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健康経営アドバイザーとは?メリットや業務内容を紹介

2021.09.27産業医

健康経営アドバイザーとは?メリットや業務内容を紹介

近年、様々な資格が増えていますが、健康経営に関する資格もあります。東京商工会議所が創設した「健康経営アドバイザー」です。

健康経営アドバイザーは、健康経営の必要性に伴い必要性が増してきていますが、どういった資格になるのでしょうか。
今回は健康経営アドバイザーにスポットを当てながら、与えられる役割や産業医との違いについて説明します。
健康経営アドバイザーに興味をお持ちの方も、健康経営を取り入れたい企業の方も、参考にしてみてはいかがでしょうか。

健康経営アドバイザーとは

健康経営アドバイザーは、東京商工会議所が経済産業省からの委託を受けて2016年に創設された研修プログラムで、試験の合格者に与えられる資格となります。
健康経営アドバイザーとは、健康経営に力を入れたい企業を対象としながら健康経営の必要性を伝え、実施の切欠を作る人材を育成するために創設されました。
その上で健康プログラムを決定し、取り組みのサポートをしていくのが業務となります。

【健康経営の必要性】

健康経営とは、経済産業省が進めている承認制度であり、毎年アップデートされていきます。健康経営の基本的な考えの根底には、「従業員が健康であることが企業にとって経済面でも良い効果を与える」であり、従業員の健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践し、中長期的なリターンを狙うものであります。

従業員が健康であればそれだけ業務パフォーマンスや従業員の創造性の向上も期待でき、医療費、休職・退職率の低下に繋がり、結果として、営業利益率の向上にもなります。また、中長期的な観点から、「従業員のヘルスケアに力を入れている」というシグナリングから、企業のイメージアップに繋がります。

健康経営を実践するにあたり、取り組むは内容は、個別企業の方針により様々になりますが、取り組むに当たり、従業員の健康状態を考慮しながら企業の風土や特徴も含めて考えることが大切です。

健康経営に取り組む際に、更なる助言やアドバイスが期待できる存在が、健康経営アドバイザーの存在になってくるでしょう。

【健康経営で期待できること】

2020年以降、新型感染症により、企業の取り巻く環境は大きく変化し、従業員の健康管理に対する考え方も変化の最中にあります。長く続くテレワークの影響から、多くの企業で、生活習慣病やメンタルヘルス不調者が増加傾向にあります。

従業員の心身の健康が損なわれることで、生産活動の低下や事故や不祥事の発生率を招き、生産性の低下、そして、結果として企業の信頼性が損なわれるリスクが以前よりも増してきています。

従業員の心身の健康が損なわれることは、休職や退職率に影響があります。現場の従業員の負担も増えることが考えられます。そうなることで新たな不調者の発生リスクも上がり、負のスパイラルになることも十分考えられるでしょう。

従業員の健康問題が、組織の安定に影響を与え始めています。具体的には、採用、教育、離職に影響を与え始めており、健康経営を実践するということは、これらのリスクを未然に防ぐ意味合いがあるのです。

健康経営アドバイザーのメリット

健康経営は、2016年より始まった経済産業省のプログラムということは従前にも述べてきました。健康経営は、毎年の承認制度であり、毎年、新たな基準が設けられます。健康経営2021年には「感染症対策」、2022年版には「従業員のパフォーマンス評価」という観点が新たに設置されました。このように時代にあった形に健康経営の考え方、概念は変化していきます。

一方で変化しないものとして、健康診断受信率を100%に近づける、ストレスチェックを実施する、規模に応じて、産業医や産業保健師をアサインする等の普遍的な事項もあります。

このような普遍的なものと、新たに追加されていく概念に早期にキャッチアップできるようになるのが、健康経営アドバイザーのメリットです。

健康経営アドバイザーを取得する方法

健康経営アドバイザーになるには、東京商工会議所の「健康経営アドバイザー」の資格を得る必要があります。

【健康経営アドバイザーの資格】

健康経営アドバイザーの資格は、東京商工会議所の研修プログラムに参加することで取得することができます。健康経営アドバイザーの研修プログラムでは、健康経営に注目が集まる背景や健康経営への取り組みが与えるメリット、実践に移すための基礎知識を分かりやすく学ぶことができます。

研修を修了した上で、効果測定で一定の基準に達した方は、「健康経営アドバイザー」として認定され、認定証のダウンロードが可能になります。
認定期間は2年間となり、2年ごとに研修内容はより充実し、ブラッシュアップしていきますので、更新研修として活用することも可能です。
受講料金は8,800円(税込み・テキスト代含む)となり、Webが閲覧できるパソコンやスマートフォンから受講をすることができます。
研修を受講された方で効果測定が7割以上正答の方を、「健康経営アドバイザー」として認定します。
参考:東京商工会議所

「健康経営アドバイザー」の上級編として、「健康経営エキスパートアドバイザー」という資格もあります。東京商工会議所が、健康経営に取り組む中小企業に対して、専門人材を養成する「健康経営エキスパートアドバイザー」研修を実施しています。

健康経営エキスパートアドバイザーは、中小企業が健康経営に取り組む上での課題を抽出・整理した上で、その課題解決に必要な取り組みを企業等に提案するとともに、その実践を具体的にサポートすることを目的としております。

健康経営アドバイザーの認定者かつ、所定の資格や経験を有する者に受講資格があり、一定のハードルが設けられています。所定の有資格者または所定の実務経験者とは、中小企業診断士、社労士、医師、保健師、看護師、労働衛生コンサルタント、管理栄養士、健康運動指導士であり、実務経験も審査項目に挙げられています。

合格者は公表されております。
https://www.tokyo-cci.or.jp/kenkokeiei-club/05/

健康経営アドバイザーが行う3つの業務内容

①企業規模や業種に応じた課題抽出
企業規模や業種によって、健康課題は違ってきます。例えば、IT業界と運輸業界では問題が違ってくるのは明らかでしょう。IT業界であれば、ほとんどのケースで、メンタルヘルスに関する問題があります。運輸業界であれば、ほとんどのケースで長時間労働や健康診断の何らかの項目、例えば、γGTPやLDH等に問題のある従業員が少なくありません。健康診断の情報、勤怠情報、ストレスチェックの結果、そして、従業員ヒアリングを元に健康経営の課題を抽出することが、最初のアプローチになります。

②改善提案と計画策定
改善提案と計画策定も健康経営アドバイザーの仕事です。経営者は、効果が見えないことにお金を投下しません。具体的なKPIを設計し、何を改善すれば、経営の何の役にたつのか?それを含めて、現場の従業員の心身の健康改善とリンクしたものにならなければなりません。
多くの企業が、ここでつまずいています。最近、当社への問い合わせの多くが、「健康経営は取得しているが、具体的によくなっているような気がしない」というものです。当社には様々なケースで、実感とKPIの数値改善してきた実績あります。
ここで課題を感じている方は、是非ともお問い合わせください。

お問い合わせ

③施策実施後のアドバイス
組織は長年をかけて、今の形になっています。施策のうち、すぐ効果が出るもの、なかなか出ないものと様々でしょう。当社でよく行うのは、3年間の計画をたてて、そこのズレを修正していくやり方です。いきなり100点を目指すのではなく、まずは60〜70点を狙い、2年目3年目は前年よりも改善していく、そのようなやり方が、一番効果が感じられ、KPI改善も見込めます。
この辺りの指針を持っていない企業が少なくありません。場当たり的に、毎年、経済産業省が追加していく項目を後追いしている企業では、なかなか効果が感じられなかったり、KPIも設計していなければ、何が改善しているのかも分かりづらいでしょう。

健康経営アドバイザーと産業医の3つの違い

健康経営に取り組むに当たり頼りになる健康経営アドバイザーの存在ですが、企業の産業医とどう違うのでしょうか、これから見ていきましょう。

① 健康経営アドバイザーは任意、産業医は法令上必須
健康経営アドバイザーを利用することは必須ではなく、任意になってきますので、強制ではありません。
一方産業医は、50人以上の従業員がいる企業において設置する必要があり、設置していなかった場合は法律により罰金が発生します。
任意で利用する健康経営アドバイザーとは異なり、産業医は法令で設置することが定められています。
従業員数50人未満の小規模企業の場合、産業医の設置義務は発生しませんが、助成金を活用して産業医を設置することが可能になります。

【産業医選任要件】

産業医には、月に1~数回企業訪問をしながら産業医業務に携わる嘱託産業医と、週に3日以上1日3時間以上の勤務をする専属産業医が存在します。
ここでは産業医選任要件につきまして、簡単にまとめてみましょう。

  • 50~999人の従業員がいる企業 1名以上の嘱託産業医の選任が必要
  • 500人以上が有害業務に携わる企業
  • 1,000~3,000人の従業員がいる企業 1名以上の専属産業医の選任が必要
  • 3,001人以上の従業員がいる企業 2名以上の専属産業医の選任が必要

②健康経営アドバイザーはアドバイスまで、産業医は具体的な実施
健康経営アドバイザーは、その名前の通り、健康経営施策実施に向けたアドバイスを提供していきます。
一方産業医は、健康経営を実施するに当たり、専門的立場から施策実施に携わっていきます。
産業医は健康診断結果のチェックやストレスチェック結果、従業員との面談や普段の職場巡視、またそれ以外のデータからより理想的な健康経営の取り組みを可能にする存在といえるでしょう。

③取得難易度の差
健康経営アドバイザーは、東京商工会議所における健康経営アドバイザー資格を取得することで得られる称号となりますが、産業医は特定の要件を満たした医師のみが取得することができます。
健康経営アドバイザーは所定の研修を受け合格すれば得ることができますが、産業医になるためには医師の国家試験に合格していることが前提となってきます。
そのため健康経営アドバイザーと比較すると産業医資格は難易度が高く、同時に医師のすべてが産業医資格を有しているわけではありません。
健康経営アドバイザーは研修を受けることで試験にチャレンジすることができますが、産業医資格は医師のみが特定の要件を満たし有することができるため、難易度に差があるといえるでしょう。
そういった観点から考えてみても、産業医の存在が健康経営を実施する上でより強みとなり、施策実施をする上で頼りになる存在といえるでしょう。

相談イメージ

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「今の産業医に不満があるけど、これってどこも同じ?」
「ほかの会社の産業医って何やってるの?」
「こんな悩み有るけど、これって産業医を頼っていいの?」
など、小さなお悩みから他社の事例など、お気軽に相談ください。

産業医の新規契約をまだ検討していない方も、お気軽に悩みを 聞かせてください。産業医の紹介以外でも、お役に立てるかもしれません。

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監修

栗原 雅直医師
くりはら まさなお

東京生まれ。東京大学医学部医学科卒業、東大病院精神神経科に入局。1960年東大大学院生物系研究科博士課程修了。医学博士。2年間のパリ大学留学後、東大病院医局長、1966年虎の門病院勤務。初代精神科部長。川端康成の主治医を務めた。1990年大蔵省診療所長。財務省診療所カウンセラー