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4年目に突入! ストレスチェック制度の運用(事後対策編②) -法定の事後対策、医師による面接指導について-

2019.12.11

前回から、ストレスチェックの事後対策のポイントを紹介しています。今回は、現在は法定の事後対策とされている、医師による面接指導について考えてみます。
現在の法律では、一定の基準に該当した労働者(高ストレスの基準に該当した者:高ストレス者)には、医師による面接指導を受ける機会を設けることが事業者の義務とされています。しかし、厚生労働省が2017年6月に公表した全国平均のデータによると、医師による面接指導の実施率は0.6%とされています。多くの高ストレス者は医師による面接指導につながっていないというのが現状といえます。
一方で、高ストレスの基準で抽出された高ストレス者およびそれ以外の者における、ストレスチェックの実施から1年間で1カ月以上の長期疾病休業に陥る累積ハザードを求めた研究(図)によると、男性では6.6倍、女性では2.8倍、長期休業しやすいことがわかっています。何らかの事後対策につなげられれば、長期休業を防げるかもしれません。
まずは、医師による面接指導を活用するための工夫案を紹介していきたいと思います。
医師による面接指導を申し込まない理由として、①どう役立つかわからなかった、②必要性を感じなかった、③時間がなかった、④勧奨の連絡がこなかった、⑤自分で対処できると思った、といったことが挙げられます。
ここから考えると、次の2つの対策案が考えられます。
ひとつ目は、医師による面接指導に申し込んだあと、どのような流れになるのか、どのような事後対応がされるのかについて、周知をしておくことです。その際、不利益な取り扱いがなされないことも強調しておくとよいでしょう。
ふたつ目は、勧奨についてです。結果フィードバックのときだけでなく、追加で勧奨をすること、また、勧奨のメールに返信するような形で申し込みができるような、手続き上の手軽さも大事です。
さらに、医師による面接指導以外の、ストレスマネジメント研修の実施や、職場環境改善活動の実施、医師以外の専門家による補足的面談などの活動も検討するとよいでしょう。


図.高ストレス者判定基準の妥当性
Akizumi Tsutsumi, Akihito Shimazu, Hisashi Eguchi, Akiomi Inoue and Norito Kawakami., J Occup Health 2018
A Japanese Stress Check Program screening tool predicts employee long-term sickness absence: a prospective study