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職場のメンタルヘルス対策における「3つの予防」

今回は、職場のメンタルヘルス対策を、「3つの予防」の観点から考えてみましょう。
職場のメンタルヘルス対策は、一次予防、二次予防、三次予防に分けられます。

三次予防は、心の病気で治療が必要になり、休職が必要になった従業員向けの対策です。職場復帰の支援を行うことや、再発してまた休職するという事態を防ぐための「再発防止」のことです。事業者として職場復帰支援制度を整えたり、管理監督者が部下の復職時の対応方法を身に着けておくことが有用です。

 二次予防は、メンタルヘルス不調になりかけている従業員に早く気づいて、早期に対応につなげることを意味します。「4つのケア」で紹介した「ラインによるケア」の対策の一環で、管理監督者が、部下の不調に気づいて相談対応する、適切に対応するスキルを身につけておくこと、従業員ひとりひとりが自分のストレス状態に気づいて対処するスキルを身に着けておくこと、相談窓口を整備しておくことなどが役立ちます。

 一次予防は、メンタルヘルス不調そのものの未然防止です。2015年12月に施行されたストレスチェック制度も、この一次予防をねらいとしているとされます。ストレスチェックの結果から職場の強みや課題を把握して、働きやすい職場環境づくりに役立てることで、不調そのものの未然防止につなげることための制度です。



自事業場のメンタルヘルス対策について、三つの予防それぞれの段階で取り組んでいること、うまくいっていること、課題を書き出すことで、今後の対策の計画に役立ててみましょう。