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【第4回】アルコール摂取による心理的影響

2017.12.20

アルコールの大量摂取による影響

ストレスチェックでの点数が高かった50歳代前半の男性を診察しました。まず調査票をチェックしたところ、身長が170cm前後なのに体重は80㎏台後半とやや肥満気味。喫煙習慣はないもののお酒に関しては週に7日飲むというところにチェックが入っていました。

量は毎日2合以上、一般的な酒量と比較して多い印象を持ちました。精神の状態を知るためには、たんに「こころ」からだけのアプローチではなく、身体の面がどう影響する見ることを忘れてはいけません。

先にタバコがどう身体に影響するのかを簡単に紹介しておきます。タバコは「がん細胞」を作るinitiaterとしての作用よりも、それを増殖させるpromotor作用のために体に害があります。

米国は原理主義の国だから、以前禁酒法で酒をやめさせようとした。しかしそれがうまくいかなかったため、今は禁煙を世界中に強制する伝道者になりました。

タバコのよるニコチンやタールなどが身体から排泄される出口の場所、すなわち肺、咽頭や喉頭、膀胱などの臓器が、がんの好発部位になっています。

一方、アルコールは適量を飲んでいれば「百薬の長」である。しかしこの人のように大酒者には、酒の害の方が先に現れてきます。普通は肝臓に悪いことだけがまず考えるが、胃潰瘍から胃がんなどの消化器疾患、さらに脳梗塞や脳出血などの脳血管障害も、お酒による病気としては頻度が高くなります。どんな臓器にどんな病気が出るかは、その人の体質にもよるし、また飲み方や食事の仕方によって異なってくるので、生活習慣や身体の素質などから、起こりやすい病気を推理する必要があります。

この人の場合、肥満気味なので、近未来に起こってくるのは、脂肪肝や糖尿病、さらには血管系の病気などの、いわゆる生活習慣病の心配。こういった病気は、年齢とともに李クスが増えます。私の場合、同じだけ食べ、同じ量を飲んでいると意識していても、たぶん身体の処理能力が低下してきたせいで、高尿酸血症や糖尿病の「未病」状態になってきました。

常習的に飲酒をする人は、どのくらい飲んでいるか質問されると、たいていは実際に飲む量の半分くらいに答えることが多くなっています。だからこの人のように毎日2合飲んでいると答える人は、実際には毎日かならず2合は飲むが、ときには週末などに4-5合の量を飲んでいる場合があります。

また本人が訴えている「うつ気味」でスタミナがなくなったことも、アルコールの飲みすぎと関連している考えるべきでしょう。私なりの見解では、肝臓は体内で必要とするホルモンなどの製造工場であると同時に、老廃物の処理工場でもあります。だからアルコールという有毒物質の処理に手いっぱいになると、スタミナ源である男性ホルモンや副腎皮質ホルモンなどの製造に手が回らなくなるのです。

月曜日の遅刻・欠席とアルコール摂取の関係

アルコールを飲むとすぐに眠くなるからと催眠剤がわりにお酒を飲む方がいます。睡眠薬のような化学物質には抵抗を感ずるが、自然界の産物で食べ物に近いお酒で眠ることに関してあまり気にしていない方です。しかしアルコールが分解されてアセトアルデヒドになった段階で、これには覚醒作用があるため、お酒を飲んで眠ったあと、3時間前後で目覚めたりするし、そのとき目がさえて眠れなくなるのです。だから夜中に目覚めたとき、さらにアルコールを摂取し睡眠剤代わりにするというループが起こります。そんなことをしているうちに、だんだんアルコールの処理能力が向上し、酒量が増えてくるという悪循環です。
アルコール依存症の人は朝から寝たり起きたりしながら、チビチビとお酒を飲んで過ごすことが多くなります。ビールなどを点滴静注するようなやり方で(自己投与)、昼頃から続けざまに飲む人も結構多くなり、自然と朝の寝起きも悪く、せっかく目覚まし時計で目が覚めても、体調が悪いので、風邪を引いたなどという口実で、会社を休んだりします。これがBlue Mondayの現象。ある役所の調査では、月曜日にそんな理由で休む人が多いという結果がでました。