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SDGsに対する健康経営の取り組みや関係性とは

2021.04.12産業医

「SDGs」という言葉を聞いたことはありませんか?グローバルな視点を持たれていらっしゃる方や世界情勢に詳しい方にとっては、ご存知の言葉かもしれませんね。
実はSDGsは健康経営の取り組みにも含まれておりますが、SDGsに対する取り組みとしての健康経営とは、どういったものになるのでしょうか?

一見あまり接点がなさそうなSDGsと健康経営ですが、これからこの2つについて併せて見ていきましょう。
健康経営の取り組みの流れについても触れていきますので、SDGsの取り組みとして健康経営を実践されたい場合は参考にされてみてはいかがでしょうか。

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SDGsとは

SDGsは、「Sustainable Development Goals」の略称となり、「持続可能な開発目標」という意味を持っております。
SDGsは社会問題を解決し、2030年を目指して明るい未来を作るための国際社会共通の目標となり、2015年9月の国連サミットで策定されました。

SDGsは企業と世界をつなぐ共通言語ともいえ、17の目標と169のターゲットから構成されていることが特徴で未来志向のツールにもなってきます。

今現在の社会問題を世界規模で見てみると、貧困や教育、衛生問題や環境問題、ジェンダーや安全性など様々な問題が挙げられます。
特に発展途上国の抱える課題は深刻であり、今もなお、多くの解決するべき問題を抱えております。

SDGsでは、地球上で生活するすべての人類が安全に暮らすことのできるよう、17の目標実現に向けて持続可能な目標として世界中が協力して動いていくことが求められます。

SDGsの5つの特徴

SDGsは、以下の5つの特徴が挙げられますが、すべての国がゴールを目指すために必要なことになってきます。
普遍性:先進国を含めたすべての国が行動します
包摂性:人間の安全保障の理念を反映し、誰一人取り残さないようにします
参画性:すべてのステークホルダーが役割を持ちます
統合性:社会・経済・環境に統合的に取り組んでいきます
透明性:定期的にフォローアップをしていきます

日本政府におきまして、「SDGs経営推進イニシアティブ」を進め、企業の経営戦略へのSDGsの取り組みを推進することになりました。
経済産業省では、2018年11月に「SDGs経営/ESG投資研究会」を立ち上げ、日本を代表する企業のCEOや投資家、大学長に加え、国際機関の参画も得ながら6回に渡り議論をしました。

SDGsやESGを積極的に取り組む企業は、他社と比較してパフォーマンス能力が高い傾向が見られる指摘研究があり、SDGsには持続的かつ長期的な企業価値向上を促すことが期待されております。
連携することがSDGs経営の重要なカギとなり、連携することで新しい価値が誕生することも期待でき、社内外問わず連携することで様々な価値観が見出され、様々な相乗効果が期待できるでしょう。

SDGsは画一的に取り組む課題ではなく、各所連携して取り組むことがポイントとなり、連携することでより強い絆も生まれるのではないでしょうか?

SDGsの一環としての健康経営

SDGsの目標の中には、「働きがいも経済成長も」「すべての人に健康と福祉を」、「つくる責任つかう責任」といったものも挙げられますが、こういった目標は健康経営に直結していく課題になってきます。
世界規模で見ると経済的にも環境的にも恵まれている日本ですが、日本国内を細分化して見ていくと、学歴社会や女性が働きにくい環境、働き方により格差問題など、様々な問題が浮き彫りにされることが現実です。

一見、SDGsとは直接的なつながりがなさそうな健康経営ですが、健康経営を実践することでSDGsの目標達成に貢献していくのではないでしょうか。
1つでも多くの企業が健康経営に取り組むことが、世界規模で見るSDGsに貢献することにつながることを考えると、健康経営は世界単位で見ても重要な取り組みになってきます。

健康経営は一時的に実践することでは効果が出ず、むしろ長期的・持続的に取り組むことに意味があります。長期的・持続的に取り組むことで成果が期待でき、そのためにも持続可能な目標設定をしていくことが求められます。
「持続可能な開発目標」という意味を持つSDGsと、持続可能な目標設定が求められる健康経営は、まさに隣り合っているテーマといえるかもしれません。

SDGsの一環としての健康経営

SDGsの一環である取り組みは幾つか存在しますが、健康経営の実践もその事例として挙げられます。
従業員が健康であることが企業の発展につながると考え、従業員の健康づくりを企業が考慮し、それはすなわち健康経営の目的であることに加え、SDGsの目標にリンクする部分もあります。
SDGsの取り組みの一環として健康経営を導入することは、より良い国づくりや地域貢献につながり、従業員にとっても働きやすい環境が備わっていくため、SDGsと健康経営を同時に実践することができ、まさに一石二鳥といえるかもしれません。

裕福で環境が良いといわれる日本ですが、それでも様々な社会問題が連日報道されており、改善するために働き方改革関連法案が見直され、産業医設置が義務付けられ、健康経営が推進されるようになりました。
健康経営に取り組むことで従業員が健康になり、健康年齢が上がり、それはもしかしたら日本国内の健康年齢や平均寿命のアップにつながっていくかもしれません。
健康経営に取り組むことはいわば、SDGsに貢献することにつながるため、健康経営は企業のみならず、日本国内や世界中の問題改善に向けた重要な取り組みといえるのではないでしょうか。

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企業が健康経営に取り組むには

企業が健康経営に取り組むといっても、手順が分かっていなければどうすれば良いのかピンとこないかもしれませんし、初めての施策は手探り状態といえるでしょう。
そのためにも健康経営の手順の流れを把握しておくことがポイントとなりますから、これから簡単に説明していこうと思います。

現状を把握する

健康経営に取り組むとはいいましても、現状を把握していなければどういった取り組みをすることがベストなのか判断しかねるのではないでしょうか。
取り組みを開始される際は、従業員の健康状態や社内の労働環境など現状を把握した上で、特に改善するための課題を見出し、施策計画をしていくことが健康経営の成功につながるカギとなります。

長時間労働者や過重労働者、高ストレス者が存在する、従業員の平均年齢が高い、女性従業員が多い、事業所内の整理整頓が思わしくない、事務作業が多い、変則勤務・夜勤があることなど、企業の労働環境は様々です。

健康状態におきましても、初見有りの従業員が目立つ、休職者が存在する、メタボ率が高い、がん検診の受診率が思わしくない、どうしても職業病が発生してしまうといった課題は出てきます。
様々な現状を把握するためにも、健康診断結果やストレスチェック結果、シフト表などは健康経営をスタートさせるための大切な資料になります。

担当者やチームを設置し目標を定める

健康経営は何となく誰かがやるのではなく、担当者やチームを設定することがポイントです。
その上で現状から課題を可視化し、目標設定をしていくことが成果を導き出すヒントとなり、目標は漠然と立てるのではなく、数値化して立てることが大切です。

初めての取り組みであればそれだけ、目標が数値化されていると分かりやすいでしょうし、「メタボ率を減らす」という目標よりも「メタボ率20%未満」という目標のほうがピンとくるでしょう。
目標を立てる際は、実現困難な目標を立てるよりも、達成しやすい目標を立てることもポイントであり、目標を定めたらそれに沿った計画を立て、適切な施策を検討し、最終的な目標のみならず中間目標を設定していくことも成功の秘訣につながります。

健康経営への取り組みについて社内周知する

健康経営は、一部の人間が取り組むだけでは思うような成果は得られません。
社内一丸となり取り組むことでより大きな成果が期待できますが、そのためにも健康経営への取り組みについて社内通知をしていくことが大切です。

当然ですが、社内通知をするだけではなく、健康経営の意味や目的、取り組み内容について分かりやすく伝えることで従業員の協力も得られるのではないでしょうか。
社内通知は朝礼や会議、社員研修や社内報、掲示物やホームページなど、様々な手段で通知することができるでしょう。

健康経営への取り組みに対し、従業員の協力を得るためには、通知することも大切ですし、従業員に丸投げするのではなく、経営陣が率先して取り組むことが重要になってきます。

施策の実施

目標設定をして計画を立てたら、次はいよいよ施策を実施していきます。
実際に実施することで初めて見えてくるものも多々あると思いますし、目標が設定されていることで改善点も見つかりやすくなるかもしれません。

企業により様々な施策が実施されると思いますが、健康経営を実現することで企業全体の健康状態の改善が見込まれると同時に、個人の健康状態改善につながり、それは従業員にとっても喜ばしいことでしょう。

施策を実施することで、健康経営の担当者やチームも新たな発見があると思いますが、取り組む従業員にとっても様々な発見があり、そこから新たな趣味や生きがいへつながっていくかもしれません。

結果を振り返り、評価する

施策を実施したら、結果を振り返り評価していくことが求められます。
健康経営は持続性が求められますが、結果を振り返ることで改善点や反省点があればそこを見直し、次の目標設定が立てやすくなります。
振り返ることで、改善や修正、次の目標設定ができ、持続的に取り組むためにも振り返りや評価は大切な課題となってきます。

SDGsへの取り組みとして健康経営に関する情報をWebサイト等で発信する

健康経営は企業のために実践するだけではなく、SDGsの取り組みの1つにもなります。
健康経営に取り組む際は「健康経営宣言」をすることが求められますが、そこで更にSDGsへの取り組みの一環として、健康経営に関する情報を発信することでより説得力が増すのではないでしょうか?

Webサイトなどといった世界中で閲覧できる場所で発信することで、多くの方々の目に触れる機会ができますし、SDGsへの取り組みと表記されていれば、健康経営について興味を持つ方もいるかもしれません。
もしかしたらWebサイトを閲覧したことで、自社でも健康経営に取り組んでみようかと検討される経営者も出てくるかもしれませんね。

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監修

栗原 雅直医師
くりはら まさなお

東京生まれ。東京大学医学部医学科卒業、東大病院精神神経科に入局。1960年東大大学院生物系研究科博士課程修了。医学博士。2年間のパリ大学留学後、東大病院医局長、1966年虎の門病院勤務。初代精神科部長。川端康成の主治医を務めた。1990年大蔵省診療所長。財務省診療所カウンセラー