員の定着率が悪い、健康診断の再検査率が低いなど細かい課題って洗い出せばいくらでもあると思うんですよね。しかもそれは企業によって異なります。

 

刀禰 実は、うちの会社でも「あ、言われてみたらなんか最近社内でメタボが増えたな」ということがあり、定期的にヨガ会しています。

でもこれも実はうちの産業医の先生が健康診断の結果みて気づいてくれまして。

なかなか経営陣ってそのあたりまで意識がまわらないなと。

 

吉村 僕も実は会社内部の人って日常を見慣れてしまっているのでそういった課題に気づきづらいんじゃないかなと思っています。

そこで第三者の目線、すなわち産業医の登場かなと。

 

刀禰 たしかに。客観的に企業状態をみてくれる存在は必要ですよね。

そう考えると適正な産業医選びが戦略的な健康経営の第一歩ということになるのかなと。

 

吉村 僕もそう思います。産業医や保健師などの存在は欠かせないですね。これからの時代。
気づく力をつけることも大切ですが、なかなかそこまでできないって方は多々いると思います。

僕が思う”気づく力”=”気づける人を配置する”ってことかなと。

 

刀禰 なるほど。わかりやすいですね。弊社も産業医の先生の力を借りながらこれからも戦略的に健康経営に向けて取り組んでいきたいと思います。

今日はありがとうございました。