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産業医によるメンタル休職からの職場復帰支援とは?

2021.08.12産業医

病気やケガによりドクターストップがかかり、仕事を休職された経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
近年ではメンタル不調により休職する労働者も多く見られます。休職者は職場復帰を目的とし体調回復を目指しますが、休職者を対象とした職場復帰支援の中にはどういったものがあるのでしょうか。
今回は、メンタル休職者の職場復帰支援について、産業医の役割について触れながら見ていきます。

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メンタルの不調が原因で休職する人の割合

現代はストレス社会と揶揄されており、特に日本は世界的にもストレス大国として知られています。
厚生労働省が平成30年度に行った調査によると、仕事や職業生活をする上で強いストレスを感じることのある労働者の割合は、全体の54.2%です。労働者の過半数がストレスを感じていることからも、日本がストレス社会であることが分かります。

【メンタル不調の原因】

メンタル不調の主な原因について見ていきます。

〈仕事内容〉

仕事の量が多く、強い責任を伴う内容の場合、知らず知らずのうちにストレスが備蓄されていることも珍しくありません。「まだ大丈夫」「もっと大変な人もいるから」と無理して労働を続けることで、急にメンタルに不調をきたし、仕事が手につかなくなるケースもあります。

〈仕事の失敗〉

大小さまざまな失敗によって、自分を責めてしまうケースも多々あります。特に大きな失敗を起こした場合、会社に迷惑をかけてしまったことで必要以上に自分を責めてしまい、メンタルの不調に陥るケースも珍しくありません。

〈職場の対人関係〉

対人関係によってメンタル不調を訴える場合もあります。特にセクハラやパワハラといった各種ハラスメントは大きな問題です。

  • 挨拶を無視される
  • 相性が悪く業務上支障が発生する
  • 必要な仕事を教えてもらえない
  • 小さなことで必要以上に責められる
  • 人前で怒鳴られ罵られる

毎日の生活の中で強いストレスを感じることが当たり前だと、メンタル不調に陥るのも時間の問題でしょう。

【メンタル不調で休職になるケース】

ストレスを深刻な問題として捉えられないことで、メンタル不調に陥るケースもあります。悩みを相談してもまともに相手にしてもらえず、1人で抱え込んでしまう場合もあります。
突然出社拒否してしまうケースは、つもり重なったストレスが原因な場合もあるので、気付かないような小さなストレスにも注意が必要です。

職場復帰までの流れ

職場復帰までの流れ

休職から職場復帰をするまでの流れについて見ていきましょう。

休職までの手続き

労働者が休職する際は以下の手順で行います。

  • 労働者の主治医が作成した「病気休業診断書」を管理監督者へ提出
  • 管理監督者は人事労務管理スタッフなどに診断書が提出された旨を報告

休業中のケア

休業中は職場の管理監督者や産業保健スタッフによる労働者の心のケアが必要となります。
具体的なケアの方法は以下の通りです。

  • 不安を相談できる窓口を紹介する
  • 主治医と連携した上で休業中にも連絡を取る
  • 公的または民間の職場復帰サービスについて情報提供をする
  • 傷病手当金・休業最長期間などの休業制度の説明や、事業外支援の情報提供をする

このように労働者が安心して休業できるように配慮するとよいですね。また、休業期間満了後の雇用契約に関する内容は就業規則に定めておきましょう。

職場復帰可能かの判断

労働者の職場復帰に際して最初は主治医の判断を仰ぎますが、最終判断は産業医や職場の上司と共に行なうので、それぞれが連携し情報を共有することが大切です。

  • 労働者が職場復帰を希望する
  • 主治医に職場復帰可能かを判断してもらう
  • 「職場復帰可能」の診断書を職場に提出
  • 産業医から職場復帰可能か判断を仰ぐ

主治医の判断だけでは職場復帰は難しいことは頭に入れておきましょう。

産業医の意見書に基づいて職場復帰の決定

職場復帰の最終決定は、産業医の意見書に基づき事業者によって判断されます。意見書は休職者の現状や再発の有無を判断した上で作成されます。
職場復帰が決定したら、復職後の対応や配慮の内容について求職者に通知があります。休職者は主治医にそれらの内容を伝えておくとよいでしょう。

職場復帰後のフォロー

労働者の職場復帰をフォローするためには「職場復帰支援プログラム」を実施するとよいでしょう。

職場復帰支援プログラムとは

  • 復職への具体的な流れを決める
  • 関係者の役割を定める
  • 労働者ごとにプランを用意する

プログラムの実施には産業医の存在が不可欠です。労働者のプライバシーに留意し産業医が適切な助言を行なうことで労働者のスムーズな職場復帰が可能です。必要に応じて産業医は労働者に対して面談を行うとよいでしょう。
また、プログラムの実施は管理監督者や労働者の主治医、産業保健スタッフとも連携をとりながら全体で取り組む姿勢が不可欠です。

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職場復帰支援では産業医の助言や面談が重要

職場復帰支援では労働者に合わせたプランを作成することが重要で、産業医を始めとした産業保健スタッフを中心とし、労働者の主治医と連携をして取り組みます。
産業医は必要に応じて労働者に面談を行うとよいでしょう。労働者の心身の健康状態を把握しておくことが職場復帰を支援するための第一歩となります。

より適切な判断が可能な産業医

職場復帰支援には産業医の協力が必要不可欠ですが、悪質な産業医もいるため注意が必要です。中には充分に職務を行わず、不調を訴える労働者を見て見ぬふりする場合もあります。
そのような産業医に当たってしまえば求職者の職場復帰は難しいでしょう。職場環境を整えるためにも優秀な産業医を設置することをおすすめします。

産業医が面接を行うタイミング

労働者が職場への復職を希望している場合、いつ産業医との面接を設ければよいのでしょうか。こちらでご紹介いたします。

主治医からの診断書を提出してもらう

復職の面接を行う前に、休職していた労働者の主治医から診断書を発行してもらう必要があります。
通常は主治医が1度の診断で出してくれることはないでしょう。診断書に記載する内容は体調やメンタルなど多くの判断要素から決まります。そのため、診断書を出してもらうまでに複数回の診断を受けねばなりません。
診断書を発行してもらう際には、就業上配慮が必要なことがあれば主治医の意見を書いてもらうことも必要です。たとえ日常生活に支障がなくても、業務に必要な体力まで回復していないことがあるからです。
労働者が副業の意思を伝えてきたら、診断書の提出を忘れずに伝えておきましょう。

復職前の産業医による面接

復職前の面接は、労働者が復職を希望したタイミングで行います。
復職後に労働者が再び休職しないよう、支援することが産業医には求めらます。面接前に産業医は主治医の診断書から労働者の状態をよく把握し、どのようなケアを行えば復職できるのかを考えましょう。
ただし、気を付けておきたいのが、主治医による診断書が労働者の希望により過ぎていることがあるという点です。経済的理由から十分な回復がない状態で復職しようとする労働者もいるため、業務内容や企業内の状況から注意深く判断を仰ぎましょう。

主治医と産業医の意見が異なる場合

なかには主治医と産業医の意見が異なることもあります。そのような場合は、労働安全衛生法第13条の3、4に従い、産業医の判断を優先してください。
主治医と産業医は立場が違うため、主治医は労働者のメンタルに寄り添いますが、産業医は企業と労働者の中間的立場にいるため、中立的な判断を求められます。また、労働が問題なく行えるかという点だけでなく、求められる基準を満たすことができるのかも判断します。

企業が行う対策

産業医による面接から、企業ではこれらの対応が求められます。

就業規則やマニュアルの整備

休職から復職までの流れを就業規則やマニュアルとして用意しておくことで、対応がスムーズになります。就業規則には休職制度の概要や手続きの方法、診断書などについて十分な規則があるのかを確認しましょう。
また、休職中や復職の際のマニュアルを用意することで、産業医とより綿密な連携がとれるようになります。マニュアルを製作する際は産業医の意見も求めましょう。

職場環境の改善

もし労働者の休職原因が職場にあった場合、産業医からどのような改善が必要なのか意見を伺いましょう。変えられる環境があれば改善することが労働安全衛生法第66条の4で増悪防止措置として定められています。作業場所や業務内容の変更のほか、労働時間の短縮などが必要です。

再発の予防

復職後は細かなケアが必要です。産業医と労働者の状態を共有するだけでなく、必要な配慮を労働者の周囲にも伝えておくことで再発防止に役立ちます。ただし、労働者の状態は個人情報でもあるため勝手に話すことはできません。労働者の同意を得てから、周囲に協力を仰ぐようにしましょう。

産業医の探し方

ここでは産業医の探し方について解説します。

産業医紹介サービス

産業医を探す場合に最も迅速で確実に探すことのできる方法が、産業医紹介サービスを利用することです。産業医を探すことは労力や時間、手間もかかる作業ですが、産業医探しを代行してもらえることで時間の有効活用が可能です。
優秀な産業医が多数登録しているケースも多いため、複数の産業医の中からより希望に沿った産業医を選任できる確率も高く、スタッフが間に入るためやり取りもスムーズです。
紹介料がかかってきますが、その分手厚いサポートやフォローを受けることができます。

医師団からの紹介

医師団に依頼をして産業医を紹介してもらう方法もあります。
事業所の場所や地域によって契約の条件等は異なるので各地域の医師会に相談するとよいでしょう。また、日本医師会では産業医の紹介には対応していないので注意が必要です。

産業医を自ら探す

社内や取引先のツテで産業医を探す、知り合いの医師で産業医認定証を有する医師がいれば直接依頼をするといった方法もあります。
一見簡単な方法になりますが、見つかる産業医が限られる上、義理やしがらみがあるため問題が発生した場合に意見をしづらいことがデメリットとなります。

おすすめ産業紹介サービス

産業医クラウドという紹介サービスをご存知でしょうか?
産業医クラウドは、「休職を予防する未来型産業医」の紹介をしている紹介サービス会社で、通過率20%未満の厳しい面接を突破した優秀な産業医が登録していることが特徴です。
スタッフによる漏れとすき間のないサービスも特徴的で、産業医選任後のフォロー体制も充実しております。

産業医選任時に必要な書類作成や提出の代行はもちろんですが、産業医との関係性のフォローや訪問日程調整、復職プログラム運用や衛生委員会立ち上げのサポートに携わることが可能です。
地域によっては対応していない紹介サービスもありますが、Avenirは全国に対応しておりますので、地方に事業所を構える場合も諦めてしまう前に、まずは一度ご相談いただければと思います。

まとめ

ストレスの多い現代社会では、メンタルの不調により休職する労働者がますます増えていくことでしょう。そんな求職者を職場に復帰させるためには産業医を中心に充実した職場復帰支援を行う必要があります。
職場復帰支援には優秀な産業医の存在が不可欠ですが、優秀な産業医を探すのは難しいとお考えではないでしょうか。そんな時はぜひ一度ご相談ください。

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監修

栗原 雅直医師
くりはら まさなお

東京生まれ。東京大学医学部医学科卒業、東大病院精神神経科に入局。1960年東大大学院生物系研究科博士課程修了。医学博士。2年間のパリ大学留学後、東大病院医局長、1966年虎の門病院勤務。初代精神科部長。川端康成の主治医を務めた。1990年大蔵省診療所長。財務省診療所カウンセラー