産業医を導入する企業が増えるなかで、「どんな産業医を選ぶか」は、もはや単なる法令対応ではなく経営判断そのものになっています。
その際、見落とされがちでありながら、実は大きな差を生むのが
「単位取得=継続的に学び続けている産業医かどうか」という視点です。
本記事では、産業医の単位制度の基本を整理したうえで、
- 形式的な資格確認に終わらない
- 現場で“使える”産業医を見極める
ための実践的な判断軸を解説します。
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そもそも「単位制度」とは何か
産業医になるためには、医師免許に加えて産業医研修(原則50単位)を修了していることが基本条件です。
これは、労働安全衛生法に基づく最低限の要件にすぎません。
一方、日本医師会などが実施している継続研修制度では、
産業医が職場の変化・法改正・新たな健康課題に対応し続けるため、
定期的な研修受講と単位取得が推奨されています。
ここで重要なのは、
単位制度は「資格維持のため」ではなく、「実務力更新のため」に存在している
という点です。
単位取得の有無は、
- 最新の労務・健康課題を把握しているか
- 知識をアップデートし続けているか
を見極める、数少ない“客観指標”でもあります。
単位取得の仕組みと必要な条件
日本医師会認定の産業医研修では、講義や研修テーマごとに1〜2単位が付与されます。
主な研修テーマには、以下のようなものがあります。
- 産業精神保健・メンタルヘルス対応
- 長時間労働・過重労働対策
- ハラスメント防止と初期対応
- 復職支援・就業判定の実務
- 熱中症・感染症・労災予防
企業側が見落としがちなのは、
「過去に50単位を取ったか」ではなく、「最近も学び続けているか」という視点です。
産業医資格は更新制ではないため、
10年前に単位を取得したまま、知識が止まっているケースも珍しくありません。
つまり、
- 単位を“いつ取ったか”
- どんなテーマを取っているか
ここを見ることで、産業医の現在地が見えてきます。
継続研修を受けている産業医を選ぶメリット
継続的に単位取得を行っている産業医の最大の強みは、
「制度を知っている」ではなく、「現場でどう使うか」を理解していることです。
たとえば近年では、
- メンタル不調の早期介入
- 高ストレス者面談の質的向上
- 形式化しがちな復職判定の再設計
- ハラスメント相談への初動対応
など、判断を誤ると経営リスクに直結するテーマが増えています。
こうした領域は、
過去の経験や勘だけでは対応できず、
研修を通じて蓄積された最新知見と事例理解がものを言います。
単位取得を継続している産業医ほど、
- 判断が早い
- 提案が具体的
- 改善サイクルを回せる
傾向が強く、結果として企業の負担を軽減します。
選任時にチェックすべきポイント
産業医を選任する際は、以下の視点で確認することをおすすめします。
- 初期研修(50単位)を確実に修了しているか
- 直近2〜3年で継続的に単位を取得しているか
- 取得テーマが自社課題と合致しているか(例:精神保健、過重労働、労災)
- 同規模・同業種での実務対応経験があるか
単位数そのものよりも、
「何を学び、それをどう現場で使ってきたか」を確認することが重要です。
紹介会社や産業医サービスを利用する場合は、
単位取得状況と併せて、具体的な対応事例を必ず確認しましょう。
研修を活かした成功事例
ある中堅IT企業では、
継続研修で「ハラスメント初期対応・職場調整」を重点的に学んでいた産業医を選任。
結果として、
相談初期での火消しが可能に
重大トラブルへの発展を回避
離職率が前年比20%改善
という成果につながりました。
また製造業では、
「腰痛・熱中症・作業負荷評価」の研修単位を継続取得している産業医が、
リスクアセスメントと職場改善を主導。
結果、
労災報告件数が半減し、安全衛生委員会の実効性も向上しています。
共通点は、
単位取得が“知識”で終わらず、“行動設計”に落とし込まれていることです。
まとめ:単位取得状況も見据えた産業医選びを
産業医選任において重要なのは、
「資格があるか」ではなく、
「今も学び続け、現場で改善を回せるか」です。
単位取得状況は、その姿勢と実務力を見極める有効な材料になります。
特に、
メンタルヘルス・ハラスメント・復職支援といった
経営リスクと直結する領域では、
知識の鮮度と実行力が結果を大きく左右します。
産業医は“置けばいい存在”ではありません。
単位制度という客観指標も活用しながら、
経営に効く産業医選びを進めていきましょう。
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