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産業医の適正なコストはどのくらい?無駄なコストを抑えるには?

2019.12.02産業医

産業医を選任する前に、コストがどれだけ必要になるのか気になる企業の方は多いのではないでしょうか。

従業員の健康維持や回復のためにも、産業医のコストも必要経費となりますが、できれば無駄なコストを抑えたい気持ちはどの会社でも同じはず。

そのためにもあらかじめ、産業医の適正なコストを把握しておくことが大切です。今回は産業医の適正なコストについて説明していきます。

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そもそも産業医は必要?

産業医は、事業所の従業員の健康管理をする役割を担っており、従業員数が50人以上の事業所にそれぞれ設置する義務があります。

産業医には、専属産業医と嘱託産業医という2種類の産業医が存在します。それぞれの産業医の設置要件について見ていきましょう。

専属産業医の設置要件

専属産業医は、1,000人以上の従業員が勤務する事業所に、1名以上選任する必要があります。

1,000人未満の事業所の場合におきましても、500人以上が有害業務に携わる事業所は1名以上の専属産業医を選任する必要があります。

3,001人以上の従業員が勤務する事業所の場合は、2名以上の専属産業医の選任が必要となります。

専属産業医は、事業所に専属した勤務をする産業医のことを指し、通常3日以上1日3時間以上勤務をする形態を取ります。

基本的に週に4日程度の勤務が多く、従業員とほぼ変わらない勤務形態のため、従業員にとって身近な存在になってくるでしょう。

専属産業医は日頃から職場の様子や従業員の様子を身近で見ながら、職場の安全管理や従業員の健康管理などに幅広く携わっていきます。

嘱託産業医の設置要件

嘱託産業医は、50人以上999人以下の事業所に1名以上選任し、設置する必要があります。

ただし先ほど説明したように、500人以上が有害業務に携わる場合は専属産業医の選任が必要になりますので注意しましょう。

嘱託産業医は、普段病院やクリニックなどで勤務する傍ら、月に1~数回程度事業所訪問をして産業医業務に携わっております。

訪問回数は必要情報を提供することで、2ヶ月に1~数回にすることも可能です。

頻繁に訪問するわけではありませんが、従業員の健康管理を担う上で大切な役割を持つ産業医は、産業医業務を通じ現状を把握した上で、より的確な指示をしていきます。

時々訪問するからこそ変化に気付きやすいというメリットもあるかもしれません。

小規模事業所の場合はどうなるのか

産業医選任が義務付けられていない、従業員数50人未満の事業所の場合におきましても、助成金制度を活用しながら産業医を設置することが可能です。

単発契約の産業医サービスもありますので、産業医が必要な場合は検討してみてはいかがでしょうか。

事業所は、産業医の設置要件を満たしてから14日以内に産業医を選任することが、労働安全衛生規則第13条におきまして定められております。

違反した場合は50万円以下の罰金が発生しますので、従業員数が50人を超えた時点で速やかに産業医を選任する必要があります。

いざ産業医を選任する際に慌てないためにも、早め早めの対策をしておくことが大切かもしれません。

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産業医がいることのメリットとは?

産業医は、従業員の健康管理を担う大切な役割を持ちますが、産業医がいることのメリットとして、どのような利点が挙げられるのでしょうか。

従業員の健康診断や指導を担当してくれる

職場の健康診断というものを、多くの方が受けたことがあると思いますが、労働安全衛生法第66条4におきまして、健康診断結果に異常が見られる従業員は産業医の意見を聞く必要があると定められております。

産業医の役割の1つに健康診断結果のチェックがありますが、健康診断結果に異常が見られる従業員は、産業医と面談を通じ、適切な指示を受ける必要があります。

所見有りと診断が出た従業員は、産業医による今後の就労制限の有無や就労の可否の判断を受けていきます。

診断結果で、生活習慣や健康状態について気になる点が見られる従業員の場合も、面談という名目で産業医による運動指導や栄養指導などを受ける場合があります。

ストレスチェック制度に対応してくれる

ストレス問題は大きな問題となっており、ストレスが大きくなることにより、病気や事故、不祥事や場合によっては過労死や過労自殺を引き起こしてしまうリスクも考えられます。

2015年より年に1度のストレスチェックの実施が義務付けられておりますが、産業医はストレスチェックの計画や実施、事後措置まで携わる必要があります。

高ストレスと判断された従業員は、産業医と面談を通じた指導をもらうことが望ましいとされているため、ストレスチェック制度の対応も産業医としての重大な業務となります。

休職希望者・復職希望者と面談をしてくれる

企業に勤務する上で、時として休職が発生するケースもあるでしょう。

休職は仕事を辞めるためではなく、休息を取りやがて万全な状態で職場復帰をすることを目的とした制度であり、そのためにも産業医が適切な指導や判断をすることも大切になってきます。

焦って復職をすることは危険ですが、産業医が適切な判断をすることで、よりベストなタイミングで復職ができるというメリットがあるのではないでしょうか。

長時間労働者との面談や指導をしてくれる

月に80時間以上の時間外労働者は長時間労働者と見なされ、産業医と面談をする義務が発生します。

長時間労働者は産業医と面談を通じ、適切な指導や助言を受けることが大切とされております。

長時間労働者と産業医が面談をすることで、産業医が具体的に働きかけることが期待できるため、長時間労働者のストレス軽減や状況改善が見込まれるかもしれません。

職場巡視で従業員の健康をチェックしてくれる

職場巡視も産業医の大切な業務内容となり、職場巡視を通じて産業医は職場に問題点や改善点がないかチェックしていきます。

必要情報を提供することで産業医の訪問回数や巡視回数を減らすことも可能ですが、百聞は一見に如かずという言葉もあるように、産業医が巡視することが大切になってくるでしょう。

実際に産業医が職場訪問をし、直接巡視をすることで従業員の状況把握をすることができ、健康状態をチェックすることができるといえるでしょう。

衛生委員会に参加してくれる

産業医の役割の中には、衛生委員会に参加をしながら意見を述べるといったものもあります。

職場の安全管理や従業員の健康管理のためにも衛生委員会への参加は、産業医の大切な役割となりますが、参加は必須ではありません。

ただし欠席した場合は、その際作成された議事録に目を通す必要があり、産業医の出席率が高いほうが印象も良いため、積極的に参加することが望ましいとされております。

個人の健康情報を管理してくれる

従業員の健康情報を把握することは産業医の大切な仕事ですが、健康情報は個人情報となるため、漏洩を防ぐことが大切です。

時として一部の相手に情報を伝える必要がある場合も、必要最小限の情報を適切に伝えることが大切といえるでしょう。

個人の健康情報を管理してくれるという意味でも、産業医を設置するメリットになってくるかもしれません。

産業医のコストは大体このくらい

ここで気になる産業医のコストですが、専属産業医と嘱託産業医それぞれのケースについて見ていきましょう。

専属産業医の場合

専属産業医の場合のコストは、以下の算出方法になります。

報酬額=(300~400万円)×(1週間当たりの勤務日数)

専属産業医の場合、1週間当たりの勤務日数によりコストも変動する傾向が見られます。

週に1日勤務の場合は年間300~400万円、週に4日勤務の場合は年間1,200~1,500万円のコストがかかるといわれております。

コストも医師としての経験が長ければそれだけ高くなる傾向があるため、経験豊富な医師を選任する場合、コストも上がってくるでしょう。

外資系企業の場合、英語力のある産業医が希望されますが、そのような場合はコストも1割増しになってくるため、経験や能力が必要であればそれだけコストも割高になる傾向があります。

従業員のために、適切な判断ができる産業医を設置することが大切なため、産業医のコストも企業の利益の見込みを検討すれば、トータル的に割安となる必要経費といえるでしょう。

嘱託産業医の場合

一方、嘱託産業医の場合は従業員の人数によりコストも変動する傾向が見られることが特徴的でもあります。

嘱託産業医の場合のコストは、大体以下の通りになってきます。

従業員数

報酬額

従業員数

報酬額

50~100名

6万円

501~600名

11万円

101~200名

7万円

601~700名

12万円

201~300名

8万円

701~800名

13万円

301~400名

9万円

801~900名

14万円

401~500名

10万円

901~999名

15万円

1回の訪問につきまして、別途6万円の訪問料が加算されます。

有害物質取り扱い企業におきましては、30%増しとなります。

専門性を問われる産業医の場合、半日で15~30万の費用がかかります。

コストだけでなく産業医としての務めを果たしてくれるかが重要

先ほど、産業医のコストの説明をしましたが、産業医を設置するにはコストが適正かどうかだけではなく、産業医としての務めを果たしてくれるかどうかが重要になってきます。

産業医はフル活用した方が良い

企業の産業医は従業員の健康管理をする役割があるため、産業医はフル活用することが望ましいといえるでしょう。

産業医は職場巡視を実施しているため、病院や医院の医師と比較しても企業の状況をより把握しているといえます。

加えて直接複数の従業員と面談をしているため、従業員の健康状態もある程度知り得ているといえるでしょう。

産業医の役割は幅広くありますが、従業員の健康や企業の安全管理のためにも、産業医はフル活用しながら企業の向上や従業員の健康維持や回復を目指すことが良いでしょう。

質の高い産業医を設置することがポイント

産業医もピンからキリまで存在しますが、当然質の高い産業医を設置することが大切になります。

産業医の中には、産業医業務をしない名義貸し産業医が存在するといわれておりますが、産業医産業医業務をする目的で設置します。

そのため名義貸し産業医を設置していた場合、罰則に触れ罰金が発生する場合があります。

そのような事態を回避するためにも、産業医設置の際には、質の高い産業医を見抜いて設置することがポイントになってきます。

質の高い産業医を設置し長く業務に携わってもらうことで、従業員の健康管理をより徹底して実施することが実現化するのではないでしょうか。

質の高い産業医とは?

質の高い産業医と表現しても、今一つピンと来ない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

質の高い産業医とは、産業医業務を実施することはもちろんですが、従業員に寄り添った対応ができる産業医になってきます。

産業医としての視野も広く、偏った判断や指導をせず、1人1人の従業員にとってベストな指導や助言ができる産業医が、質が高いといえるでしょう。

同時に産業医としての立場に甘んじることなく、常に勉強をしながら知識を身につけているメンタル問題に強い産業医もまた、質が高いといえるでしょう。

特に近年はストレス社会と揶揄されているため、メンタル問題に理解があり、従業員に寄り添った対応ができる知識の高い産業医こそ、質の高い産業医といえるのではないでしょうか。

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監修

栗原 雅直医師
くりはら まさなお

東京生まれ。東京大学医学部医学科卒業、東大病院精神神経科に入局。1960年東大大学院生物系研究科博士課程修了。医学博士。2年間のパリ大学留学後、東大病院医局長、1966年虎の門病院勤務。初代精神科部長。川端康成の主治医を務めた。1990年大蔵省診療所長。財務省診療所カウンセラー