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産業医が行うストレスチェックがもたらす大きな効果とは

2019.07.22産業医

ストレスが深刻な問題になっている今、社員のストレス状態を把握することは非常に重要となっています。

特に最近では、「ストレスチェック」という単語を耳にしたことのある方も多いでしょうし、実際にストレスチェックを受けた経験がある方も多いでしょう。

このストレスチェックに大いに携わってくるのが産業医になりますが、産業医が行うストレスチェックがもたらす効果について考えたことはあるでしょうか。

今回は、産業医が携わるストレスチェックがもたらす、大きな効果について掘り下げていきたいと思います。

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1.ストレスチェック制度が義務化された

労働者が安全に働くために大切な

「労働安全衛生法」

という法律があります。

2015年12月に法改定がなされ、

50人以上が勤務する事業所は毎年1回ストレスチェックを実施することが義務化

されました。

ストレスチェックとは】

「ストレスチェック」とは言葉から分かるように、ストレスがどれだけあるかチェックする内容になります。

ストレスに関する選択回答制の質問票を記入して、それを集計・分析してストレスの状態がどのようになっているのか調べる方法になります。

ストレスは目に見えない分、自分がどれだけのストレスを抱えているか分かりにくいものです。そのため、放置しすぎてある日突然ストレスが体に出てしまう、というケースも珍しくありません。

そういった事態を回避するためにもストレスチェックをすることで、自身のストレス状態を把握しておくことが大切になります。

ストレスチェックの流れ

  • ストレスチェックを実施する前に、社内で労働者たちに対してストレスチェック実施の旨を伝え、衛生委員会でストレスチェック制度の実施方法について話し合います。
  • 労働者にストレスチェックをする簡単な質問票を配布し、記入してもらいます。
    記入後の質問票は実施した人物が回収をしますが、個人情報になるため第三者に記入した内容を見せてはなりません。
  • 回答内容をチェックしながらストレスの程度を評価しますが、ここで高ストレスと判断される労働者を選びます。
  • ストレスチェックの結果はチェックの実施者が直接通知します。

ここで「高ストレス」と判断された労働者は、産業医と面談をする必要があります。

ストレスチェックの結果は実施者が保管をしますが、情報が洩れることのないよう

厳重な保管が必要になります。

2.産業医によるストレスチェックの内容とは

ストレスチェックは産業医の役割の1つになります。

これから、産業医によるストレスチェックの内容を少し覗いてみましょう。

2.1社員のストレス要因分析

「高ストレス」と判断された労働者のストレス要因を、産業医は分析します。

職場環境が原因

企業で働く社員のストレスの、主な原因は「仕事」になるでしょう。

仕事内容や役割分担、社内の人間関係等、ストレスの要因になるものは色々考えられるため、ストレス要因を明確にして1つ1つ改善に向けた指導をすることが大切です。

労働者との面談を通じてストレス要因を分析するには、面談で

労働者に寄り添った対応

をすることが求められます。ストレスの原因が分からなくては、今後の対策を取ることが困難です。

まずは、社員のストレス要因を明確にして分析することが、問題改善に向けたスタート

になってきます。

働く上でストレスの要因になる、主な原因をまとめてみましょう。

人間関係

職場の人間関係は働く上で重要になってくると同時に、人間関係が思わしくなければストレスの要因に繋がります。

特に、上司や先輩にハラスメントを受けてしまうと逆らうことも困難となり、耐えれば耐えるほど状況は悪化してしまうでしょう。

過重労働

過重労働の環境にある労働者は、知らず知らずの内にストレスが備蓄されています。

長時間労働になるとプライベートの時間を確保することが困難となり、体が十分休まらない状況で日々働くことになります。

危険作業や有害業務に携わる労働者も、勤務中は常に気を張っているためストレスがかかりやすい環境にあるでしょう。

重大な役割

役職に就いている労働者や大きな責任が伴う仕事を多く抱えている労働者も、ストレスが溜まりやすい環境になります。

責任が大きければその分プライベートでも気持ちが休まらず、ストレスが日々備蓄されてしまうことも考えられます。

家庭環境が原因

夫婦関係や親子関係等、労働者の家庭環境は労働者の数だけ存在しますが、家庭のストレスがそのまま職場に持ち越されてしまうケースも、今や珍しくないといえるでしょう。

実際に、本来気持ちが休まるはずの家でも息が詰まってしまうため、帰宅をしたがらない労働者も時折存在します。

家庭で気持ちが休まらないために、仕事に対する負担を必要以上に感じ、イージーミスから重大なミスまで発生してしまうパターンもあります。

家庭で気持ちが休まらなければ、十分な睡眠時間を摂ることができないことも考えられるでしょう。睡眠不足という状態は重大問題で、ミスはもちろん事故の原因にも繋がってしまいます。

労働者が抱える家庭のストレスをまとめてみましょう。

夫婦関係

夫婦関係が思わしくなく、そういった状況が長く続くと、その分大きなストレスの要因に繋がります。

親子関係

親子といっても人間同士なので、当然問題は発生します。

実の親や実の子供との関係は深刻で、時として大きなストレスの原因になってくるでしょう。

離婚経験

離婚は想像以上にダメージが大きいものになります。

家族との死別、介護など

家族と死別をした労働者は深い悲しみや喪失感に包まれるでしょう。

家族の介護をしている労働者も、普段からストレスを抱えている環境にあるといえます。

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2.2業務内容のヒアリング

産業医は高ストレス者の業務内容についても把握する必要があり、企業側や労働者本人にヒアリングをしていくことが大切です。

仕事の内容はそれぞれで、中には有害業務や危険作業に常時携わる労働者もいるため、業務内容によっては大きなストレスが発生しやすい労働環境もあります。

2.3結果に基づく今後の対策案

産業医は高ストレス者と面談して、ストレス要因の分析をしながら業務内容を把握し、改善に向けて動く必要があります。

大切なことはストレスを減らしていくことですが、そのためには結果に基づいた今後の対策案を練っていくことがポイントになります。

負担を軽減させることや十分な休日・休憩時間を取らせる工夫、作業内容の効率化や人員を増やす試み等、ストレスを減らす対策案は色々考えられるでしょう。

人間関係が大きなストレスになっている場合は、人事異動や社員研修の実施等の対策も有効かもしれません。

3.産業医のストレスチェックにはどんな効果がある?

産業医はストレスチェックを計画し、実施をする必要があります。

そこで「高ストレス者」と判断した労働者と面談をしますが、そうすることでどのような効果が期待できるのでしょうか。

3.1社員の離職率を低下

ストレスを抱え過ぎた労働者は、場合によっては突然出社拒否になることも考えられますし、退職という判断を出す可能性もあります。

実際にある日突然会社に来なくなった労働者や、退職届を提出した労働者も多いでしょう。

大切な社員が離職してしまうことで企業内の労働環境は悪化し、これまでいた人間がいなくなることは、残った労働者たちにも影響を及ぼします。

産業医と面談することは大切

ストレスチェックをして高ストレス者と面談することで、産業医は社員の離職率を低下させることが可能になります。

産業医が労働者にすることは面談になりますが、「たかが面談」と思ってはいけません。

面談の場で労働者は産業医に話をしますが、

現状やストレスの原因を産業医に話すだけで、気持ちが楽になる

という効果が期待できます。

更に、「職場環境をある程度把握している産業医だからこそ」できるアドバイスもあるでしょう。

産業医はその専門的立場から、社員に対し、より的確で効率的な助言や指導をしていきます。それが産業医の大切な役割の1つになります。

3.2企業の健康経営を促進

高ストレス者が増えれば、それだけ企業に対して健康経営を促進する必要性が増すでしょう。

労働者がいなければ企業は成立しません。

「健康経営」とは、社員の健康管理を経営的視点で考えて実践することを意味します。大切な労働者たちに働いてもらうためにも、健康経営は大切な理念になります。

企業内部の仕事の回転率や売り上げをアップさせるためにも、社員に健康に働いてもらうことが大切です。毎日必死に働くことも大切ですが、それ以上に社員の健康管理は重要なことなのです。

社員に良い仕事をしてもらうためにも、まずは社員の健康管理の方法から見直すことが必要でしょう。

3.3社員の長時間労働を防止

「長時間労働に対応してくれるから」と、同じ労働者が常に長時間労働に携わっていないでしょうか。本人が平気そうにしていても、見えない部分でストレスがどんどん備蓄されている可能性もあります。

長時間労働が続けばそれだけ感覚が鈍り、自分がどれだけストレスを抱えているか本人でも気付きにくい状態になっているかもしれません。

また会社側も、労働者がいつも長時間労働に対応している慣れから、深刻に考えていないかもしれません。

産業医は社員の長時間労働環境に対応することが大切で、長時間労働者と面談をすることはもちろん、長時間労働を防止するべく企業側に意見をすることも時には必要になってきます。

長時間労働を防止する対策を練ることは可能です。

例えば人員増加をすることや、1人に負担がかかりすぎない環境にする工夫、更に効率良く業務をするアドバイスや休暇の取りやすい環境づくりなど、色々考えられます。

産業医は企業理念や職場環境を把握した上で、適切な助言や指導をすることが大切

です。

4.産業医にストレスチェックをしてもらうには?

産業医はストレスチェックに携わる必要がありますが、産業医にストレスチェックをしてもらうには産業医の選任が必要になってきます。

4.1産業医の選任をしよう!

産業医にストレスチェックをしてもらうために、企業は産業医を選任しましょう。

選任方法

産業医の選任方法は色々あるので、いくつか紹介してみましょう。

心当たりの医師に依頼をする

産業医認定証」を有する医師

に心当たりがあれば、直接依頼をしても良いでしょう。

地元の医師会に頼む

産業医に心当たりがなければ、地域の医師会に産業医を探してもらう方法もあります。

健康診断実施機関に依頼をする

健康診断を実施している機関に依頼をする、といった探し方もあります。

産業医紹介サービスに依頼をする

産業医の必要性に伴い、「産業医紹介サービス」が存在します。

紹介サービスに依頼をすることが、産業医を探す上で最もスムーズで確実でしょう。

産業医を選任してくれる以外にも、産業医選任に必要な書類作成や提出の代行に対応している場合もあります。

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相談イメージ

悩む前に一度相談してみませんか?

「今の産業医に不満があるけど、これってどこも同じ?」
「ほかの会社の産業医って何やってるの?」
「こんな悩み有るけど、これって産業医を頼っていいの?」
など、小さなお悩みから他社の事例など、お気軽に相談ください。

産業医の新規契約をまだ検討していない方も、お気軽に悩みを 聞かせてください。産業医の紹介以外でも、お役に立てるかもしれません。

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監修

栗原 雅直医師
くりはら まさなお

東京生まれ。東京大学医学部医学科卒業、東大病院精神神経科に入局。1960年東大大学院生物系研究科博士課程修了。医学博士。2年間のパリ大学留学後、東大病院医局長、1966年虎の門病院勤務。初代精神科部長。川端康成の主治医を務めた。1990年大蔵省診療所長。財務省診療所カウンセラー