職場でのハラスメントとは?職場におけるハラスメントの定義や対応方法まで徹底解説!

目次

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職場における代表的なハラスメント

職場のハラスメントは、個人の尊厳を損なうだけでなく、メンタル不調の増加、休職・離職、生産性低下、採用難といった経営リスクを連鎖的に引き起こします。

特に企業が優先して押さえるべきは、パワハラ・セクハラ・マタハラです。加えて、顧客等からの著しい迷惑行為(カスハラ)も現場負担が大きく、対策が急務になります。

まず代表類型を理解し、相談窓口の運用、産業医面談、ストレスチェックの職場環境所見と結びつけることで、兆候の把握と再発防止が進みます。

パワーハラスメント(パワハラ)

パワハラは、優越的な立場を背景に、業務の適正範囲を超えて相手に苦痛を与えたり、職場環境を悪化させたりする言動です。人格否定の叱責、達成不能な要求、逆に仕事を与えない、無視や隔離、私的雑用の強制などが典型です。実務で迷いやすいのは「指導」との線引きで、事実に基づく具体的指摘があるか、改善のための対話になっているか、記録が残っているかが重要な判断材料になります。申告が出たら、まず安全確保(配置・接触制限)を優先し、産業医や外部窓口につないで早期に火種を小さくします。

セクシュアルハラスメント(セクハラ)

セクハラは、労働者の意に反する性的言動によって就業環境が害されたり、雇用上の不利益につながったりするものです。容姿や恋愛事情への執拗な言及、性的な冗談・画像の共有、身体接触、食事や交際の強要などが代表例です。ポイントは「嫌がっているか」だけでなく、上下関係や周囲の同調圧力によって拒否できない構造が生じやすい点にあります。相談が入った段階で、聞き取りの中立性(同性対応・複数名)を担保し、ログや日時メモなどの証拠保全を行うと二次被害を防ぎやすくなります。

マタニティハラスメント(マタハラ)

マタハラは、妊娠・出産、産前産後休業、育児休業などを理由として、解雇・降格・不利益取扱い、退職強要、嫌がらせ等が行われることです。「迷惑をかけるなら辞めて」「復帰後は軽い仕事だけ」といった発言、制度利用を妨げる運用、評価への不当反映が典型例です。現場では制度理解の不足や人員逼迫が引き金になりやすいため、就業規則と運用フローを明文化し、代替要員の確保や業務分担・引継ぎ設計まで含めて整えることが再発防止の近道です。違和感が出た時点で記録を取り、人事・産業医で早めに方針を決めます。

職場におけるハラスメント一覧

ここでは、職場で起こりやすいハラスメントを10種以上取り上げます。ハラスメントには法律上の定義が明確なものもあれば、社会通念として広まった呼称もあり、名称の有無だけで判断すると見落としが生じます。

重要なのは、就業環境を害し、個人の尊厳を傷つけるかどうかという軸です。

社内では、行為例(やってはいけない具体例)と対応手順(相談→聞き取り→措置→再発防止)を基準化し、相談窓口・産業医面談・ストレスチェックの結果と連動させると、現場が迷わず動ける仕組みになります。

カスタマーハラスメント(カスハラ)

カスハラは、顧客・取引先などからの著しい迷惑行為により、従業員の就業環境が害されることです。長時間の拘束、暴言、土下座要求、過剰な謝罪や金銭要求、SNS投稿をちらつかせた脅しなどが典型です。実務で重要なのは「現場が我慢する前提」を外すこと。許容範囲と打ち切り条件を定め、管理職→人事→法務へのエスカレーション手順を一本化します。さらに、日時・発言・同席者を残せる記録テンプレを整え、当事者の心身ケアとして相談窓口や産業医につなぐ流れをセットで運用します。

モラルハラスメント(モラハラ)

モラハラは、言葉や態度による精神的攻撃で相手を追い詰める行為です。皮肉や嘲笑、人格否定、無視、仲間外れ、ミスの蒸し返し、過度な監視などが代表例で、上下関係がはっきりしない場面でも起こります。そのため「指導ではないから」と放置されやすい点がリスクです。予防には、1on1での小さな違和感の吸い上げ、匿名相談の導線整備、ストレスチェックの職場環境項目での傾向把握が有効です。兆候があれば当事者の記録を促し、管理職が行動レベルで注意できる基準を用意して早期に介入します。

テクノロジーハラスメント(テクハラ)

テクハラは、ITスキルの差を利用して相手を不当に追い込む行為です。「こんなのもできないの?」の反復、必要な情報や権限を渡さない、ツール変更を一方的に押し付ける、オンライン会議で恥をかかせる等が例に挙がります。対策の要は教育機会の均等化と評価基準の明確化です。マニュアル・FAQ・伴走支援を用意し、質問しやすい窓口を設けると不安が減ります。スキル不足を個人の責任にせず、育成設計の課題として扱う姿勢を示すことが、摩擦と離職の予防につながります。

リモートハラスメント(リモハラ)

リモハラは、テレワーク環境での過剰監視やプライバシー侵害、威圧的コミュニケーションにより就業環境が害されることです。常時カメラONの強要、過度な即レス要求、業務外時間の連絡、家庭環境への詮索などが代表例です。対策はルールの明文化が最も効きます。連絡可能時間、緊急対応が必要なケース、会議の目的と終了条件を決め、確認は長時間の監視ではなく短いチェックイン(体調・負荷)に置き換えます。運用開始後も、負荷が高い部署の実態をストレスチェック等で点検し、改善を続けることが重要です。

ロジカルハラスメント(ロジハラ)

ロジハラは、論理を盾にして相手の感情や状況を無視し、追い詰める行為です。反論の余地を与えない詰問、公開の場で矛盾を責め続ける、「論理的に無能」と決めつけるなどが該当します。改善策は、結論の押し付けではなく、対話のプロセス(質問→確認→合意)を重視するコミュニケーションに切り替えることです。管理職研修では、指導を「事実・影響・期待」の型で言語化し、面談記録を残す運用を徹底するとブレが減ります。本人の追及より、行動改善と再発防止に焦点を戻すことが実務のポイントです。

リストラハラスメント(リスハラ)

リスハラは、退職に追い込む意図で、不当な配置、業務の剥奪、過大ノルマ、隔離などを行うことです。理由なく仕事を外す、達成不可能な数値を課す、侮辱的な面談を繰り返すといった形で表れます。人事の実務では、評価・配置転換・業務指示の根拠を記録し、説明責任を担保することが重要です。加えて、対象者にメンタル不調の兆候がある場合は、安全配慮の観点からも早期に産業医につなぎ、就業上の配慮事項を整理します。感情論ではなく、手続きの透明性と記録で判断できる体制を作ることが予防になります。

ジェンダーハラスメント(ジェンハラ)

ジェンハラは、性別役割分担やジェンダー観に基づく偏見で、機会や尊厳を損なう言動です。「女性だから営業は無理」「男性なのに育休?」「結婚したら辞めるでしょ」などの決めつけが代表例で、採用・配置・昇進・評価の場面で起きやすい点が特徴です。対策としては、意思決定の基準を明文化し、面談や評価の記録を残して運用の透明性を高めることが有効です。加えて、無意識の偏見を扱う研修を行い、現場で起こりがちな発言例を共有すると予防効果が高まります。個人の価値観ではなく、制度と運用でブレを減らします。

エイジハラスメント(エイハラ)

エイハラは、年齢を理由に能力や役割を不当に決めつけ、尊厳を傷つける行為です。「若いのに使えない」「年寄りは覚えが悪い」「もう引退でしょ」といった発言が典型で、世代間の不信を強めます。対策は、役割期待と育成計画を年齢ではなくスキル・経験で設計することです。期待水準や業務範囲を明確にし、習得支援(OJT・手順書・学習機会)を公平に提供すると、決めつけが減ります。管理職が世代間コミュニケーションの“翻訳役”となり、伝え方やフィードバック頻度を調整できるようにすることも、摩擦の予防に有効です。

セカンドハラスメント(セカハラ)

セカハラは、被害を訴えた人に対して周囲が不用意な言動で二次被害を与えることです。「大げさ」「我慢すれば」「証拠がないなら無理」と突き放す、噂話を広める、相談を握りつぶすなどが該当します。結果を左右するのは初期対応の品質です。窓口担当者向けに、共感→事実確認→安全確保→次の案内までのトークスクリプトを用意し、守秘を徹底します。相談が入ったら、関係者への拙速な共有は避け、必要最小限の体制で事実整理を進めることが重要です。早期に産業医・外部相談につなぐ導線も併設します。

ホワイトハラスメント(ホワハラ)

ホワハラは、配慮の名目で必要な指導や機会を与えず、本人の成長機会を奪う行為です。失敗を恐れて重要業務から外す、注意を避けて評価が曖昧になるなど、一見“優しさ”に見えても本人のキャリアを損なうことがあります。対策は、管理職に「安全な指導の型」を渡すことです。事実ベースで短時間に伝え、改善策を合意し、フォロー面談で支援する流れを標準化すると、指導が止まりにくくなります。ハラスメント回避が目的化しないよう、育成の期待値と評価基準を明確にし、現場が迷わず運用できる状態を作ります。

アルコールハラスメント(アルハラ)

アルハラは、飲酒の強要や、飲めない人への侮辱・圧力、飲酒に伴う迷惑行為を指します。一気飲みの強要、断った人への圧力、酔っての身体接触や暴言などが典型です。対策は社内行事の設計段階で決まります。飲酒は任意であること、提供量や終了時間、トラブル時の責任者と対応(帰宅手配・連絡先)をガイドライン化し、幹事任せにしないことが重要です。また、社外の会食でも会社行事として扱われ得るため、勤務外であってもルール適用の対象になり得る点を周知しておくと抑止力になります。

ハラスメントハラスメント(ハラハラ)

ハラハラは、「それはハラスメントだ」と過度に攻撃し、相手を萎縮させたり、正当な指導まで封じたりして業務を停滞させる状況です。注意や依頼をすべて“ハラスメント扱い”して対話が成立しないケースが典型です。対策は、社内基準の整備と記録運用です。禁止行為の具体例と、適正な指導の要件(業務目的、事実に基づく説明、改善合意)を分けて明文化し、指導はメモで残します。基準があれば、感情論で争うのではなく、行為の是非を社内ルールに照らして判断できます。管理職研修で「伝え方」と「残し方」をセットで教えると効果的です。

スメルハラスメント(スメハラ)

スメハラは、体臭・香水・柔軟剤などのにおいによって周囲が強い不快感や体調不良を感じ、就業環境が害される状態です。対応が人格否定に近づきやすく、伝え方を誤ると対立が激化します。安全な進め方は、産業保健(保健師・産業医)と連携し、健康課題の可能性も含めて個別配慮として扱うことです。まず職場環境側の改善(換気、席配置、空間分離)を検討し、そのうえで本人には「業務上困っている事実」と「改善策の選択肢」を丁寧に提示します。相談者側の配慮も並行して行うとトラブルを抑えられます。

時短ハラスメント(ジタハラ)

ジタハラは、育児・介護など時間制約のある従業員に対し、時短勤務や定時退社を理由に不利益扱い・嫌がらせを行うことです。「早く帰るなら重要案件は任せない」「周りに迷惑」といった言動が代表例で、本人の意欲低下や離職につながります。対策は業務設計と評価の透明化です。タスクを分解し、引継ぎルールを固定し、成果物と期限で管理できる形に整えると、個人攻撃になりにくくなります。制度利用を迷惑と捉えるのではなく、組織側の設計課題として扱い、負荷の偏りを定期点検して調整する運用が重要です。

職場でのハラスメントとは

職場のハラスメントは、一言で言えば「相手の尊厳を損ない、働く環境を悪化させる言動」です。

ただし、名称ごとに法律上の定義や要件が異なるため、「何ハラか」を当てにいくより、『就業環境が害されているか』『業務の適正範囲を超えていないか』『不利益取扱いが起きていないか』で整理するほうが、現場対応がぶれません。

ストレスチェックで職場環境要因が悪化している部署は、ハラスメント『未満』の摩擦が積み上がっていることも多く、予防的に研修・面談・職場改善を入れると重症化を防げます。

ハラスメント判断に必要?職場・労働者の定義

ハラスメントは「社内の席」だけで起きるとは限りません。出張先、取引先、社用チャット、オンライン会議、懇親会など、業務と関連する場面に広がります。

したがって社内規程では、職場=業務に関連して人が関わる場所・場面と捉え、リモート環境や社外接点も含めておくと抜け漏れが減ります。

また労働者も、正社員だけでなく、契約社員・派遣・パート、場合によっては就活生や外部スタッフなど、実務上は『就業環境に影響を受ける人』まで視野に入れると、炎上・紛争リスクの予防につながります。

職場で取り組むべきハラスメント対策

ハラスメント対策は「起きてから動く」だけでは不十分です。

予防(教育・ルール)→早期発見(窓口・ストレスチェック)→初動対応(安全確保・調査)→再発防止(職場改善)までを一気通貫で設計します。

特に、ストレスチェックを実施している企業ほど、結果を面談のためだけに使わず、部署単位の職場改善と結びつけると効果が出やすいです。

ハラスメントに関するルール・基準を明確にする

まず必要なのは「何が禁止で、どうなるのか」を文章化することです。就業規則・服務規律・懲戒規程に加え、行為例(NG集)と、指導として許容され得るコミュニケーション例(OK集)も用意すると、現場の迷いが減ります。

カスハラを含める場合は、顧客対応の打ち切り条件や、警察・弁護士への連携基準も整理しておくと、従業員が“守られている”と感じやすくなります。

ハラスメントに関する方針を社内に周知・啓蒙する

方針は掲示するだけでは浸透しません。

管理職向けには「指導の型」「相談を受けた時の初期対応」「記録の取り方」を中心に、一般社員向けには「境界線(冗談のつもり、が事故になる)」「相談先」「第三者として見かけた時の行動」を重点的に扱います。

研修は年1回より、短時間の反復(ケース学習)にすると行動が変わりやすいです。

ハラスメントが発生した場合の対応ルールを策定する

対応の遅れは二次被害を生みます。

対策ルールを以下のような順番で決めておくと、属人化が減ります。

  1. 安全確保(接触制限・配置配慮)
  2. 事実確認(公平な聞き取り)
  3. 証拠保全(ログ、メモ)
  4. 判断(規程に照らす)
  5. 措置(指導・処分・配置)
  6. フォロー(産業医面談、職場改善)

特にメンタル不調が疑われる場合は、産業医や外部支援へ早期接続し、治療・就業配慮と紛争対応を分けて設計するのが安全です。

相談窓口などを整備する

窓口は「ある」だけでは機能しません。匿名性、相談ルート複線化(人事/外部/産業医)、相談記録の管理、守秘と例外(生命身体の危険等)の説明が必要です。

加えて、ストレスチェック後のフォロー導線(高ストレス者面談、職場環境改善のフィードバック)を一体運用にすることで、ハラスメントの芽を早期に拾いやすくなります。

ハラスメント対策の相談なら産業医クラウド

ハラスメント対策は「規程を作って終わり」ではなく、実際の相談対応・職場改善・再発防止まで回して初めて成果になります。

産業医クラウドなら、産業医の選任・面談運用に加え、ストレスチェック後のフォローや、職場環境要因の読み解き(部署の傾向把握)といった現場に刺さる運用まで一気通貫で設計しやすいのが強みです。

社内だけで抱え込まず、第三者(産業医)を入れることで、当事者双方の納得感や再発防止の合意形成が進みやすくなります。

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職場でハラスメントが発生した場合の対応フロー

ハラスメント対応は、スピードと公平性の両立が重要です。

おすすめは「初動で安全確保→調査で事実を固める→措置と再発防止をセットで出す」という流れ。初動で当事者を同じ場に置き続けると、状況が悪化しやすくなります。

関係者には守秘を徹底し、憶測や噂で二次被害が起きないようにします。

関係者への事実確認と聞き取りを行う

聞き取りは、先に結論を置かず、時系列で事実を積み上げます(いつ・どこで・誰が・何を・どの程度・証拠はあるか)。

被害申告者には、心身の状態確認と、必要に応じた産業医面談や外部相談の案内を同時に行います。加害とされる側にも弁明の機会を確保し、調査担当は中立性(複数名、利害関係の排除)を担保します。

関係者への適切な対応を行う

判断後は、就業規則等に基づき、指導・処分・配置転換などの措置を検討します。

重要なのは、懲罰だけで終わらせず、被害者保護(接触制限、業務調整)、職場への説明(必要最小限・守秘)まで含めて働ける状態を取り戻すことです。

メンタル不調が出ている場合は、安全配慮としての就業上の措置と治療支援を切り分け、産業医と連携して進めます。

再発防止策を実施する

再発防止は「研修をやった」で終わりがちですが、効果が出るのは職場の設計変更まで踏み込んだ時です。

例えば、業務負荷の偏り是正、1on1の定例化、評価基準の透明化、権限委譲の明確化、顧客対応の打ち切り基準などです。

ストレスチェックの部署傾向と突き合わせ、「何が負荷になっているか」を見える化して改善に落とすと、同じ火種が戻りにくくなります。

職場・企業に与えるハラスメントの影響

ハラスメントは「個人のトラブル」ではなく、職場の心理的安全性を壊し、欠勤・休職・離職、採用難、現場の生産性低下を同時に引き起こす『経営リスク』です。

人事としては、単発の注意や研修で終わらせず、ストレスチェックの集団分析(職場環境要因)と相談窓口の声を突合し、リスクが高い部署から優先的に手当てするのが成功パターンです。

産業医面談や外部窓口をあらかじめ用意しておくと、初動が速くなり、問題が大きくなる前に止血できます。

職場環境が悪化し生産性が低下する

威圧的な叱責や嫌味が続く職場では、報連相が減り、確認作業や察し合いが増えます。その結果、意思決定が遅くなり、ミスや手戻りも増え、生産性が落ちます。

対策は「個人の我慢」ではなく仕組みで行う必要があります。

具体的には、①指導の共通ルール(事実→影響→期待→支援)を管理職に浸透、②1on1で負荷と対人関係を定点観測、③ストレスチェックで悪化部署を特定し、会議体で改善を決定する、の順に回していくことがいいでしょう。

休職・離職の増加によって人材が不足する

ハラスメントは被害者だけでなく、周囲のメンバーにも見えない疲弊を生みます。

「次は自分かもしれない」という不安が欠勤や体調不良を増やし、休職・離職につながります。

人事は、以下の3点を初動で行うことが重要になります。

  1. 安全確保(接触制限・席替え・指揮命令系統の調整)
  2. 証拠保全(日時・場所・発言・同席者・ログ)
  3. 産業医面談や外部窓口への接続

注意点は、当事者同士での話し合いを急がないことです。状況が悪化しやすくなります。

人材不足が進み、定着率が弱まる

離職が出ると残った人の負担が増え、さらに摩擦が増え、定着率が下がる負の連鎖が起きます。

ここで重要なのは、感情論ではなく業務設計で切ることです。

業務の棚卸しを行い、属人化業務・締切集中・負担偏りを可視化し、引継ぎルール・代替手順・優先順位の見直しを行います。

ストレスチェックの職場環境項目を根拠にすると、部署間調整や稟議が進みやすく、改善が継続します。

コンプライアンス違反や訴訟リスクが高まる

問題が長期化する原因は「対応が遅い」「調査が偏っている」「守秘が守られない」の3つです。

企業としては、相談を受けたら以下のような形で運用していきましょう。

  1. 受理(守秘・不利益取扱い禁止の説明)
  2. 中立的な事実確認(複数名・利害関係の排除)
  3. 暫定措置(安全確保)
  4. 判断(規程・基準に基づく)
  5. 再発防止(教育・配置・仕組み改善)

産業医や外部窓口があると、ヒアリングの負担分散と二次被害の予防に役立ちます。

企業イメージや社会的信用が低下する

採用市場では、ハラスメントの評判は想像以上に早く広がり、応募数や内定承諾率に影響します。

対策の成功には「起きてからの処理」だけでなく「平時の発信と体制整備」が必要です。

具体的には、方針(ゼロトレランス)を明確化し、相談窓口を複線化(社内+外部)し、ストレスチェックや産業医面談と連動させます。

匿名化した事例共有(どんな行為がNGで、どう対応したか)を社内周知すると、現場の当事者意識が上がり、再発防止につながります。

職場でハラスメントが発生する要因

ハラスメントは「性格の問題」と片付けるほど再発します。多くは、コミュニケーション設計、評価制度、業務負荷、管理職の育成不足など、組織側の条件が重なって起きます。

人事としては、ストレスチェックの集団分析でどこに歪みがあるかを特定し、衛生委員会・管理職・産業医と役割分担して改善を回すことが、最短で成果につながります。

意思疎通・相互理解の不足

前提の共有が不足すると、指示が曖昧になり、誤解が増え、叱責が強くなりやすいです。

対策は、情報の出し方を標準化すること。

会議の最後に「決定事項・担当・期限」を必ず確認し、チャットは命令調になりやすいのでテンプレを用意します。

指導の注意点は、人格ではなく行動に焦点を当てること。事実→影響→期待→支援の順で短く伝えると、摩擦が減り、指導とハラスメントの線引きも明確になります。

職場の風土や環境

「声が大きい人が勝つ」「相談すると損をする」という風土は、被害申告を止め、問題を深刻化させます。ここはトップメッセージと運用の両輪が必要です。

方針(相談歓迎・報復禁止・守秘)を繰り返し周知し、相談窓口は社内だけにせず外部も併設します。さらに、ストレスチェックの所見を基に、職場改善を決めて終わりにせず、実施とフォローを定例化すると、形骸化しにくくなります。

個人の認識や価値観の相違

同じ言葉でも受け取り方は人によって異なり、上下関係や同調圧力があると拒否が難しくなります。

予防としては、ケース検討を使った研修が有効です。「公開の場で言ってよい表現か」「相手に断る余地があるか」を判断基準として共有します。

加えて、アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)が絡むと、本人に悪意がなくても傷つけることがあるため、評価・配置・面談場面の言動を点検するルールを持つと事故が減ります。

管理・育成能力の不足

管理職が忙しく、育成が感情や場当たりになると、パワハラ化しやすくなります。

成功のコツは「管理職を孤立させない」ことです。

指導の型(事実→影響→期待→支援→次回確認)を研修で習得させ、困ったときの相談先(人事・産業医・外部EAP)を明示します。

注意点は、問題が起きた後に本人任せで改善させようとしないこと。面談同席や指導記録のレビューなど、伴走の仕組みが必要です。

特定の社員への負担集中

業務が一部の人に集中すると、余裕がなくなり、周囲への当たりが強くなったり、助けを求められずに孤立したりします。

対策は、タスクの棚卸しで属人化と負担偏りを可視化し、引継ぎルール・代替手順・権限付与を整えることです。人事は「誰が頑張るか」ではなく「仕組みで回るか」を評価軸にします。

ストレスチェックの結果と照らし、負荷が高い部署は優先的に業務再設計を行うと再発防止につながります。

ハラスメントの度合い・位置づけ

ハラスメントはすべて同じ重さではなく、行為によっては刑事事件・民事賠償・労務上の措置・社内規程違反など、対応ルートが変わります。

人事としては「どの位置づけか」を早期に見立て、証拠保全と安全確保を最優先にしながら、産業医面談や外部窓口も使ってこじらせないことが成功の鍵です。

迷う場合は、調査の中立性と守秘を担保できる体制を先に整えると判断がぶれません。

刑事責任の対象となる行為

暴行・脅迫・強要など犯罪に該当し得る行為は、社内で抱え込むほどリスクが高まります。

まずは被害者の安全確保(接触遮断・出勤配慮)と証拠保全(録音、ログ、メモ、診断書等)を行い、外部専門家への相談も含めて対応します。

注意点は、早期解決を焦って当事者を同席させること。被害が拡大しやすく、二次被害にもつながります。

民事上の責任対象となる行為

人格権侵害や不法行為として損害賠償に発展し得るケースでは、会社の安全配慮義務や使用者責任も問われやすくなります。

実務上は、調査の手続き(中立・複数名・記録)と、判断根拠の文書化が重要です。心身不調がある場合は、産業医面談につなぎ、就業配慮(配置・勤務時間・接触制限)を同時に検討します。

処分だけで終わらせず、再発防止策までセットにすることが争点化の予防になります。

労働関係法令上問題となる行為

パワハラ・セクハラ・マタハラ等は、企業に防止措置が求められる領域であり、研修だけでは不十分です。

方針明確化、相談体制、迅速な対応、プライバシー保護、不利益取扱いの禁止を運用として回す必要があります。

ストレスチェック対応サービスや産業医と連携すると、予防(職場改善)と個別対応(面談・就業配慮)を一体で運用でき、現場負担を抑えながら実効性を上げられます。

社内規程や企業秩序に反する行為

法律に直ちに該当しなくても、就業規則・服務規律・企業秩序を乱す言動は、社内対応の対象になります。ここで重要なのは基準の具体化です。

禁止行為例、相談手順、調査の流れ、処分や指導の考え方を社内ガイドラインに落とし込み、入社時・昇格時・管理職研修で繰り返し周知します。

運用が曖昧だと「えこひいき」や「握りつぶし」に見え、二次被害を招くため、記録と手続きの統一が成功の条件になります。

職場のハラスメントに関連する法律

ハラスメント対策は複数の法律・指針にまたがるため、社内説明では「何が義務で、何が推奨か」を整理するとスムーズです。

方針、相談体制、発生時対応、再発防止、守秘と不利益取扱い禁止を仕組み化することが基本となります。

ストレスチェックや産業医面談を組み込むと、予防から個別対応まで一貫運用になり、担当者の属人的負担も減らせます。

労働施策総合推進法(パワハラ防止法)

パワハラ対策でまず整えるべきは、定義と行為例の明文化、相談窓口の設置と周知、発生時の調査・措置・再発防止の手順、守秘と報復防止です。

成功のコツは、制度を作っただけで終えず、管理職が迷ったときに参照できる判断基準と指導の型を提供すること。現場で運用できる状態にして初めて、予防効果が出ます。

男女雇用機会均等法

セクハラは、上下関係や同調圧力によって拒否が難しくなる点が特徴です。

相談が入ったら、聞き取りの中立性(同性対応、複数名、個室)と証拠保全(ログ、日時メモ)を先に整えます。

注意点は、被害者の行動や服装を問い詰めるような対応をしないことです。二次被害になりやすく、信頼が崩れます。職場環境への影響が出ている場合は、当面の就業配慮も同時に判断します。

育児・介護休業法

妊娠・出産・育休等を理由とする嫌がらせや不利益取扱いは、法的リスクだけでなく、重要人材の流出を招きます。

成功のポイントは、制度説明や現場調整を本人任せにしないことです。申出から復帰までのフロー、代替要員の確保、業務分担、評価の取り扱いを事前に決めると、現場の不満が減り、摩擦が起きにくくなります。逼迫部署ほど早めの業務設計が有効です。

労働安全衛生法

メンタル不調の予防・早期対応の観点から、職場環境改善と産業保健の連携が重要です。

ハラスメントは強いストレス要因になり得るため、ストレスチェックの集団分析で課題を把握し、衛生委員会で改善策を決め、実施とフォローを定例化します。

個別ケースでは、産業医面談で就業配慮(業務量調整・配置・勤務時間)を検討し、再発防止を職場改善とセットで行うと効果が安定します。

その他の刑法・民法に該当する法律

暴力・脅迫・強要・名誉毀損等は刑法領域、人格権侵害や不法行為は民法領域に接続し得ます。実務では、初動で証拠保全と安全確保を徹底し、社内調査で足りるか、外部専門家を入れるべきかを判断します。

注意点は、早期収束を焦って記録を残さないこと。後から紛争化した際に説明ができず、会社側の負担が増えます。

職場でのハラスメントに関するよくある質問

職場でハラスメント被害に遭ったらどのような対応をすべきですか?

まずは安全確保と記録です。可能なら距離を取り、日時・場所・発言・同席者、メールやチャット、音声など残せるものを保全します。次に相談窓口へ連絡し、社内で動きにくい場合は外部窓口や産業医面談につなげます。

注意点は、加害者と直接交渉して状況を悪化させないこと。心身症状がある場合は受診と就業配慮(勤務・配置)を早めに検討します。

職場でハラスメント被害を目撃したらどのような対応をすべきですか?

第三者ができる最優先は、被害者の孤立防止と場の沈静化です。可能なら話題転換や中断を促し、あとで被害者に相談先と守秘が守られることを伝えます。そのうえで、見聞きした事実をメモに残し、相談窓口へ共有します。

注意点は、噂話として拡散しないこと。守秘を守りつつ、組織としての対応を動かすことが重要です。

自身がハラスメントをしないために職場でどのような対応をするべきですか?

予防の基本は、人格評価を避け、行動と業務目的に紐づけて伝えることです。指導は事実→影響→期待→支援の順で短く行い、公開の場で詰めない、相手の理解を確認して合意を取る、を徹底します。

チャットは誤解が生まれやすいので、依頼文テンプレを用意すると事故が減ります。迷ったら上司や人事に相談し、社内基準に沿って動くことが最も安全です。

職場でのフキハラ(不機嫌ハラスメント)の例は何ですか?

フキハラは、露骨な暴言がなくても不機嫌さで周囲を萎縮させる点が特徴です。挨拶を無視する、ため息や舌打ち、物に当たる、返事をしない、急に会話を打ち切る、などが続くと就業環境を害します。

対応の注意点は人格批判をしないことです。行動と業務影響を切り分けて伝え、改善の合意とフォロー面談までセットにします。また必要に応じて産業医面談につなぎ、背景に疲労や負荷集中がないかも点検します。

厚生労働省のハラスメントガイドラインとは何ですか?

厚生労働省の指針(ガイドライン)は、企業がハラスメントを防止し、相談・調査・措置・再発防止を適切に行うための実務基準です。

方針の周知、相談体制、迅速な対応、プライバシー保護、不利益取扱いの禁止などを運用として回すことが求められます。

ストレスチェックや産業医の体制を組み合わせると、予防(職場改善)と個別対応(面談・就業配慮)が連動し、対策が形骸化しにくくなります。

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