先日ニュースで下記の記事が掲載されました。
山梨・甲府労働基準監督署は、時間外・休日に関する労使協定(36協定)の限度時間を超えて労働者に違法な残業を行わせたとして、機械器具の製造業者・㈱天鳥(=あまどり、山梨県韮崎市)と同社代表取締役会長を労働基準法第32条(労働時間)違反の容疑で甲府地検に書類送検した。
同社は平成29年9~10月、労働者3人に対し36協定の上限を超えて違法残業をさせていた。その有効期限が切れた同年11月にも違法残業を行わせている。1カ月当たりの最長残業時間は、過労死認定基準である月80時間を大きく超過して134時間だった。
さらに同社は、労基署からの指導に対して違法な長時間労働の実態を改善したかのように見せるため、虚偽の時間外労働数などを記入した帳簿書類を提出していた疑い。このため、同法第101条(労働基準監督官の権限)違反の容疑でも処分されている。
同労基署によると、各種情報などから提出された書類の内容が虚偽のものだったと判断して捜査を行ったという。
【平成30年3月23日送検】
(引用:労働新聞社)
今回のニュースのように、36協定の軽視や虚偽の報告は、企業の社会的信用を失墜させるだけでなく、経営層が刑事罰に問われる重大なリスクを孕んでいます。法改正により長時間労働への監視が一段と厳格化するなか、企業は「ただ残業を減らす」だけでなく、従業員の心身の健康をいかに守るかという本質的な対策を迫られています。
しかし、現場の状況を正しく把握し、過重労働による健康障害を未然に防ぐには、人事労務の知識だけでは限界があります。そこで重要となるのが、客観的かつ医学的な視点を持つ産業医の存在です。
産業医クラウドでは、厳しい選考を勝ち抜いた実務能力の高い産業医を厳選してご紹介しています。法遵守のためのアドバイスはもちろん、長時間労働が発生している現場への鋭い指摘や、メンタル不調のリスクを抱える従業員への的確な面談指導を通じて、貴社を「書類送検」という最悪の事態から守ります。リスク管理を徹底し、健全な労働環境を構築したいとお考えなら、ぜひ産業医クラウドにご相談ください。
36協定の上限を超えての残業は違法
第一のチェックポイントは、「時間外労働をさせる場合の限度時間」です。
労働省告示「労働時間の延長の限度等に関する基準」では1ヶ月の場合は45時間(1年単位の変形労働時間制の場合は42時間)、1年の場合は360時間(1年単位の変形労働時間制の場合は320時間)と規定されています。36協定には、通常、「1日」、「1ヶ月」、「1年」という期間ごとに、限度時間が協定されています。
監督官は、タイムカード等の労働時間管理に用いる帳票を確認して、法定時間外・法定休日労働が、36協定における限度時間に収まっているかどうかを確認します。
もし36協定ないの限度時間に収まっていない場合は労働基準法32条違反となります。
1.使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。
2.使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。
しかし、納品時期や繁忙期などといった特別に超えざるを得ないケースも業務の中ではあります。その場合には「特別条項」を定める必要があります。
この「特別条項」というものは、時間外労働は本来臨時的なものとして必要最小限にとどめられるべきものであり、特別条項付き協定による限度時間を超える時間外労働は、その中でも特に例外的なものとして、労使の取組によって抑制されるべきものとされています。
特別条項付き36協定での基本事項
◇原則としての延長時間(限度時間以内の時間)
◇限度時間を超えて時間外労働を行わせなければならない特別の事情
◇一定期間途中で特別の事情が生じ、原則としての延長時間を延長する場合に労使がとる手続
◇限度時間を超える一定の時間
◇限度時間を超えることができる回数
特別条項はあくまで年間を通した業務の中でも特別という前提なので年間通して特別条項にある残業を強いることはできません。毎月毎月、限度を超えることはできず、1年の半分を超えないこと、という制限がなされています。
36協定の締結、遵守は必須
36協定は残業を促進するもとして問題視されるケースが多々あります。労働基準法の改正予定である2019年度から残業時間の上限に関して単月で100時間「未満」となります。それに伴い「36(サブロク)協定」で労使が合意した残業時間自体にも、短縮化に向けて行政指導が可能となります。
特例の場合でも原則月45時間、年360時間で、これを超えれば罰則を課す。特例として労使協定を結んだ場合でも、年間720時間を超えることはできないとなります。その条件のもとで、繁忙期に認められる上限を2─6カ月の平均が休日労働を含んで80時間以内、単月で100時間未満とし、年に6回まで認めるとなる予定です。
来年の改正に向けて2018年は大きな準備期間となりますので社内でも周知が必要かもしれません。
休職・復職後の給与など 複雑な対応 も、産業医クラウド 
