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テレワーク中のメンタルヘルス対策。産業医と連携して対応しよう

2020.10.04産業医

テレワークとは

テレワークとは、ICT(情報通信技術)を利用し、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方です。(総務省ホームページより)

テレワークという働き方はこれまであまり一般的ではありませんでしたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により世間に大きく認知され、新しい働き方として注目され始めました。2020年、テレワークに初めて携わった方も多いのではないでしょうか?
テレワークは出社しないため、通勤時間や人間関係によるストレスが軽減するような印象がありますので、メンタルヘルスの安定に繋がる印象があります。

その一方で、テレワーク特有の課題も浮き彫りになり、それに伴うメンタルヘルス対策も注目されておりますが、テレワーク中のメンタルヘルス対策はどのようにすれば良いのでしょうか?
これから見ていきましょう。

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1.テレワーク中の従業員のメンタルヘルスに関する問題

テレワークは自宅や図書館、コワーキングスペースやサテライトオフィス、カフェなど好きな場所で仕事ができることがメリットで、「withコロナ時代」ならではの働き方といえるでしょう。その一方で発生するストレスや、メンタルヘルスの問題も懸念されます。

1.1.新型コロナによりストレスを抱える人が増えている

2020年、新型コロナウイルス拡大により自粛期間が設けられ、外出を控えるように呼びかけられました。いつどこで感染してしまうか分からないウイルスの存在、マスクの着用やうがいや手洗いの徹底化、外出自粛や娯楽施設の閉鎖、イベントや会食の中止等は我々の生活に大きなストレスをもたらしました。

皆様も何かと、新型コロナウイルスによるストレスを受けられた経験があるのではないでしょうか?

街中を歩くだけでピリピリした雰囲気を肌で感じることも多く、SNSによる感染者への心ない中傷もより顕著になり、一時期はマスクなどの買いだめによるトラブルも発生しやすくなりました。

自粛によるストレスは、あらゆる職種、子供から高齢者まであらゆる年齢層に影響を及ぼしているといえるでしょう。

1.2.直接コミュニケーションを取れないテレワークは従業員の健康管理がしづらい

テレワークは直接コミュニケーションが取れないため、様々な意味で孤独な業務ともいえます。

会社に出社していれば、質問したいことがあれば直接質問でき、仕事中に雑談を交わすことで困っていることを伝えたり、気分転換に繋がることもあります。

一方で、直接コミュニケーションを取れないテレワークは従業員のストレスも発生しやすく、直接対面して会話をしない分、企業側も相手の体調や健康状態についてこれまで以上に把握が困難になってきます。

実際に、テレワークに携わる従業員の体調の変化を見落としてしまうこともあるでしょう。

直接コミュニケーションを取れないことは、従業員の健康管理がしづらいというデメリットも発生し、特にメンタルヘルスによるストレスを引き起こしやすい状況を作り出してしまうかもしれません。

2.テレワーク中のメンタルヘルス対策として従業員個人ができること

テレワーク中のメンタルヘルス対策は、従業員自ら対策をすることが重要です。テレワーク故にメンタルヘルス問題発生の可能性があることを頭に入れた上で、各々対策することが大切です。それではテレワーク中のメンタルヘルス対策として、従業員個人ができることとして、どのようなものが挙げられるのでしょうか?

2.1.生活リズムを崩さない

出社しないことは通勤時間をカットできる上、自由な時間も多くなり、魅力的に感じる面があるかもしれません。

一方でテレワークや外出の自粛により、飲酒量が増える、就寝時間が遅くなるなど生活リズムが乱れた経験のある方も多いのではないでしょうか。

娯楽が減少したことによりこれまで以上にスマホを触っている時間が増えた方も多いでしょう。けれども就寝前のスマホ画面の光が血中のメラトニン濃度の低下させ、睡眠の質を低下させてしまうなどの指摘があり注意が必要です。

食事が1日3食から2食に減った方もいらっしゃれば、逆に1日の食事量が増加し「コロナ太り」された方もいらっしゃるでしょう。

出社しないで良いテレワークは生活リズムが崩れてしまうというデメリットもありますので、生活リズムを崩さぬよう、注意することが大切です。

例えば栄養バランスの良い食事を作ることや時間を決めて部屋の掃除をすること、スマホを見る時間を減らすことや好きな音楽を聴くこと、起床時間はこれまで通りにするなど、そういった小さなことを積み重ねることで生活リズムを崩さないで過ごすことが可能になっていくのではないでしょうか。

2.2.外に出て日光を浴びる

人は特に午前中に日光を浴びることで覚醒を促して活動しやすくなります。

日光を浴びることで血中のメラトニン濃度が低下し、いわゆる「体内時計」を正しく管理することができますし、実際外に出ることで気分転換ができる方も多いのではないでしょうか。

新型コロナウイルスによる外出自粛により、外出機会が減少してしまった方も多いでしょうが日光を浴びることはとても大切なことです。

毎朝、自宅の玄関先やベランダ等、外に出て日光を浴びてみてはいかがでしょうか?

2.3.散歩やストレッチなど運動を心がける

心と身体は繋がっていると良く言われますが、実際運動不足になったことでメンタルヘルスの不調を引き起こすきっかけになってしまった方もいらっしゃるのではないでしょうか?

スポーツジムや娯楽施設の閉鎖、再開しても感染の不安から足が遠のいてしまった方も多いでしょう。

出社する手間を省くことができるテレワークは魅力的に感じる半面、活動量が低下し、運動不足になってしまう可能性があります。

それでも運動不足を引き起こさないよう、散歩やストレッチといった手軽にできる運動を心掛けるだけで、ずいぶん状況は変わります。

散歩のような運動は、ソーシャルディスタンスを保つことができれば良いとされておりますし、マスクを持参しながら散歩をすることは有効的な運動となるでしょう。

暑い時期はマスクをつけることで熱中症の危険が増加します。厚生労働省は「屋外で人と十分な距離(少なくとも2m以上)が確保できる場合には、マスクをはずすようにしましょう」と呼び掛けています。

家の中でできるストレッチも有効ですし、動画チャンネルを見れば数多くのストレッチや筋トレ、ヨガの動画を見ることができますので、こういったものを参考にすることも1つの方法です。

家の中にスペースがないためストレッチも難しい場合は、布団やベッドの上を使って実施してみても良いでしょう。

行き詰ってしまった時やストレスを感じてしまった時は、気分転換に散歩やストレッチをされてみてはいかがでしょうか?安全を確認してマスクを取ると呼吸がすっと楽になり、頭がスッキリするかもしれません。

2.4.ビデオ通話などで他者とコミュニケーションを取る

オンライン飲み会という言葉も今では浸透しておりますが、ビデオ通話を通じて他者とコミュニケーションを取ることも、メンタルヘルス問題を対策するという意味でも有効的な手段の1つといえます。

人間は周囲との関わりがとても重要です。現在の通信技術は目覚ましい速度で進化しており、ビデオ通話も簡単にできるようになりWiFi見つければ瞬時に他者とコミュニケーションを取ることができるようになりました。

この時期だからこそ、ビデオ通話やグループチャットなどを通じて、遠い友人ともつながるなど、他者とコミュニケーションを取ることでメンタルヘルス対策を図ってみてはいかがでしょうか?

3.テレワーク中のメンタルヘルス対策として企業ができること

テレワーク中のメンタルヘルス対策は個人で対策する「セルフケア」も大切ですが、管理職が従業員の健康管理をする「ラインケア」という意味でも、企業としてできるメンタルヘルス対策への工夫を凝らすことが大切です。

それではテレワーク中のメンタルヘルス対策として、企業ができることはどういったことになるのでしょうか?これから見ていきましょう。

3.1.まずはテレワーク中の勤務態度や状況について従業員を信用する

テレワーク中は、企業と従業員がコミュニケーションを取っていくことが大切です。

テレワーク中、テレワークをしている従業員と出社している従業員の間で温度差が発生することもあり、出社している従業員の中にはテレワークをしている者に対し、「楽をしている」という印象を抱いてしまうこともあるかもしれません。けれどもテレワークも業務命令に基づく業務ですので、そのような評価は不適切です。

勤務態度や状況について企業側が信用しないと、テレワーク中の従業員にとって更なるストレスを与えてしまうかもしれません。

テレワーク中に発生するストレスがあることや、テレワーク中の従業員もそれぞれ勤務をこなしていることを踏まえた上で、企業側がテレワーク中の従業員の勤務態度や状況についてまずは信用することが大切です。

テレワーク中の従業員の体調や健康状態についても正しい報告をしてもらい、その情報により適切な対策が取れるのではないでしょうか?

同時に従業員の体調について、仮に不調があれば申し出るようにしやすい環境を整えることも大切といえるでしょう。

3.2.従業員個人でできるメンタルヘルス対策について情報を共有する

テレワーク中、従業員個人でできるメンタルヘルス対策は先ほど述べましたが、そういった情報も共有できていなければ、知り得ることができないかもしれません。

部下自身のセルフケアを促す意味でも、情報共有することは大切です。

より有効的なメンタルヘルス対策は従業員個人により異なってきますので、個人でできるメンタルヘルス対策を幾つか挙げておくことで、より有効的な対策を自らするためのヒントに繋がっていくのではないでしょうか?

ビデオ通話やチャット、会社のHPやメールなどを使い、メンタルヘルス対策について情報共有するように工夫することも大切です。

メンタルヘルス対策の一環として、参考になるサイトやコラムの紹介をしても良いかもしれませんね。

テレワーク中だからこそできる方法で、事業所の中でメンタルヘルス対策に関する情報の共有をされてみてはいかがでしょうか?

3.3.健康面での相談窓口を用意しておく

テレワーク中は、出社している従業員とテレワーク従業員の間に情報格差が発生しやすいと考えられます。テレワーク中のストレスに繋がり、メンタルヘルス対策が必要となってきますし、何よりテレワーク中の従業員の健康管理は、より困難を強いられます。

従業員のメンタルヘルスケアを考慮するという意味でも、健康面での相談窓口を用意しておくことが大切です。

それと同時に、相談しやすい環境づくりのためにも社内で情報周知をし、呼びかけていくことも大切になってくるでしょう。

テレワーク中だからこそ、健康面での相談窓口が用意されていれば、従業員もよりメンタルヘルス対策を取りやすくなるのではないでしょうか?

3.4.定期的にオンラインで面談を行う

健康面での相談窓口を用意しても、テレワーク中の従業員が遠慮して相談できなければ、本末転倒になってしまいます。
対面でなければ適切な相談ができない、と考えてしまう従業員もいるかもしれませんが、メンタルヘルス対策のために、定期的にオンラインで面談を実施することも大切です。
対面せずとも、上司と部下が一対一で対話することで、上司も部下の状況把握をある程度でき、部下も対話することで解決策が見えることもあれば、話すことでストレスの軽減も期待できるかもしれません。
ストレスは備蓄されれば大きくなり、それがメンタルヘルス問題へと繋がってしまいます。
そのためメンタルヘルス対策は早期発見・早期対策が重要とされており、そのためにも定期的なオンライン面談は有効になってくるでしょう。

メンタルヘルス問題に繋がる小さな芽を見つけて摘み取るためにも、定期的なオンライン面談は大切なきっかけになり、テレワーク中のメンタルヘルス対策として重要な働きかけといえるでしょう。

3.5.オンラインでストレス・チェックサービスを利用する

企業で実施するストレスチェックをオンラインで受けることも可能ですし、テレワークが導入されている現在だから、オンラインストレスチェックサービスを導入されている企業も増加しているのではないでしょうか?

オンラインストレスチェックサービスと聞けば気軽に受けられそうな印象もあるでしょうし、簡単なチェック項目にチェックを入れることで受けることが可能であり、価格も手ごろといわれております。

オンラインということで不安をお持ちの方もいらっしゃるでしょうが、オンラインストレスチェックサービスの結果につきましては、ストレスチェック実施者以外の閲覧はできない仕組みになっております。

オンラインストレスチェックサービスを未導入の場合、この機会にご検討されてみてはいかがでしょうか?

3.6.必要に応じて産業医に相談する

メンタルヘルス対策は専門家の力が不可欠といわれますが、テレワーク中のメンタルヘルス対策を社内のスタッフのみで実践しようとすれば、限界も発生するでしょう。

そこで必要に応じて、自社の産業医に相談することもメンタルヘルス対策において重要になってきます。

産業医は、従業員の健康管理を担う役割を担い、専門的立場から適切な判断や助言・指導をしていきます。

医師免許と産業医資格を有している産業医だからこそ、より高度で専門的な助言が期待できますし、コロナストレスやテレワークによるメンタルヘルス対策の場において、産業医の存在は欠かせないのではないでしょうか?

オンライン面談に対応している産業医も存在し、テレワークが大幅に導入されている現在、オンライン面談に対応している産業医も増えてきていることでしょう。

特に、テレワーク中のメンタルヘルス対策は直接対面しない分、早期発見・早期対応が重要になってきますので、迅速に産業医へ相談をし、対応してもらうことが大切になってきます。

4.テレワーク中のメンタルヘルス対策として産業医ができること

テレワーク中のメンタルヘルス対策は色々存在しますが、中でも産業医に相談する方法はより専門的でかつ有効的ともいえます。それではテレワーク中のメンタルヘルス対策として、産業医ができることは、どのようなことになるのか見ていきましょう。

4.1.オンライン面談

新型コロナウイルス感染症発生以前から、産業医によるオンライン面談は存在しましたが、これまではあまり認知されていませんでした。

けれども新型コロナウイルス感染症に伴いテレワークが浸透し、産業医によるオンライン面談も認知されてきたのではないでしょうか?

そうでなくても以前から、病院やクリニックでオンライン診療を受けることができるという話を聞いたことのある方もいらっしゃるかもしれませんね。

そもそもオンライン面談は、直接面談することが困難なケースに有効であり、テレワークやソーシャルディスタンスが謳われている現在、注目される方法ではないでしょうか。

直接対面するわけではないので、デメリットもありそうですが、直接会話することで声の様子からその時の状況把握をある程度することが可能になります。

ビデオ通話で面談することで、顔色や表情を見ることができますし、そこから様々な判断をすることも可能になってくるでしょう。

従業員もオンライン面談をしたことで気持ちの面でも安定していくかもしれません。

4.2.ストレスチェックの結果のチェックおよび指導

従業員数50名以上を抱える企業にて、年に1度の実施が義務付けられているストレスチェックですが、オンラインで受けることも可能です。

実際にストレスチェックをオンラインで受けた経験のある方も、いらっしゃるのではないでしょうか?

そういった観念から考えると、ストレスチェック結果もオンラインで確認できるでしょうし、更には産業医による事後の面談をオンライン上で受けることもできることは容易に想像がつくかもしれませんね。

実際にオンラインで、産業医によるストレスチェック後の指導を受けられたこともある方も、いらっしゃるかもしれませんね。

ストレスチェックでどのようなことが見えてきたのか、改善するためにはどうすることが有効的なのか、社内の労働環境を把握している産業医だからこそ、適切な助言や指導が期待できます。

テレワーク中だから発生するストレスやそのための対策、今現在の課題や改善策など、自社の産業医だからこそ適切な判断や指導が可能になってくるのではないでしょうか。

4.3.休職が必要な従業員がいる場合の対応

場合によりましては、テレワーク中に生じるメンタルヘルス問題により休職が必要と判断される従業員が発生するリスクもあるでしょう。

テレワークを導入することは、出社勤務の従業員にかかる負担も大きくなりますので、出社勤務の人間のメンタルヘルス悪化も懸念され、場合によりましては休職が必要となるケースも考えられます。

メンタルヘルスの状況が思わしくない従業員を更に働かせることは、状況の更なる悪化を引き起こし、突然の出社拒否や退職に繋がってしまうケースも懸念されます。

そういった事態を回避するためにも、産業医による面談や就労制限の判断は大切であり、テレワーク中の時期だからこそ、産業医による正しい判断は重要になってくるのではないでしょうか?

また、休職中の従業員が復職するにあたり、ルールの整備も必要です。例えば、いきなりテレワークによる復職を認めるか、などになります。このルールや手続きについては、まだ取り組めていない事業所が多いかと思いますが早目の準備が必要です。

今は休職が必要な従業員がいない場合も、いずれにしてもテレワークに対応してくれる産業医の存在は重要になってくるといえるでしょう。

テレワーク中のメンタルヘルス対策として休職者対応は、産業医のできる大切な業務の1つになってきます。

当然ですが、休職を防止するための対策も重要ですので、復職や再発予防の観点からも産業医の存在は必要不可欠になってくるのではないでしょうか?

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監修

吉村健佑
よしむらけんすけ

労働衛生コンサルタント(保健衛生)
精神保健指定医、精神科専門医・指導医、医療情報技師
公衆衛生学修士・医学博士
千葉大学医学部医学科卒業後、千葉県内で精神科医として診療に従事。
東京大学大学院精神保健学講座にて産業精神保健学を学ぶ。
精神科産業医として、大規模液晶工場、エンジニアリング事務所、精神科病院などでの経験を積み、現在は千葉大学医学部附属病院産業医。
また、厚生労働省での勤務歴を生かし、行政的観点からの産業保健体制の見直しや職場のコンサルティングも得意とする。(独)千葉県産業保健総合支援センターでの研修など講師歴多数。

相談イメージ

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