産業医・産業保健機能の強化にまつわる働き方改革関連法案に関して|健康経営をコンサルティングする産業医集団Avenir産業医

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産業医・産業保健機能の強化にまつわる働き方改革関連法案に関して

2018.10.09産業保険医

2019年4月から「働き方改革関連法案」(正式名称:働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案)の一部が施行されることを踏まえて、今後の産業医・産業保健機能の強化が重要視されています。

産業保健の重要性

企業の事業活動によって生まれる付加価値の源は人材であり「健康で安心して働ける職場づくり」である「産業保健」が企業発展の基盤になります。

逆に、産業保健を軽視し、過労死・過労自殺等の問題が起これば、莫大な損害賠償責任の追及などの経営上の重要なリスクにもつながりかねません。

従って、産業保健を削減すべきコストとしてではなく、新たな付加価値の創造や生産性向上に直結する重要な投資として捉え、積極的に取り組むことが求められています。

働き方改革関連法案施行における産業保健の在り方

労働安全衛生法が制定された当時(昭和 47 年)と比較して、産業構造や経営環境が大きく変わり、産業医・産業保健機能に求められる役割や事業者が取り組むべき労働者の健康確保の在り方も変化してきています。
具体的には、工場等における職業性の疾病の防止対策に加え、事務的業務に従事する方を含めた以下の対策の実現が求められています。

  • (1)過労死等防止対策
  • (2)メンタルヘルス対策
  • (3)病気の治療と仕事の両立支援対策等

これらの課題に対して企業は、多様で柔軟な働き方、労働者個人と企業との多様な関係性を認め、労働者個人の価値観や選択を最大限に尊重しながら、労働者一人ひとりを支える仕組みづくりが求められています。

産業医・産業保健機能の強化にまつわる改正点

2018年6月29日、正式に法律として決定した「働き方改革関連法案」の労働安全衛生法領域では「労働者の健康確保のための産業医・産業保健機能の強化」の一貫として、以下3つの改正を行いました。

  • (1)産業医に対する情報提供等の充実・強化
  • (2)産業医の活動環境の整備
  • (3)労働者に対する健康相談の体制整備、労働者の健康情報の適正な取り扱いルールの推進

(1)産業医に対する情報提供等の充実・強化

【改正前】
産業医は、労働者の健康を確保するために必要があると認めるときは、事業者に対して勧告することができます。

【改正後】
事業者は、長時間労働者の状況や労働者の業務の状況など産業医が労働者の健康管理等を適切に行うために必要な情報を提供しなければならないこととします。

(2)産業医の活動環境の整備

【改正前】
事業者は、産業医から勧告を受けた場合は、その勧告を尊重する義務があります。

【改正後】
事業者は、産業医から受けた勧告の内容を事業場の労使や産業医で構成する衛生委員会に報告することとしなければならないこととし、衛生委員会での実効性のある健康確保対策の検討に役立てます。

(3)労働者に対する健康相談の体制整備、労働者の健康情報の適正な取り扱いルールの推進

【改正前】
事業者は、労働者の健康相談等を継続的かつ計画的に行う必要があります。(努力義務)

【改正後】
・産業医等による労働者の健康相談を強化します。
事業者は、産業医等が労働者から健康相談に応じるための体制整備に努めなければこととします。

・事業者による労働者の健康情報の適正な取り扱いを推進します。
事業者による労働者の健康情報の収集、保管、使用及び適正な管理について、指針を定め、労働者が安心して事業場における健康相談や健康診断を受けられるようにします。

対策は健康経営の実現

「 産業医・産業保健機能の強化にまつわる働き方改革関連法案」への対策は「健康経営の実現」が最も有効です。健康経営とは「企業が労働者の健康に配慮することによって、経営面においても大きな成果が期待できる」という考えのもと、健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践することです。
健康経営は、「生産性の向上」、「採用力強化等」、「離職率の低減」等の効果が得られ、かつ、企業におけるリスクマネジメントとしても重要です。

労働者の健康管理者は経営者であり、健康管理を組織戦略に則って展開することがこれからの企業経営にとってますます重要になっていくものと考えられます。

まとめ

正式に法律として可決された「働き方改革関連法案」の「産業医・産業保健機能の強化」では、企業が労働者の健康を適切に管理するための産業医の巻き込みや環境整備について言及しています。

具体的には、「事業者における労働者の健康確保対策の強化」「産業医がより一層効果的な活動を行いやすい環境の整備」「労働者の健康管理に必要な情報の提供」について、対応していくことが求められます。
したがって今後、企業はこれまで以上に客観的な労働時間管理や労働者の健康管理ができる健康経営の体制が重要になっていきます。

<参考サイト>
http://kenkokeiei.jp/whats
https://kumamotos.johas.go.jp/index.html
https://www.johas.go.jp/

<参考資料>
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/0000166490.pdf
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