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月134時間残業もの残業。36協定を無視で製造業者を逮捕

2018.04.26労働基準法

先日ニュースで下記の記事が掲載されました。

山梨・甲府労働基準監督署は、時間外・休日に関する労使協定(36協定)の限度時間を超えて労働者に違法な残業を行わせたとして、機械器具の製造業者・㈱天鳥(=あまどり、山梨県韮崎市)と同社代表取締役会長を労働基準法第32条(労働時間)違反の容疑で甲府地検に書類送検した。

 同社は平成29年9~10月、労働者3人に対し36協定の上限を超えて違法残業をさせていた。その有効期限が切れた同年11月にも違法残業を行わせている。1カ月当たりの最長残業時間は、過労死認定基準である月80時間を大きく超過して134時間だった。

 さらに同社は、労基署からの指導に対して違法な長時間労働の実態を改善したかのように見せるため、虚偽の時間外労働数などを記入した帳簿書類を提出していた疑い。このため、同法第101条(労働基準監督官の権限)違反の容疑でも処分されている。

 同労基署によると、各種情報などから提出された書類の内容が虚偽のものだったと判断して捜査を行ったという。
【平成30年3月23日送検】
(引用:労働新聞社)

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36協定の上限を超えての残業は違法

第一のチェックポイントは、「時間外労働をさせる場合の限度時間」です。

労働省告示「労働時間の延長の限度等に関する基準」では1ヶ月の場合は45時間(1年単位の変形労働時間制の場合は42時間)、1年の場合は360時間(1年単位の変形労働時間制の場合は320時間)と規定されています。36協定には、通常、「1日」、「1ヶ月」、「1年」という期間ごとに、限度時間が協定されています。

監督官は、タイムカード等の労働時間管理に用いる帳票を確認して、法定時間外・法定休日労働が、36協定における限度時間に収まっているかどうかを確認します。

もし36協定ないの限度時間に収まっていない場合は労働基準法32条違反となります。
1.使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。
2.使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。

しかし、納品時期や繁忙期などといった特別に超えざるを得ないケースも業務の中ではあります。その場合には「特別条項」を定める必要があります。
この「特別条項」というものは、時間外労働は本来臨時的なものとして必要最小限にとどめられるべきものであり、特別条項付き協定による限度時間を超える時間外労働は、その中でも特に例外的なものとして、労使の取組によって抑制されるべきものとされています。

特別条項付き36協定での基本事項

◇原則としての延長時間(限度時間以内の時間)
◇限度時間を超えて時間外労働を行わせなければならない特別の事情
◇一定期間途中で特別の事情が生じ、原則としての延長時間を延長する場合に労使がとる手続
◇限度時間を超える一定の時間
◇限度時間を超えることができる回数

特別条項はあくまで年間を通した業務の中でも特別という前提なので年間通して特別条項にある残業を強いることはできません。毎月毎月、限度を超えることはできず、1年の半分を超えないこと、という制限がなされています。

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36協定の締結、遵守は必須

36協定は残業を促進するもとして問題視されるケースが多々あります。労働基準法の改正予定である2019年度から残業時間の上限に関して単月で100時間「未満」となります。それに伴い「36(サブロク)協定」で労使が合意した残業時間自体にも、短縮化に向けて行政指導が可能となります。

特例の場合でも原則月45時間、年360時間で、これを超えれば罰則を課す。特例として労使協定を結んだ場合でも、年間720時間を超えることはできないとなります。その条件のもとで、繁忙期に認められる上限を2─6カ月の平均が休日労働を含んで80時間以内、単月で100時間未満とし、年に6回まで認めるとなる予定です。

来年の改正に向けて2018年は大きな準備期間となりますので社内でも周知が必要かもしれません。

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監修

栗原 雅直医師
くりはら まさなお

東京生まれ。東京大学医学部医学科卒業、東大病院精神神経科に入局。1960年東大大学院生物系研究科博士課程修了。医学博士。2年間のパリ大学留学後、東大病院医局長、1966年虎の門病院勤務。初代精神科部長。川端康成の主治医を務めた。1990年大蔵省診療所長。財務省診療所カウンセラー