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産業医を変更するには？手続き方法や失敗しない選び方を解説

2021.01.28手続き

産業医は労働者の健康を守るためにさまざまな役割が課せられています。

企業に所属する産業医が優秀であれば、その分働きやすい労働環境が整いやすくなりますが、残念なことに、自身の役割をしっかりと果たしていない産業医も中には存在するようです。

そのような悪徳な産業医を変更したいという場合は、どのような手続きをすれば良いのでしょうか。今回は、産業医の変更手続きの手順や新任の産業医を選任するポイントなどを解説していきます。

産業医を変更・交代するための手続き
- 産業医選任報告書
産業医を変更したくなる3つの理由
産業医を変更できない場合
- 産業医が変更できない場合はどうする？
- 産業医2名の選任について
産業医選びで失敗しないための3つのポイント
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まとめ

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産業医を変更・交代するための手続き

産業医を変更する場合は、現在の産業医を解任してから14日以内に新たな産業医を選任する必要があります。

新たな産業医の選任には、以下の2つの書類を労働基準監督署へ提出する必要があります。

失敗しない産業医の探し方とは？探す際のポイントもご紹介

産業医選任報告書

産業医選任報告書（総括安全衛生管理者・安全管理者・衛生管理者・産業医選任報告様式）という書類に必要事項を記入して提出します。

記入する内容は前任の産業医と後任の産業医のそれぞれの個人情報や事業所の詳細です。記入情報を事前に用意しておくことで、書類作成がスムーズに行えるようになります。必要な情報は下記の通りです。

労働保険番号
事業場の種類
法人番号
法人名・事業場名
事業場の所在地
労働者数
産業医の情報（氏名、選任年月日、生年月日、選任種別、参考事項※）
前任者の情報（氏名、辞任・解任の年月日）
書類の情報（提出年月日、提出先名、事業者の氏名、捺印または署名）

※参考事項は産業医の専門科名です。開業医の場合はその旨を記載し、産業医に初めて選任された場合は「新規選任」と記載します。

注意点として、産業医選任報告書は提出する所轄の労働基準監督署によって異なるため、必ず事前に所轄の労働基準監督署に確認するようにしてください。

産業医選任報告書は厚生省のサイトからダウンロードすることができます。
参照：総括安全衛生管理者・安全管理者・衛生管理者・産業医選任報告｜厚生労働省

医師免許証のコピー

産業医認定証か、労働衛生コンサルタント登録書のコピーの提出が必要です。

産業医を変更したくなる3つの理由

産業医を変更したくなる理由は主に以下の3つです。

①産業医のスキルの乏しさ

産業医を変えたくなる理由として産業医としてのスキルの乏しさが挙げられます。産業医は会社の中でさまざまな業務を行うことになりますが、それらの業務を果たせるだけのスキルが足りない場合があるのです。

昨今では、メンタルヘルスのケアに対する需要が高まっていますが、産業医の中にはメンタルケアの知識もないままに誤ったカウンセリングをしてしまい、労働者の気分を害してしまうことがあります。

また、偏った医学の知識によって健康アドバイスをうけてかえって健康状態を悪化させてしまうケースもあります。労働者の抱えている問題は1人ひとり違うので、広い視野をもった中立的な意見が言える産業医を採用しなくてはいけません。

②コミュニケーションの問題

産業医が労働者に対してやる気のない対応をしたり、偉そうな対応したりすることで、労働者を不快にさせてしまうことも問題になっています。そのようなコミュニケーションを取ってしまうと、労働者と信頼関係が築けず、労働者の現状把握もできないので、誤ったアドバイスを促してしまうことになります。

産業医としての知識や経験があったとしても、良質なコミュニケーションが取れなければ、結果的に会社内の労働者の健康を損ねてしまうでしょう。

③業務の放棄

産業医の業務としては

職場巡視
労働者との面談
健康診断の結果のチェック
衛生委員会の開催

などが挙げられますが、それらの業務を放棄する産業医も少なくありません。

特に産業医は「面談が必要な労働者」と面談することが義務付けられていますが、そういった労働者を見て見ぬふりしたり、「時間がとれない」という理由で面談を先延ばしにしたりといった行動が問題となっています。

また、「衛生委員会」という労働者の健康保持のための調査審議の場を設けるのも産業医の業務ですが、義務ではないという理由で開催を怠る産業医も少なくありません。

他にも産業医の業務放棄の事例はさまざまですが、そんな「名ばかりの産業医」を採用してしまわないように注意が必要です。

産業医を変更できない場合

産業医が変更できない場合はどうする？

産業医を変更したいと考えていた場合でも、人間関係や企業の付き合いとして難しいケースも中にはあるのではないでしょうか。そのような場合には、産業医をもう1人選任し、産業医の2名体制を取ることで改善することが可能です。

ただし、新しく別の産業医を選任することで、既に契約している産業医が不安を感じる可能性や、産業医の名義のみを貸し出す違法行為の疑いをかけられる可能性もあります。産業医が不安を感じたままだと、産業医同士の間にもわだかまりが生じかねませんので、話し合いを十分に行い、慎重に進めるようにしてください。

産業医2名の選任について

産業医の2名体制をとっている企業は、労働者数が3,000人未満の場合もあります。労働者数が3,000人以上の場合は産業医2名以上の選任が義務付けられていますが、人数の上限は設けられていません。

なお、同時に2名以上の産業医を選任することによって、提出する産業医選任報告届が複数ページになる場合は、ページ数も記載するようにします。2名の場合は1ページに「1/2」、1人の場合は「1/1」と右詰で記載します。

常時労働者数が3,000名を超える事業場では、産業医は2名とも専属であることが条件です。もし、3,000名に満たない場合は嘱託産業医でも問題ありません。

必要となる産業医の人数

従業員数50～499名…嘱託産業医1名以上
従業員数500～999名…嘱託、または専属産業医1名以上
従業員数1,000～3,000名…専属産業医1名以上
従業員数3,001名～…専属産業医2名以上

従業員数が500～999名の場合でも、夜勤を含め危険物の取扱を行うなど有害業務従事者がいると専属産業医であることが求められます。

産業医選びで失敗しないための3つのポイント

新たな産業医選びに失敗しないためにも、選任の際は以下の3つのポイントに注意しましょう。

①産業医としてのスキル

産業医の存在は労働者の心身の健康を維持するのに欠かせません。しかし、しっかりとした専門性を身に着けた産業医でないと、労働者の心身の健康をかえって損ねてしまう可能性があります。

選任の際は、履歴書や面接等で以下のスキルの有無を見極めると良いでしょう。

メンタルヘルスに関する知識が身についている
健康診断やストレスチェックを正しく実施・対応できる
安全衛生委員会の開催に対する知識がある
職場内の巡視によって適切に職場環境の改善を促せる

以上のようなスキルが身についているかを事前に確認することが、良い産業医を見分けるポイントです。

②コミュニケーション力

産業医としての知識や経歴だけでなく、労働者とコミュニケーションを取れるかどうかも産業医を選任する上での重要なポイントになります。

産業医としての業務の中には、労働者に対するカウンセリングや、健康に関するアドバイス、業務の継続が可能かの判断を行うことがあります。

いずれも多くの労働者に親身になって接する必要があるので、面接する際はコミュニケーション能力の有無もしっかりと見極めましょう。

③自分の会社の求める人材であるか

前任者がなぜ自分の会社に合わなかったかを含め、自分たちの必要とする人物像をはっきりさせておきましょう。長時間労働者の人数や女性の人数、休職者の有無など、それぞれの会社の抱えている健康問題は異なります。問題に応じて会社がどのような産業医を求めているかを把握しておくことで採用後のミスマッチを事前に防ぐことができます。

また、必要とする人物像を面接の際に伝えておくと、ミスマッチを防ぐだけでなく、業務への移行もスムーズになるのでおすすめです。

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