突然ですが、あなたの会社の産業医は産業医業務をこなしていらっしゃるでしょうか。
産業医にお世話になっている企業様も多いでしょうが、中にはせっかく契約しているのに思うように役に立たない産業医が存在することも現実です。
役に立たない産業医では従業員も面談で話をし辛く、中には面談が必要にも関わらず面談を実施しない産業医もいるでしょう。
従業員の健康管理をする産業医が役に立たないことは問題といえますし、役に立たない産業医が設置されていることは、時として法に触れるケースもあります。
役に立たない産業医を選任しないためにも、優秀な産業医を選任することが大切ですが、今回は優秀な産業医を選任する方法について見ていきたいと思います。
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目次
産業医に求められる役割
産業医に求められる役割は、どういったものになるのでしょうか？
産業医は事業所に所属する従業員の健康管理をする役割が与えられており、従業員の健康維持や回復に向け、適切な助言や指導をしていきます。
その他にも事業所の安全管理や衛生管理に携わる任務があり、従業員が安全にかつ健康に働くことを実現するため専門的立場から指導をしていきます。
これから産業医の役割について全般的に触れながら見ていきましょう。
【産業医の役割とは】
産業医の役割は、大まかに見てみると以下の通りになります。
〈職場巡視〉
職場の安全・衛生管理を徹底化するため、産業医による職場巡視が月に1～数回のペースで実施されます。
特に危険業務が伴う職場では、産業医の巡視が重要になり、問題が発見された場合は速やかに対応し、適切な指導や助言をしていくことが大切です。
〈従業員との面談〉
月80時間以上時間外労働に携わる長時間労働者は、産業医との面談義務が発生し、産業医との面談を通じ適切な指導や助言を受けていきます。
産業医と面談を希望する従業員も面談可能で、高ストレス者や健康診断結果の有所見者、休職者も産業医と面談することが推進されます。
健康指導や栄養指導という名目で面談を実施するケースもあります。
〈ストレスチェック〉
2015年度より年1度のストレスチェックが義務付けられ、産業医は専門的立場からストレスチェックの計画や実施、事後措置まで携わる必要があります。
高ストレスと判断された従業員とは、後日面談の機会を設け適切な指導をすることが望ましいとされております。
〈健康診断結果チェック〉
従業員の健康管理をする上で、産業医により健康診断チェックは重要で、有所見者には適切な指導をすることが望ましいとされております。
必要に応じ、従業員に対し医療機関の紹介や意見書の作成を行います。
〈衛生委員会へ参加〉
産業医は衛生委員会の場におき、専門的立場から適切な意見を出すことが求められ、不参加の場合はその際作成された議事録に目を通す必要があります。
参加は強制ではないとはいえ、産業医の参加率があまりに悪ければ信頼が薄まる可能性があるため、積極的に参加することが望ましいでしょう。
〈衛生講和の実施〉
企業側からニーズがあれば産業医は適切な内容の衛生講和を実施し、この衛生講和は研修の場や衛生委員会で開催されます。
産業医の役割はざっくり見ても多岐に渡り、こなす業務は多数あります。
役に立たない産業医もいるのが現状
産業医が産業医として役割を果たさない、という話を聞いたことはありませんか？
産業医は役割がたくさんありますが、役に立たない産業医は産業医の役割を果たしていないといえるでしょう。
中には産業医が切な業務を実施しないため、事業所や従業員側が、「もう仕方ない」と諦めてしまっているケースもあるかもしれません。
そもそも「役に立たない産業医」とはどういった産業医のことを指すのでしょうか。
職場巡視を行わない
職場巡視という名目でお茶を飲みながら雑談している産業医がいるという報告がありますが、これは大きな問題です。
産業医業務をしている間は報酬が発生するため、産業医は与えられた役割を果たす必要がありますが、これでは職場巡視とはいえないでしょう。
職場も日常の中で少しずつ変化をしており、産業医はその中で発生している問題点があれば速やかに見つけ改善策を指導することが大切です。
名義貸しのみ
そもそも職場巡視すら実施せず、産業医の登録があるだけの「名義貸し産業医」も存在するといわれております。
職場巡視を行わないどころか職場訪問を実施していない、まさに名前だけの名義貸し産業医がいることは大きな問題となります。
産業医は専門的立場から従業員の健康管理に携わる必要があり、違反した場合罰金が発生する事例があります。
職場巡視を行わない産業医も名義貸し産業医も違法行為となり、罰則に触れるため問題が明確化すれば罰金が発生します。
法に触れないためにも、職場巡視を行わない産業医や名義貸し産業医であれば、然るべき対応を取る必要があります。
中立の立場ではない
産業医も人柄や取り組みはそれぞれですが、産業医は会社と社員に対し、中立な立場である必要があります。
産業医は社員と面談を通じ社員の気持ちを汲み取り、適切な助言や指導をしながら会社側に適切な指導をしていくことが大切になります。
産業医は社員と会社の間に入るパイプ役となり、社員にとって安心して働くことができる環境を整えるために大切な存在となります。
産業医の発言や判断は大きな影響力がありますが、時として産業医が会社の意向に合わせ、社員にとって不当な判断や決定を下す問題も報告されております。
このようなケースは社員にとっても不毛であり、適切な判断をしているとは言い難く、むしろ会社の言いなりになっているような状態です。
産業医が断言口調で会社や社員に意見をすることも問題ですが、会社の意向に合わせ社員に不当な意見を下すことも問題といえるでしょう。
第三者である産業医だからこそ冷静な判断が可能で、専門的立場であるから専門的観点からの助言や指導が可能であります。
会社側に流されることなく、同時に一方的な意見を押し付けるわけでもなく、社員の意向を大切にしながら会社の意向も考慮した上で助言することが大切です。
同時に産業医は、従業員に寄り添った対応をすることが大切です。
普段病院やクリニックにかかっていても、医師に不快な対応をされた経験のある方もいらっしゃるでしょう。
同様に産業医に不快な対応や違和感のある対応をされた場合、信頼が薄まり面談の機会が設けられても相談しにくくなってしまうのではないでしょうか。
特に気持ちが弱っている時、一方的な物言いや否定口調で話をされてしまっては、余計ダメージも大きく、「この人には相談しない」と思ってしまうのではないでしょうか。
だからこそ、話を聞きながら受け入れてくれる相手であればそれだけ、相談しやすくなるのではないでしょうか。
その上で適切な助言やアドバイスがあれば、人として信頼もできるでしょう。
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優秀な産業医を選任するためには？
優秀な産業医を選任することが「役に立つ産業医」の選任に繋がりますが、優秀な産業医を選任するためにはどうすれば良いのでしょうか。
【自力で探すには限界がある】
優秀な産業医を選任する際には能力を見極めることが大切ですが、産業医の能力を一般の人間が見抜くことはかなり困難を極めるといわれております。
そもそも医師のすべてが産業医として認定されているわけではないため、コネやツテで優秀な産業医を探す場合、かなり困難を極めることになるでしょう。
産業医との間に問題が発生した場合も、義理やしがらみがあるため安易に交代することが困難であることもデメリットになってきます。
【産業医の探し方】
産業医を探すためには自力で探すよりも第三者を介した方が効率的といえるでしょう。
産業医を探すに当たって、自力で探す以外の方法として、どのような探し方があるのかこれから見ていきましょう。
〈医療機関に依頼〉
医療機関に依頼をして産業医を紹介してもらう方法があります。
健康診断を実施している医療機関であれば、産業医報酬と健康診断実施費用がセットになっているため、費用がお得になるケースがあります。
健康診断実施後の助言ももらうことができるため、健康診断のことを考慮すればスムーズかつお得な探し方になるでしょう。
けれども健康診断期間は多忙になるため、産業医業務が思うようにいかない可能性もあります。
〈医師会に依頼〉
地域の医師会に産業医を紹介してもらう方法もあり、地域の産業医を紹介してもらえるため、産業医が探しやすい地方で有効的な探し方になります。
紹介後は産業医と直接契約になる傾向が多いため、全体的に割高になる傾向があるといわれております。
〈産業医事務所に依頼〉
産業医事務所に依頼をする方法もあり、産業医のスキルが高いことが最大の特徴となっております。
半面、報酬が割高になる傾向も見られ、登録している産業医の数も限られております。
〈産業医紹介サービスに依頼〉
産業医紹介サービス会社に依頼をして産業医を選任してもらう方法になります。
登録している産業医が多いため、多数の産業医の中から探すことが可能で、スキルの高い紹介サービス会社であれば登録している産業医のスキルも高い傾向にあります。
紹介料が発生するため割高になる傾向もありますが、産業医との間に入りフォローしてもらえることがメリットです。
会社によっては産業医選任のみならず、産業医選任に伴う書類作成や提出の代行もしてもらえ、産業医交代も対応してもらえます。
スムーズに優秀な産業医を選任したいのでしたら、産業医紹介サービスを介する方法がより効率的といえるでしょう。
産業医紹介サービスの選び方
産業医紹介サービスも取り組みが様々になるため、事前に紹介サービス会社の質を見極めることが大切です。
優秀な産業医を選任するためにも、優秀な産業医紹介サービスを選ぶことが重要なポイントとなってきますが、どこを見え選べば良いのでしょうか。
審査基準が厳格なものを選ぶ
産業医紹介サービスも様々で、産業医認定証を有する医師であれば登録可能な会社もあれば、産業医として適切な人材か審査をしながら登録する会社もあります。
産業医紹介サービスを介する前に、産業医の審査基準が厳格な会社を選ぶことが大切です。
紹介サービス会社のサイトがあれば閲覧してみることも良いでしょうし、直接お問い合わせして審査基準を確かめてみても良いでしょう。
少し手間に感じるかもしれませんが、産業医業務をしない産業医を設置してしまえば法に触れるため、事前に優秀な産業医を選任しておくことが大切です。
優秀な産業医設置の第一歩とし、登録する産業医の審査基準が厳格な紹介サービス会社を選ぶことが望ましいといえるでしょう。
紹介サービス会社の中には、本当に厳しい審査を実施している会社もありますので、審査基準が明確な紹介サービス会社を選ぶことをお薦めします。
紹介サービスの中には、サイトやパンフレットで産業医の審査基準について触れてある場合もありますので、確認できるポイントは事前にチェックしておきましょう。
産業医自身をサポートする制度のあるものを選ぶ
産業医紹介サービス会社は、各企業と産業医との関係性をフォローすることが大切で、企業をサポートすることが大切ですが、産業医をサポートすることも大切になってきます。
産業医業務をよりスムーズに実施するためにも、紹介サービス会社が産業医をサポートしながら企業と産業医とのパイプ役になる必要があります。
産業医も専門性を有するプロとはいえ人間ですから、紹介サービス会社によるサポートも重要なポイントになってくるでしょう。
スタッフが産業医との関係性のフォローにどれだけ対応しているか、事前に確認しておくことも大切です。
更には、産業医を対象とした研修制度がある紹介サービスであれば、より理想的といえるでしょう。
まとめ
役に立たない産業医を選任し設置し続けてしまうことは大きな問題に発展するケースもあり、罰則に触れる可能性もあります。
そうならないためにも、大切な従業員の健康管理をするためにも、産業医選任時に優秀な産業医を選任することが大切になってきます。
優秀な産業医を選任するためには、信頼できる機関に選任を依頼することが大切ですが、そういった意味でも産業医紹介サービスを利用することは有効的といえるでしょう。
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