なぜ今、健康経営にメンタルヘルス対策が必要なのか
現代の職場では、多様な働き方や業務負荷の増加によって、心の負担が増えています。
厚生労働省の調査では、「職場で強いストレスを感じる社員」が50%超、特に20~40代の離職理由にメンタル不調が急増中です。
こうした状況下で、従業員の“働く力”を守るメンタルヘルス対策は、企業にとって「健康経営」として不可欠になってきています。
また、健康経営優良法人認定制度においてもメンタル対策は重要項目。対外的な信頼を獲得し、採用競争力を高める鍵です。
これからの企業にとって、精神的な健康を守る取り組みは、もはや「選択」ではなく「必須事項」と言えるでしょう。
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メンタルヘルス対策の基本構造──一次・二次・三次予防とは
メンタルヘルス対策は、大きく「一次予防(発症予防)」「二次予防(早期発見)」「三次予防(再発防止)」の3つに分かれます。
1. 一次予防(発症予防)
研修やストレスチェックによって、メンタル不調の芽をつみ取ります。
2. 二次予防(早期発見)
ストレスチェックの定期実施と高ストレス者のフォローを通じて、早期対応を可能にします。
3. 三次予防(再発防止)
復職支援や継続的ケアによって、再発リスクを抑え、職場定着を図ります。
この3階層モデルをPDCAサイクルで回すことが、継続的なメンタルヘルス推進には不可欠です。また、産業医・保健師・心理専門職との連携体制が、制度の実効性を支えます。
産業保健や健康経営サービスでは、まず法令対応としてのストレスチェックが実施されますが、それだけでは不十分です。
分析結果を活用し、職場改善の提案や高ストレス者への面談支援が行われることで、組織課題に踏み込んだ対応が可能となります。
実際には、一定のノウハウが必要であり、ストレスチェックの結果のみで企業特有の要因を特定することは難しいです。専門的なノウハウのあるコンサルタントに依頼する方が良いです。
なお、これら一次予防、二次予防は、まさに「予防」であり、効果は限定的であり、時間を要するものであります。
よく、「管理職向けのラインケア研修を通じて部下の変化に早く気づく仕組みを整えたり、外部カウンセラーと連携した相談窓口を設置することも効果的です。」と解説しているメンタルヘルス関連の記事がありますが、これらの効果にエビデンスレベルに達したものはありません。
考えてみれば当たり前です。研修で個々人が行動変容し切るのであれば、メンタルヘルスの問題は、ここまで顕著に出ません。
メンタルヘルスで、「休職者を減らす」=「休職率を改善する」ことに唯一影響があるのは、三次予防です。
当社では、これを「休職の仕組化」と呼んでおり、健康経営の必須項目ではありませんが、必ず、導入を勧めています。
一発で解決できるものではないからこそ、これらの施策を「単発」で終わらせず、継続的にPDCAを回し、組織文化として根づかせる視点です。産業医・保健師・心理職との連携が、その実現を支えます。
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メンタルヘルス中心の健康経営に取り組む企業の成功事例
メンタルヘルスを中心に据えた健康経営で成果を上げた企業の事例を紹介します。
事例①:教育委員会の事例(職員2000名)
- 課題:教職員の休職率の上昇(1ヶ月以上病気による連続休暇を取る者が全体の3%以上)
- 対策:コンサルタントによる課題の整理、トップマネジメントによる改善へのコミットメント、教職員にとって負荷のかかる業務の洗い出しと他の手段への変更、セフティーネットとして、休職の仕組化を、メンタルヘルス専門の産業医と産業保健師が対応、オンラインリワークの導入、一次予防と二次予防の強化
- 成果:1年半で休職率が30%減少(改善)
事例②:東京都のソフトウェア開発企業(従業員150名)
- 課題:若手社員の高離職率
- 対策:休職の仕組化の導入、要配慮者に対する月1回の産業保健師による継続的な面談、新卒や中途の初期研修時のメンタルヘルス研修、管理職へのラインケア研修導入
- 成果:離職率は32%→18%に改善、休職復帰率は90%以上に向上
事例③:愛知県の自動車部品メーカー(従業員230名)
- 課題:ライン責任者のメンタル不調による生産性低下
- 対策:高ストレス者に対し、管理職の面談が可能な産業医と産業保健師によるフォロー面談、業務整理、コミュニケーション研修
- 成果:生産効率は前年比+8%、チームの安定と生産性が改善
導入時に押さえておくべき3つの注意点
1. 「形だけの導入」に留まらないこと
ストレスチェックだけでは意味がありません。結果を分析し、具体的に「誰が」「いつ」「何を」改善するかまで落とし込む必要があります。
2. 関係者間で役割を明確に
人事、管理職、産業医、保健師など関係者の責任範囲を明確にすることで、連携がスムーズになります。
3. プライバシーへの配慮を徹底
メンタル情報は非常にデリケートです。匿名化、アクセス制限、担当者限定公開など、制度運用における信頼確保が必要です。
メンタルヘルスは中長期的な課題であり、成果が見えるまで一定の時間が必要です。これらを踏まえ、外部サービスとの連携で自社リソースの負担を抑えながら、実効性ある運用体制を築きましょう。
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おすすめの支援プログラムと選定軸
自社のメンタルヘルス対策に最適な健康経営サービスを選ぶためには、「課題に対する適合性」「継続支援の仕組み」「医療職との連携体制」の3点を基準に検討するのが効果的です。
比較すべき3つの視点
- 課題との適合性:自社の規模・業務内容・課題に対応できるか
- 継続支援体制:ストレスチェック→面談→研修→改善まで一貫フォローがあるか
- 医療連携体制:産業医・保健師・心理職との連携があるか
代表的なプログラム例
- 初期的なコンサルティング
Avenirの経験豊富なコンサルタント(社労士や公認心理士等)による課題の整理と要求仕様、要件定義を行います。経験数は100を越え、日経225の企業実績多数、自治体実績もあり、中小企業も実績多数です。加えて、人事から経営陣への提言するための稟議作成等の経験も豊富であります。 - ELPISシリーズ
クラウド上でストレスチェック・オンライン面談・研修を一括提供。運用負荷を抑えつつ多面的支援が可能。 - 産業医クラウド
産業医・保健師の紹介と業務サポートを中心に、法令順守を重視する企業にフィット。リソースの少ない中小企業向け。
両社とも「初期導入しやすく、効果を見ながら拡張できる仕組み」を提供しており、実務負担を軽減しながら成果を出せる点が魅力です。
まとめ|メンタルヘルス支援を経営の基盤に据える
ストレスや心の不調は、仕事の効率低下、離職増加、職場の雰囲気悪化など、企業経営の大きな損失につながります。本格的な健康経営としてメンタルヘルスに取り組むためには
- 早期発見 → 継続的ケア → 組織文化への定着
- 産業医・保健師など専門家との連携体制
- PDCAサイクルによる定期運用と改善
が不可欠です。もし「自社だけでは限界を感じている」「ストレスチェックだけでは成果につながっていない」と感じているなら、ELPISや産業医クラウドなど、信頼性ある外部サービスとの連携を積極的にご検討ください。
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