スタートアップ企業の産業医選任ガイド|従業員50人前後で必要な準備と手順

採用スピードが速いスタートアップ企業では、短期間で産業医の選任義務が発生することがあります。しかし、専任の人事担当者がいない、候補となる医師の探し方が分からないなどの理由から、準備が遅れがちです。

産業医は、選任届を提出するためだけの存在ではありません。長時間労働やメンタルヘルス不調を早期に把握し、事業の成長を支える健康管理体制を構築する専門家です。

本記事では、選任基準から選び方、運用方法まで解説します。

コミュニケーションや事務能力に疑問…
質の高い産業医に依頼したいとお考えではないでしょうか?

産業医紹介サービスを検討している企業様必見!
産業医クラウドなら独自の研修を受け、スキルチェックも通過した、厳選された産業医をご紹介します。

お役立ち資料ダウンロード

目次

結論|採用計画で50人到達が見えた段階から準備を始める

常時50人以上の労働者を使用する事業場では、原則として産業医を選任しなければなりません。選任すべき事由が発生した日から14日以内に選任する必要があるため、50人に達してから候補者を探し始めると、期限に間に合わない可能性があります。

法定期限は50人到達後ですが、実務上は採用計画で到達時期が見えた段階から準備を始めることが重要です。産業医だけでなく、衛生管理者や衛生委員会の準備も並行して進めましょう。

コミュニケーションや事務能力に疑問…
質の高い産業医に依頼したいとお考えではないでしょうか?

産業医紹介サービスを検討している企業様必見!
産業医クラウドなら独自の研修を受け、スキルチェックも通過した、厳選された産業医をご紹介します。

お役立ち資料ダウンロード

スタートアップ企業に産業医の選任義務が生じる基準

産業医の選任義務は、企業の設立年数、資本金、上場の有無ではなく、事業場で常時使用する労働者数などによって判断されます。創業直後の企業やベンチャー企業であっても、条件を満たせば対象です。

特にスタートアップでは、内定者の入社や派遣労働者の受け入れにより、想定より早く50人へ到達することがあります。現在の在籍者数だけでなく、今後の採用計画も含めて確認しましょう。

常時50人以上の事業場では産業医を選任する

業種を問わず、常時50人以上の労働者を使用する事業場では産業医の選任が必要です。法人全体の従業員数ではなく、原則として本社、支社、工場、店舗などの事業場単位で判断します。

例えば、法人全体では60人でも、独立性のある東京本社に40人、大阪支社に20人が所属している場合、それぞれの事業場が直ちに選任対象になるとは限りません。判断が難しい場合は、所轄の労働基準監督署へ確認しましょう。

正社員以外の労働者も人数に含めて確認する

「常時使用する労働者」には、正社員だけでなく、パートタイマー、アルバイト、日雇労働者なども含めて、通常の状態で使用する人数を算定します。雇用形態や勤務日数だけで一律に除外することはできません。

派遣労働者についても、事業場規模を判断する際は、原則として派遣元と派遣先の双方で人数に含めます。人事台帳だけでなく、派遣社員や継続的に勤務する労働者まで含めて確認することが重要です。

リモート勤務者も人数から除外されるわけではない

リモート勤務や在宅勤務であっても、自社が常時使用する労働者であれば、単にオフィスへ出社していないことを理由に人数から除外することはできません。

一方、どの事業場に所属する労働者として扱うかは、所属部署、指揮命令系統、勤怠管理、人事管理などの実態を踏まえて整理する必要があります。フルリモート勤務者が多い企業は、組織図や管理体制を明確にしたうえで判断しましょう。

選任すべき事由が発生してから14日以内に選任する

常時50人以上となり、産業医を選任すべき事由が発生した場合は、その日から14日以内に産業医を選任します。選任後は、資格を証明する書類などを準備し、所轄の労働基準監督署へ遅滞なく報告する必要があります。

候補者との面談、契約条件の調整、資格確認には一定の準備が必要です。採用予定者を含めて50人到達時期を予測し、選任期限から逆算して候補者探しを始めましょう。

産業医選任報告は原則として電子申請する

産業医を選任した場合は、所定の様式を使用して所轄の労働基準監督署へ報告します。2025年1月1日から産業医選任報告を含む一部の労働安全衛生関係手続は、原則として電子申請が必要です。

契約書を締結しただけでは報告まで完了したことにはなりません。電子申請に必要なアカウントや添付書類を事前に確認し、申請結果を社内で保管できる体制を整えましょう。

コミュニケーションや事務能力に疑問…
質の高い産業医に依頼したいとお考えではないでしょうか?

産業医紹介サービスを検討している企業様必見!
産業医クラウドなら独自の研修を受け、スキルチェックも通過した、厳選された産業医をご紹介します。

お役立ち資料ダウンロード

従業員50人到達時に必要となる産業医以外の対応

常時50人以上の事業場では、産業医を選任するだけでなく、衛生管理者の選任や衛生委員会の設置なども必要です。健康診断やストレスチェックについても、実施後の報告や面接指導を含む運用体制を整えなければなりません。

産業医の候補者探しだけを先行させるのではなく、社内の担当者、会議体、健康情報の管理方法まで一体的に準備することが重要です。

衛生管理者を選任する

常時50人以上の労働者を使用する事業場では、業種を問わず衛生管理者の選任が必要です。衛生管理者は、健康障害を防止するための措置、作業環境の管理、健康診断の実施など、事業場の衛生管理を担当します。

資格取得には試験や実務経験などが関係するため、50人到達後に担当者を決めようとしても間に合わない場合があります。社内候補者の選定や資格取得を早い段階から進めましょう。

衛生委員会を設置して毎月開催する

常時50人以上の事業場では、全業種で衛生委員会の設置が必要です。衛生委員会は毎月1回以上開催し、長時間労働、健康診断、ストレスチェック、職場巡視などの結果を基に、健康障害を防ぐ対策を審議します。

議長、衛生管理者、産業医、労働者側の委員などを選び、年間スケジュールと議題を準備しましょう。産業医が参加しやすい日程と契約内容にすることも重要です。

ストレスチェックの実施体制を整える

常時50人以上の事業場では、原則として年1回のストレスチェックを実施します。質問票を配布するだけでなく、実施者の選定、結果通知、高ストレス者への面接指導、集団分析などの運用が必要です。

産業医が実施者や高ストレス者面談を担当するかは、契約内容によって異なります。基本料金に含まれる業務と追加費用が発生する業務を、契約前に確認しましょう。

健康診断後の措置と報告体制を整える

企業は定期健康診断を実施するだけでなく、異常所見がある従業員について医師の意見を聴き、必要な就業上の措置を検討します。常時50人以上の事業場では、定期健康診断結果の報告も必要です。

健診結果を誰が受け取り、どのように産業医へ提供し、就業上の意見を管理するかを決めておきましょう。健康情報を閲覧できる担当者の限定も必要です。

コミュニケーションや事務能力に疑問…
質の高い産業医に依頼したいとお考えではないでしょうか?

産業医紹介サービスを検討している企業様必見!
産業医クラウドなら独自の研修を受け、スキルチェックも通過した、厳選された産業医をご紹介します。

お役立ち資料ダウンロード

スタートアップ企業で産業医選任が遅れやすい理由

短期間で採用人数が増える

資金調達や新規事業の開始をきっかけに、数か月で従業員数が大幅に増えることはスタートアップ企業の特徴です。現在40人でも、内定者や派遣労働者を含めると、近い時期に50人へ達する可能性があります。

毎月の在籍者数だけを見るのではなく、入社予定日、採用予定人数、退職予定者を反映した人員計画を作成しましょう。50人到達予測を経営会議や人事会議で共有することも有効です。

専任の人事・労務担当者が少ない

スタートアップ企業では、採用担当者が給与計算、勤怠管理、健康診断、休職対応などを兼任している場合があります。そこへ産業医探しや衛生委員会の立ち上げが加わると、担当者の負担が急増します。

社内で行うべき判断と、外部サービスへ委託できる業務を分けましょう。候補者選定や日程調整を外部へ任せ、人事は社内規程と業務フローの整備に集中する方法があります。

長時間労働が発生しやすい

プロダクト開発やサービス公開前には、一部の経営者、エンジニア、営業担当者へ業務が集中しやすくなります。本人の責任感が強い場合、疲労や睡眠不足があっても申告せず、体調不良が表面化するまで対応できないことがあります。

産業医面談の対象者を抽出する仕組みを作り、労働時間だけでなく、睡眠、疲労、業務負荷も確認できる体制を整えましょう。

リモート勤務者の変化を把握しにくい

リモートワークでは、上司が従業員の顔色や行動の変化を直接確認する機会が減ります。オンライン上では通常どおり働いているように見えても、孤立感、睡眠不足、運動不足などを抱えている可能性があります。

オンライン面談に対応できる産業医を選び、勤務地にかかわらず利用できる相談窓口を設けることが重要です。管理職にも相談窓口へのつなぎ方を周知しましょう。

法令対応だけを目的に医師を選びやすい

選任期限が迫ると、料金や日程だけで産業医を決めてしまう場合があります。しかし、スタートアップへの理解がない、メンタルヘルス面談に対応できない、経営層へ具体的な助言を行えないといったミスマッチが起こる可能性があります。

選任届の提出だけを目的とせず、自社の健康課題を解決するパートナーとして比較することが重要です。

コミュニケーションや事務能力に疑問…
質の高い産業医に依頼したいとお考えではないでしょうか?

産業医紹介サービスを検討している企業様必見!
産業医クラウドなら独自の研修を受け、スキルチェックも通過した、厳選された産業医をご紹介します。

お役立ち資料ダウンロード

50人到達前に準備すべき5つの項目

1.事業場ごとの人員数を毎月確認する

正社員、契約社員、パート、アルバイト、派遣労働者などを整理し、事業場ごとの人数を毎月確認します。現在の在籍者数に加え、内定者の入社日や派遣労働者の受け入れ予定も人員計画へ反映しましょう。

50人到達後に気づくのではなく、採用計画の変更に合わせて予測を更新することが重要です。確認責任者と経営層への報告方法も決めておきます。

2.産業保健を担当する社内責任者を決める

産業医との連絡、面談調整、健康診断結果の提供、衛生委員会の準備を担当する社内窓口を決めます。担当者が曖昧だと、産業医を選任しても必要な情報が共有されず、面談や就業措置が遅れる可能性があります。

主担当者だけでなく、休暇や退職時に対応する副担当者も決めましょう。健康情報を扱うため、アクセス権限と保管ルールも明確にします。

3.産業医を選任する目的を整理する

法令対応に加えて、自社が産業医へ期待する役割を整理します。長時間労働対策、メンタルヘルス相談、休復職支援、健康診断後の措置、リモート勤務者への対応など、優先課題を明確にしましょう。

目的によって必要な訪問時間や産業医の経験が変わります。依頼したい業務と年間の想定件数を整理すると、候補者の比較や見積もりがしやすくなります。

4.予算と契約条件を決める

月額料金だけでなく、基本料金に含まれる業務を確認します。休復職面談、高ストレス者面談、意見書作成、オンライン面談などが追加料金になる場合もあります。

採用増加後の面談件数を想定し、月額費用と追加費用を含めた年間予算を試算しましょう。交通費、時間超過、キャンセル、担当医交代時の費用も比較することが大切です。

5.衛生管理者と衛生委員会の準備を進める

50人到達時には、産業医と同時に衛生管理者や衛生委員会の体制も必要になります。衛生管理者の資格を持つ従業員がいない場合は、社内候補者の資格取得や外部人材の活用を検討しましょう。

衛生委員会についても、構成員、開催日、年間議題、議事録の保管方法を決めます。産業医の訪問日と委員会開催日を合わせると効率的です。

コミュニケーションや事務能力に疑問…
質の高い産業医に依頼したいとお考えではないでしょうか?

産業医紹介サービスを検討している企業様必見!
産業医クラウドなら独自の研修を受け、スキルチェックも通過した、厳選された産業医をご紹介します。

お役立ち資料ダウンロード

スタートアップ企業に適した産業医の選び方

スタートアップやIT企業への対応経験

スタートアップ企業では、急な組織変更、フルリモート勤務、短期間の業務集中など、成熟企業とは異なる課題が生じます。候補者には、同規模の企業やIT企業を担当した経験があるか確認しましょう。

業種名だけでなく、エンジニアやクリエイターとの面談経験、急成長企業への助言内容まで質問することが重要です。自社の働き方を理解し、現実的な改善策を提案できる産業医が適しています。

メンタルヘルスと休復職支援の経験

スタートアップ企業では、一人の休職がチームや事業の進行へ大きく影響することがあります。メンタルヘルス不調の早期対応や、休職・復職支援に詳しい産業医を選ぶことが重要です。

候補者面談では、本人への対応だけでなく、人事への情報共有、主治医との連携、復職時の業務調整について、具体的な意見を示せるか確認しましょう。

オンライン面談への対応力

リモート勤務者や地方在住者がいる企業では、オンライン面談への対応が欠かせません。オンライン対応が可能であれば、産業医の訪問日を待たずに面談を設定しやすくなります。

利用するツール、個室の確保、本人確認、通信障害時の対応、緊急時の連絡方法を確認しましょう。必要に応じて対面へ切り替えられる体制があるかも重要です。

人事や経営層への説明力

産業医には、医学的な評価を企業が実行できる言葉に変えて伝える力が求められます。「負担を減らす」といった抽象的な意見だけでは、人事担当者が具体的な就業措置を判断できません。

残業時間、出張、勤務場所、業務内容、措置の期間、再面談の時期などを明確に示せるか確認しましょう。経営者に対しても中立的な立場から助言できることが重要です。

契約後の運用支援と交代体制

産業医を選任した後は、訪問日程の調整、面談対象者の管理、意見書の回収などの実務が発生します。紹介のみのサービスでは、これらをすべて人事担当者が行わなければならない場合があります。

候補者紹介だけでなく、選任手続き、日程調整、担当医の交代、代替医師の確保まで支援してもらえるか確認しましょう。

コミュニケーションや事務能力に疑問…
質の高い産業医に依頼したいとお考えではないでしょうか?

産業医紹介サービスを検討している企業様必見!
産業医クラウドなら独自の研修を受け、スキルチェックも通過した、厳選された産業医をご紹介します。

お役立ち資料ダウンロード

スタートアップ企業が産業医を選任する6つの手順

手順1.事業場と労働者数を確認する

最初に、法人全体ではなく事業場ごとの労働者数を確認します。複数拠点やリモート勤務者がいる場合は、指揮命令系統、勤怠管理、人事管理の単位も整理しましょう。

正社員以外の労働者や派遣労働者を含め、50人に到達する時期を予測します。事業場の判断に迷う場合は、候補者探しを進めながら所轄の労働基準監督署へ確認します。

手順2.必要な業務と条件を整理する

健康診断後の意見聴取、職場巡視、衛生委員会、長時間労働者面談など、必要な基本業務を整理します。メンタルヘルス相談、休復職支援、オンライン面談など、追加で依頼したい業務も洗い出しましょう。

訪問回数、面談件数、希望曜日、予算を条件としてまとめることで、自社に合った産業医候補を探しやすくなります。

手順3.複数の候補者を比較する

産業医は、医師会、健診機関、医療機関、知人の紹介、産業医紹介サービスなどを通じて探せます。資格や料金だけでなく、経験、対応可能な業務、コミュニケーション方法を比較しましょう。

候補者との面談では、自社の事業内容、組織構成、勤務形態、健康課題を説明し、具体的にどのような支援ができるか質問します。

手順4.業務範囲を契約書へ明記する

契約書には、対象事業場、訪問頻度、対応時間、職場巡視、衛生委員会、健康診断後の措置などを具体的に記載します。「産業医業務一式」といった曖昧な表現は避けましょう。

基本料金に含まれる面談件数、追加料金、オンライン対応、交通費、契約解除、担当医交代時の引継ぎまで確認します。

手順5.産業医を選任して報告する

担当医の資格要件を確認し、社内で正式に産業医として選任します。選任すべき事由が発生した日から14日以内に選任し、所轄の労働基準監督署へ遅滞なく報告しましょう。

報告は原則として電子申請で行います。申請内容、資格証明書、受付結果を社内で保管し、担当者の異動や退職があっても確認できる状態にします。

手順6.選任後の運用を開始する

選任後は、産業医の氏名や担当業務、健康相談の申込方法などを従業員へ周知します。衛生委員会、職場巡視、健康診断後の意見聴取を年間スケジュールへ組み込みましょう。

産業医、人事、衛生管理者の役割を明確にし、対象者の抽出、面談、意見書、就業措置、再面談までの流れを業務手順として整備します。

コミュニケーションや事務能力に疑問…
質の高い産業医に依頼したいとお考えではないでしょうか?

産業医紹介サービスを検討している企業様必見!
産業医クラウドなら独自の研修を受け、スキルチェックも通過した、厳選された産業医をご紹介します。

お役立ち資料ダウンロード

産業医選任を成功させる年間プログラム

毎月の対応業務を定型化する

毎月、長時間労働者、面談希望者、健康診断後の対象者を確認し、産業医へ必要な情報を事前に共有します。産業医の対応日には、衛生委員会、職場巡視、面談を優先順位に沿って実施しましょう。

対応後は、産業医の意見、企業が講じた措置、次回確認日を記録します。業務を定型化することで、人事担当者が交代しても継続できます。

年間の産業保健計画を作成する

健康診断、ストレスチェック、管理職研修、健康教育など、年間に実施するプログラムを計画します。採用や繁忙期と重ならないよう時期を調整し、産業医の契約時間も確保しましょう。

スタートアップ企業では、組織や働き方が短期間で変化します。年度初めだけでなく、採用計画や勤務制度が変わった時点でも計画を見直すことが重要です。

成果を数値で確認する

産業医活動の成果は、訪問回数や面談件数だけでは判断できません。面談依頼から実施までの日数、健康診断後の対応完了率、長時間労働者数、休復職者のフォロー実施率などを確認しましょう。

個人を特定できない形で傾向を整理し、衛生委員会や経営会議で共有します。改善が見られない場合は、相談窓口や業務配分を見直します。

事業成長に合わせて契約を見直す

従業員数が増加すれば、健康診断後の対象者や産業医面談の件数も増えます。契約時間内に必要な対応を完了できなくなった場合は、訪問時間やオンライン面談枠を追加しましょう。

新拠点の開設、深夜勤務の開始、海外人材の採用なども見直しのタイミングです。少なくとも契約更新時には、活動実績と翌年度の採用計画を確認します。

コミュニケーションや事務能力に疑問…
質の高い産業医に依頼したいとお考えではないでしょうか?

産業医紹介サービスを検討している企業様必見!
産業医クラウドなら独自の研修を受け、スキルチェックも通過した、厳選された産業医をご紹介します。

お役立ち資料ダウンロード

スタートアップ企業が産業医を選任する際の注意点

費用の安さだけで選ばない

月額料金が安くても、従業員面談、意見書作成、オンライン対応がすべて追加料金であれば、結果的に費用が高くなる可能性があります。対応できる業務が限られ、健康課題を十分に相談できない場合もあります。

基本料金に含まれる業務と件数を確認し、年間の総額と支援内容で比較しましょう。医師との相性や企業への助言力も重要です。

経営者や事業場責任者を産業医に選任しない

医師資格と産業医の要件を満たしていても、法人の代表者や事業場を統括管理する立場の者を、自社の産業医として選任することはできません。経営判断と従業員の健康確保に関する判断が対立する可能性があるためです。

経営から一定の独立性を持ち、中立的な立場で意見を示せる医師を選任しましょう。

健康情報の共有範囲を明確にする

産業医面談で確認した病名、治療内容、家庭事情などを、経営者や上司へそのまま共有することは適切ではありません。企業へ共有する情報は、安全配慮や就業上の措置に必要な範囲に限定します。

誰が、どの情報を、何の目的で閲覧できるかを健康情報取扱規程に定め、面談記録と人事評価情報を分けて管理しましょう。

選任後の実務を産業医へ任せきりにしない

産業医は医学的な専門家ですが、面談対象者の抽出、勤務情報の準備、就業措置の決定などは企業側の対応が必要です。産業医を選任しただけで、健康管理が自動的に進むわけではありません。

社内窓口、依頼手順、情報提供、意見書受領後の対応を決め、産業医と企業が協力して運用する体制を整えましょう。

辞任・解任・退任時の報告を忘れない

2026年8月1日以降は、産業医を新たに選任した場合だけでなく、辞任、解任または退任があった場合にも所轄の労働基準監督署への報告が必要です。

産業医が交代する場合は、後任者の選定、未対応の面談、健康診断後の意見、職場巡視の指摘事項なども引き継ぎます。契約書で解約予告期間と引継ぎ方法を確認しておきましょう。

コミュニケーションや事務能力に疑問…
質の高い産業医に依頼したいとお考えではないでしょうか?

産業医紹介サービスを検討している企業様必見!
産業医クラウドなら独自の研修を受け、スキルチェックも通過した、厳選された産業医をご紹介します。

お役立ち資料ダウンロード

スタートアップ企業における産業医活用の想定事例

想定事例1.採用拡大前に選任準備を始めたケース

従業員42人のITスタートアップが、資金調達後に12人を採用する計画を立てました。入社後に産業医を探すと期限に間に合わない可能性があるため、採用決定の段階で候補者選定を開始しました。

産業医との契約、衛生管理者の確保、衛生委員会の準備を並行して進めたことで、50人到達後も法令対応と健康管理を円滑に開始できました。

想定事例2.長時間労働への対応を整えたケース

プロダクト公開前にエンジニアの長時間労働が増えていた企業では、人事が残業時間を集計していたものの、疲労や睡眠状態までは確認できていませんでした。

産業医面談の対象者抽出と申込フローを整備し、面談後の意見に基づいて残業制限や業務分担を実施しました。管理職にも不調の兆候と相談窓口を周知し、早期対応につなげました。

想定事例3.リモート勤務者の相談体制を構築したケース

全国から従業員を採用している企業では、本社訪問日に合わせた産業医面談を利用しにくいことが課題でした。そこで、対面訪問とオンライン面談を組み合わせた契約へ変更しました。

面談申込窓口と産業医へ提供する勤務情報の書式を統一し、勤務地にかかわらず同じ流れで相談できる体制を整えました。

コミュニケーションや事務能力に疑問…
質の高い産業医に依頼したいとお考えではないでしょうか?

産業医紹介サービスを検討している企業様必見!
産業医クラウドなら独自の研修を受け、スキルチェックも通過した、厳選された産業医をご紹介します。

お役立ち資料ダウンロード

産業医クラウドでスタートアップ企業の選任と運用を支援

スタートアップ企業が産業医を選任する際は、候補者探しだけでなく、契約、選任報告、衛生委員会、面談フローなどを同時に整える必要があります。専任の人事担当者が少ない企業では、大きな負担になりかねません。

産業医クラウドでは、企業の従業員数、事業内容、働き方、健康課題に合わせた産業医の選定を支援します。産業医の紹介に加え、職場巡視、従業員面談、衛生委員会運営、休復職支援、産業保健師との連携まで一貫して相談できます。

産業医クラウドは、2025年12月末時点で3,500社以上、22,000事業場以上の導入実績があります。50人到達前の準備や選任後の運用にお悩みの場合は、お問い合わせフォームからご相談ください。サービス内容を比較したい場合は、無料の資料請求もご活用いただけます。

コミュニケーションや事務能力に疑問…
質の高い産業医に依頼したいとお考えではないでしょうか?

産業医紹介サービスを検討している企業様必見!
産業医クラウドなら独自の研修を受け、スキルチェックも通過した、厳選された産業医をご紹介します。

お役立ち資料ダウンロード

スタートアップ企業の産業医選任に関するよくあるFAQ

従業員50人未満でも産業医を選任できますか?

50人未満の事業場には原則として産業医の選任義務はありませんが、任意で契約することは可能です。長時間労働やメンタルヘルス相談が増えている場合は、50人到達前から産業医を活用する方法があります。

小規模事業場は、地域産業保健センターによる医師面接や産業保健指導などの支援を、一定の条件で利用できる場合もあります。

従業員が50人になった当日に産業医が必要ですか?

常時使用する労働者が50人以上となり、選任すべき事由が発生した場合は、その日から14日以内に産業医を選任する必要があります。選任後は、所轄の労働基準監督署への報告も必要です。

候補者探しや契約条件の調整には時間がかかるため、採用計画で50人到達が見えた段階から準備を始めましょう。

試用期間中の従業員も人数に含まれますか?

試用期間中であっても、通常の労働者として雇用し、常態として事業場で使用している場合は、原則として人数に含めて確認します。試用期間であることだけを理由に除外するものではありません。

雇用契約の名称だけでなく、契約期間や勤務実態を基に判断することが重要です。判断に迷う場合は、所轄の労働基準監督署へ確認しましょう。

派遣社員は50人の人数に含まれますか?

派遣中の労働者は、事業場規模を算定する際、原則として派遣元と派遣先の双方で人数に含めます。派遣社員を多数受け入れるスタートアップでは、直接雇用する従業員だけを確認していると、50人到達を見落とす可能性があります。

派遣会社から提供される在籍情報も確認し、受け入れ人数の変動を人員計画へ反映しましょう。

リモート勤務者にもオンラインで産業医面談を実施できますか?

映像と音声を通じて、医師と従業員が表情、顔色、声、しぐさなどを相互に確認できる環境であれば、オンライン面談を活用できます。電話だけでは十分な確認が難しいため注意が必要です。

従業員が一人で話せる個室、安定した通信環境、緊急時の連絡先を確保し、必要に応じて対面面談へ切り替えられる体制を整えましょう。

代表取締役が医師なら産業医を兼務できますか?

代表取締役が医師資格や産業医としての要件を満たしていても、自社の産業医として選任することはできません。法人の代表者や事業場を統括管理する者は、産業医としての独立性を確保しにくいためです。

外部の医師など、企業経営を統括する立場にない医師から選任する必要があります。

50人未満へのストレスチェック義務化で産業医も必要になりますか?

2028年4月1日から、労働者数50人未満の事業場にもストレスチェックの実施義務が拡大されます。ただし、この改正によって、50人未満の事業場に一律の産業医選任義務が生じるわけではありません。

ストレスチェックの実施者や高ストレス者への医師面接など、必要な外部専門家と運用体制を早めに検討しましょう。

産業医の選任報告は紙で提出できますか?

産業医選任報告は、2025年1月1日から原則として電子申請が必要です。厚生労働省の入力支援サービスやe-Govなどを利用して手続きを進めます。

資格を証明する書類など、必要な添付資料を事前に確認しましょう。申請後は受付結果を保存し、選任日や契約開始日とあわせて管理することが重要です。

コミュニケーションや事務能力に疑問…
質の高い産業医に依頼したいとお考えではないでしょうか?

産業医紹介サービスを検討している企業様必見!
産業医クラウドなら独自の研修を受け、スキルチェックも通過した、厳選された産業医をご紹介します。

お役立ち資料ダウンロード

まとめ|スタートアップ企業は50人到達を見越して産業医を選任する

スタートアップ企業であっても、常時50人以上の労働者を使用する事業場では産業医の選任が必要です。正社員だけでなく、パートや派遣労働者などを含めて人数を確認し、採用計画で50人到達が見えた段階から準備を始めましょう。

産業医選任の目的は、法令上の要件を満たすことだけではありません。長時間労働やメンタルヘルス不調を早期に把握し、健康診断後の措置や休復職支援を整えることは、人材定着と事業継続にもつながります。

産業医クラウドでは、スタートアップ企業の成長段階や働き方に合わせ、産業医の選定から契約、選任手続き、選任後の運用まで一貫して支援しています。50人到達前の準備や産業保健体制に不安がある場合は、お問い合わせフォームまたは資料請求をご活用ください。

コミュニケーションや事務能力に疑問…
質の高い産業医に依頼したいとお考えではないでしょうか?

産業医紹介サービスを検討している企業様必見!
産業医クラウドなら独自の研修を受け、スキルチェックも通過した、厳選された産業医をご紹介します。

お役立ち資料ダウンロード

株式会社Avenir株式会社メンタルヘルステクノロジーズ(東証グロース9218)の100%子会社です。
Avenir産業医クラウドを運営しています。

監修:刀禰真之介(株式会社メンタルヘルステクノロジーズ代表取締役社長、株式会社Avenir代表取締役社長)