【第8回】ブラック企業大賞2017|Avenir産業医
           

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【第8回】ブラック企業大賞2017

2018.02.09

ブラック企業大賞なるものをご存知でしょうか。運営主体は「ブラック企業大賞企画委員会」であり、作家や弁護士や大学教授などで構成されています。

社内でのいじめ

ネットを見ていたら、2017年度のブラック企業大賞に「アリさんマークの引越社、関東および関西」が選ばれたニュースが目に入りました(12月23日)。引越社関東のブラックとは、2015-16年の出来事で、おそらく反抗的だったという理由で、ある営業担当の男性社員をシュレッダー係に左遷し、さらには懲戒解雇まで行った(のちに撤回)ことでした。その間、男性の顔写真と解雇理由を「罪状ペーパー」という記事にして店舗に掲載し、また社内報としても配布。これは「いじめ」に他なりません。8月にこれらの行為は不法労働行為」と決定されましたが、この男性社員は「会社を改革したい」という決意をもらしているとのこと。

ウェブ投票賞にはあの企業も

同じWebサイトの記事として、一般投票で決まる「ウェブ投票賞」がNHKに決まったことが出ていました。その理由は、13年7月女性社員がうっ血性心不全で亡くなったことですが、彼女は都議選、参院選の取材などで長時間残業が続き、通常の月間残業が約160時間に達していたといいます。自殺も考えれる内容です。

研修内容でブラック企業認定されることも

新設の「ブラック研修賞」には、ゼリヤ新薬工業が選ばれている。同社は13年4月、新人研修をうけていた男性社員が、研修を委託されていたビジネスグランドサービス社の講師に、過去にいじめられた事件を告白させられています。この社員がのちに研修報告書に「先生(講師)を見返したい」旨を書いたところ、講師に「いつまで天狗やってる」などと面罵され、その結果、彼はうつ病状態になり、研修期間中の帰宅途中に自殺したと言われています。

民族性に起因する根深い問題

こういった話を聞いて、いつも思うことは、これらはまずわが国固有の兵站線無視という文化に起因するということです。ことの後先を考えずに、ど根性でやりさえすれば何事もすべてブレークスルーできるだろうと、一種の思考停止に陥ってしまいます。武器弾薬が足りなければ、時間をかけてどうしたら調達できるかをまず考え、戦闘を始める時期を先延ばしするとか、そもそも戦争をやめるとかの選択を考えず、たりない武器弾薬や食料は敵のものを奪えばよいと、考えることをしないのです。

その辺まったくアングルサクソン民族のやり方(プラグマチズム)の考え方が入ってきません。彼らはことを始めるに当たってのろっちいけれど、状況を把握したあとでは、第二次大戦時のチャーチル首相のように勇猛果敢である。行動方針が揺るがないのです。

さいきん「働き方改革」によって長時間残業が非人道的であるという傾向になったことは喜ばしいことです。しかしどうもお題目や観念論ばかりで、どうしたら合理的に労働量が減らせるかについて、抜本的な働き方の変革が考えられていないように見えます。

長時間残業をいうなら、なぜ役人はあらゆる行動を国会の都合に合わせるため、無制限に残業すべきなのかが分かりません。私が財務省の診療所長をしていたとき、押すべきハンコの数がやたらに多く、国会から質問要旨が来る締め切り時刻が守られず、無駄に時間を費やしている印象を受けました。なかなか簡単にはいかないものだろうが、どうしたらもっとうまく事務方が働けるようにコミュニケーションがとれないか、その状況の非合理性が痛感されたのです。

さらに昨年問題になったのは、電通の過重労働の問題。自殺者が出たため、夜十時以降には残業を避けることになったらしいのですが、その間別の広告会社が仕事を奪ってしまうことがあるらしく、この事件は一説によれば、この女性には異性の友人から捨てられたといった事情もあったらしいが、異なる種類のストレスに同時にさらされると、そのストレスは破壊的な作用を持つこともあるわけだ。だからわれわれは、出来るだけ生活を単純化しておかなければなりません。

また世の中には善意の人ばかりとは限らず、普通の人が突然悪意の人に化けたりもします。そして本人は何か正義感でそういった行為を続けたりもするのです。巻き込まれないような生活の知恵が必要です。