産業医選任報告書は選任後に遅滞なく提出する
常時50人以上の労働者を使用する事業場では、産業医を選任し、所轄の労働基準監督署へ報告する必要があります。産業医は選任すべき事由が発生してから14日以内に選任し、報告書は選任後、遅滞なく提出します。
報告には、様式第3号「総括安全衛生管理者・安全管理者・衛生管理者・産業医選任報告」を使用します。
本記事では、報告書の各欄に記入する情報、添付書類、電子申請の手順を解説します。
産業医選任報告書の基本情報
産業医選任報告書は、事業場が誰を産業医として選任したのかを、労働基準監督署へ報告する法定書類です。「産業医選任届」と呼ばれることもありますが、正式名称は「総括安全衛生管理者・安全管理者・衛生管理者・産業医選任報告」です。
安全管理者や衛生管理者と共通の様式であるため、産業医に該当する選任種別や資格情報を正しく入力する必要があります。
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 使用する様式 | 労働安全衛生規則様式第3号 |
| 提出時期 | 産業医の選任後、遅滞なく |
| 提出先 | 事業場を管轄する労働基準監督署 |
| 提出方法 | 原則として電子申請 |
| 主な添付書類 | 医師免許証の写し、産業医資格を証明する書面の写し |
産業医との契約書とは別の書類
産業医との契約書は、訪問頻度、業務範囲、報酬、契約期間などを企業と医師の間で取り決める文書です。一方、産業医選任報告書は、産業医を選任した事実を行政機関へ報告するために作成します。
契約書を締結しただけでは、選任報告を行ったことにはなりません。契約・社内決裁・正式な選任・労働基準監督署への報告を、一連の手続きとして管理しましょう。
選任期限と報告時期は分けて考える
産業医は、従業員数が常時50人以上になった日や、前任者が退任した日など、選任すべき事由が発生してから14日以内に選任します。
一方、報告書については、選任後「遅滞なく」提出することが求められています。14日以内に報告書を提出すればよいという意味ではありません。まず期限内に正式選任し、その後すぐに電子申請する手順を整えておきましょう。
報告書は事業場ごとに提出する
産業医の選任義務と選任報告は、原則として会社全体ではなく事業場単位で管理します。複数の支店や工場で産業医を選任した場合は、事業場ごとに報告書を作成し、各所在地を管轄する労働基準監督署へ提出します。
本社が手続きを一括管理している場合も、報告書には産業医が担当する事業場の名称、所在地、電話番号、労働者数を記入してください。
報告書を作成する前に準備する情報と書類
産業医選任報告書には、産業医の氏名だけでなく、生年月日、選任日、医籍番号、産業医資格の種別などを記入します。選任後に医師へ確認を始めると、書類の回収に時間がかかる可能性があります。
候補者との契約を進める段階で、報告に必要な情報と添付書類を一覧化しておきましょう。取得した書類には個人情報が含まれるため、保存場所や閲覧できる担当者も限定する必要があります。
事業場側で準備する情報
事業場側では、労働保険番号、事業場の名称・所在地、電話番号、事業の種類、常時使用する労働者数を準備します。対象となる坑内労働や有害業務がある場合は、それぞれの業務に従事する人数も確認します。
法人全体の情報ではなく、産業医を選任する事業場の情報を用意することが重要です。既存の労働保険関係書類や人員表と照合し、表記を統一しましょう。
産業医本人から取得する情報
産業医からは、氏名、フリガナ、生年月日、医籍番号、産業医資格の根拠、専門科名、開業の有無などを確認します。産業医の氏名は、医師免許証や資格証明書の表記と一致させましょう。
また、専属・非専属、専任・兼職の区分を判断するため、勤務形態や産業医以外の業務を兼ねているかも確認します。契約名称だけから推測して入力することは避けてください。
添付する資格証明書類
産業医選任報告には、医師免許証の写しと、産業医としての要件を満たしていることを証明する書面の写しを添付します。
資格証明書には、厚生労働大臣が指定する研修の修了証や、保健衛生区分の労働衛生コンサルタント登録証などがあります。報告書へ入力する資格種別コードと、添付する証明書の内容が一致しているかを確認しましょう。
産業医選任報告書の書き方
様式第3号は、総括安全衛生管理者、安全管理者、衛生管理者、産業医に共通する報告書です。産業医を選任する場合は、産業医に必要な欄を選び、記載要領に沿って入力します。
特に間違いやすいのが、選任種別と資格種別、専属・非専属と専任・兼職です。入力支援サービスのエラーチェックだけに頼らず、契約書や資格証明書と照合しながら作成しましょう。
労働保険番号
報告対象となる事業場の労働保険番号を記入します。労働保険番号は、都道府県、所掌、管轄、基幹番号、枝番号などから構成され、労働保険関係の成立届や申告書で確認できます。
法人内で複数の労働保険番号を使用している場合は、産業医を選任する事業場に対応する番号を入力してください。本社の番号を一律に使用しないよう注意しましょう。
事業場の名称・所在地・電話番号
事業場の名称には、法人名に加えて、支店、営業所、工場などを特定できる名称を記入します。所在地と電話番号も、報告対象となる事業場の情報を使用します。
例えば、「株式会社○○」だけでは複数拠点を区別できない場合、「株式会社○○ 東京事業所」と記載します。提出先も法人の本店所在地ではなく、記載した事業場を管轄する労働基準監督署です。
事業の種類
衛生管理者または産業医の選任報告では、「事業の種類」を日本標準産業分類の中分類に沿って記入します。
「サービス業」「IT企業」など、日常的に使用している広い呼称だけでは分類が明確にならない場合があります。対象事業場で実際に行っている主な事業を確認し、日本標準産業分類や既存の労働保険関係書類と照合して記載しましょう。
労働者数
労働者数には、報告対象の事業場で常時使用する労働者の人数を記入します。正社員だけでなく、パートやアルバイトなども勤務実態に応じて含めます。
企業全体の人数や、社会保険加入者だけの人数を記載しないよう注意してください。報告日時点の人員表を基に集計し、産業医選任義務の判断に使用した人数と報告書の数字が一致しているか確認しましょう。
産業医の氏名・フリガナ・生年月日
被選任者氏名には、今回選任する産業医の氏名を記入します。姓と名の間は1文字分空け、フリガナも同じ形式で入力します。
通称や略字ではなく、医師免許証や資格証明書に記載された正式な氏名を使用しましょう。生年月日も本人から提供された正確な情報を入力します。氏名変更などで証明書間の表記が異なる場合は、提出前に所轄署へ確認してください。
選任年月日
選任年月日には、会社がその医師を正式に産業医として選任した日を記入します。候補者と面談した日や、契約条件に合意した日を記載する欄ではありません。
契約書の締結日、契約開始日、社内決裁上の選任日が異なる場合は、どの日を正式な選任日とするのかを社内で確認します。報告書、契約書、稟議書の表記を一致させておきましょう。
選任種別
産業医を選任する場合、選任種別には「5」を記入します。様式第3号では、総括安全衛生管理者を「1」、安全管理者を「2」、衛生管理者を「3」または「4」、産業医を「5」として区分しています。
後述する産業医資格の種別コードとは異なる項目です。資格証明書のコードを選任種別欄へ入力しないよう注意しましょう。
専属・非専属
「専属の別」には、専属産業医であれば「1」、非専属産業医であれば「2」を記入します。外部の医療機関などにも所属し、定期的に事業場を訪問する嘱託産業医は、一般に非専属として扱われます。
ただし、契約名だけで判断してはいけません。常時1,000人以上の事業場など、専属産業医が必要となる条件もあるため、事業場規模と実際の勤務形態を確認しましょう。
専任・兼職
「専任の別」には、産業医の業務だけに従事する場合は「1」、ほかの業務も兼ねる場合は「2」を記入します。
「専属」と「専任」は同じ意味ではありません。例えば、企業に所属する専属産業医であっても、診療やほかの医療業務を兼ねている場合があります。実際の業務分担を産業医本人や契約担当者へ確認したうえで入力してください。
医籍番号と産業医資格の種別コード
「産業医の場合は医籍番号等」の欄には、医師免許証に記載された医籍番号と、産業医資格の根拠を示す種別コードを記入します。
資格種別コードは1~7に分かれており、指定研修を修了した医師は「1」、保健衛生区分の労働衛生コンサルタントは「7」など、資格の根拠によって異なります。様式裏面の別表と証明書を照合して選択しましょう。
参考事項
参考事項欄には、産業医の専門科名を記載します。選任する産業医が開業している場合は、開業医であることも記入します。
その事業場で初めて産業医を選任する場合は、「新規選任」と記載します。例えば、初めて内科の開業医を選任する場合は、「内科・開業、新規選任」など、状況を簡潔に整理して記載しましょう。
報告年月日・宛先・事業者職氏名
報告書下部には、報告年月日、提出先となる労働基準監督署長、事業者の職氏名を記載します。法人の場合は、法人名、代表者の役職、氏名を入力します。
宛先は、法人本店を管轄する監督署ではなく、産業医を選任する事業場の所在地を管轄する労働基準監督署です。複数事業場の報告を同時に行う場合は、提出先の取り違えに注意しましょう。
産業医選任報告書の記入例
以下は、常時80人が勤務する情報サービス業の事業場が、指定研修を修了した内科の開業医を、非専属・兼職の産業医として初めて選任する例です。
実際に作成する際は、産業医本人の資格証明書、勤務形態、契約内容を確認してください。以下の内容をそのまま使用するのではなく、自社の事業場情報と産業医の情報へ置き換えます。
| 記入欄 | 記入例 |
|---|---|
| 事業場の名称 | 株式会社○○ 東京事業所 |
| 事業の種類 | 情報サービス業 |
| 労働者数 | 80人 |
| 被選任者氏名 | 産業 太郎 |
| 選任年月日 | 令和8年7月1日 |
| 選任種別 | 5(産業医) |
| 専属の別 | 2(非専属) |
| 専任の別 | 2(兼職) |
| 資格種別 | 1(指定研修修了者) |
| 参考事項 | 内科・開業、新規選任 |
産業医選任報告書に添付する書類
産業医選任報告には、医師であることと、産業医の資格要件を満たしていることを確認できる書類を添付します。原則として、医師免許証の写しと、産業医資格の根拠となる証明書の写しが必要です。
産業医との契約書だけでは、法令上の資格要件を確認できません。電子申請を行う場合は、文字や番号が判読できる状態で書類を電子データ化し、申請画面から添付しましょう。
医師免許証の写し
医師免許証の写しでは、氏名や医籍番号を明瞭に確認できる必要があります。全体が写っていない、文字が不鮮明、縮小しすぎて読めないといったデータは避けましょう。
報告書へ入力した氏名と医籍番号が、医師免許証の記載と一致しているか確認します。個人情報を含むため、一般の共有フォルダには保存せず、選任手続きを担当する限られた従業員だけが閲覧できる場所で管理してください。
産業医資格を証明する書面の写し
産業医資格を証明する書面には、指定研修の修了証や、保健衛生区分の労働衛生コンサルタント登録証などがあります。
報告書の資格種別コードと、添付する書面の種類を一致させることが重要です。有効期限が設けられている認定証を使用する場合は、選任時点で有効かも確認しましょう。候補者との契約前に、必要書類を提出できるか確認しておくと手続きが円滑です。
産業医選任報告書を電子申請する5つの手順
2025年1月1日から、産業医選任報告を含む労働安全衛生関係の一部手続きは、電子申請が原則となっています。
厚生労働省の入力支援サービスやe-Govを利用し、必要事項の入力、証明書類の添付、送信を行います。申請データを送信しただけで完了とせず、受付状況や補正依頼まで確認することが重要です。
1.事業場情報と産業医情報をそろえる
入力を始める前に、労働保険番号、事業場名、所在地、事業の種類、労働者数、産業医の氏名、生年月日、選任日、医籍番号、資格種別をそろえます。
医師免許証と資格証明書も、添付できる電子データとして準備しましょう。入力途中で不足情報に気付くと申請作業が止まるため、様式第3号に沿った確認表を作成しておくと効率的です。
2.入力支援サービスで対象様式を選ぶ
入力支援サービスで「総括安全衛生管理者・安全管理者・衛生管理者・産業医選任報告」を選び、画面の案内に沿って入力します。
同じ様式で複数の安全衛生管理者を報告できるため、産業医の選任種別を正しく選択してください。入力支援機能では未入力や形式上の誤りを確認できますが、勤務形態や資格区分の判断までは行われない点に注意が必要です。
3.医師免許証と資格証明書を添付する
事業場情報と産業医情報を入力したら、医師免許証の写しと、産業医資格を証明する書面の写しを添付します。
ファイル名は「医師免許証産業太郎」「産業医研修修了証産業太郎」など、内容と対象者を識別できるものにすると確認しやすくなります。不要な契約書や健康情報をまとめて添付せず、報告に必要な書類だけを選びましょう。
4.内容を確認して電子申請する
送信前に、事業場の名称・所在地、提出先、産業医の氏名、選任年月日、選任種別、資格種別を確認します。
特に、選任種別の「5」と産業医資格のコードを混同していないか、契約日を選任日としていないかを点検しましょう。申請を外部へ委託する場合も、企業側で最終的な記載内容を確認する必要があります。
5.受付状況と補正依頼を確認する
電子申請後は、受付番号や申請日を記録し、行政機関からの通知を確認します。入力誤りや添付不足がある場合は、補正や追加提出を求められることがあります。
送信した時点で処理が完了したと判断せず、受付・審査状況を継続して確認しましょう。提出データ、添付書類、受付結果はまとめて保存し、担当者の交代時にも確認できる状態にしておきます。
書面で提出する場合の書き方
電子申請が困難な事情がある場合は、当分の間、書面による提出も可能とされています。書面を使用する際は、厚生労働省が公開する最新の様式第3号を印刷し、事業場を管轄する労働基準監督署へ提出します。
報告書は機械で読み取られるため、印刷する用紙や記入方法にも指定があります。社内に保存している古い様式や、過去に印刷した用紙のコピーを使用しないよう注意しましょう。
黒のボールペンで枠内へ記入する
書面の記入枠には黒のボールペンを使用し、文字や数字が枠からはみ出さないよう明瞭に記入します。記載事項がない欄は、斜線や「なし」を書かず、空欄のままとします。
誤記が多い場合や訂正によって読みづらくなった場合は、新しい用紙で作り直すことが望まれます。提出用と社内控えの取扱いは、所轄の労働基準監督署の案内を確認してください。
最新様式を指定された用紙へ印刷する
厚生労働省は、書面を印刷する際に、白色度80%以上の用紙を使用し、印刷した報告書をコピーして提出しないよう案内しています。
過去に作成した様式を複写して使い回すのではなく、申請の都度、最新のPDFを確認して印刷しましょう。法改正によって項目が変更される可能性があるため、以前提出した報告書をひな形としてそのまま使用することは避けてください。
2026年8月1日から産業医の辞任・解任・退任も報告する
2026年8月1日以降は、産業医を選任した場合だけでなく、産業医の辞任、解任または退任があった場合も、所轄の労働基準監督署へ遅滞なく報告する必要があります。
産業医を交代する企業は、前任者の氏名、辞任等の年月日、辞任・解任・退任の区分を確認するとともに、後任者を原則14日以内に選任します。契約終了日と選任日を一つの管理表で把握しましょう。
後任の選任と前任者の辞任等を同時に報告する場合
2026年8月1日以降も、新たな産業医の選任と、前任産業医の辞任・解任・退任を同時に報告する場合は、前任者について別に辞任等の報告を行う必要はないとされています。
産業医を交代する際は、前任者の終了日、後任者の選任日、資格書類をまとめて確認し、一度の申請で必要事項を漏れなく報告できるよう準備しましょう。
後任が決まっていない場合は辞任等を単独で報告する
前任産業医の辞任等が発生したものの、報告時点で後任者が決まっていない場合は、辞任・解任・退任について報告します。
ただし、常時50人以上の事業場では、前任産業医が辞任等をした日から14日以内に後任を選任する必要があります。辞任等の報告だけで手続きを終えず、候補者探し、選任、後任者の選任報告まで速やかに進めてください。
産業医選任報告書で起こりやすい記入ミス
産業医選任報告書では、資格情報や勤務形態に関する誤りが起こりやすくなります。入力支援サービスで形式上のチェックを通過しても、実態と異なる内容を入力していれば、正しい報告にはなりません。
提出前に、報告書、契約書、医師免許証、産業医資格証明書を並べて確認しましょう。複数拠点の申請では、事業場情報と所轄署の取り違えにも注意が必要です。
選任種別と資格種別を混同する
選任種別は、今回選任する役職を示すコードであり、産業医は「5」です。一方、資格種別は産業医となる要件を示すコードであり、資格の根拠に応じて1~7から選択します。
指定研修を修了した医師だからといって、選任種別欄に資格コードを入力するものではありません。選任種別は役職、資格種別は資格の根拠として、別々に確認しましょう。
契約締結日を選任年月日に記入する
契約書へ署名した日と、産業医として正式に選任した日は必ずしも同じではありません。選任年月日には、会社が産業医として選任し、職務を開始できる状態となった日を記入します。
契約書、稟議書、社内通知で日付が異なると、どの日を選任日としたのか説明できません。契約手続きの段階で、選任日と業務開始日を明確にしておきましょう。
専属と専任を同じ区分として入力する
専属・非専属は、産業医と事業場との勤務関係に関する区分です。一方、専任・兼職は、産業医の業務だけを行うか、診療などのほかの仕事も兼ねるかを示します。
外部の嘱託産業医だから、両方の欄に同じ番号を入力すればよいとは限りません。産業医本人や紹介会社へ勤務実態を確認し、各欄を個別に判断してください。
医師免許証だけを添付する
医師免許証は医師であることを証明する書類ですが、それだけでは産業医としての要件を満たしているか確認できません。
指定研修の修了証など、産業医資格の根拠を証明する書面も添付する必要があります。候補者から資格を確認済みと聞いている場合も、実際の報告に使用する写しを企業側で受領し、資格コードと照合しましょう。
本社の情報をすべての事業場へ使用する
報告書には、産業医を選任する事業場の名称、所在地、労働者数、労働保険番号を記入します。複数拠点の手続きを本社が担当していても、本社の情報を一律に入力してはいけません。
事業場ごとに、名称、所在地、所轄署、労働者数を一覧化しましょう。同じ産業医を複数事業場で選任する場合も、それぞれの事業場について報告します。
申請後の補正依頼を確認していない
電子申請を送信しても、添付漏れや入力誤りがあれば、行政機関から補正を求められることがあります。担当者が通知を確認していなければ、手続きが完了しないまま放置される可能性があります。
申請担当者だけに管理を任せず、受付番号、処理状況、補正の有無、完了日を共有しましょう。外部へ申請を依頼した場合も、完了結果を必ず受け取ってください。
産業医選任報告を円滑に進める5つの手順
産業医選任報告を期限内に進めるには、報告書を書き始めてから情報を集めるのではなく、候補者選定の段階から必要書類を準備することが重要です。
選任義務の確認、候補者の資格確認、契約、報告書作成、電子申請までを社内の標準手順として整備しましょう。担当者と期限を明確にすると、資格書類の不足や申請漏れを防ぎやすくなります。
1.提出対象となる事業場を確認する
事業場ごとに常時使用する労働者数を確認し、産業医の選任義務があるかを判断します。正社員だけでなく、パートやアルバイトなども勤務実態に応じて集計しましょう。
選任義務が発生する事業場を確定したら、事業場名、所在地、労働保険番号、所轄署を一覧化します。複数拠点がある場合は、報告対象の取り違えを防ぐための管理表が有効です。
2.候補者の産業医資格を確認する
候補者から、医師免許証と産業医資格を証明する書面を取得します。産業医となる法令上の要件を満たしていることを確認してから、正式な選任へ進みましょう。
資格だけでなく、自社の業種への理解、職場巡視、衛生委員会、メンタルヘルス面談などへの対応力も確認します。選任期限だけを優先し、名義だけの契約を結ぶことは避けてください。
3.契約内容と選任日を確定する
産業医との業務範囲、訪問頻度、報酬、契約開始日を決め、社内の承認手続きを行います。契約書には、職場巡視、健康診断後の意見聴取、面談、衛生委員会への関与など、依頼する業務を具体的に記載しましょう。
正式な選任日を確定し、報告書、契約書、稟議書で日付を統一します。交代の場合は、前任者の終了日も併せて確認してください。
4.報告書と添付書類を確認する
事業場情報と産業医情報を入力し、医師免許証、資格証明書を添付します。提出前には、選任年月日、選任種別、資格種別、専属・非専属、専任・兼職を重点的に確認します。
報告書を作成した担当者だけでなく、別の人事・総務担当者にも確認してもらうと、入力ミスを発見しやすくなります。資格書類の有効期限や氏名表記も点検しましょう。
5.電子申請後の状況と産業医業務を管理する
電子申請後は、受付番号、処理状況、完了日を管理台帳へ記録します。補正依頼があった場合は、必要な情報を確認して速やかに対応しましょう。
報告が完了した後は、初回訪問、職場巡視、衛生委員会、従業員面談などの予定を設定します。報告書の提出だけで終わらせず、産業医が実際に活動できる体制へつなげることが重要です。
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産業医選任報告書を作成するには、医師免許証や資格証明書を回収し、資格種別、勤務形態、選任日などを正確に確認する必要があります。初めて産業医を選任する企業では、候補者探しと並行して報告手続きを進めることが、人事担当者の大きな負担になりがちです。
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産業医選任報告書に関するよくある質問
産業医選任報告書では、正式名称、提出期限、添付書類、電子申請などについて疑問が生じやすくなります。
書類上の形式だけでなく、選任日や産業医資格、勤務形態が実態と一致していることが重要です。ここでは、初めて産業医を選任する人事担当者や経営者が迷いやすい項目を解説します。
産業医選任報告書の正式名称は何ですか?
正式名称は「総括安全衛生管理者・安全管理者・衛生管理者・産業医選任報告」です。労働安全衛生規則の様式第3号を使用します。
一般には「産業医選任届」「産業医選任報告書」と呼ばれますが、産業医だけの専用様式ではありません。複数の安全衛生管理者に共通するため、産業医を示す選任種別「5」や、産業医の資格情報を正しく入力しましょう。
産業医選任報告書はいつまでに提出しますか?
産業医は、選任すべき事由が発生した日から14日以内に選任し、選任後は報告書を所轄の労働基準監督署へ遅滞なく提出します。
「14日以内」は産業医を選任する期限であり、報告書だけを14日以内に提出すればよいという意味ではありません。社内では、選任完了後すぐに電子申請するスケジュールを設定しましょう。
産業医選任報告書はどこへ提出しますか?
産業医を選任する事業場の所在地を管轄する労働基準監督署へ提出します。法人の登記上の本店所在地や、人事部門の所在地を管轄する監督署ではない場合があります。
複数の支店や工場で産業医を選任する場合は、事業場ごとに報告書を作成します。各事業場の名称、所在地、所轄署を一覧化しておくと、提出先の誤りを防げます。
契約書を添付する必要はありますか?
公的な案内で主な添付書類として示されているのは、医師免許証の写しと、産業医資格を証明する書面の写しです。産業医との契約書は、これらの資格証明書の代わりにはなりません。
ただし、契約書は選任日、勤務形態、業務範囲を確認するための重要な社内資料です。報告書と記載内容が一致しているか確認し、資格書類とあわせて適切に保存しましょう。
電子申請ではなく書面でも提出できますか?
2025年1月1日から産業医選任報告は電子申請が原則となっています。ただし、電子申請が困難な事情がある場合は、当分の間、書面による報告も可能とされています。
書面を利用する場合は、厚生労働省が公開する最新様式を使用し、指定された用紙・記入方法に従います。提出部数や郵送方法については、所轄の労働基準監督署へ確認しましょう。
同じ産業医を複数事業場で選任する場合はどうしますか?
同じ医師を複数の事業場で産業医として選任する場合も、報告は原則として事業場ごとに行います。それぞれの事業場名、所在地、労働者数、所轄署を確認して申請してください。
また、各事業場で職場巡視や面談などの業務を適切に実施できる時間があるかも確認します。選任報告ができても、実際の産業医業務を遂行できなければ適切な体制とはいえません。
同じ産業医との契約を更新した場合も報告が必要ですか?
産業医が変わらず、選任状態を継続したまま契約期間だけを更新する場合は、新たに産業医を選任した場合とは異なります。
ただし、契約に空白期間がある場合や、専属・非専属などの選任状況が変わる場合は確認が必要です。契約内容と過去の報告状況を整理し、報告が必要か判断できない場合は、所轄の労働基準監督署へ相談しましょう。
産業医を変更した場合はどのように報告しますか?
後任の産業医を選任した場合は、後任者について選任報告を行います。2026年8月1日以降は、前任産業医の辞任・解任・退任についても、原則として報告が必要です。
ただし、後任者の選任と前任者の辞任等を同時に報告する場合は、前任者について別の報告を行う必要はありません。前任者の終了日と後任者の選任日を確認し、空白期間を生じさせないよう進めましょう。
提出した報告書の控えは保存すべきですか?
提出した報告書、添付書類、受付番号、処理結果は、事業場の選任状況を確認できるよう社内で保存しておくことが重要です。
産業医の交代時や、労働基準監督署から選任状況の確認を受けた場合にも役立ちます。電子申請データだけでなく、契約書や資格書類と関連付けて管理し、担当者が異動しても確認できる保存ルールを整えましょう。
まとめ|資格書類と記入内容を照合して電子申請する
産業医選任報告には、様式第3号「総括安全衛生管理者・安全管理者・衛生管理者・産業医選任報告」を使用します。事業場情報、産業医の氏名・選任日、選任種別、勤務形態、医籍番号、資格種別を入力し、医師免許証と産業医資格を証明する書面を添付します。
選任種別の「5」と資格種別コードを混同しないことや、専属・非専属と専任・兼職を勤務実態に基づいて判断することが重要です。申請後も受付状況や補正依頼を確認しましょう。
産業医の選任期限が迫っている、報告に必要な資格書類がそろわない、選任後の産業保健業務まで整えたい場合は、産業医クラウドへ相談できます。
産業医の紹介から選任報告、職場巡視、衛生委員会、従業員面談までの支援内容を確認したい企業は、お問い合わせフォームまたは資料請求をご活用ください。
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