小児科専門医の取得方法


小児科専門医とは

公益社団法人日本小児科学会の認定する小児科専門医とは、医師免許と必要な学会会員歴を有したうえで、所定の卒後研修を修了し、専門医試験(筆記と症例要約評価、面接試験)を合格した者が「小児科専門医」と認定されます。
日本小児科学会によると、小児科医の志望者数は2012年から年間500~700人程度で推移しています。日本専門医機構による専門医制度の移行に対しても、柔軟に対応できており
研修内容が地域医療に配慮されているため、今後も二次医療圏など小児科専門医の活躍の場所は多くあると思われます。

小児科専門医のサブスペシャリティー

小児科医特有の関連するサブスペシャリティー領域として「周産期専門医」があります。他の基本領域の医師と比較して周産期専門医の場合は、小児科専門医研修中から積極的に新生児症例を経験することが可能です。小児科専門医と比べて周産期専門医は実質不足しているため、サブスペシャリティーとして周産期専門医も取得しておくことで、日本専門医機構の今後の動向次第では給料や待遇などインセンティブ面でも有利に働くのではないでしょうか?

受験資格

医師の資格を持ち、受験年度に2年間の初期臨床研修を終了後、学会の指定した研修施設において3年以上の小児科専門医研修を修了、もしくは終了見込みであることが必要です。更に研修期間のうち延べ6ヶ月以上を研修支援施設で研修を行うことも要綱に含まれています。

学会の会員歴に関しては引き続いて3年以上、もしくは通算で5年以上が小児科専門医の資格取得要件となっています。

提出書類

提出書類に関しては年度毎に異なるため、学会ホームページ上で必ず最新の情報をご確認ください。
概要としては
①受験出願書 ②研修修了証明書 ③症例要約指導証明書 ④症例要約チェックリスト
⑤症例要約 ⑥筆頭著者としての論文 ⑥臨床研修手帳 ⑦臨床研修終了登録書
となっています。最新の様式に関しては学会ホームページ上からダウンロード可能となっていますので、前年度の様式をお持ちの方も改めてダウンロードが必要です。

受験料

受験料として30000円を指定された口座へ納入しなければなりません。合格者は小児科専門医の登録申請書に20000円を添えて学会に提出することで、小児科専門医の認定証が交付されます。
認定の更新に関しては、更新料として20000円が必要です。

試験概要と審査の方法

① 症例要約の評価
試験運営委員会が定めた各分野にわたる30症例についての要約の提出が求められます。症例に関しては委員会が提示する10領域の各分野の疾患群に異なる疾患で少なくとも2症例を含むことが必要となっています。領域に関しては学会ホームページ上よりご確認ください。
② 筆記試験
多肢選択式の問題で「小児科医の到達目標」に準拠した範囲から120題出題されます。設問には画像所見や血液データによる診断などが含まれ、一般問題が80題、症例問題が40題で小児科医として熟知が必要なレベルで出題されます。過去の試験問題の一部は学会ホームページの会員専用ページで閲覧が可能です。
③ 面接試験
面接試験委員により、ご自身が提出した30症例の中から2症例について試問が行われます。
担当は小児科の臨床経験10年以上の小児科専門医2名で、小児科学の知識を評価されると共に、担当した症例について診断の根拠や問題解決の能力、患者家族への対応、症例に関する救急の観点なども問われます。

専門医資格の更新について

専門医資格の認定期間は5年間と定められています。資格更新の為には認定期間5年間の間に中央資格認定委員会の研修単位の加算により、研修単位100単位以上(うち50単位以上は基本単位)を取得しなければなりません。
小児科学会の小児科専門医の資格も予定では2020年度から新専門医制度へ移行されます。従来の旧制度と異なる点は「診療実績」の証明が必須となった点です。診療実績の証明としては認定期間の5年間において携わった100症例を報告することで証明できます。また基本領域専門医が共通して受講する、医療安全講習会、感染対策講習会、医療倫理講習会など必修単位があるため、更新をお考えの方は学会ホームページで詳細をご確認ください。

学会ホームページ

公益社団法人 日本小児科学会

※本記事は2018年10月時点のものです。詳細は学会のホームページをご参照ください。

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