産業医面談とは?実施基準や守秘義務はあるのか?対象者と話す内容・目的まで徹底解説!

目次

産業医面談とは?

産業医面談とは、産業医と従業員が個別に話し合う機会のことで、従業員の心身の健康をサポートすることを目的に行われます。

しかし、そもそも産業医とはどのような存在なのか、いまいちピンとこないという方も多いかもしれません。

今回は、産業医とはなにか、産業医面談を受けることでどのような効果を期待できるのかについて詳しく解説します。

産業医の役割

パワハラやうつ病の悩みを、抱え込んでいる人も多いかもしれません。
そんな時に頼りになるのが産業医の存在です。

産業医とは、社員が快適に勤務できるように配属された医師のことを指します。産業医は専門的な立場から、従業員たちに適切な指導をしていきます。

なお、医師のすべてが産業医の資格を有しているわけではありません。産業医を選任する際には、産業医として認定された医師を選任する必要があります。

50人以上の事業所には、必ず産業医を設置しなければなりません。
仮に50人未満の事業所の場合も、助成金制度を利用して設置することが可能です。
このように、産業医は職場にとって必要な存在となっています。

産業医との面談や健康指導は、従業員が直接産業医による指導・助言を受けられる機会です。

面談や健康指導を通じて、メンタルヘルス不調を早期発見や、健康増進に繫がるきっかけになることもあります。

産業医面談の実施義務

産業医面談はすべての企業に一律で義務付けられているわけではありません。しかし、労働安全衛生法に基づき、一定条件下では企業側に面談実施義務が発生します。

具体的には、月80時間を超える時間外・休日労働を行い、従業員本人が申し出た場合や、ストレスチェックで高ストレスと評価された従業員から希望があった場合です。

企業は面談の実施だけでなく、その結果に基づく就業上の措置を検討する責務があり、これは従業員の健康確保という制度の「目的」に直結します。

一方で、従業員側には面談を受ける義務はありません。面談はあくまで本人の意思に基づくもので、会社は強制することはできません。

不利益取り扱いの禁止やプライバシー保護も法律で定められており、安心して申し出ができる環境づくりが企業の「注意点」となります。

また、企業が面談制度を適切に運用することで、早期の健康リスク把握や配置転換を含む働き方調整につながり、結果として離職防止などの「成功」につながるケースも多く見られます。

面談の内容やフローを明確にし、制度を健康管理プログラムとして社内に定着させることが重要となります。

産業医面談を行う対象者の基準

産業医面談を受けるのに適切な対象者は、法令や厚労省ガイドラインに基づき、以下が主な対象となります。

  1. 健康診断で異常所見が出た場合
  2. 長時間労働が続く場合
  3. ストレスチェックで高ストレス者と判定された場合
  4. 従業員本人が面談を希望する場合
  5. 休職・復職の判断が必要な場合

その他、従業員の様子がいつもと違うと感じたときも産業医面談を受けるのに適したタイミングとなります。本人も気が付かないうちにストレスを溜め込んでしまっていることがあるため、企業側から産業医面談を提案するとよいでしょう。

健康診断の結果で面談が必要なとき

健康診断で「要再検査」「要精密検査」など異常所見が見つかった場合、企業には産業医による面談を実施する努力義務があります。

高血圧・肝機能障害・心電図異常などは業務負荷によって悪化することがあり、産業医が現在の健康状態、治療状況、勤務可能性を医学的観点から評価します。

これにより、病状悪化の予防や適切な業務配慮につながります。

重大な疾病を防ぐためにも産業医の意見に基づいて業務量調整や通院支援など、健診にのフォローを行う必要があります。健診後の面談を定期的に行うことで、健康管理の質が大きく向上します。

本人が面談を希望したとき

従業員が体調不良、精神的負担、職場環境の悩みなどを抱え、産業医面談を希望した場合、企業は速やかに機会を提供する必要があります。

法律上、申し出を理由とした不利益取り扱いは禁止され、本人の意思を尊重することが「注意点」です。

面談では、睡眠・生活リズム、ストレス要因、業務量、人間関係などを総合的に評価し、必要な働き方の調整を検討します。

本人申し出面談が早期介入につながり、メンタルヘルス不調を未然に防げた「成功事例」は多く存在します。また企業は従業員が産業医へ相談しやすい風土づくりをつくることが重要です。

高ストレス者と判定されたとき

ストレスチェックで高ストレスと判定された従業員は、産業医面談を希望する権利を持ち、企業は申し出があれば必ず面談を実施する義務があります。

面談では業務負荷、職場環境、心理的ストレス、生活状況など多面的に評価し、必要な就業上の措置を検討します。

「注意点」は、高ストレス者が申し出をしやすい状態にすることです。申出率が低い企業ではハイリスク者を見逃しやすく、メンタル不調の重症化や休職につながることがあります。

面談を通じて早期の負荷調整を行い、休職を回避できた「成功事例」も多数あります。ストレスチェック制度は義務ではなく、活用型プログラムとして捉えることが重要です。

長時間労働が続いているとき

月80時間を超える時間外・休日労働があり、従業員本人から申し出があった場合、企業には産業医面談の実施義務が発生します。

長時間労働は過労死ラインとされ、身体疾患だけでなく精神障害のリスクを高めるため、面談では疲労度、睡眠状況、業務量、生活習慣などを重点的に確認します。

企業側の労働時間管理と面談運用を連動させることが必要となります。早期の介入により労働災害の発生を防げた事例も多く、過重労働面談を労務管理として組み込むことが、健康経営の成功につながります。

休職について相談を受けているとき

従業員が心身の不調から休職を検討している場合、産業医面談は医学的判断を下す重要なプロセスです。面談では症状の程度、治療状況、業務遂行能力、職場要因などを総合的に評価し、休職の必要性や適切な開始時期を助言します。

「注意点」は、上司や人事担当者の判断だけで休職の可否を決めないことです。医師の判断を取り入れることで、過度な長期休職や復帰失敗を防ぎ、「成功」につながります。休職面談を適切に行うことで、早期治療開始や負荷軽減につながった「事例」も多くあります。

復職について相談を受けているとき

復職を希望する従業員に対しては、産業医面談が不可欠です。医師は症状の改善度、再発リスク、就業継続の可否、必要な配慮措置を評価し、短時間勤務・段階的復帰など具体的な支援策を提案します。

復職支援の注意点は、医師の意見を尊重し、復帰後のフォロー体制を整えることです。配慮不足により再休職が発生するケースは多く、復職面談を持続的プログラムとして運用することが健康管理成功の鍵となります。実際に、復職後の段階的な負荷調整により職場定着が実現した成功事例も多く存在します。

産業医面談で話す内容

つづいて、産業医面談で話す内容や実施することについて、具体的にみていきましょう。
産業医面談では、以下の流れで話し合いが行われます。

①面談の理由や目的についてまず、従業員が安心感をもって面談に臨めるよう、産業医から面談の目的や内容、個人情報の取り扱いなどについて伝えられます。
②ストレスチェックの結果について次に、ストレスチェックの結果について話し合います。
ストレス要因と考えられるものはなにか、心身にどのような反応が起こっているかなどを確認していきます。
③心身の状態について現病歴・既往歴、生活習慣、家族関係なども含め、心身の状態について話し合います。
あわせて、従業員に抑うつ症状が出ていないかどうかをチェックしていきます。
④ストレス要因に対する従業員の考えについてストレス要因に対する従業員の考えについて確認していきます。
ストレス要因に対して従業員がどう感じているのか、改善の見込みがあるかどうかなどが確認されます。
⑤今後の対応についてストレス要因についてまとめ、今後の対応について話し合います。
本人の意見を踏まえつつ、産業医から対応策が提案されたり、症状に応じて受診が勧められたりします。
⑥報告書・意見書の作成産業医により、会社へ提出する報告書・意見書が作成されます。
報告書・意見書には従業員が拒否する内容は含まれず、従業員と相談しながら作られます。

産業医面談で期待できる効果

産業医面談によるメンタルヘルスケア効果として、休職・退職率、および従業員のストレス指数を下げる効果が期待できます。

それぞれ詳しくみていきましょう。

休職・退職率が下がる

従業員の休職・退職は、ストレスなどのメンタル不調が原因であることが少なくありません。
令和2年に厚生労働省が行った調査によると、メンタルヘルス不調が原因で1ヶ月以上休業、もしくは退職した労働者がいた事業所の割合(過去1年間)は、9.2%にものぼりました(※)。
※令和2年 労働安全衛生調査(実態調査) 結果の概況

従業員が休職・退職をすることは、企業やほかの従業員にとって大変不都合です。
なぜなら、ひとり欠員が起こることで、周囲の人がカバーしなくてはならなくなり、従業員ひとりひとりの業務負担が増えてしまうためです。
また、新たな人材を採用する場合、企業がさまざまなコストを負担しなくてはなりません。

企業や従業員の利益を維持するためにも、従業員の健康や労働環境について専門的な立場から指導・助言ができる「産業医」の役割が非常に大きいことが伺えます。

従業員のストレス指数が下がる

産業医面談は、従業員のストレス指数を下げる効果が期待できます。
なぜなら、ストレスを軽減するためには、誰かに相談することが有効であり、「産業医」こそ従業員の相談相手として適した存在だからです。

ストレスは目に見えづらく、つい無視してしまいがちですが、溜め込むことで心身にさまざまな影響が出てしまうおそれがあります。
健康診断結果や職場環境を把握している産業医であれば、専門的な立場から適切な指導・助言を行うことができ、結果的に従業員のストレス緩和につながることも多くなるでしょう。

健康への関心が高まる

産業医面談を継続して実施することで、従業員は自分の体調を客観的に把握でき、健康への意識が大きく向上します。

産業医は医学的な観点から睡眠・食習慣・ストレス要因・働き方を総合的に評価するため、従業員は「自分のどこにリスクがあるか」を具体的に知ることができます。これにより、生活改善や早期受診など、自主的な健康行動につながっていきます。

就業環境の向上が図れる

産業医面談では、従業員の体調だけでなく、業務量、上司の関わり方、職場の人間関係や配置の適正など、就業環境に関する課題が可視化されます。

産業医という第三者が介入することで、従業員は安心して相談でき、企業側も組織改善のヒントを得やすくなります。

面談結果を基に、業務調整、配置転換、面談後フォローを体系化した企業では、離職率が改善した事例も多く報告されています。

産業医・人事・管理職の三者が連携し、改善策を進めていくことで職場満足度が向上し、従業員のエンゲージメント向上にもつながります。

健康経営の取り組みに役立つ

産業医面談は、企業の健康経営を実質的に進めるための重要な基盤となります。

面談内容を集計・分析することで、組織全体の傾向──睡眠不足の多さ、メンタル負荷の高い部署、長時間労働が集中している部門──が見える化され、改善の優先順位を明確にできます。

また、産業医の助言をもとに制度改善や働き方の見直しを行うことで、従業員の健康指標が改善し、生産性向上につながった成功事例も増えています。

面談を実施するだけではなく、面談の結果を経営指標の分析やストレスチェック後のフォローアッププログラムに組み込むことが、健康経営優良法人の取得にも直結します。

産業医面談に関する相談なら産業医クラウド

コミュニケーションや事務能力に疑問…
質の高い産業医に依頼したいとお考えではないでしょうか?
産業医紹介サービスを検討している企業様必見!
産業医クラウドなら独自の研修を受け、スキルチェックも通過した、厳選された産業医をご紹介します。
→「産業医クラウド」のサービス資料を見る

産業医面談を行う会社・人事が押さえるべきポイント

産業医面談を実施するには、人事・労務担当者が注意すべきポイントがあります。

  • 守秘義務を厳守する
  • 面接指導の記録を保管する
  • 衛生委員会に面接指導の記録を報告する
  • 面談実施後の対象者のケアも行う

それぞれ詳しく解説します。

守秘義務を厳守する

産業医面談を実施するにあたって、人事・労務担当者は個人情報保護と安全配慮義務について十分に理解しておきましょう。

雇用者側は個人情報保護法(※1)において、従業員の個人情報を守るよう義務付けられています。
一方で、労働契約法5条(※2)により、雇用者側には従業員に対する安全配慮も義務付けられています。

従業員の健康情報についてプライバシーが守られている一方で、雇用者側は安全配慮義務を履行するために個人の健康情報を収集し、適切な就業上の措置を行うよう求められているのです。

なお、従業員側には、労働安全衛生法第26条(※3)により、健康異常の申告や健康管理措置への協力が義務づけられています。

雇用者側は、日頃から従業員との良好な信頼関係を確立し、健康を守る義務と個人情報を守る義務、双方のバランスをうまくとっていくことがとても大切です。
※1)雇用管理分野における個人情報のうち健康情報を取り扱うに当たっての留意事項
※2)労働契約法5条
※3)労働安全衛生法第26条

面接指導の記録を保管する

 
面接指導の記録は、原則として5年間保管が必要です。

常駐している産業医がいる事業所では、産業医の管理のもと、適切な方法で面接指導の記録を保管します。
健康診断の記録も健康情報としてあわせて保管するのがよいでしょう。

産業医が常駐していない、もしくは選任していない事業所では、面接指導や健康診断などの健康情報は、人事部や労務部の管理のもとで適切に保管しましょう。

人事部や労務部の特定の人が管理するようにし、紙媒体や電磁的記録媒体(CD-ROM、USBメモリなど)の場合は、鍵のかけられるキャビネットなどへ保管します。
システム上のデータで保存する場合は、人事部や労務部の特定の人のみが情報へアクセスできるようにしておくと安心でしょう。

衛生委員会に面接指導の記録を報告する

労働安全衛生法第66条の8第5項(※)により、面接指導の記録は、衛生委員会へ報告するよう義務付けられています。

報告方法については、衛生委員会と産業医で相談し、事前に決めておくようにしましょう。

衛生委員会への報告方法の具体例としては、「判定区分ごとに該当する人数のみを報告する」「職場単位ごとに集計する」などがあげられ、面談対象者のプライバシーに十分に配慮されている必要があります。

疲労レベルの調査や問診を行っているケースでは、疲労や健康状態のパターンなどについてアドバイスをするのもおすすめです。
※労働安全衛生法第66条

面談実施後の対象者のケアも行う

産業医面談の本質的な価値は、面談後のフォローアップによって初めて発揮されます。

人事は、産業医の意見に基づき、業務量調整・勤務時間の見直し・配置転換・休養機会の付与など、必要な支援策を具体的に検討し、対象者が無理なく働ける環境を整える必要があります。

また、面談後に本人へ丁寧なフィードバックを行い、不安や疑問を解消することも欠かせません。この面談後のフォローは1度きりではなく、継続的にフォローをすることが必要です。多くの企業では、1〜2週間後の状態確認、1〜3ヶ月ごとの定期面談、必要に応じた追加措置など、継続的なケアを実施しています。

面談をして終わりという形にするのではなく、長期的な健康支援の起点として位置づけることで、組織のメンタルヘルス対策の質が大きく向上します。

産業医面談での注意点

産業医面談は、従業員の心身の状態を正しく把握し、健康障害を予防するための重要な仕組みです。

しかし、対応を誤るとプライバシー侵害や労務トラブルにつながり、企業側が安全配慮義務を果たせなくなる可能性もあります。

特にストレスチェック後の面談は法令に基づく手続きであり、対象者への説明、同意の取得、情報共有の範囲、記録管理など、人事が押さえるべき注意点は多岐にわたります。

適切に運用されれば、面談をきっかけに健康リスクを早期に把握し、業務配慮や職場改善につながった成功事例は多く、健康管理プログラムとしての価値は非常に高いものです。

一方で、強制や過度な質問など誤った対応は制度そのものへの信頼低下を招くため、慎重な姿勢が必要です。

産業医面談は強制しない

産業医面談は本人の同意を前提とするため、企業側は面談を強制してはいけません。

特にストレスチェック後の面接指導は、企業が希望する高ストレス者へ面談の機会を提供する義務を負うものであり、本人が希望しない場合は強制の根拠がありません。無理に受けさせる行為はハラスメントやプライバシー侵害と解釈される可能性もあります。

企業の注意点は、面談の目的(健康状態を守るための支援)を従業員に丁寧に説明し、不安を取り除いたうえで自主的な受診につなげることです。

強制ではなく、従業員が安心して産業医に相談できる風土づくりが制度運用の根幹です。

罰則やペナルティに注意する

ストレスチェック制度では、企業に求められる手続きが法律で明確に定められています。

高ストレス者への面談案内、医師面接指導の実施、面談結果に基づく就業措置の検討などを怠ると、労働安全衛生法違反として行政指導を受ける可能性があります。

また、面談希望者への対応が不十分な場合、後に健康障害が発生した際に企業の安全配慮義務違反を問われるリスクも増します。

企業は産業医面談の案内・同意・実施・記録の流れを標準化し、ミスが起こらないようプログラムとして運用することが必要となります。こうした手続きを整備した企業ではトラブルが大幅に減少し、健康管理の質が向上した成功事例もあります。

プライバシーに踏み込みすぎない

産業医面談では、従業員の個人情報を尊重し、就業判断に必要な範囲以上に踏み込んだ質問をしないことが重要です。

病歴や家庭問題などの深掘りは、本来の目的である「就業可否や業務調整の判断」と直接関係しない場合が多く、従業員の不信感を招く恐れがあります。

企業側は産業医と共有する情報の範囲を明確にし、本人の同意なしに詳細を上司へ伝えないことに注意する必要があります。プライバシー配慮は制度の信頼性を高める最重要ポイントです。

面談を行う産業医が会社にいない場合の対処法

産業医が社内に不在のままストレスチェック後の医師面接指導や長時間労働者の健康相談が必要になると、対応が遅れ、企業の安全配慮義務を果たせないリスクが生じます。

特に従業員50人以上の事業場では産業医選任が義務であり、面談体制が整っていないことは重大な労務リスクにつながりかねません。

そのため、産業医面談を「目的に応じて確実に実施できる仕組み」を早期に整備することが重要です。

産業医が不在でも実務上対応可能な3つの選択肢を、以下に紹介いたします。

企業の目的に合わせて選び、また必要であればサービスを組み合わせることで、安定的な産業医面談体制を構築できます。

産業医紹介サービスを活用する

最もスピーディーに体制を整えられる方法が産業医紹介サービスを活用することです。

産業医が不在の中で早急に面談が必要な企業やメンタル不調者が増えている企業など短期で体制を整えたい企業には「産業医クラウド」をおすすめします。

産業医クラウドでは医師6万人のデータベースから企業の業種や課題に合った産業医を選定でき、特にメンタルヘルス支援に強い産業医が紹介できるのが特徴です。

面談(オンラインも可能)・ストレスチェック対応・復職支援など必要なサービスをワンストップで依頼ができ、全国どこでも品質のばらつきなく産業医の紹介が可能です。

地域産業保健センターを活用する

従業員50人未満の小規模事業場であれば、地域産業保健センターが無料で医師面談が利用できます。

費用負担なく一時的に産業医機能を補えるため、急な面談ニーズにも役立ち、導入ハードルが低いことが特徴です。

ただし、利用できる内容はあくまで高ストレス者面談や健康相談などに限られ、職場巡視や衛生委員会、面談後のフォローなど継続的な産業医活動には対応ができません。

また、予約が埋まりやすく、希望日に面談できないケースもあるため、恒常的な体制づくりには向きません。

まず最低限の産業保健対応を整えたい企業が、一時的に活用する方法として適していますが、継続的な健康管理プログラムとして運用したい場合は、他方法との併用が必要です。

地域の医師会に相談する

地域医師会には産業医資格を持つ医師が所属しており、紹介を受けて個別契約を結べる場合があります。職場の実態に寄り添った助言が期待でき、対面中心で継続支援を求める企業には適した方法です。

ただし、医師会によって紹介までの期間や対応範囲が異なり、メンタル領域に強い医師が少ない地域では選択肢が限られます。

また、緊急面談が必要な場合は対応までに時間がかかることもあります。企業は「どの程度の頻度で面談が必要か」「どんな専門性を求めるか」という“目的”を明確にしたうえで検討することが重要です。

対面面談や巡視を重視している、地域に根付いた長期的な産業医契約を望んでいる場合は、地方医師会から紹介された医師と関わることで、職場課題を理解したうえで助言が得られるメリットがあります。

産業医面談を拒否されてしまう理由

産業医面談は従業員の健康維持や休職予防に欠かせない取り組みですが、実務では「面談を受けたくない」と拒否されるケースも少なくありません。

拒否が続くと企業の安全配慮義務が果たせず、メンタル不調の悪化や労務トラブルにつながるリスクがあります。

そのため、人事担当者は従業員の産業医面談を拒否する背景にある心理や組織要因を理解し、適切に対応することが重要です。

従業員が産業医面談を拒否しやすい主な理由(一覧)

  1. 「面談=不利益につながる」という誤解がある
    従業員は「面談を受けると昇進に響く」「弱いと思われる」と考えがちです。
    しかし産業医面談の目的はあくまで健康保護であり、人事評価とは無関係です。

    企業は面談が処分や評価に使われないことや、面談後の就業配慮は本人のためであり、マイナス評価にならないことを伝える必要があります。
  2. プライバシー情報が会社に知られることへの不安
    特にメンタル領域では「話した内容が全部会社に共有されるのでは」と不安を抱きやすい傾向があります。

    企業は、産業医が守秘義務を負うことと、企業に共有されるのは就業配慮に必要な最小限であることを具体例とともに説明することが不可欠です。
  3. 産業医への不信感・過去のネガティブな経験
    「産業医は会社側の人」という誤解や
    「以前相談しても改善されなかった」という経験が拒否の原因になることもあります。

    そのため企業側としては、産業医が企業とは独立した医学専門家という役割や面談の流れを事前に説明することで従業員の緊張が減り受診率が改善することもあります。

    また面談後フォローの体制を整備し、形骸化させないことも必要です。
  4. 忙しく時間を確保できない/優先度を低く感じている
    「面談より業務が優先」と考える従業員は多く、これも拒否の典型的理由です。

    産業医面談を勤務時間内での面談設定することや、オンライン面談や短時間枠など柔軟な対応をして、面談のハードルを下げることで、従業員が受診に前向きになるケースが増えます。
  5. 体調が悪化しており面談自体が負担になっている
    メンタル不調者ほど面談が苦痛に感じられ、拒否につながりやすい傾向があります。

    従業員の負担にならないように短時間面談、メール相談や産業保健師との事前接点を設けることなどを提案してみましょう。
  6. 面談の必要性・目的が会社から十分に説明されていない
    「なぜ自分が対象なのか」「受けると何が変わるのか」が曖昧なままだと、従業員は受診のメリットを感じません。
  7. 組織内に心理的安全性が不足し、相談がしにくい環境
    「相談すると“弱い”と思われる」「上司が体調の話題を避ける」というような組織文化が原因で拒否が起きるケースもあります。

産業医面談に関するよくある質問

ここでは企業の人事担当者から特に相談の多い質問を取り上げ、具体的に解説します。

産業医面談は会社や上司にバレますか?

産業医面談の内容が会社や上司に詳細まで伝わることはありません。

企業側へ共有されるのは、産業医が就業上必要と判断した最小限の情報(例:業務負荷の調整、勤務時間の配慮など)に限られ、診断名やプライベートな内容が開示されることはありません。

これは、従業員が安心して相談できる環境を作れるように、産業医が法律上「秘密保持義務」を負うためです。

また企業側が面談内容を本人の同意なく上司へ詳細共有することはプライバシー侵害に該当し、トラブルの原因にもなるため十分に注意する必要があります。

産業医面談の対象者から拒否された際に会社はどのような対応をすべきですか?

産業医面談は本来本人の意思を尊重する仕組みであり、会社が強制することはできません。しかし、安全配慮義務の観点から、拒否された場合でも企業として適切な説明と支援が必要となります。

まず、人事は面談の目的(健康悪化を防ぎ、働きやすい環境を整えること)を丁寧に説明し、従業員の誤解や不安を取り除くことが重要です。
それでも拒否が続く場合は、業務量の調整や職場環境の改善など、代替措置を検討します。

企業側の注意点として、従業員の拒否を放置すると企業側のリスクになります。過去には、長時間労働者が面談を拒否し、十分な対策が講じられないまま健康障害に発展し、労災認定された例もあります。

産業医面談でクビになることはありますか?

産業医面談の結果を理由に従業員を解雇することはできません。面談は医学的観点から働き方を調整するためのものであり、処分を下す場ではないためです。

診断名や能力評価を理由にした解雇は不当解雇に該当し、企業側の大きなリスクとなります。

産業医が示すのは「就業可能」「条件付き就業」「休養が必要」といった医学的助言であり、企業は、その助言をもとに従業員の働き方や体制を調整します。

もし復職不可などの判断が出ても、解雇ではなく産業医との連携により適切な就業配慮を行い、従業員が無理なく勤務を継続するように休職制度や配置転換といった手段も検討する必要があります。

産業医面談のデメリットはありますか?

しかし、これらは制度設計と説明の仕方で解消できます。

産業医面談の主なデメリットとしては、

  • 業務時間を調整する必要がある
  • 面談の意図が伝わらないと不安を感じる従業員がいる
  • 就業配慮に伴う部署内調整が発生する

といった運用上の負担が挙げられます。

従業員に向けて事前に「産業医面談の目的」や「面談後の流れ」を明確に伝えることで、従業員の不安は大幅に軽減します。

また面談内容を定期的に振り返る健康管理プログラムとして運用することで、休職予防や職場改善を図ることも可能です。

デメリットよりもメリットが圧倒的に大きいのが産業医面談の特徴であり、適切な運用が企業価値向上にもつながります。

【まとめ】産業医面談について

産業医面談は、従業員のストレスケア対策として、とても有効な取り組みです。
また、従業員の心身の健康をサポートすることで、企業全体の利益向上にもつながります。

企業の利益のためにも、ぜひ自社に適した優秀な産業医を見つけ、産業医面談を実施してみてください。

コミュニケーションや事務能力に疑問…
質の高い産業医に依頼したいとお考えではないでしょうか?

産業医紹介サービスを検討している企業様必見!
産業医クラウドなら独自の研修を受け、スキルチェックも通過した、厳選された産業医をご紹介します。
→「産業医クラウド」のサービス資料を見る

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です