長時間労働が続くと、心身ともに疲弊していくのは想像に難くありません。しかし、具体的に「残業時間が何時間を超えるとメンタル不調のリスクが高まるのか」という明確な基準や、その相関関係について詳しく把握している方は少ないのではないでしょうか。
企業には、従業員が健康に働けるよう配慮する義務があります。残業時間とメンタルヘルス不調の密接な関係を正しく理解することは、手遅れになる前の適切な対策を講じるための第一歩です。今回は、データから見る残業時間の影響や、企業が取り組むべき予防策について考えていきます。
長時間労働によるメンタル不調を防ぐには、単に労働時間を集計するだけでなく、医師による専門的な評価と迅速な面談指導が不可欠です。しかし、形だけの産業医選任では、従業員の小さなSOSを見逃し、結果として休職者や離職者を増やしてしまうリスクがあります。
産業医クラウドでは、通過率20パーセント未満の厳しい審査をクリアした、メンタルヘルス対策に強い産業医を厳選してご紹介しています。残業時間が基準を超えた従業員に対し、医学的知見に基づいた質の高い面談を行い、必要に応じて就業制限や職場環境改善の具体的なアドバイスを実施します。残業過多による労務リスクを最小限に抑え、従業員の心身の健康を守る体制を構築したいとお考えなら、ぜひ一度ご相談ください。
国家公務員で「月100時間超」の残業が常態化、メンタル不調が多発か 慶大調査
先日ITメディア内の記事に下記の内容がありました。
国家公務員は、一般就労者の約7倍に相当する月平均100時間以上の残業をしている可能性がある――。慶應義塾大学大学院 経営管理研究科の岩本隆特任教授がこんな研究レポートを発表した。
国家公務員の労働環境については、これまで中央省庁の労働組合がつくる「霞が関国家公務員労働組合共闘会議」や人事院が調査を実施。月平均残業時間は30時間程度との結果が出ていた。
だが岩本氏が、現役の国家公務員と国家公務員経験者の合計6人に改めてインタビューを行った結果、過労死ライン(月80時間)を超える月100時間以上の残業が常態化しているとの意見が出たという。
具体的な声は「月の平均残業時間は130~140時間で、200時間を超えることもある」など。「若い職員の中には、月曜から金曜まで帰宅できず省庁で仮眠する者もいる」「土日いずれかに出勤する職員もかなりいる」などの指摘も出た。
また岩本氏は、人事院と厚生労働省が過去に行った「働く人のメンタルヘルス」に関する調査結果を集計・比較した。
その結果、10万人に対する自殺者の比率は一般就労者が11.7%、国家公務員が16.4%。メンタル不調による休職者の比率は前者が0.4%、後者が1.2%。いずれも国家公務員の方が高いことが判明した。

国家公務員の労働環境の実態(=プレス向け資料より)
インタビューでは「庁舎内診療所の精神科は、受診する職員が多く3週間先まで予約が取れない」との赤裸々な声も挙がった
なぜ残業時間が増えるとメンタル不調が増えるのか
一番原因と考えられるのが「睡眠不足」。長時間労働と睡眠不足は密接な関係があります。


(厚生労働省の調査結果より)
上記の結果はメンタルを保持するためには6時間以上の睡眠が望ましいとしています。メンタル不調と睡眠時間が大きくかかわっていることがわかります。
長時間労働だけが睡眠時間の要因ではない
メンタルの不調には睡眠が大きくかかわっていることを理解いただけたと思います。ただ、長時間労働していないのにメンタルの不調を訴える方もいらっしゃると思います。その場合でも気にしてほしいポイントが「睡眠」です。
なにかしらストレスを抱えたり、不安があると睡眠の質に関わるケースが多く、産業医が面談する中のチェックポイントでも睡眠について質問をする場合が多くなっています。
長時間労働は睡眠不足の原因となり、それがメンタルに影響を与える可能性が高いという結果が出ていますが、単純に残業していないからメンタル不調が起きないというわけではありません。
残業時間削減だけに捉われてしまうとメンタル不調を見逃す要因になるので要注意です。
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