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【産業医の機能強化】強化の内容からとるべき対応までご紹介

2019.09.30産業医

つい何年か前までは産業医という言葉も耳馴染みがなく、社内に産業医がいながらも産業医の存在すら存じていなかった労働者の方もいらっしゃるかもしれません。

それだけ現代企業で産業医の存在が重要となり、必要性を増しているといえるでしょう。

同時に産業医の機能強化がされることで、産業医の業務内容に対する認知度もアップしたのかもしれません。

では、どのような部分において産業医の機能強化がされたのでしょうか。

これから産業医の機能強化の内容について、産業医の業務内容や設置要件と併せて見ていきましょう。

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<2019年4月施行>産業医の機能強化とは

2019年4月より働き方改革関連法案に基づき、産業医の機能強化がされましたが、これから産業医について触れながら機能強化について見ていきましょう。

産業医とは

まず初めに産業医の概要について触れてみましょう。

産業医の概要

産業医とは、企業で働く労働者が健康かつ安全に業務ができるため、専門的立場から助言や指導をする医師のことを意味します。

医師であれば誰もが産業医として活動できるわけではなく、産業医として認定された医師のみが産業医業務に携わることができます。

産業医と認定されるためには特定の要件を満たす必要があり、産業医を選任する際には有効な産業医認定証を有する医師を選任する必要があります。

産業医の業務内容

産業医の業務内容は実に多岐に渡りますが、主な業務を挙げていきましょう。

労働者との面談

長時間労働者や高ストレス者、その他産業医との面談が必要と判断された労働者は産業医との面談を通じ、適切な助言や指導を受けていきます。

産業医と面談を希望する労働者も面談をすることが可能です。

ストレスチェック

ストレスチェックの計画や実施に対しても産業医は関与し、高ストレス者への事後措置も面談を通じ対応していきます。

健康診断結果チェック

健康診断で所見有りという結果の出た労働者に対し、産業医は今後の就労制限の有無や休職判断などをしていきます。

衛生委員会へ参加

衛生委員会へ参加し意見を述べることも産業医の役割であり、不参加の場合は議事録に目を通す必要があります。

参加は必須ではありませんが、参加した方が望ましく、近年では産業医の参加率もアップしているといわれております。

衛生講話の実施

企業側から衛生講話の依頼があれば、産業医はテーマに合わせた講話を考え実施します。

衛生講話は衛生委員会や研修の場で実施されていきます。

産業医の種類

産業医には、専属産業医と嘱託産業医が存在しますが、それぞれの選任義務や違いを見てみましょう。

専属産業医

名前の通り企業に専属した勤務形態の産業医となります。

選任義務は、1,000人以上3,000人以下の事業所か、有害業務に500人以上が携わる事業所に1名以上、3,001人以上の企業に2名以上選任する義務があります。

週に3日以上、月に3時間以上の勤務をするため、従業員と似た形態の勤務といえるでしょう。

嘱託産業医

普段は医師として勤務する傍ら、月に1~数回企業訪問をし産業医業務に携わる産業医が、嘱託産業医と呼ばれます。

50人以上999人以下の事業所では嘱託産業医を選任する義務が発生しますが、500人以上が有害業務に携わる場合は専属産業医が必要となりますので注意しましょう。

「働き方改革関連法案」による産業医の機能強化

ブラック企業という単語が世を賑わせておりますが、それに伴い働き方改革も見直され、2019年4月より「働き方改革関連法案」が順次施行されております。

産業医の機能強化の背景

これまで産業医の存在が薄く、産業医がいるのかいないのか分からない企業もあれば、産業医という単語を聞いて「産業医って何?」と労働者もいたのではないでしょうか。

働き方改革関連法案により産業医の機能強化がされましたが、その背景としまして長時間労働や人間関係のストレス、メンタル不調労働者の増加やそれに伴う深刻な問題があるといえるでしょう。

産業医の機能強化の内容

「今の人はメンタルが弱い」という言葉が口癖となっている労働者は存在し、実際言われてもどかしい思いをした方もいらっしゃるのではないでしょうか。

以前は、強靭なメンタルを持つ者こそ生き延びることができる弱肉強食社会が強調されていた風習もありましたが、時代の流れに伴いそれぞれが抱える事情は異なりました。

情報化社会に伴い、昔は想像もできなかった仕事が幾つも誕生し、数多くの企業が目まぐるしいほど急成長を遂げていることを今まさに体感している方も多いでしょう。

時代背景に合わせて産業医の機能強化もされましたが、どういったものが強化されたのか少し見ていきましょう。

産業医の機能強化

労働安全衛生法第13条と14条におき、「産業医は知識と能力の維持向上に努め、誠実に職務を行わなければならない」といった項目が追加されました。

労働安全衛生法13条におき産業医選任が義務付けられておりますが、産業医として業務を実施しない産業医が存在し問題になっております。

「名前だけの産業医」は、産業医として給料が発生しているにも関わらず満足な業務をしないこととなり、場合により罰則が発生するケースもあるため、上記項目が追加されました。

企業側は産業医に対し、労働時間やその他産業医が必要とする情報を提出する必要がありますが、ここでどういった情報を提供する必要があるのか見てみましょう。

産業医へ提出する情報

①健康診断後や過重労働面接後、高ストレス者面談後に講じた事後措置の内容(措置を実施しなかった場合はその理由)

②月80時間を超えた長時間労働者の氏名と労働時間

③その他産業医により必要と認められる情報

産業医が企業側に指示を出した場合や意見書を作成した場合、企業の事後措置について産業医が把握していなければ、意味がありません。

就業制限が出ているにも関わらず労働させている企業が問題となったケースもありますが、違反行為を防止するためにも、産業医と企業側が正確な情報共有をしておくことが大切になります。

産業医の権限強化

産業医は衛生委員会で意見を述べることが大切とされておりますが、改正労働安全衛生法におき、産業医の衛生委員会内及び事業者への権限強化が規定されました。

時間外労働80時間を超える長時間労働者につき、産業医が健康管理をする上で必要な情報を産業医に提供することが義務付けられました。

産業医が事業者に出した勧告は、衛生委員会か安全衛生委員会に報告することも義務付けられたため、産業医より勧告が出た場合は、衛生委員会や安全衛生委員会で報告をする必要があります。

産業医の意見があるにも関わらず企業側が事後措置をしなければ、産業医が意見を出した意味がなく、産業医の意見を聞くだけで事後措置を行わない企業も問題となるでしょう。

そのような事態を防止するためにも、産業医の権限強化は必要な強化なのではないでしょうか。

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労務担当の方がとるべき対応

産業医の権限強化に伴い、労務担当の方がとるべき対応も変化しました。

産業医へ時間外労働時間や措置内容の報告

先ほども述べましたが、企業は産業医へ時間外労働時間や措置内容について報告する義務があります。

そのため労務担当の方は、産業医へ時間外労働時間や措置内容という必要情報の提供をする必要があります。

労働者が健康に業務をする上で、産業医による適切な指導や助言が重要となりますが、そのために企業側は産業医に必要な情報を提出し、出された勧告につき報告する必要があります。

一昔前は、サービス残業や長時間労働が美学のように見られておりましたが、時代の変化に伴い働き方も見直されるようになったといえるでしょう。

労働者が健康でなければ企業は成り立ちませんが、労働者の健康管理をするために、労務担当の方は必要情報を産業医へ報告する必要があります。

産業医と面談しやすい環境づくり

産業医と面談をするには、産業医と面談しやすい環境づくりをすることが大切です。

産業医の機能強化に伴い、産業医の業務内容を労働者へ周知させることが義務付けられましたが、そうすることで労働者も産業医と面談しやすくなるのではないでしょうか。

周知が求められる内容

1 産業医業務の具体的な内容

2 産業医への健康相談の申し出方法について

3 産業医の労働者に対する情報取り扱い方法

これらの情報は、各事業所への備え付けや書面交付などで行います。

産業医について労働者に必要な情報を周知しておくことで、労働者も産業医に相談しやすい環境が実現するのではないでしょうか。

産業医の選任が必要な企業とは

産業医の選任基準につきまして、あまり把握をしていない方もいらっしゃるかもしれませんが、産業医の選任基準は労働者数がポイントとなってきます。

産業医選任が必要な企業

労働者数が50人以上の企業は、産業医の選任義務が発生します。

労働者数50人を超えた日から14日以内に産業医を選任し、必要書類を作成・提出する必要があり、違反すれば罰則が発生するので注意しましょう。

産業医の種類

産業医の中にも「専属産業医」と「嘱託産業医が存在し、それぞれ選任要件が異なりますが、選任要件について見てみましょう。

専属産業医

・1,000人以上3,000人以下の事業所、または500人以上の労働者が有害業務に携わる事業所に1人以上選任

・3,001人以上の事業所は2人以上選任

嘱託産業医

・50人以上999人以下の事業所に1人以上選任

50人未満の事業所の場合

50人未満の小規模事業所の場合は産業医の選任義務はありませんが、助成金制度を活用して産業医を設置することが可能です。

産業医による面談が必要な労働者が発生した場合、その他産業医が必要と判断した場合は、地域産業保健センターを利用した産業医の設置や、単発的な産業医サービスの利用などをしてみてはいかがでしょうか。

産業医を選任するには

産業医を選任するためには産業医を探す必要がありますが、産業医を選任するにはどうしたら良いのでしょうか。

産業医の選任方法

産業医の選任方法を幾つか紹介していきます。

医師会からの紹介

事業所のある地域の医師会へ産業医の紹介を依頼する方法があります。

医師会を介した産業医紹介は地域の産業医を紹介してもらえるため、地方に事業所を構える場合は有効的な探し方になるかもしれません。

産業医を探しやすい反面、産業医紹介後は産業医と直接契約になるケースが多いため、産業医を交代する場合は何かと手間がかかることや、報酬が割高となる傾向が多いとされています。

健康診断実施期間からの紹介

健康診断を実施している医療機関へ産業医の紹介を依頼する方法もあります。

こちらの探し方で産業医を選任した場合、産業医報酬と健康診断実施費用がセットになっていることが多く、トータルコストが割安となる傾向が多いとされています。

費用を抑えたい場合は有効的な探し方でもありますが、健康診断で多忙な時期は産業医業務が思うように実施できないケースも考えられるでしょう。

社内や知人の人脈で探す

自力で産業医を探す、社内や知人に産業医を紹介してもらうなど、人脈で産業医探しをするというシンプルで地道な探し方になります。

知り合いの産業医であれば気軽に依頼をしやすい反面、義理やしがらみがあるため、問題が発生した場合に意見をしにくく、産業医交代もしにくいことがデメリットといえるでしょう。

産業医紹介サービス会社へ依頼

産業医探しを代行してくれる紹介サービス会社を利用する探し方となり、複数の産業医たちの中から企業によりマッチングした産業医を選任することが可能です。

産業医探し以外にも、産業医選任に伴う書類作成や提出の代行に対応している会社も多く、効率的に産業医を探したい場合に有効的といえるでしょう。

紹介会社が間に入るため、産業医との間に問題が発生した場合も相談しやすく、産業医交代の相談に応じていることも特徴です。

産業医紹介サービス『Avenir>』

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産業医紹介サービス会社の『Avenir』をご存じでしょうか。

Avenirは企業によりマッチングした産業医を選任しながら、選任後もアフターフォローも実施する、「もれなくすき間なく」サービスをすることを経営理念の1つとして掲げております。

産業医を選任する際に大切なポイントが、産業医の役割を理解した上で適切な産業医業務ができる産業医を選ぶことかもしれません。

しかし多くの方が、産業医を選ぶポイントを見極めていないことが現状といえるでしょう。

産業医クラウドでは産業医と面接をする際に厳しい面接を実施し、本当に優秀と判断した産業医を厳選しております。

優秀な産業医の中からスタッフが各企業様のお話をお伺いし、よりマッチングした産業医を選任していきます。

選任後のアフターフォローやサポートも対応しておりますので、何かありましたらお気軽にご相談いただければと思います。

まとめ

企業に欠かせない存在といえる産業医ですが、産業医の機能強化に伴い、労働者にとってより働きやすい環境づくりの実現が期待できるでしょう。

もちろん産業医の機能強化がされるまでの背景には、過労による事故や病気、長時間労働や休職に退職、過労死や過労自殺という社会問題が関係しているといえるでしょう。

本当の意味で働きやすい社会にするためにも産業医の機能強化は必要不可欠であり、適切な産業医業務に携わることができる有能な産業医を選任することが大切になってきます。

有能な産業医の選任をご検討中でしたら、よろしければ一度Avenirにお問い合わせください。

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監修

栗原 雅直医師
くりはら まさなお

東京生まれ。東京大学医学部医学科卒業、東大病院精神神経科に入局。1960年東大大学院生物系研究科博士課程修了。医学博士。2年間のパリ大学留学後、東大病院医局長、1966年虎の門病院勤務。初代精神科部長。川端康成の主治医を務めた。1990年大蔵省診療所長。財務省診療所カウンセラー