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「4つのケア」の中のラインケア対策の進め方① ~事業者が管理職に提供しておくべきメンタルヘルスの知識やスキル~

2019.05.16

第1回のコラムで、職場のメンタルヘルス対策の推進体制の基本、「4つのケア」を紹介しました(リンク)。今回は、その中の「ラインによるケア」を取り上げます。

ラインによるケアは、管理監督者(いわゆる部下を管理する立場にある管理職の方)が、自分が管理している部下の健康のために行うケアのことです。管理職は、部下の労働環境を普段から把握できる立場にあるので、職場環境等の把握と改善、部下からの相談対応の役割を担うとされています。事業者は、管理職が役割を果たすことができるよう、教育研修や情報提供を行う必要があります。

「労働者の心の健康の保持増進のための指針」(厚生労働省)の中では、管理監督者への教育研修や情報提供において含めるべき内容が示されています。次に示す11の項目です。

 

図.管理職への教育研修や情報提供において含めるべき内容

一度に①~⑪すべての内容を研修やe-learningで提供することは難しいので、次のように段階的に考えることがおすすめです。

まず、第一段階として、①、②、④、⑧、⑩、⑪については事業場の体制や考え方やルールを明確にして、新任管理職研修などの場を活用して管理職全員が把握できる仕組みをつくります。あわせて、情報のまとまっているイントラネット上の専用ページがあると便利です。

第二段階として、③、⑤、⑥、⑦、⑨の内容について、事業場の課題やメンタルヘルス対策の推進状況に合わせて、最低でも年に1回の管理職向けメンタルヘルス研修を企画します。⑤、⑥、⑦については、実際の対応方法について学ぶ必要があるので、ロールプレイや事例検討などの参加型学習を取り入れることがおすすめです。

①~⑪のうち、すでに提供済みのもの、これから提供するもの、それぞれの提供方法を見直すところから始めてはいかがでしょうか。

メンタルヘルスコラムの執筆医師

臨床心理士、心理学博士
関屋 裕希(YUKI SEKIYA)

東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野客員研究員。早稲田大学文学部心理学専攻卒業、筑波大学大学院人間総合科学研究科発達臨床心理学分野博士課程修了後、2012年より現所属にて特任研究員として勤務。2015年より現プロフィール。専門は、産業精神保健(職場のメンタルヘルス)であり、おもに認知行動アプローチを活用した、従業員や管理監督者向けのストレスマネジメントプログラムの開発に従事。業種や企業規模を問わず、ストレスマネジメントに関する講演、ストレスチェックをはじめとする企業の組織的なストレス対策に関するコンサルティング、執筆活動をおこなっている。